束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた 作:夢現図書館
『エストレヤ学院』
惑星型コロニー・エストレヤにある教育機関の中でも1番有名な学校であり第8層に位置している。その最大の特徴はその敷地の広さであった。
第8層のその全てがエストレヤ学院の敷地となっているが故に学院区画とも呼ばれており学院と言う名の一種の世界を形成している。
初等部、中等部、高等部を合わせると数万人以上が在籍していると言う並の過大規模校を超越したトンデモ学院と言える。
数万人以上の生徒が在籍している為にクラス分けの概念が無く、各自が求める科目を選択して受講する形式となっている。
それ故に生徒自身の自主性が重要になっており尚且つ、多種多様の種族が跋扈し合うが故にカオスも良い所の学院と言える。
「さて……此処に来るのも久し振りだな」
若菜とシノアはエストレヤ学院への入学猶予と言う名目もあるがそれ以前から『作戦』の名目で学院内に立ち入る事が多々あった為に顔パスで敷地内に入る事が出来た。
そして、眼前に聳え立つは金庫扉かと見紛う程に巨大な扉が鎮座している。学院内には様々な施設が乱立しているのだが……生徒によっては『職業』に適した施設が用意されている。
この先は『学院内研究棟』である。エストレヤ学院の中には研究、実験を生業にする生徒も大多数存在している為に学院区画内にも専門の施設を集めた区画が設けられている。
一応、上の階層には『総合医療区画』が、下の階層には『製造区画』が存在しているが……其方では憚れる内容の研究、実験が行われている。何故なら学院内で何か起こっても大体、何とかなるからである。
因みに研究棟の敷地は1箇所に付き凡そオーストラリアの国土と同じ位の広さがあり、徒歩だと回るだけでも軽く1週間以上は掛かる。
「取り敢えず先に
研究棟の金庫扉を開けて区画内へと進入する。冷房の効いた冷たい風が頬を伝い白を基調とした廊下が奥へと続き、青白い照明がこの空間を照らしている。如何にも研究所と言った雰囲気と匂いがこの先で広がっている。
「…………。正直な所、余りこの場所は好きじゃないのよね」
「逆に好きな奴は居るのかよ……」
ユリエが引き攣った顔でそう呟く理由は廊下を少し進めば嫌でも理解する事になる。
「いーーーやーーーー‼︎‼︎ むーーーーーりーーーーー‼︎ 其処はダメェェェェェェェェエエ‼︎ 誰かーーーーたーーーーすーーーーけーーーーてーーーー‼︎‼︎⁉︎」
「心頭滅却心を穏やかにすれば耐えられる、耐えられる‼︎ いや、ちょっと待ってやっぱり無理なモノは無理ィィィィィィィィィィィィ‼︎‼︎」
「流石に独創的なアイディアが欲しいとは口にしたけどこんな猟奇的なアイディアは専門外よォォォォ‼︎⁉︎」
「ふえ⁉︎ あ、ま、待って、待って下さいですっ‼︎ こ、心の準備が……や、や、嫌ァァァァ‼︎‼︎」
「あわわわわッ⁉︎ ま、待って下さい‼︎ この後の配達の仕事に支障が出ますので今日はこの辺で、この辺でお願いします‼︎ 何なら他の人達を配達、いえ速達で速攻で持って来ますから、それで手を打っちゃくれませんか⁉︎ ちょっと、聞いていますかぁ⁉︎ ねぇ、聞いてくださいってばぁあ‼︎⁉︎」
「ほえ?ここどこ? こ、こわいよ‼︎ ちゅうしゃ、ちゅうしゃやあぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎ やーーーだーーーー‼︎‼︎」
「あの子の身代わりになるわ‼︎ だから、あの子には手を出さないで‼︎ ……ど、如何して其処で目を逸らすの⁉︎ まさか⁉︎ 貴方達ィィィィィィィィ‼︎⁉︎」
「我らこそが王女殿下の盾となる第一の名誉‼︎ 王女殿下への信仰心が尽きぬ限り我らは何度でも……何度でも蘇る‼︎ ぬォォォォおおおお‼︎ 我らは生きて生還して見せますぞォォォォおおおお‼︎‼︎」
四方八方から聞こえてくる阿鼻叫喚を体現した悲鳴の数々。そう、エストレヤ学院では毎日、研究者気質の者が他の生徒を適当に拉致して人体実験を繰り返しているのである。酷い時にはエストレヤに来訪した観光客をも拉致してまで人体実験を敢行する始末。
平然と国際問題を引き起こす事に全くの躊躇を見せないのである(その為、エストレヤへ来訪する観光客に対して注意喚起+自己責任の説明を随時行われている)。
「……うわぁ。彼方此方から人体実験による悲鳴が聞こえてくるわね……」
この区画だけでも実験室が100部屋以上、存在している。毎日毎日、誰かしら人体実験を喰らっており、もはやトラウマや夢にも出て来そうな点が怖い所である。
電動ドリルの駆動音や明らかに人に向けちゃ行けないモノの稼働音を背景にその区画をそそくさと抜ける。見聞きするだけでも精神がゴリゴリ削られてしまいそうだからだ。
「……此処だな」
騒がしい区画を抜けた先、比較的大きな部屋割りとなっている区画の一角。とある研究室の扉の前に到達した。
「邪魔するぞ、
そして、思いっきり扉を蹴り付けて留め具を粉砕させてぶっ飛ばすと言う非常に荒っぽい入室の仕方を敢行。蹴り飛ばされた扉は水平にぶっ飛んで行き反対側の壁に深々と突き刺さった。
「邪魔すんなら帰れや、ハーレム王」
教室の2、3倍は有ろうかと思われる研究室の奥からぶっきらぼうな声が聞こえて来た。研究者と言うには少々、派手な格好をしていた。
雑に纏められた金色の髪はボサボサであり、その手の話には無頓着である事が分かる。黒縁の伊達眼鏡を掛けた耳には棘状の攻撃力がピカイチなピアスを幾つも付けていた。顔立ちは年相応な少女らしく綺麗なのだがその凶悪な人相で全てが台無しとなっていた。
研究者と言う清潔感のあるイメージをぶち壊しているにも関わらず白衣を羽織っており学院の腕章を右腕に着けていると言うアンバランスさを体現している。
レーキュ・リューネハイム・ツィオーネ。
このエストレヤ学院の生徒の1人で独断専行を是とする研究員である。そして、このエストレヤの支配者である『閣下』からエストレヤの国家予算の『2割』を『レーキュ予算』として好きに使って良いと言う権限を与えられている人物でもあった。閣下、絶対に人選を間違えています。
「ハーレム王て」
「あぁん? イカれ女共に囲まれてんだ。それをハーレム王と呼ばずに何と呼べや良いんだよ」
ギザギザの歯を見せながらレーキュは宣う。いやまぁ、側から見ればそう受け止められてもしょうがないと言えば全く持ってその通りなんだけど……。
「はいはい。顔を合わすなり売り言葉に買い言葉すんじゃないわよ。若菜、要件があるんでしょ?」
「お?何か面白い事でもあんのか? 人体実験の実験台提供の話ならいつでも良いぜ?」
レーキュはマッドサイエンティストだ。当然の如く、人体実験が大好きである。
「コイツの解析を頼むわ」
そう言い若菜は拡張領域内に放り込んでいたOVTの基幹装置をレーキュへと投げ渡す。ケーニヒスベルクに頼んだが畑違いとの事で失敗に終わったのだ。其処で1番確率が高いレーキュかウィキッドに頼む事になるが、若菜はレーキュに頼む事にした。理由は簡単、ウィキッドの場合だと相手するのが面倒な邪教徒が湧いてくるからだ。1人見かけたら10,000人は居ると思った方が良い。
「お?何だこりゃ……何かの基幹部か?」
「其処に納まっているデータの解凍、解析を頼むわ。暗号化されてて手に負えなくてな」
「フン、この私を指名たぁ良く分かってんじゃねぇか、ハーレム王」
投げ渡された基幹装置を片手で弄びながら悪辣な笑みを浮かべるレーキュ。見た目も悪人だが中身も充分、悪人である。それを外部から見て目を細める。
「大凡、何時間掛かりそうだ?或いは日か?」
「ハッ‼︎ 誰にモノ言ってんだぁ? 3時間で事足りるわ。其処らの凡人共と一緒にすんじゃねぇよ」
レーキュは天才だ。優れた機械工学における権威。1人でISを半日以内で完成させる事も造作も無いのだ。この程度、簡単な話であると宣った。
エストレヤの産業。
第一産業『人体実験』
第二産業『扉』
第三産業『惑星間貿易』
オリキャラの設定集とか必要?
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主にモデルやモチーフが知りたい
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予想が出来る為、必要無い