束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた   作:夢現図書館

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何故か悪寒がするのは気の所為か?

 

 

 

 

「以前、束博士からその関連の話があったと思えばそう言う事。良いよ、やってあげるよ」

 

 いや、合同特別授業とか聞いていたけど、ソレをマジでする気かよ……。

 

「ISコア・ネットワークを介してコアの自我の意識領域に接続する。個人の意識を同調機能とナノマシンの信号伝達をによりISコアの深層意識が存在する意識領域の電脳空間へと仮想可視化して進入……。俗に言う電脳ダイブよ」

 

 スラスラと説明するも誰も理解が及んでいない模様。

 

「……えっと、その電脳ダイブはアラスカ条約で規制」

 

「知った事じゃないわ。開発者を除け者にして制定された利権塗れのくだらない条約なぞ興味は無いわ。イヤならこの授業自体、破綻するわね?」

 

 真耶が苦言を呈するも伽羅はそう吐き捨てる。その威圧感に真耶は気圧されて沈黙させられてしまった。

 

「異論が無いようならば、続けるわね。若菜、シノア、フィウ」

 

「何です?」

「はい」

「はい」

 

「3人はソフトウェア優先処理モードに移行して待機していてちょうだい。恐らく彼女達は自力でコアの深層意識へ飛び込むのは難しいでしょうから」

 

「「「了解」」」

 

 外見上では変化は見られないが、当人達は自身の専用機を部分展開無いしシステム面を呼び出して待機する。1組の生徒達は専用機が見られると考えていたがそんな甘い話は無かった。

 

「それじゃあ、早速始めましょう。順番は適当で構わないから、好きな機体に乗りなさい。流石に処理能力に限界があるから、1度に3人までよ」

 

 その時、誰が最初にやるか揉めたが千冬の一喝で出席番号順で行う事になった。先ずは1組の3人から始める事となった。

 

「さて、準備は良いかしら?」

 

「は、はい‼︎」

「制服の上から搭乗なんて、緊張する……‼︎」

「……どんな性格をしているんだろう……?」

 

 1組の生徒達はやや緊張していた。何せ眉唾物のコアの意識といざ対面する事になるのだ。どんな性格をしているのか、分からないからだ。

 

「此処から先は若菜。貴方に説明して貰うわ。若菜が1番、理解しているでしょうから」

 

「了解です、伽羅さん」

 

 伽羅からバトンを渡されて若菜は了解の意を示して一歩前に出て『打鉄』や『ラファール・リヴァイヴ』に搭乗している3人の生徒達の前に出る。

 

「さて……」

 

 えーと?コレまた、面倒臭いのを選んだな。まぁ、外見上じゃあ分からないのだから無理も無いな。

 クレイヴやナイトメア……んで、トゥレスパス……。あれ?生還出来る見込み無くね? どう考えてもこの連中じゃ、あのイカれ軍団の気を引くのは難しいぞ……。まぁ、本人が選んだ以上、何も言うまいが、心停止に追い込まれるのはマズいな。

 

「今から電脳ダイブをする訳だが……。仮想可視化される各ISコアの意識領域は其々の自我意識による願望が反映された空間となっている。

 その領域ではそのコアの意識が思い描いた姿……俺は意識体と呼んでいるが、その姿を持って存在している」

 

「人の姿とは限らないって事?」

 

 生徒の1人がそう質問する。

 

「まぁ、そうなるな。ただ、俺から言える事はたかがISコアだと思わず誠意を持って接するように。そうとしか言えん」

 

 そうでないと破壊(・・)される事となる。既にコア意識の中には明確な敵意を抱いている者も居るのだからな。

 

 その後、3人は意識をコアの深層、意識領域へと沈んで行った。後は当人達の問題でありどの様な結末を辿るかは本人の意思次第である。

 

「ッ⁉︎はぁ、はぁ……⁉︎」

「……え?」

「……い、⁉︎ あ、あれ?」

 

 と、思っていた矢先に3人の生徒達の意識が現実に引き戻された。だが、その表情は焦燥を帯びており、まるで恐怖から逃げるかの様に機体から降りた。

 

『ま、概ね予想通りの結果になったな。精神崩壊しなかっただけマシか』

 

 流石に此処でソレはヤバすぎるから、気に入らなかったら追い出せって直前に伝えておいたわ。如何考えでも精神をボコボコに砕きかねない連中ばっかりだからな。

 

「お前達、如何だった?」

 

 千冬はコア意識と接触した感想を3人の生徒達に対して訊ねる。

 

「え、えっと……何かスライムみたいなのが降って来て……終わりです」

 

「羽の生えた時計が見えた瞬間、真っ暗になって……気付いたら現実に戻っていました」

 

「……蛸の足が見えた瞬間、終わりました」

 

 何とも言えない結果に終わったらしい。会話らしい会話は出来なかったらしい。その結果に千冬は頭を抱えた。スライム、時計、蛸の足……うん、理解不能だ。

 

「……篠崎。如何言う事だ?」

 

「そのまんまでしょう。コア達と対峙するには当人達の意志が弱過ぎただけでは? 浮ついた意識ではコア意識も相手にしませんからね」

 

「よ、弱過ぎる……」

 

 容赦ない言葉に凹む生徒。つまる所、ISコアの自我意識は自分達を見ていないと言う事であった。

 

「……まぁ要するに『顔洗って出直せ』って門前払いを喰らわされたんだろうよ。その理由は説明しねぇぞ?」

 

 この結果は予想出来た事だからだ。その後も1組の他の生徒達も他の機体を選ぶなりして深層意識への接続に挑戦するも悉く門前払いを喰らう形で誰1人として対話に漕ぎ着けた者は居なかった。

 

「あ、あはは……。み、見事に全滅ですね」

 

 その光景を見て真耶はぎこちない笑みを浮かべざるを得なかった。優秀と言うのはIS学園基準の選考倍率を潜り抜けて合格出来たと言う意味でしかない。その者達がISコアの意識と同調出来るとは限らないのだ。

 

「…………。1組の生徒達は現時点ではダメなのか。ならば次は8組の生徒達に試して貰おうか」

 

 千冬はこの散々たる結果を受け止めつつ、次はメイド服に身を包んだ8組の生徒達が試す様に促す。束と通じている伽羅先生。その束の子供である若菜とシノアが在籍する異端クラス。

 また異なる結果が生まれその差異を把握したい思惑を孕んでいた。

 

「……ふむ、成程。分かった」

 

 そのタイミングで若菜は配置されている量産型を見て納得したかのようにそう呟いた。

 

「篠崎、如何した?」

 

「簡単な事だ。何()かのコアから1度、話をしたいとご指名されている者が居る。

 時間が限られる上に信念を持って訓練に臨んでいる以上、邪魔立ては不粋と捉えているそうだからな。

 それに、コアと同調するには如何しても時間がかかる上に前回と同じ機体に乗れるとは限らない。この機を逃すのは愚の骨頂と言うのが向こう側の主張だ」

 

 つーか、あのコープスが死体以外に興味を持つとか天変地異の前触れか?え、黙れ? サイですか。と言うか意外と君らも8組の面々に対して興味を持っていたとはな……。

 え?伽羅さんの教育の賜物だろう、と? そう考えるとあの人の指導力はスゲェな。

 

「「「えぇえええええええ‼︎⁉︎」」」

 

 音響兵器かと見紛う勢いの絶叫が響き渡った。時々、廊下にも響き渡る生の叫声か。いや、目の当たりにしても全く嬉しくは無いのだが。

 

「嘘でしょ⁉︎ 私達は門前払いを喰らったのに、如何して⁉︎」

「私達と同じなのに……何でコアの方から打診されるの?」

「……嘘でしょ。8組にはコアの方から話をしたいだなんて……私達は眼中に無しって事……?」

「一体、何が違うって言うのよ……?」

 

 外野が五月蝿くボヤいているが、若菜も伽羅も無視する事にした。あの手の連中は相手するだけ時間の無駄であるからだ。

 後、貴様らゴミ虫共と彼女達を同列に扱うな。虫唾が走るんだよ、カス共が。

 

「「「ッ⁉︎」」」

 

 その時、不平不満を囁いていた1組の生徒達は何かの恐怖を感じて強制的に黙らされたかの様に沈黙した。千冬は動いていないにも関わらずに、だ。

 

「……若菜。組み合わせを提示してちょうだい。そのセッティングで深層意識に突入して貰うわ」

 

 空気が凍っている中でも伽羅は平然と若菜にそう促す。片方はお通夜同然なのに、もう片方は平常運転である。

 まぁ、極限状況に放り込まれるわ、若菜の『兇星』の脅威に晒されると言った常軌を逸する環境に身を置いている為にこの程度で動ずる必要は無いのだ。

 

「うん。組み合わせは把握したよ。此方はシノアとフィウの2人に補佐をやって貰うから、その間若菜は先の織斑先生の言っていた専用機持ちの方を宜しく。まぁ……結果は予想出来るんじゃないかな?」

 

 結果も何も、1人はマジモンの引き篭もりで、もう片方は。

 

『お兄様。ちょっと、お邪魔致しますわ』

 

 現在進行形で俺の脳内に押し掛けて来ているわ。もう、コレは完全に会話する気ゼロだろうな……。然も脳内で優雅に紅茶を飲んでるし……。

 

「取り敢えず、了解しました」

 

 伽羅にとっては専用機持ちの件に関してはついでの感覚だろう。若菜としても結果は見えている為に、無駄骨が分かり切っているが……直にやって理解して貰わねば納得は出来まい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あのさぁ。主張は分かるけど、邪教の集会所みたいに思われるから止めろ☆」

 

「我々は王女殿下の護衛です。決して怪しいモノではありません‼︎ 王女殿下の東西南北前後左右天上天下の警備を影からしております故に、決して束博士の邪魔は致さない事を此処に誓約します」

 

「第169司教。報告です。先程、王女殿下の悪影響を及ぼしかねない女を数名、目撃。即座に洗脳し我が『ウィキ姫を愛でる会』の麾下に加えました。新たな布教先への尖兵となるでしょう」

 

「……その主張はその怪しさ100%の黒覆面と黒マントを剥いでから宣えよ。眼光が赫いから余計にヤバさが際立つんだよ。後、サラッと洗脳するな。オマエらの方が明らかにウィキ姫ちゃんにとって悪影響だろ」

 

「ご安心ください、束博士。全次元、全宇宙の知的生命体が『ウィキ姫を愛でる会』によって征服された暁には真の平和が訪れます。愚かな主義主張は須く塵芥となる事でしょう」

 

「そんなんだから邪教徒と言われてんだろ。と言うかこんな悪の組織も真っ青な連中がどうして平然と野放しにされているのか、束さんは理解に苦しむよ……」

 

「第169司教。経過報告です。四国と呼ばれる地域の布教は順調であり、約40%は我らが『ウィキ姫を愛でる会』の支配下となりました」

 

「報告御苦労。引き続き活動を続けたまえ」

 

「いや、マジでオマエら何やってんの?」

 

「四国と呼ばれる地域を我が『ウィキ姫を愛でる会』の地球への布教活動拠点にと目論んでおります。聞けば地球は女尊男卑とか言う社会基盤を蝕む病魔が巣食っていると聞き及んでいます。ならば、我らが浄化してご覧にいれましょう」

 

「何方がマシかと聞かれると本気で返答に悩む問題を提示されるのは勘弁して欲しいんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

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