束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた 作:夢現図書館
「幾ら何でも多過ぎない⁉︎ お母様が
「……ユリエさん。記憶力があったらこんなヒッデェ有様になって無いっスよ……‼︎」
ISライセンスの試験内容の筆記試験の採点、技能試験の様子を見ての採点、そして面接結果による評点。
本来ならばその作業の為に膨大な時間を有する筈なのだが、現状を見る限り最早、シュレッダーに掛け、送られて来た電子データを削除する作業と言っても良かった。
若菜とシノアが手伝っている中、遅れて別々の学校から帰って来た嵐篠 ユリエと篠使 フィーリリアは内容の酷さに辟易しながら手伝いに参加した。
「……もう、シュレッダーじゃなくてガス代節約する為に薪代の代わりにした方が良くないか? 志望動機なんかも『女性としての当然の事』だとか、言われてもはぁ?としか思えねぇんだけど」
「『専用機が欲しいから資格を取りたい』って清々しい理由もありましたね」
机の近くにシュレッダーに次々と不適格と即断した履歴書と一緒に纏められた答案用紙と面接結果の情報が書かれた用紙を纏めて放り込む。連続稼働気味なので変な音が聞こえ始めており、流石に無理させ過ぎている気もする。
「……技能試験での稼働データを削除する際、データ量がバカみたいに膨大過ぎてクッソ怠いんスけど。試験で使用されたISコアからの評価データを見てもほぼ全員が拒否評価されているみたいっスね」
実際にISに搭乗しての技能試験はその機体に搭載されたISコアが、コア・ネットワークを介して直接、此方に送って来てくれている。
最も、搭乗者が女尊男卑思想である場合、そのメンタルデータはISコアからは丸裸も同然。故に仮に履歴書等で就籍や固有名称、整形し姿を変えようが何しようが本質や本性等はそう簡単には変えられない。
「リリア。俺達も逐一、履歴書を見るのも面倒極まりないから、技能試験を担当したISコアから見てまだマシな奴だと判断された奴をピックアップしてくれ。それ以外の履歴書等はもう全部ガス代の足しにするわ」
「……賛成。其方の方が絶対に早いわ」
「お母様も、その……未だに魂が抜け掛けているし」
若菜の提案にユリエとシノアの2人も既にグロッキーな状態になっていた。
「うへぇ〜、まぁ、確かにリリアさんもゲームの時間を確保したいっスから、その方が良いっスね。並べ替えするんで、ちょっと待って欲しいっス」
フィーリリアがデータの並べ替えを行い、マトモな感性の受験者のデータを炙り出す。
「現状、此処に集約されているデータの中で比較的、マシな受験者は……30人位っスね」
「寧ろ、こんだけ受験者がいてそれ以外が女尊男卑思想に未だに縋り付いているとか、普通に末期症状じゃないか。この国、本当に大丈夫か……?」
「大丈夫じゃないっスか? 日本人って事勿れな上に冷笑主義っスから、尻に火が付いて足元が崩れるまで何にも変わらないっスよ。
そもそもリリアさん達、今通っている学校を卒業したら他の惑星国家に移住するんスから、この国の将来なんて知った事じゃ無いっスよ。ほら、この国の人間が良く言っているじゃないっスか。『死ぬなら1人で死ね』ってさ。だから、どう滅ぼうが関係無いスよ」
「それもそうか。愛国心なんてモノは無いしな」
残酷な現実をフィーリリアは語る。現実であるが故の感情論を元にした変えようの無い真実だ。
「若菜、リリア、手が止まっているわ。リリア、その30人の受験番号を教えて頂戴」
「うぃース。さぁて、この中で合格者は出るんスかね〜?」
女尊男卑思想の受験者が排除され、残った受験者の採点に映る。
「筆記試験の結果はそれなり、って所だな。この辺は然程問題は無さそうだな」
「ちゃんと勉強はしているみたいですね。丸暗記かも知れないけれど」
「技能試験はぶっちゃけ、動かせる事とISコアと同調出来るかどうかの問題でしか無いっスからね」
事務作業を進める事、数時間。
「終わったぁぁぁぁぁ‼︎ やっと終わったよぉぉぉぉぉ‼︎‼︎ もう、嫌になって来たよ〜(つД`)ノ」
「……バッサリ足切りしたからまだ良いでしょう。……最も、処分の方で時間が取られそうですがね」
若菜は山積みとして纏められた不合格者の履歴書及び答案用紙や評価書を見てそうボヤく。流石にガスの代わりに燃やすとは言え、流石に多過ぎる。
「束さんがウンザリする女尊男卑の連中ってこんなにも増殖していたの〜⁉︎ ライセンス制度である程度、駆除出来ると思っていた束さんがバカだったよ‼︎ 本当にどいつもコイツも、何にも分かっていない‼︎ 何度言えばその少ない脳味噌に理解と言う言葉が刻まれるの⁉︎」
「……濃度が高い女尊男卑思想が生まれただけかも知れませんね。過激派になるかも知れませんね」
「以前から既に過激派になっていたでしょ。じゃなかったら、彼処まで酷い女尊男卑の風潮が蔓延していなかったわ」
「母上。流石に逐一確認するのも面倒です。明日以降は足切りの処理を実施しましょう」
「その方が良いっスね。選考の余地がある者のみを残してそれ以外はその場で処分する方が良いっスね」
試験と言うのは何時だって理不尽かつ、無情なモノである。
今日の採点の結果……合格者は0人であった。