束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた 作:夢現図書館
8組の面々がISコアとの対話を試みる中。若菜は1組の専用機持ちこと、織斑 一夏とセシリア・オルコットの元へ向かった。
「おう、若菜。宜しくなッ‼︎」
相変わらず爽やかな笑みを浮かべる織斑……。と言うかそんなに仲が良かったっけな? まぁ、良い。……ただ、君らが臨む結果にはならないのだがな。
「……所で叔母上は何故此方に?」
それよりも気になったのは
「……その呼び名は止めてくれ。あらぬ誤解を招く」
「……誤解も何も事実だと思うのですが。まぁ、良いでしょう」
改める気は更々無かった。事実上、叔母に当たるのは言うまでも無いからだ。
「やり方は先程の量産型機体と概ね変わらない。パスに関しては此方で構築する。対話の邪魔するつもりは無い」
「おう、分かったぜ」
「分かりましたわ」
結果だけ語ろう。2人とも会話に持ち込む事は出来なかった。そりゃあ、片方はコア意識自体が人の脳内に邪魔しに来ているしもう片方は絶賛、引き篭もり中。別々の理由で対話が成り立たない。
「……如何してなんだ?」
「ブルー・ティアーズも反応しませんでしたわ……。見えたのは大嵐の海原の光景だけでした」
「セシリアはそうだったのか?俺の場合は何にも見えなかったぞ……?」
「……結果的に1組の面々は誰1人として対話が成立した者は居ないと言う訳か」
一夏とセシリアの対話への挑戦を見届けた千冬が声を掛けてくる。8組の方ではまだ意識が現実に戻って来ていない為に順番待ちの状態が続いている。1組だと平均が6秒くらいだと言うのに既に5分は経過している。
「……オルコットは付き合いが長い筈なのに対話すらも拒まれているのか」
『レーザー兵器よりも火薬の方が好みなんですよね……。全く……手出し出来ない事を良い事にレディに対して教養が足りませんでした』
理由がソレかい……。まぁ、意識によっては趣味嗜好はバラバラだしな。オルコットのレーザーやビット兵器はお気に召さなかった様だな。
「……篠崎。お前ならば織斑の『白式』のコアと対話する事が出来るのでは無いか?」
『白式』の以前のコアはアルセーヌに奪取された為に倉持技研が他に所有していた他のコアで代用した情報は掴んでいる。
「いや、無理」
千冬の質問に若菜は即答でそう答えた。
「コアにも性格や好みがあるのは知っているだろう?中には当然、難物な者も居ても不思議では無い」
「……難物?お前でも手に焼くような奴なのか?」
「難物も難物。少なくとも俺が知っているコア意識の中で1番、関係構築に
『あろう』と言う表現は希望的観測に過ぎない。あのコアは誰とも繋がりを求めていない。まぁ……あんな扱いをされてしまっては歪むのも已むを得ない。此処では敢えて言わない。
「え、ま、マジなのかよ……⁉︎」
「……其処はまぁ今後の好き合い方次第としか言えない。後は自分達で何とかするんだな」
因みに特別授業の半分以上は8組生徒によるISコアの対話の時間に費やされたのだった。1組の生徒達の反応とは正反対に殆どが好印象と言う結果に終わった。中にはコアの方が『悩んでいる』と言う意見も見られた。
となれば『アレ』が完成すればある程度、解決するやも知れない。……だが、まだ別の謎が残る事になるのだが、今は考えても仕方あるまい。
「それで? 俺1人だけ呼び出した理由は何なんです?シグルドリーヴァ殿」
「良い加減、改める気は無いんだな……」
1組と8組の合同授業終了後、若菜は千冬に呼び出されていた。他の者には介入させたくない内容なのやも知れない。
「まぁ、あの束の子供だ。義理とは言え多かれ少なかれ似て行くモノだろう。本題に入る。先の件、『VTシステム』を搭載したと言う3組担任なのだが」
3組担任。クレイヴ達が言うにはOVTシステムを機体に組み込んだ実行犯との事。
「我々が3組の担任教師を身柄を押さえようとしたのだが……私が彼女の元に向かった時には既に事切れていた」
「ほう?」
「正確には頭部だけが弾け飛んで首無し死体と化していたんだ。その為、意図、元手、バックの組織の存在に至るまで全てが迷宮入りだ。
VTシステムを個人で手に入れると言うのは難しい筈だからな。何かしらの組織が裏で噛んでいると考えていたが……分からず終いだ」
『……或いは
いや、その時に死んでおいた方が良かったと思える事態が迫って来ているか一概に言えんだろう。姫姉と伽羅さんが何か企んでいるからな。
『……かもな。死ねる時に死ねれたのならば、然程悪い死に様では無いだろうな』
「……一応、3組には前任者の死は伏せて一身上の都合で退職した旨を説明し別の教師が担当する事になった」
「まぁ、その話を俺が聞いても然程メリットはありませんね。『ああ、そうか』と言う感想しか出ませんね。分からず終い?分かった事があるじゃないですか」
「何が言いたい?」
「……今回の件を企てた存在は『捨て駒』への抵抗は無い事です。作戦の成否問わず参加者は始末する……そんな所でしょう」
実際の所、この件を仕組んだ奴の目論見はほぼほぼ達成されたと見て良い。ただ、工作員を始末した点に関してはまだ情報精査が必要か。
「……非効率的じゃないのか? 軍隊の一兵士を養成するのに莫大な金が掛かると言うのに成功したとしても処分するなど……‼︎」
「推測上でしか無いが……掃いて捨てる程、駒が余っているのでは? 女尊男卑の情勢であるが故に、男よりも女の方が頭数が多いんだしその癖、女尊男卑やIS至上主義の弊害で無能が浮き彫りになり易いのでは尚更でしょう」
暴論甚だしいと言えよう。使えないと判断された人材は危険な作戦、或いは使い捨て前提の作戦に投入して消費する。人件費もそうだが食費も馬鹿にならない。ならば、使い潰すが合理的な判断と言えるだろう。
「……!」
「何度か母上から言われてません?『IS学園の9割以上が無能である』と。最も世間一般の認識と母上の認識には乖離甚だしい為に一概に合致するとは言いませんが……現実問題、ほぼほぼドロップアウトしている人間が多いのもまた事実」
反論させる暇を与えない。与える理由は無い。
「……憎愛と言うのは反比例するモノだ。何らかの形で『復讐』をしたくなる人間が現れても可笑しく無いでしょう。往々にしてそう言う人間は
「……。まさか……⁉︎」
「実行者側と首謀者側の利害一致。そして双方との繋がりも希薄。実行者側は死ぬ理由も得られる、首謀者側も身バレの可能性も極力低下する。Win-Winな取引と言えるでしょうね」
『ソレ』は昨今に増加傾向にある現象とも言えた。如何に世界最強と言えどその存在を御し切るのは難しいと言える。
「……未知の敵に怯えるのは勝手ですが、もっと性質の悪い存在を考慮した方が宜しいかと。シグルドリーヴァ殿も私達も決して他人事ではありません。その時、どう