束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた   作:夢現図書館

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敷地広過ぎるのも考えものだろうに

 

 

 

 第8層、学院区画。

 エストレヤ学院総合中央区正面玄関前。

 

 

 『エストレヤ学院』

 惑星型コロニー・エストレヤにある教育機関の中でも1番有名な学校であり第8層に位置している。その最大の特徴はその敷地の広さであった。

 第8層のその全てがエストレヤ学院の敷地となっているが故に学院区画とも呼ばれており学院と言う名の一種の世界を形成している。

 初等部、中等部、高等部を合わせると数万人以上が在籍していると言う並の過大規模校を超越したトンデモ学院と言える。

 数万人以上の生徒が在籍している為にクラス分けの概念が無く、各自が求める科目を選択して受講する形式となっている。……それ故に生徒自身の自主性が重要になっており尚且つ、多種多様の種族が跋扈し合うが故にカオスも良い所の学院と言える。

 

 

「にゃはは〜。此処は何時来ても広いね〜」

 

「半ば惑星全体が学院だと言われても遜色無い広さでしょうよ」

 

 視界に見える建物のその全てがエストレヤ学院の校舎や関連建物である。多種多様の生徒が集まる都合上、闇鍋並の建物が乱立している。

 

「まぁ、コレだけ広いと部活も同じ名前で複数存在する事になるわね。もう、何が何だか分からなくなる事も多いけど」

 

「その辺は実際に転入した時にでも頼む。部外者が長居しても仕方ないでしょう。母上、早く行きましょう」

 

「部外者って……絶対天敵の撃滅作戦の時に何回か来ているでしょ。職員の8割方に顔を知られてるでしょうが」

 

「それでもだ。あの時は参加者と言う枠組で来校していたが今は違うだろ」

 

「はぁ、若菜さんはそう言う所が面倒臭いんスよ。律儀と言うか融通が利かないと言うか……」

 

「事実だろ……」

 

『そう言う所だぞ、我が息子よ』

 

 現実的な事を言っているのにどうして非難されなければならないのだろうか?

 

 

「ようこそエストレヤ学院へ……あ、篠ノ之博士‼︎」

 

 中央区正面玄関に併設されている学院中央区事務所の窓口にて、受付の職員が束の顔を見るなりそう反応した。束の存在がこの全くの別次元の宇宙でも広く知られている。その為、末端と言えど名前と顔は知れ渡っていると言っても良いだろう。

 

「にゃはは〜、束さん。有名人だね〜(´∀`*)」

 

「母上……つまらない冗談は程々にして下さい」

 

 後頭部を描きながら照れる束。地球上で尚且つ人前では絶対にしないであろう態度だ。

 

「其方の子は…………あ、3ヶ月程前に撃滅作戦で通称《エリちゃん砲4562号》を鈍器代わりにして絶対天敵と殴り合いに興じていたエースストライカーの篠崎君ですね。あの後、かの国の女王陛下から大量の抗議文が認められて来ましたが」

 

「どんな覚えられ方してんですか、俺」

 

 本当にどんな覚えられ方だ。

 

「そんな突拍子も無いアホみたいな真似をするからでしょ。シャルロットの記事にも大々的に書かれてたでしょ」

 

「ソレ初耳なんだけど⁉︎ その記事、俺は目を通して無いんだが⁉︎ 後、エースなのも初耳だぞ⁉︎」

 

「え、そうでしょ?昨年で若菜君が1番、大型以上の絶対天敵を討伐してたじゃない」

 

「え?そうなのか?」

 

「……若菜さん。裁縫師の貴方が情報弱者がマズいっスよ」

 

 やいのやいのと又しても何かと言われる。

 

「さて、場も和んだ所で「和んでねぇよ、寧ろ針の筵だよ‼︎」ご用件は何でしょう? 篠ノ之博士」

 

 若菜の抗議を華麗にスルーした事務員は束に向き直り要件を訊ねる。

 

「えーと、わーくん達の編入猶予の申し込みに来ました〜」

 

「編入……ああ、入学猶予ですね」

 

「うん。篠崎 若菜と兎篠 シノアと嵐篠 ユリエと篠使 フィーリリアの4人」

 

 束は入学猶予の該当者の名前を告げる。

 

「では、此方の用紙に必要事項をご記入下さい」

 

 紙媒体の用紙を渡されて若菜達は近くの記入机にて埋められる範囲で必要事項を埋めて行く。

 

「猶予だけど、予定よりも早く来ても良いのよ? 其方の方が絶対に楽しいから‼︎」

 

「予定を前倒しにするって事は予期せぬ事態に直面したと言う意味になるんだがな……」

 

 手錠でお互い繋がれている為に藍里が全く遠慮の無い形で身体を密着させて顔を寄せてくる。あの〜、少しくらい羞恥心を持って頂きたいのですが? その、精神的に余裕が削れていきます。

 

「わーくん、書けた〜?」

 

「あ、はい。母上、どうぞ」

 

 書類を束に渡して纏めて事務員へと渡す。

 

「はい。確かに預かりました。入学猶予となりますので、予定の繰上げ等がありましたらご連絡下さい」

 

 猶予なので実際に編入する時に必要なモノは譲渡される事になる。予期せぬ事態が生じなければ……いいや、起こりそうだ。こんな事を言い出すならば、もっと以前から言い出す筈。

 つまり、束は半ば確信していて先手を打ち退路を確保したと言う事である。

 

「……そろそろ帰ろっか。元々、日帰りの予定だったし。クーちゃん達のお土産も買ったしね」

 

 要件を済ませた為、束一行は軌道エレベーターで第1層の星港にて、停泊していた航宙艦に乗り地球へと帰星した。

 その直後に、予期していた予期せぬ事態が舞い込んでくる事を露とも知らず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「IS学園の解体……だと⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

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