束博士から宇宙に行けとの事で宇宙進出してみた 作:夢現図書館
「……アイツ、メチャクチャ派手に暴れてやがるな……‼︎」
「色んな意味でツッコミたい所があり過ぎて、何処から聞けば良いか分かりませんな」
時は少し遡り、若菜の方では無く第3アリーナで戦闘中である暴走した一夏と山田 真耶(に擬態したリーリス)との戦闘への援護に向かうは久里や永世、紫苑を始めとした燐芽達とは対照的に身長が比較的高い8組の生徒達が武装した状態で行軍していた。
その最中、第2アリーナの方で爆轟が轟いたかと思えば、1つの巨影と赫い兇影がIS学園の上空へと飛び上がって対峙したかと思えばお互い飛翔しながら戦闘を開始した。
「……何を怖気付いているのですか?」
IS学園の上空で瓦礫群を放出して攻撃するOVTシステムに対して若菜は赫い粒子を撒き散らしながら飛翔しながら応戦する姿を見ながら永世はそう続ける。撃ち漏らしたり躱した瓦礫群はIS学園の各地に降り注いで来る。
「私達もいずれはかの領域に達さねばなりません。彼を『教材』と標榜とするのであれば尚更です。私達も当然ですが、黒糖さんはクラス代表……その理由が1つ多い筈です」
遥か上空にて高速で飛翔しながら巨大な敵と戦闘を続ける若菜の姿を見て永世はそう告げる。若菜は伽羅を『先生』との関係、その伽羅の生徒である以上……伽羅からは『その程度』くらいは求められているのは同義。
「……。ええ、そうですね。教えを乞う以上……必ずモノにして見せますよ。じゃねぇーと、納得してくれやしねースからね」
「アレくらい余裕だろ?って天瓦は言うってか。上等じゃねぇか」
「……それから、
上空から無差別に降り注ぐ瓦礫の雨霰。質量の凶弾と化しており、IS学園の各所に降り注ぎ破壊の限りを尽くして行く。
無論、直撃を喰らえば圧死は必然……仮にISに搭乗していたとしても大怪我は免れない質量兵器と化して降り注いで来る。
「はは、こりゃ何処に居ようが安全圏はゼロっすわ。校舎内に居ようが粉砕されちゃあ終わりっスからね」
降り注ぐ瓦礫の凶弾の落下地点を予測し躱しながら第3アリーナへと急ぐ。今更、この程度で怯んで居てはこの先生き残る事は出来やしない。今は自分達の役割を全うする必要がある。
『此方、金子です。篠崎さんが敵対機体と共に上空へ移動しました‼︎』
「はい。その様子を此方でも目視しましたよ。いやぁ、アレが篠崎さんの本気って奴っスかね? メチャクチャ動きが速いんで、もう赫い彗星にしか見えねぇですわ」
「おい、黒糖。そろそろオレらの作戦区域に入る。お喋りはその辺で終わらせろ」
そうこうしている間に目標地点である第3アリーナの出入り口へと到達する。此処まで近付いても戦闘音は愚か、内部からの音が聞こえて来ない。
「了解ですわ。そう言う訳です、此方も戦闘に突入しますんで其方は其方の判断で動いて下さい」
久里は通信を切って意識を切り替えて第3アリーナのエントランスへと突入する。その後ろを紫苑と永世達が追随し、ピットの方からアリーナ内部へと突入する。
「…………な」
「此方、山田 真耶です。ええ、はい。此方は無事に暴走の鎮圧完了しました。ええ、織斑君に関してですが……見た限り怪我は確認されませんでした。一応、本人の精密検査の用意は必要かと。はい、『白式』のコアは精密検査が必要な為に私の方で回収しておきます。
後は篠崎君の方ですね……。IS学園の上空で今も戦闘中です。其方から見えています? はい、かなり激しい戦闘のようです」
第3アリーナ内、地面や壁には多数の弾痕や斬撃痕が刻まれている中、その中央にて砕けた『白式』を纏った状態で倒れている一夏とその上から見下ろしながら山田 真耶が外部と通信している様子が見て取れた。ただ1つ分かるのは此方の戦闘は終わっていたと言う事である。
「……貴方達? 此処で何を……?まるで戦争しに行くような装備ですね」
真耶は通信を切った後、久里達の姿を見るなりそう告げた。久里達は白い制服の上にタクティカルベルトや防弾ベストと言ったミリタリー要素全開の装備で姿であった。
「天瓦先生から援護に向かう様に命令されましてね。その様子だと、此方はその必要は無いですね」
「……天瓦先生。物騒な人だとは思ってはいましたが……よもや其処まで。一先ず、貴方達も一刻も早く避難して下さい。IS学園の上空では篠崎君がもう片方の暴走した機体が戦闘を続けていますので、大変危険です」
真耶はそう告げて倒れた一夏を背負い移動を開始する。その姿を見届けアリーナ内からその姿が見えなくなった後に久里は伽羅へ通信を繋げる。
「天瓦先生。援護に来たは良いんスけど、何方も手出しする必要が無くなった見たい何ですけど?」
『骨折り損になったとでも?いいえ、そうはならないわ。必ず
真耶の戦闘は既に終了していたが、若菜の戦争は未だに続いている。ならば若菜の援護と言う大役がまだ残っている。
今やIS学園全域に上空から攻撃の余波が降り注ぐ最中、援護する事すらも危険が伴う環境で尚も伽羅は作戦継続を宣言する。
「……継続も何も、
手配された武装で距離的に届きそうなのは狙撃銃の類。だがそれでも超高速で飛行する相手に命中させるには常人離れした集中力と共に命中精度が求められる。
『OVTシステムに侵された機体は若菜に丸投げ……いえ、任せて良いわ』
そのタイミングでIS学園の全体が地鳴りの様な轟音と共に地響きが響き渡る。第3アリーナ内からでも見えるIS学園島のほぼ中央に位置するランドマークタワーにドラゴンの姿と化したOVTシステムがぶっ飛ばされる形で激突した際に発生した地響きであった。
『寧ろその戦闘に介入しようとする輩……即ち若菜の障害となるモノを排除しなさい。邪魔されたら本人からすれば堪ったモノでは無いでしょうから』
「一先ず了解しました。後学の為にも見学する姿勢で望みます」
『……。総員、対ショック体勢を‼︎ 若菜が『兇星』をしようとしているわ』
「は?」
耳鳴りの様な轟音と共に上空へと目掛けて二筋の赫い帯が立ち昇って行くのが見えた。
『全員、身を守る事を最優先に‼︎ 数秒後に流星群が降り注いだ後に地震が発生する‼︎』
伽羅の切羽詰まった通信の通りに赫い光の流星群がIS学園の全体に降り注いで来る。その内の幾つかが第3アリーナにも突き刺さる。
『降り注いだ光の塊には近づかないで‼︎ すぐに爆発するわ‼︎』
「いやぁ、そうは言うっすけど……アレ、彼方此方にありますよ?」
アリーナ全体に赫い粒子を撒き散らす光弾が見受けられており、正しく地雷原。
『気合いで躱しなさい』
無茶言うな。
『……ッ‼︎ 来るわよ、特大の兇星が‼︎』
その言葉の直後、一際眩い赫い兇光を放つ星が凄まじい速度を伴いOVTシステムを道連れに落下、その刹那。蒼穹の空が一瞬、夕焼けの如く赤く染まったかと思えば強烈な縦揺れの地震と同時に着弾した光弾が炸裂した。
「「「ッ‼︎⁉︎」」」
地震が続いたのは一瞬であった。降り注いだ光の塊による爆発により第3アリーナも半壊も同然に等しい状況となっていた。
「皆さん、生きていますか?」
「ええ、問題ありません」
「想像の埒外だな。……ISは既存の兵器の概念を破壊したとは言うが、その威容を改めて実感したな」
通信で燐芽達も無事に生き延び死傷者は無かったとの事。あんな爆轟の流星群の最中、良く1人も欠けずに生き残れたモノである。
『全員、生き残っているわね?』
「はい。黒糖以下、欠員はありません」
『金子以下も欠員はありません』
『コレが他のクラスならば死傷者が出ていても不思議じゃないわね……。作戦続行可能な者は作戦継続。ただし、充分に気を付けて対応するように』