束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた   作:夢現図書館

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実験し放題♪ 世は正にパラダイスだね〜♪

 

 

 

 篠ノ之家本家からの帰省の連絡。

 それは束の両親……ではなく、その親。束から見れば祖母に当たる人物からの連絡とも言えた。

 

「……まぁさかこのタイミングで『顔を見せに来い』だなんてね〜(ーωー)」

 

 『上泉』の航海の途中、千葉県の束の家でユリエとフィーリリア、クロエを拾って其の儘、篠ノ之本家がある宮城県仙台湾へと向かっている。

 

「いや、このタイミングだからこそ、かな」

 

 束は嘆息する。

 束が『インフィニット・ストラトス』を世に発表したお陰で政府が『重要人物保護プログラム』なる制度を制定して篠ノ之一家は強制的に離散する羽目になった。

 箒は先手を打った政府により日本各地を盥回しにされて中学生時代は荒んでいた(ある意味で束の琴線に触れていた)。

 父親、柳韻はこれ以上の政府の狼藉を許せず行方不明になる前に、妻にして束と箒の母親、銓を実家である篠ノ之本家に返していた。

 

「……でも、束さんとわーくん達を連れて来いってのは分かるけど、きゃららんの生徒達も連れて来いってのが解せないなぁ」

 

 解せないのは8組の面々も同伴せよ、と言う事である。若菜達の家庭教師である伽羅まではギリギリ分かるのだが、8組の面々に関しては完全に赤の他人。

 それに加えて姫舞やレーキュ達の存在も把握されていた。レーキュに至っては今日、来星したにも関わらず、把握されていた。

 一体、何処まで把握しているのやら……。とんでもない諜報能力だと今更ながら恐れを抱く。

 

「…………うーん。今は考えても仕方ないなぁ。篠ノ之家当主の考えは束さんでも読めないし」

 

 本家に着けば自ずと分かるだろう。少なくとも今、考えても仕方ないと言えた。

 

 

 

 

 

 『上泉』の居住区。そのリビングに該当する場所にて、途中乗艦したユリエ、フィーリリア、クロエと若菜、シノア。束の子供達は顔を合わせて話をしていた。

 

「まさか、急に本家から帰省しろと言う連絡が入ってくるとはな……」

 

「全くね。こんなにも唐突に連絡が来る事なんてあったかしら?」

 

「リリアさんの記憶が正しければ、過去に1回……あったと思うんスよね」

 

「まさか大祖母様が危篤になられたのでは……⁉︎」

 

「……確か束様のお祖母様はご高齢。否定は出来ません」

 

 束の祖母。そしてその束の養子であるクロエ、若菜、シノア、ユリエ、フィーリリアにとって義理の曾祖母にして篠ノ之家当主、篠ノ之 咫。

 自分達を呼び出した人物は彼女以外あり得ないだろう。

 

「んでもって……黒糖達も連れて来いと言う内容が気になるんだよな……。

 シノアの言う『危篤の可能性』ならば、部外者を招く理由はねぇ筈。

 それならば篠ノ之 箒(叔母上)篠ノ之 柳韻(祖父上)に連絡を入れる筈……それが無いとは、コレは如何に……?」

 

 呼び出されたのは束とその子供達。そして伽羅以下の8組の面々。他は居合わせる形となった姫舞、レーキュ、ケーニヒスベルク。

 正直な所、てんで纏まりの無い連中である。

 

「全く別の理由かも知れないっスねぇ。1回しか行った事が無いんで、何とも言えないんスけど」

 

 篠ノ之神社の総本山は仙台にある。

 篠ノ之箒と篠ノ之束が生まれた篠ノ之神社は分社に当たり、『重要人物保護プログラム』で一家離散の憂き目にあったとしても束の叔母が管理してくれていると言う。

 

「…………コレばかりは直接目にしない限り答えは出なさそうだ」

 

 結局、言葉を交わしても明確な推測すら立たなかった。本家に着けば分かるのだろうが何故だろう……とても嫌な予感しかしない。そう、胸騒ぎと言うか虫の知らせと言うべき内容の予感が。

 

「若菜にとっては眼福なんじゃない? 私達は巫女装束を身に纏うでしょうし。好きでしょ?巫女服」

 

 ユリエが揶揄い混じりにそう言ってきた。記憶が朧げではあったが篠ノ之本家では純和風の趣……その上に広大な境内を持つ神社、道場もあった。

 

「……巫女装束。久し振りに羽織るなぁ♪」

 

「まぁ、否定はしないけどさ。と言うか伽羅さんも似たような事を言ってきたな……」

 

 似合う似合わないはさておき、篠ノ之本家ならば普段着が和装になるのは至極自然と言えた。伽羅さんの趣味もついでに発生するので、8組の面々を巻き込んだのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……⁉︎ その、お手柔らかにお願いしたいんですが⁉︎ ひ、ひぃ⁉︎ 無理です、それで穴を開けるつもりなんですか⁉︎誰か止めてくださぁぁぁぁい‼︎」

 

 久里の悲鳴から始まり。

 

「……成程。コレが試練と言うモノですか。コレを乗り越えなければ無意味である、と。分かりました……乗り越えて見せます。篠崎さんと同じ世界に行く為に……‼︎」

 

 永世が何処かズレた意気込みをし。

 

「嫌やァァァァアアアア‼︎ そんなケッタイなモン、見せんといてやァァァァアアアア‼︎⁉︎ いーーーやーーー‼︎ 誰か、助けてぇぇえええなァァァァアアアア‼︎‼︎」

 

「やだやだやだやーーーーだーーーーー‼︎ 天才でも無理なモノはむーーーりーーーーー‼︎‼︎

たーすーけーてーーーーー‼︎‼︎」

 

 淡姫と蜜羽が盛大な悲鳴を上げ。

 

「……ほほう、忍者たる者、拷問の類は問題………ありますあります‼︎ 流石に萌葱でも苦手なものはあるでござりまするぅゥゥゥゥゥゥ‼︎⁉︎」

 

 萌葱は修行の一環と受け止めようとしたがやっぱり無理だった。

 

「ハッ、やるなら好きにするが良いさ。後でキッチリお礼をしてやる……え? 四肢切断してから実験フルコース?ちょっと待て、何をする、う、うわァァァァァァァ‼︎⁉︎ 鬼かお前らァァァァァァァアアアア」

 

 紫苑には特別コースが実施される模様。

 

「尸狼さんはバレない……ふぇ⁉︎ 何で見つかっているんですかぁ⁉︎ ちょ、ちょっと待って‼︎ 話し合い、少し話し合いましょう⁉︎」

 

 気配が薄く姿が見えないので回避出来ると思っていたがあっさり発見されて実験室に連れ去られた尸狼。

 

「ふぇぇええええ‼︎⁉︎ こ、怖い‼︎ 誰か、誰か蕨を助けてェェェェ‼︎‼︎ ぴぃやァァァァアアアアアアアア‼︎‼︎」

 

 何かと臆病な蕨が助けを求めていた。しかし、助けが現れる事は無かった。

 

「…………。心を無にしても、視界に映る器具の数々が現実に引き戻して来ますね……‼︎ え?全部、全部使う……?ま、待って下さい⁉︎ か、考え直しては⁉︎ え、は、話を聞いて下さい⁉︎」

 

 燐芽は対話を求めたが華麗にスルーされた。

 

 仙台湾へ向かう途中。『上泉』の艦内実験室にて8組の生徒達に対する『防腐処理』に関する人体実験が随時行われていた。

 勿論、拒否権なぞ何処にも無く、姫舞の拡張領域を介しての随意召喚で実験室へ引き摺り込まれて其の儘、実験されるに至り彼女達の阿鼻叫喚の悲鳴が響き渡るのであった。

 

 

 

 

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