誰かの推しを殺す話 作:no name
あと学生を卒業したってのもそう。
まぁ、執筆に気が向いたらまた次回の話書きますよ。
渦巻く炎の奔流に身を焼かれ、全身を真っ黒に焦がされた姿となったガブリエルが片膝を付いた。
「がッ……はァ……ッ! なんだ……その力は……ッ!」
爛れた喉から掠れた声が漏れる。
既に大狼形態は維持できなくなっており、獣人形態となり、体躯も人間大に戻っていた。
しかし戦意は失っていないのか、その眼光はいまだ荒々しい敵意が宿っている。
満身創痍といえ、そんな目をした相手に情けをかけたり正直に種明かしをするような人物はこの場には居ない。
もっとも、本人たちでさえ、今の主人公君に起きた現象は説明できないのだが。
「手前もこれで終わりって訳だ。最後まで手前の異能がなんだったのかわからなかったが、今はもう、どうでもいい話か」
「待ちなさい、尋問がまだよ」
【大滅尽】の能力によって放たれた冷気が火球をかき消し、そのまま氷の剣を彼の首筋に添えようとした。
しかし、その剣は一つの白い影が彼との間に挟まる事で動きを遮られた。
「あ、兄貴に手を出させるもんか!お前なんかに兄貴は渡さない!!!」
その狼人間は藍色に輝く毛色を持つ、少女の狼人間だった。
見る限り、その髪はガブリエルのように特殊な金属へと変質している訳でもなければ、肌は冷気に当てられてしもやけやあかぎれを起こし、その傷の治りも遅い。
間違っても戦闘に参加するような人間ではなく、また狼人間としても身体機能が高いようにも見えない。
「馬鹿がァ!なんで出てきた!」
「兄貴が危ないって言ったから!”兄貴が危ないって言うなら、兄貴も危ない”!だからボクは兄貴を守るんだ!」
「頭の悪い奴だなァオイ!手前に何が出来るってんだ引っ込んでろ!」
「ボクに出来る事は少ないよ、でも兄貴が言ったんじゃないか!―――ボクたちは
その言葉を皮切りに【大滅尽】の冷気に威圧されていた他の狼人間たちも、弾かれたように動き出す。
「親分を守れー!」
「貴様の相手は俺達だーー!」
銀の毛を持つ狼人間の群れが彼女らとの間に壁となり、少し手も自分たちの頭領へと及ぼす冷気を防ごうとするなかで、織姫は冷気を強く、恵は再び変身し、獅子音も鎧を展開しようとしたところで、両者の間に黒曜のように煌くナイフが刺さる。
―――と、両者ともどもに後方へと吹っ飛んだ。
「喧嘩はそこまでなのだ」
「わんちゃん達はさっさと帰るのです」
視線を上げると、そこには赤い髪の少女と、その対となるように同じ顔、同じ背丈の青い髪の少女が毅然と立っていた。
いいぞー、いい感じの登場シーンだ。
泥沼化しそうなところで颯爽と現れ謎の力で牽制する
かぁっこいいなー!本音を言えば、私が混ざりたかったところだけども、残念ながら私自身は決して強いとは言えない。それ故こうして後方腕組黒幕面するしかないのだけど。
ちなみに介入しなかったらそのままドンパチ始めるのかというと別にそうではなく、剣と鎧を展開した獅子音君が織姫たちの間に割って入り説得するという流れがある。
その後は見逃されるという形でガブ君は撤退するというわけだ。
そうしてこのチュートリアル戦闘は終了する。
「お前ら、一体……仲間、なのか?」
「ぜーんぜん? ドミニオンなんかとは関係ないのだ!」
「お父様に言われたからここに来ただけなのです、本当はわんちゃん達なんてどうでもいいのです」
「お父様……? なんだかよくわからんが、助かった。この恩は必ず返す! 手前ら聞いたな! 撤退だ!」
―――ウォォォォォォォオオオ!!
ガブリエルが大きく遠吠えをして走り出すと、周りの狼人間たちもそれに続いて一つの生物のように統率された動きで撤退していった。
「恩なんて感じなくていいのだ」
「どうせ、もう会う事はないのです」
「―――それで、結局貴方達は何者?」
「穏やかじゃねェってことはわかるぜ、異能犯罪者を逃がしたんだからよォ」
「……次から次へと、なにがなんだか……」
いやまぁ、獅子音君の困惑ももっともだよね。
ドミニオンからの襲撃そのものはおそらく、織姫あたりから警告されていたものの、突如として自分の異能の
いやほんと、ご苦労様です(他人事)。
「何者かだって、どう答えるのが良いのだ? マイナス」
「そういえば、お父様は名乗る事までは指示してないのです、プラス」
「なら、とりあえず組織名と異能名言えばいいと思うのだ、マイナス」
「それはいい考えなのです、プラス」
二人の少女は獅子音君達に向き直ると、右手と左手、片方ずつの手を差し伸べ、手招きするように丁寧に礼をする。
「「改めて、自己紹介なの(です)だ」」
「プラスは『
「同じく『
「「よろしくの挨拶はいらないの(です)だ」」