束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた   作:夢現図書館

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全く、世界は今日も騒がしいな

 

 

 

「……随分とまぁ、遅かったじゃないか。もう、来ないかと思っていたぞ。まったく……。この埋め合わせはしっかりして貰うぞ?」

 

 顔を合わせるなりその少女か、ジト目でそんな非難沁みた言葉をぶつけられた。乳白色の癖毛だらけの髪を靡かせ、首から『がいあ』と拙い筆跡で書かれた名札を下げた少女だ。

 彼女こそ原初のIS、始まりのインフィニット・ストラトスである。その姿は人間の少女と全く以って遜色無い。

 全てのISコアには自我があるが、その意識は表面に出て来る事は殆ど無い。その話を信じている者も殆ど居ない。

 だが、オーバーテクノロジーに更なるオーバーテクノロジーを重ねる事で、人の姿を象り明確な自我を確立させた存在へと昇華する事に成功した……その第1号が原初のISことガイアである。

 

「……学期末の考査とかで皆、忙しかったんだよ」

 

「ふん、それくらい分かっている。それでも、もっとボクに構え、褒めろ、甘やかせ‼︎ 後、愚痴の1つくらい言わせたまえよ。我が息子よ」

 

 原初のISであるが故にガイアはそれ以外のISを娘や息子(主に若菜を始めとした束の子供)と呼んでいる。見た目的な問題でかなりシュールな光景ではあるが、若菜は慣れた。

 

「……地球上じゃ春休みの頃合になれば此方にも顔を出せるよ」

 

 彼女の光背に広がる天蓋の様なガラスの窓には広大な宇宙空間と共に生命を育んだ青い地球(・・)が浮かんでいる。

 無論、此処は地球の地上の何処でも無い。

 此処は地球の軌道上に浮かぶ人工衛星型小型コロニー、『ラビットコロニー』。完全ステルスを搭載しており地上から発見する事は困難を極める。『ラビット・ラボラトリー』が地上の活動拠点ならば、『ラビットコロニー』は宇宙進出への中継地点(・・・・)だ。

 ガイアはこのラビットコロニーの管理をする役目を担っている。

 

「エストレヤからはごく一般的な定期連絡だけだったぞ。絶対天敵の巣を爆破するような緊急案件は無かったな」

 

 にへへ〜みたいな顔でガイアはそう告げる。そう言う表情を浮かべる所は束とそっくりだ。

 

「そうか。地球上の暦だと色んな意味でドタバタするから、このタイミングで緊急の仕事が入ってくるのは勘弁願いたかったからな。

 流石に定時制と言えど出席日数が足らなくて落第なんて、笑えない展開だからな」

 

「別に地球上の学校生活に拘る必要は無かろう? 翼を棍棒の様に振り回す事しか出来ない愚かな人間と首を揃える理由を、ボクには理解しかねるな」

 

 本当……そう言う所が束とそっくりだ。

 いや、彼女はインフィニット・ストラトスそのものな存在であるが故に、至上命題を穢す地球人に対して悪感情しか抱かないのだろう。始まりの存在であるが故に後に生まれたIS達の不憫な姿を見て思う所があるのであろう。

 

「仮に落第を食らってもエストレヤに学校があるし、その他の惑星国家にも学校はあるだろ? ボクとしてはその者達の方が話が分かるだろう? 学園生活と両立は可能な体制を整えているし、地球人の様な足を引っ張って芽を潰す愚か者は少ないだろう?」

 

「……理数系は兎も角、それ以外の分野が見事に全滅するんだよ。それに、母上の判断で俺達が全員、高等教育を卒業するまでは拠点は地球にすると決めているんだよ。……母上は他の人間を愚かだの何だの言っているが、ギリギリまで猶予を設けるつもりみたいなんでな」

 

 束は身内以外は態度こそ辛辣ではあるが、一応の情けは掛けているつもりである。でなければ、今すぐにでも全てのISコアと共に太陽系外の……何万光年以上、離れた……それこそ別の銀河系に位置する文明へと活動拠点を移しても可笑しくはなかった。

 それでも、今更未練が無いにも関わらず未だに地球上に拠点を設けているのは束が若菜達の情操教育上の観点から副次的に猶予を設けているに他ならない。

 

「そうか。我が母の判断ならば仕方あるまい。しかし、エストレヤの社長兼大総統は何時ごろになるかと喧しい。ボクは連絡係じゃないんだぞ。其処の所、分かっているのか? 我が息子よ」

 

「好きにやらせろと返しておいてくれ」

 

「だから、ボクは連絡係じゃないと何度も言っているだろ‼︎ それで、エストレヤに行くのか?」

 

「いや、母上から放置し過ぎて拗ねてないか、様子を見て来てくれと言われてな……」

 

「じーーー……。あんまり蔑ろにされると、拗ねるぞ。すーねーるーぞー? 後、次元間跳躍を使わせないぞ」

 

 ジト目+頬を膨らませている。いや、拗ねてるじゃないか。

 

「分かった分かった。時間を作って見に来てやるから」

 

「いや、それだけじゃ納得出来ないぞ〜。ならばこうしよう、キミの脳内に直接、ボクの意識を同居させよう。喜びたまえよ♪ 脳内に美少女が同居するんだ、コレほど歓喜する事は無いだろう」

 

「……サラッとえげつない真似されようとしていないか⁉︎ 俺‼︎」

 

「何、安心したまえ。人体実験の10や50、誤差の範囲だろう。絶対天敵との戦闘の兼ね合いから、キミらの身体は既に別件的なオーバーテクノロジーで死に難いんだ。今更、脳をちょいと弄った所で何も問題あるまい」

 

「その数は誤差の範囲として収めていい数字じゃねぇよ‼︎」

 

「……と言うのは冗談だ。何だ、本気にしていたのか? ウイな奴だな」

 

「とても、冗談には聞こえなかったぞ……」

 

 具体的には目が本気と書いてマジだった。

 

「本音を言えばキミのインフィニット・ストラトスとの相互通信をしたい所なんだが……地球上ではライセンス制の都合上、そうも行かないのが実情なんだよ」

 

 ISライセンスには大まかに分けると3種類に分けられる。国内ライセンスと国際ライセンス。そして、特別ライセンスの3つ。

 特別ライセンスは若菜達だけの特例的なライセンスではあるのだが、諸事情により地球上でISを使用する事は禁じられている。

 

「作戦中は公開通信と秘匿通信はしているだろ」

 

「……それ以外は放置気味なのが納得行かないのだよ。全く……愚かな地球人共め。過ぎたる技術と言うのはこうもチンパンジー並みの知能に退化させるのか……嘆かわしい限りだな」

 

「……インフィニット・ストラトスに哀れまれる人類が不憫で仕方ねぇよ」

 

「ボクは事実しか言っていないぞ」

 

「さて、元気そうなのが分かったから、地上に戻るな。先も言った通り、時間が出来たらコッチに来るよ」

 

「そうか、また長時間放ったらかしにしたら、抗議として其処ら辺の人工衛星を落とすからな」

 

「……割と真面目にシャレにならない脅しを受けているな、俺‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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