束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた   作:夢現図書館

13 / 146
トクダネを察知‼︎

 

 

 

 『惑星型コロニー・エストレヤ』

 

 地球人相当の感覚だと月の1.5倍程の大きさを誇る惑星型の中型規模のコロニー。

 1番外側であり物流・入星区画である第1層以外は生活者の精神衛生上の観点から、各階層の裏側に備わっている全天モニターには時間に応じて、青空や夕暮と言った空の情景が映し出されている。

 全13階層に渡る層が連なる形で重なっており、各階層とは無数とも呼べる大小数々の軌道エレベーターで連結されていると言う構造である。主な主要産業は貿易と観光業となっており、他の惑星国家から多種多様の種族が移住目的、観光や営業の目的で日夜訪れ非常に賑わっている。

 

 各階層ごとに主要区画が決められており、第1層はエストレヤから出入りする貿易品や人員の為の物流・入星の星港区画。

 地球で言えば空港に相当する区域が、地上全体に広がっていると考えて差し支えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 惑星型コロニー・エストレヤ。

 第1層666番星港。

 

『やれやれ、ベルファストが駆け付けてくれなければ、いずれは宇宙でミイラになっていたぞ。其処の点、反省したまえよ。我が息子』

 

「はいはい。分かっていますよ、ガイア」

 

 666番星港の到着ロビーを背伸びしながら若菜は歩いて行く。エストレヤは全階層で重力が発生しており、尚且つ動植物の存在から酸素と言った大気が存在している為、ISが無くても活動可能である。

 

『はいは一回だ。全く……‼︎』

 

 到着ロビーの外側の壁や天井を覆う強化窓ガラスの外にはコロニーの外の宇宙空間が広がっており、星港へと寄港する航宙艦や航宙船の群。その他に見えるのは寄港する航宙船の誘導や停泊中の船の整備と言った作業に従事するISを纏った男性職員の姿が見えた。

 他にも星港付近に発生したスペースデブリの回収業務に携わっているISを纏った民間業者の姿も見受けられる。

 地球と違い此方では男性でも普通にISに搭乗出来、適応出来る業務に携わっている。

 

「あ、いたいた。おーい‼︎」

 

『おい、我が息子。呼んでいるぞ?』

 

 窓ガラスから見える宇宙空間を横目に見つつ、到着ロビーを歩いていると前方から声が聞こえて来た。シノアに近い声質だが、少し違う。

 視線を前方へと向けると其処には金髪の少女が片手を振っているのが見え、小気味良い跫音を立てながら此方に近付いて来た。片側にモノクルを付け、ハンチング帽を被っているのが分かる。後、ファッションセンスが些か過激だと思うのは自分だけか?

 

「やぁ、久しぶり。3ヶ月前の絶対天敵の連合撃滅作戦以来かな?」

 

「ああ、そうだな。シャルロット。その様子だと他の面々も息災そうで何よりだ」

 

 シャルロット・リーベンフラヴ・デュノア

 エストレヤにある『エストレヤ学院』の学生(新聞部)兼とある報道機関に勤める記者。名前が長い為に専ら、シャルロットかミドルネームのリーベンフラヴと呼ばれている。

 

「何故俺が666番星港(ここ)に到着したと分かった?」

 

「ふふん、ボクの情報網を侮っては困るね! キミは何時も事ある毎に何かしらトラブルに巻き込まれる体質だし、キミに張り込んでおけば絶対、トクダネに辿り着けるからね。

 エストレヤ上層部に専用のパイプを作るのは大変だったけど、作った甲斐があったよ。それでつい先程、キミが666番星港に到着したと、羽黒さんから連絡を貰って飛んで来た」

 

 飛んで来た。

 それは文字通り、ISで飛んで来たと言う意味だろう。束がエストレヤや他の惑星国家に齎したISの存在によりIS専用の空路も整備されている。彼女のISは重装備だが機動力は充分備わっており仮にエストレヤの反対側からでもルート次第では到達する事は可能だろう。

 流石は記者、行動指針がISにも備わっている。

 

「あの鳥か魚か分からん奴め……口が軽いぞ」

 

 シャルロットに情報を提供した何時も良く分からない表情を浮かべている羽娘の顔を浮かべて嘆息した。

 

『業務の一環だろ。それくらい、彼女は信用に足る存在だと認識しているのだろうさ』

 

 星港のロビーを抜けて其の儘、軌道エレベーターの 1つに乗り込む。向かう先は第6層、居住区。第6層では学校の他に企業が集結し、エストレヤの殆どが第6層に居住している。

 軌道エレベーターの内部から外の風景が見受けられる。ポツポツと天高く聳える筒状のモノが見えるのは全て軌道エレベーターだ。第6層の上層である第5層、第4層は有翼(・・)種の為に広大な大空が広がっている。

 現在、第4層の区域を通過中の為、外に見える光景は軌道エレベーターと雲海位である

 

「んで、張り込むのは結構だが、そんなに面白いネタは無ぇぞ?」

 

「そうかな? 実は面白いネタは、今あるんでしょ?」

 

 エレベーター内でシャルロットが確信めいた面持ちでメモ帳と万年筆を片手に若菜にそう質問をして来た。

 

「……新種の絶対天敵に襲われた」

 

「それはトクダネだね‼︎ その話とその経緯を詳しく‼︎」

 

 若菜が観念してそう切り出すと目を輝かせながら更に一歩、踏み込み上目遣いで覗き込んで来た。

 

『全く……我が息子よ。最近、デレデレし過ぎやしないかい? いつの日か、核弾頭をぶち込まれやしないか、心配になるな」

 

 あのー、ガイアさん。脳内から圧を掛けないでくれませんかね?

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。