束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた 作:夢現図書館
唐突にクラス代表対抗トーナメントの余興の一環として開催が予告された『
『良いのか、我が息子』
問題ない。問題なのは誰に頼むのか、だ。
『よう兄弟‼︎ 俺と一緒に行こうぜッ‼︎ 兄弟ならば何処までも行けるだろ?』
いや、決まったわ。
『即決だな⁉︎』
織斑が『正義』を翳すならば此方も『聖犠』を持って対するのが礼儀と言うだろう? これ以上に無い人選だ。
『流石、兄弟。分かってるじゃねぇかッ‼︎』
『……時々我が息子の『選択』が間違っている時が感じるな……。本当に暑苦しいんだよな』
『ハッハッハッ‼︎‼︎ 細かい事は気にするなッ‼︎』
脳内が騒がしくなった所で、第1アリーナのIS 保管庫兼整備室の大広間への扉を開ける。以前、1組と合同授業を行った場所である。この保管庫からピットや選手控室へと直通の通路が伸びていると言う構造となっている。
「あ、篠崎さん。何故、此処に?」
先程、観客席へと向かった筈の若菜の姿を見て久里は驚いた顔を見せる。専用機持ち以外は準備時間中に自分が搭乗する機体を選ぶ事になっていた。……8組以外は全部一緒と言う認識だろうが。
「先程のアナウンスは聞いたか?諸事情でな、先に織斑をボコる事になった」
「あー、何か流れていましたね……。と言う事は篠崎さんも?」
「ああ、俺も試しておきたい。可能ならば今後の行動の幅も広がるだろうからな」
『我が息子。雑談はその辺にしておけ』
時間が押していたな。さて、お前は何処だ?
『おう‼︎ 此処だ、兄弟‼︎ 左から8番目の機体名『ラファール・リヴァイヴ』だぜッ‼︎』
若菜は制服のままラファール・リヴァイヴに乗り込む。だが、腕部等の必要のない箇所は全てパージして拡張領域内に放り込んでおく。
「前々から思ってはいましたがISスーツとか着ないんですね」
「要らないからな。ほんじゃ行ってくるわ」
「あ、私の分を残しておいて下さいよ?」
「そりゃあ、アイツの頑張り次第だろ」
通路を通過してピット内へと到着する。其処では先回りしていた伽羅が待っていた。カタパルトに脚部にセットして待機状態に移行すると、伽羅が声を掛けてきた。
「若菜。私から言える事は何も無いわ。ただ、余り遊び過ぎないように『定期考査』の予定があるから」
この試合自体、伽羅にとっては誤算である。故に余り遊び過ぎるなと言っているのだ。
「その『定期考査』で俺らは?」
「……高所での狙撃支援をして貰うわ。最近、ご無沙汰だったでしょう?」
「成程、了解しました」
『間も無く、『
「入場可能のアナウンスが出たわ。さぁ、格の差と言うものを分からさせてあげなさい」
その言葉を背後にカタパルトが作動して第1アリーナへの上空へと射出された。暗いピット内から眩い蒼穹が広がる世界へと飛び込んだ為に一気に明るくなる。
『おーおー、奴さんが沢山いやがるぜ』
第1アリーナの上空。其処ではひと足先に到着していた再造された『白式』を纏う織斑 一夏が空中で静止して待っていた。予備パーツで組み上げられた為に見てくれは本来の『白式』と同じの様だ。ただ違うのは『零落白夜』を失った事だ。その手にあるのは光の輝きを失った『雪片弐型』だ。
「わ、若菜。お前……専用機があるって。後、なんで制服のままなんだよ……?」
「束博士から許可は降りる訳無いだろ?まぁ、退屈させねぇから安心しろや。スーツが必要な程柔じゃねぇって意味だ」
一夏の言葉は恐らく観客席の人間達の代弁と言えるだろう。殆どの連中は若菜の専用機が目当てだったからだ。そう簡単に見せてやる道理は無い。
「……織斑 一夏」
「ん?なんだ……ッ⁉︎」
若菜は其処で『宵咲』を展開するや否や、分割して十字状に構えつつ『宣戦布告』する。
「小便は済ませたか?姉貴へのお祈りは? 残骸と化した『白式』の裏でガタガタ震えて命乞いする心の準備は
『我が息子、だんだん悪役っぽくなって来たな……』
悪どい笑みを浮かべながら若菜はそう宣言した。もはや悪人や魔王かと思う様な顔をしていた。
「『ディストーション』。お前の『
『おう、待っていたぜ‼︎ この時をよぉ‼︎』
「「「⁉︎」」」
OTシステム、起動。その直後、若菜の纏う『ラファール・リヴァイヴ』が眩く赫く煌めき若菜ごと膨大な光に包まれた。その眩いまでの光量を前に誰もが目を覆い直視する事は叶わない。
『ま、まさか量産機が二次移行だと⁉︎ 然も任意でだと⁉︎』
管制塔から千冬の驚愕の声が放送越しで聞こえてくる。そりゃ酷い言い草じゃねぇか。量産機だとか専用機だとか、テメェらが勝手に作った括りだろーが。
『俺が、いいや俺達が、『正義』だッ‼︎』
光が一際、強く煌めいたかと思った時にその光量は徐々に弱まり、一夏は覆っていた視界を開いて正面を見やる。
『ラファール・リヴァイヴ』の姿は消え失せていた。代わりに巨大な砲門の様な非固定ウィングスラスター、『撃砲翼』が展開され、多数の銃口や砲門が連なっている。更には周囲にはハンドキャノンがビット兵器の如く旋回し浮遊している。
そして若菜本人には頭にバイクゴーグルを引っ掛け、パーカーを羽織ると言う変化が起きていた。脚部装甲も消滅しており、装甲と呼べる物は殆ど見受けられない。
唯一変化していないのは鋏を思わせる双剣だけであった。
「な、なんだ?何が起こった……?」
「ラファールが、全く違う機体に変化した……⁉︎」
「篠ノ之束のみ知る。裏コードなのか……⁉︎」
「量産機のコアが搭乗者に対して最適化し急速に自己進化させたとでも言うのか……⁉︎ そ、そんな事が可能なのか……⁉︎」
来賓席から驚愕に染まった声が上がって行く。当然だろう、こんな現状は初の事例であるからだ。
「……さて、織斑。お前さんは『皆を守る』とか言っていたそうだな。まるで『正義の味方』だな」
「あ、ああ‼︎ 俺はこの力で皆を守るって決めたんだ‼︎」
「成程、ならば気が済むまでやってみるが良い」
一夏の言葉に若菜は否定はしない。寧ろその背中を押してやった。『気が済むまでやれば良い』、と。
「お、おう……」
「……だが、それは理由なき力だ。そんな力ほど危ういものはないぞ。その結果を見届ける覚悟があるならば振るうが良いさ」
『誰かを守ると言う事は誰かを殺さねばならない。そして1人で守れる人間の数なんて知れているモノだ』
若菜はそう忠告し『宵咲』を連結して閉じて構えて撃砲翼を後ろに向けて一夏へと改めて向き直す。戦前話は終わったと悟った一夏も『雪片弐型』を構え直す。
『『
タイミングを見計らっていたのかこのタイミングで試合開始を告げるアナウンスが響き渡った。
若菜はやたらと翼を武装にしたがる。
戦闘中のシーン。作者が書いている時の楽曲とか知りたい?
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知りたい
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予想が付くので不要