束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた   作:夢現図書館

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誰だ、あんな奴を注文したのは⁉︎

 

 

 

 

 IS学園は初日から授業が行われる。

 理由は簡単で国立である以上、IS学科と言う特殊性を省けば概ね公立校の標準的なカリキュラムに準拠するからである。

 簡単に言えば一般科目+IS学科(座学+実技)と言う科目構成の為、授業時間の確保の面からカツカツなのである。

 

 IS学科ばかりに目を向けて居る余裕も無いし一般科目との授業速度と両立せねばならない。最も初日と言うだけあってか、事前に配布されていたと言う参考書等の内容の復習程度に留まっている。最も、若菜達を始め束から見ればその参考書が役に立つ事と言えばIS関連の主要名詞くらいなモノとの事。

 

 それ以外は全くと言って良い程に役に立たないと断言していた。敢えて言うならば飛行機に持ち込める即応鈍器。言葉よりも暴力が勝ると言うのか。

 その参考書を編纂、執筆した人は多分、泣くぞ。物理攻撃力しか役に立たないと言われれば。

 

 

 

 

「校区内の構造は粗方見て回れたね。時々、良く分からないオブジェが見えたけど……藍里じゃないから価値が分からないな……」

 

「……エストレア学院程ではありませんがそれなりに広いですね」

 

「惑星丸々学院みたいな、エストレアと比べりゃ形無しも良い所だろ……」

 

 午前中の授業を終えてお昼頃。

 若菜、シノア、フィウはIS学園内を自らの足で構造等の確認を兼ねて見て回って居た。本校舎以外にも複数のISの実技等で使われるアリーナや、IS学園シンボルタワーのあるアリーナ等がある様である。

 

「……あ、若菜君。IS学園だと何処かしらの部活に参加しなきゃ行けないって聞いてる?」

 

 そうでなくても非常に数が少ない男子(そもそも男性自体、減少傾向の一途を辿っているが)生徒に興味を抱く頭にラフレシアが咲き誇っている女性生徒は多いかも知れない。

 

「部員が3人以上、かつ顧問が揃えば創部は可能だろ? 母上はその事も考慮していたんだろ」

 

 若菜、シノア、フィウ。部長は自分がやるとして顧問教師は伽羅に頼めば条件を満たせる。

 エストレアでも部活動は盛んではあるのだが、理解し難い変な部が山程ある。

 『ウィキ姫を愛でる会』って何なんだ? アレはもはや部活の範疇じゃなくてもはや邪教徒の支部だろ。アイツら統率力ヤバすぎるんだよ。

 

「……何部にするのですか?」

 

「裁縫部で良いだろう。昨日、藍里からデザイン案が送られて来たからな。他にも製作依頼が来ているから、趣味と実益を兼ねておく。

 空き教室の候補も見つけたし、部費絡みも此方で用意出来るから空き教室の確保以外、特に問題あるまい」

 

 定時制高校に通って居た時も若菜は家庭科部に参加して居た。……最も時間的都合で半ば幽霊部員に近かったが。

 

「成程。部員増員の必要がありませんしね。良い案です♪」

 

「……はい、それで行きましょう」

 

 シノアとフィウも同意する。

 そう言う訳で、3人揃って職員室に突撃し創部申請を行った。職員室には他の教師も居たが探して居た伽羅も居たので、その場で書類に必要事項を記入し即座に提出した。

 伽羅も若菜の行動を先読みしていた為、職員室で待って居たらしく創部手続はスムーズに終わった。部室は部活棟の今は使われて居ない空き教室を使う事に決まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ツー、ツ、ツー、ツ、ツー、 ツ、ツー、ツ、ツー、ツ、 ツー、ツ、ツー、ツ、 ツ、ツー、ツ、ツー、ツ、 ツ、ツ、ツ、ツー、 ツ、ツ、 ツ、ツ、ツー、ツ、ツー、  

 ツ、ツー、ツー、ツ、 ツ、ツ、ツ、ツー、 ツー、ツー、ツー、』

 

 昼休みを終えて、8組の教室に戻るとその様な電子音が響いて居た。最初から聞いてみると、区切りがある秒間では5秒程、終了時には10秒程の間を開けてから再び再生されていた。

 その奇妙な電子音を聞いてか8組の他の生徒達は気味悪がっている様子を隠さない。まぁ、突然この様な音が断続的に再生されては不気味に思うのは無理らしからぬ事だろう。

 

「成程」

 

「成程……」

 

「そう言う事か、なら決まりだな」

 

 若菜達はその電子音の正体には気付いていた。少々、難しいかも知れないがコレくらいは理解せねばならないだろう。

 

「え、えっと……貴方達、あの音が分かるの?」

 

 合点の言った若菜達を見て1人の女子生徒が訊ねて来た。

 

「まぁな。ただ、その理由までは分からんがな」

 

 恐らくではあるのだが、それが前提であると言うメッセージだ。数秒経過した時、電子音が完全に途絶えたタイミングで伽羅が8組の教室へと入って来た。伽羅の姿が見えた途端、生徒達は一斉に自分の席へと着席する。

 言葉を介さずとも理解する。それは恐怖か、或いは本能か。

 

「さてと、明日。オリエンテーションを行う事にするわね。参加者は当然、8組のみよ」

 

 伽羅は早速、独自の教育方針を打ち出しその説明を始めた。8組は他のクラスとは異なるやり方を行うとは既に説明されている。

 

「せ、先生。オリエンテーションって何をするんですか?」

 

「最初にバラしちゃあ楽しくないでしょ? 当日になってからのお楽しみよ。……こーら、若菜。何その『楽しみの意味が違う』とでも言いたげな口は」

 

 実際にそうだろ。貴方の言う楽しみと彼女らの言う楽しみは意味が異なるのだから。

 

「……そうね。敢えて言うなら今日はちゃんと食事して充分な睡眠を取る事。じゃないと楽しくて寝れなく(・・・・)なっちゃうわよ?

 そう言う事で、今日は午後の授業は無し。自由時間とします」

 

 あろう事か伽羅は初日の午後は授業は行わないと言い切ったのだ。ある意味、中々凄い暴挙を打ち出して来た。

 

「あ。若菜。この後、ケーニヒスベルクから『お話』があるそうよ。忘れずに行きなさい。貴方は何時も遅刻するけど、遅刻したら身の保障は出来ないわよ?」

 

「ゲッ⁉︎」

 

『ゲッ⁉︎ わ、我が息子よ。骨はちゃんと回収してやるからな……‼︎』

 

 あの人も来てんのかよ⁉︎ とガイアと揃って愕然とする。と言うかガイアよ、自分の娘だろ。

 

「……若菜さん。ご武運を」

 

 隣からフィウが心情を察したのか、そんなエールが送られた。そんなモンよりも素直にヘンゼル製薬の胃薬を渡してくれた方が何倍も心強かった。

 

「はい。そう言う訳で今日は解散。言っておくけど8組は今日の授業は終わりだけど他のクラスは授業中だから邪魔はしないように」

 

 伽羅はそう言い残した後、教室から出て行き予想とは全く異なる状況に困惑していた生徒達は徐々に理解して、思い思いの行動を取り始めた。

 

「……全く、気が進まないがケーニヒスベルクの所に向かうか」

 

 真面目に気乗りしない……。如何してあの手の連中はやたらと人体実験をしたがるのだろうか?

 

『全くだ。現在地は今現在、使われていない第6アリーナに滞在しているみたいだ。我が母は条件付きとは言え、徹底的に外部接触を遮断したいようだな』

 

 騒ぎになると動き辛くなる。既に外界では大騒ぎだろうが、少しでも動き易くなるのは有り難い所である。

 

「……若菜さん、お供します」

 

「フィウ。余程の事が無ければ私達は一緒に行動する事になってるの」

 

「はい。その通りです」

 

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