束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた   作:夢現図書館

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問題児ばっか……え? 問題児以外見た事無い、だと⁉︎

 

 

 世間ではゴールデンウィークで祝日であろうが教職員は休みでは無い。こと、IS学園の教師も平日とは言えず、それが学年主任である織斑 千冬となれば尚更であった。

 

「束……。篠ノ之博士が本当にそう言ったのですか?」

 

 千冬は今、談話室を使用して政府からの個人的な通信経路による通話をして居た。内容が内容であり、他言出来る相手は限られている話題であった、

 

『はい。篠ノ之博士は『徐々にIS適性値が減少して行っている』、と。我々はIS……そのコアに嫌われているとも言われました』

 

「…………」

 

 IS……正確にはその根幹となる『ISコア』には、自我、意識が存在すると言われている。コアの1つ1つに意識があり、性格も存在すれば好き嫌いも存在している。まるで人間の様に、千差万別十人十色……。故にISに対する時は人格を尊重して接するのが大切だと言われている。

 そのISコアと完全に同調した時、ISは二次移行が可能となる為、専用機持ちともなればより重要な要素となる。

 

 だが、その『ISコア』との対話は愚か、その意識を認識する事もままならない。その声を聞いた、と言う操縦者はごく僅かであり尚且つ第三者が証明する術も無いのが実情である。

 かく言う千冬自身も聞いた事が無い為、本当に実在する話なのかと疑問を抱く。

 

 ただ、束は冗談でもそんな事は言わない。

 

 故に、束が告げたその話は恐らく『真実』であろう。そして、IS適性の定義も束が決めている。以前、束と言葉を交わした時、愛想を尽かすか否かギリギリの所で踏み留まっているとも聞いた。

 

『……仮にISライセンス試験を突破したとしても適性値を喪えば無意味と化すかも知れません』

 

 IS学園の存亡が掛かっている中でこの話は頭が痛い……ライセンス制度の対策に加えてIS適性値の問題も藪から棒の如く割り込んで来た。

 

「適性値は訓練を通して上昇する事はありますが……。ISコアの意識から悪感情を抱かれている為に……時間の経過と共に低下して行くのは初耳です」

 

 そもそも今迄、その様な現象が発生した事が無い。たが、束が言うのだからそうなのだろう。

 

『……織斑さんがそう言うのであれば、そうなのでしょう。現に篠ノ之博士以外でISの事を精通しているのは織斑さん位ですからね。勿論、此の儘の指を咥えて見ている訳には行きません。何らかの形で対策を取らねばなりません』

 

「対策……ですか。ISコアの対話を介して理解の確認し合う……と言う案が浮かびました。能動的に行なう手段は束が知っている筈です」

 

 口にした所、正直に言えば夢物語である。自分自身も専用機と対話が成立した事は愚か、声を聞いた事も無い。

 

『ただ……我々では篠ノ之博士は取り合ってはくれません。篠ノ之博士の友人である織斑さんから説得願えませんか?』

 

「…………分かりました。私の言葉で首を縦に振るかはどうかは確証は出来ませんがやってみましょう」

 

 何かしら手を打たねば、在学中に適性を失い泣く泣く自主退学を迫られる生徒も現れかねない。それだけは阻止せねば……。ただでさえ、ライセンス取得の条件がある為に頭数は多い方が良いのは言うまでも無いからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『で?又しても束さんに泣き付いて来たって訳?』

 

「ああ、身も蓋も無い言い方をすればその通りだ」

 

 政府との通話を終えた後、千冬は直ぐに束相手に連絡を取った。時間帯にして束一家は今、夕飯の時間帯の様である。家族……と言うか娘から『食事中に通話とは行儀が悪い』と言われてしまっていた。

 

「……束。IS学園にある量産機に搭載されているISコアとの対話は可能か?」

 

 前置を捨てて本題へと切り込んだ。IS学園で専ら使用される学園配備の量産機のISコアが1番、生徒達が触れられるISである。

 流石に全てのISコアとの対話は難しい為、先ずはそのコア達との対話を通じて相互理解を図るのが得策と言えるだろう。

 1つでも理解を得る事が出来ればISコア・ネットワークを通じて他のコアの意識からも理解を得る事が出来るかも知れないからだ。

 

『……キミ達の様な女尊男卑主義者共が、あの子達を御し切れると思っているのかな?』

 

「何……?」

 

『其処、驚く所? アクセサリー気分で扱われちゃそりゃあ、あの子達も機嫌を悪くするよ』

 

 アクセサリー気分。認めたくは無いが、現実問題……大半のIS操縦者を志望する者達はISの事をファッションやアクセサリーと言った認識を持っているのは言うまでも無い。

 

「……だが、全員が全員そうとは限らない。中にはちゃんとした意識を持って臨んでいる者も」

 

『その結果は? 努力は必ず報われるとは限らないし、幾ら意識を高めてもミスマッチ(・・・・・)しちゃあ、意味が無いでしょ?』

 

 束は残酷な現実を語る。能力があろうと努力しようと必ず報われるとは限らない。努力は裏切らないとは言うが……中には裏切られる努力も一定数存在するのである。

 

『お前らさぁ……ISの適性値を理由に入学させる制度を作ってるけどさぁ、当人がやる気にならなきゃ何方にとっても不幸だろ? 努力?意識? その方向性を間違えちゃダメだろうが』

 

「……高い適性値を持つ者は狙われ易い。だからしっかりとした教育が必要になるんだ。本人の身を守る為にも」

 

『言い訳にしか聞こえねぇよ。ライセンス制度で今やIS学園の配属機体以外は、ライセンス保持者以外に搭乗する事は出来ねぇよ。

 自覚が無けりゃちーちゃんが言う『危険』に遭遇するリスクは早々訪れないだろ?』

 

「束。それは持つ者が言う理論だ」

 

『知らぬが仏、だろ? 話を戻すけどさぁ、仮にあの子達と対話してどうするの?』

 

「……。言葉が交わされなければお互いの事は理解出来ないだろう。先ずは其処から始める。余りにも遅過ぎる気もするのだが」

 

『……ふぅん。ちーちゃん、その判断に後悔しない?』

 

「……後悔、だと?」

 

『……IS学園の配属機体のISコアの意識、即ち人格は……とても我が強いよ?』

 

「束が其処まで言うのか……?」

 

『やり方はきゃららんに教えておくよ。覚悟があるなら挑むと良いよ』

 

 束はそう言い残して通話が切れた。

 

「覚悟があるのならば、か」

 

 どの道、問題は山積みである。ライセンス試験しかり適性値減衰しかり……今は出来る事を試さねばならない。

 

「取り敢えず出来るだけやってみよう。束はきゃららん? 名前的に……天瓦先生か。その人にやり方を教えておく、と言って居たな」

 

 幸い今はゴールデンウィークの期間中。何処かしらで接触を図る事が出来る筈だ。正直な所、あの人は取っ付き辛い相手だ……しかし、束と親交がある事も事実。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『兄者よ。その唐揚げとやらを喰らおうでは無いか。我は血肉に飢えておる』

 

『野菜を選ぶ事が正しい理なのです。其処の骨達磨の言葉に耳を貸す必要はありません』

 

『どっちもたべたぁあィな』

 

『魚よね?』『魚だわ』

 

『……甘露煮。彼岸の匂い』

 

『目の前の躯は使い道が無い。兄よ、手頃な首を落としに行かぬか?』

 

「……………」

 

 一言で言おう……。お前ら全員黙れ‼︎ 人の脳内に湧いて早々、騒ぐんじゃねぇよ⁉︎ 人の頭ん中でメチャクチャ騒ぎ立てるな‼︎ もの凄く頭が痛くなってくんだよ‼︎

 

『……『白式』のコアについてIS学園の量産機のコア達の内、何人かを相談相手として呼んだは良いが……まさか明らかに問題児ばかり揃って居たのは想定外だったな』

 

 ほぼ全員、人の話聞かねぇ奴ばっかじゃねぇか⁉︎ しかもケーニヒスベルクと夕張と同類な奴も居るし‼︎ 何なんだよこの面子‼︎

 

「……若菜君。頭を抑えてどうしたの?」

 

「あー、済まん。頭痛薬をくれないか?」

 

 会議すんなら別の場所でやってくれや……。毎回、人の頭中で騒がれるのか?勘弁して欲しい。

 

「弟くん、頭痛いの?それじゃあ」

 

「姫姉のじゃなくて、地球の市販品の奴」

 

 姫姉の奴は身体の中でどんな化学変化が起こるか想像したくない。その果てに実験室に引き摺り込まれたくない。と言うか姫姉がさも当たり前のように我が家の食卓の席に着いている事については全力でスルーさせて貰おう。

 

「がーん……Σ(゚д゚lll)」

 

「頭痛いのなら、明日は寝てなさいよ。また無茶やらかして医療(ごうもん)室送りになっても知らないわよ?」

 

「心配要らないわ、ただの知恵熱よ」

 

「……伽羅センセーは相変わらずスパルタっスねぇ」

 

 

 

 

 

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