東方冒険録   作:らずべる

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長らく間を空けてしまいすみません。
次からはなるべく早く投稿しますね。
今回は妖怪の山中編となります。
それでは本編へどうぞ。


第五章 妖怪の山 中編

神無月五日巳一時 山の麓

 

「ようやくついたわね…」

 

波音は上を見上げながらそう呟いた。

 

「この山の上に守矢神社があるのよね」

 

「守矢神社に用事なの?」

 

波音がそう呟くといきなり向こうから来た二人組が話しかけてきた。

二人とも手に芋が入った篭を抱えており、どこかに行く途中のようだ。

 

「えぇ、ちょっと参拝に行こうかと思いまして」

 

「あら、そうなの?それなら道からはみ出たらダメよ。

警備の白狼天狗が飛んでくるからね。」

 

「そうなんですか、ありがとうございます。

ところで秋神様達はなにしにいくんです?」

 

「私たちは博麗神社にお芋を届けに行くところよ」

 

少女、秋静葉はそう言うと手に持った篭の中を波音に見せた。

 

「取れ立てのお芋よ。毎年あそこで焼き芋にしてるの」

 

「へぇ、そうだったんですか。私も参拝が終わったら行きますね」

 

「えぇ、どうぞ」

 

そう言って秋姉妹と別れた波音は山へと足を踏み入れた。

 

 

神無月五日巳二時 妖怪の山

 

「紅葉が美しいわね」

 

山を登りながら波音が呟いた。

辺り一面は真っ赤に染め上げられており、足元には落ち葉が溜まっている。

 

 

『カシャッ』

 

 

「!?」

 

不意に聞こえたシャッターの音に驚いて上を見るとそこにはカメラを構えた鴉天狗が飛んでいた。

 

「何してるんです?」

 

「初めまして、私文々。新聞を発行しております、清く正しい幻想郷の伝統文屋、鴉天狗の射命丸文と申します。

鈴風波音さんですよね?取材に応じていただきたいのですが」

 

波音が声をかけると鴉天狗、文は早口言葉のような自己紹介を言い切り、波音の前に降り立ち、カメラを構えた。

 

「断ります」

 

「断ると言われましてももう写真は撮ってあるので記事にさせてもらいますよ。それでは!」

 

波音がシャッターが降りる寸前に顔を隠して断ると文はそう言って飛び去ろうとした。

 

「あ、待て!」

 

そう言うと波音は文を追いかけていった。

 

 

神無月五日巳三時 妖怪の山 滝

 

「射命丸さんどこいったのかな…」

 

文を追いかけて木々の中を進んでいた波音がしばらく歩いていると滝に着いた。

ふと横を見ると水色の髪をした少女が何かをいじくっていた。

 

「おや?こんなところに人間が来るなんて珍しいねぇ。

迷った?」

 

波音が少女に近づくとそれに気づいた少女が話しかけてきた。

 

「射命丸さんに撮り逃げされてしまいまして。にとりさんは何か知ってます?」

 

「ひゅい!?名前がばれてる!?さては最近幻想郷に来たって言う人だね?

文ならさっき飛んでいったけど…ちょっと待ってて、助っ人呼んでくる。」

 

少女、にとりは一瞬驚いたような顔をしたがすぐに納得するとどこかに行ってしまった。

 

「あ〜、行っちゃった」

 

「あ、いたいた。私としたことが見逃していましたね。」

 

不意に後ろから声を掛けられて波音は飛び退きながら振り返った。

 

「あ、すみません。驚かせてしまいましたね。

私、白狼天狗の犬走椛と言います。」

 

声を掛けてきた少女、椛はぴょこんとお辞儀をした。

 

「いえ…大丈夫です。」

 

「あ、それで、道から外れたらいけませんよ。

一応この山の決まりで、守矢神社にいく人はあそこの道だけを歩かないといけないんですよ。

私が来たから何もありませんが下手したらやられてるとこですよ。気をつけてくださいね。」

 

「ごめんなさいね、忘れてたわ。」

 

「今後守ってくだされば大丈夫ですよ。」

 

「お〜い、呼んできたよ〜」

 

椛が波音への注意を終えるのとほぼ同時ににとりが帰ってきた。

にとりの横には緑色の服に身を包んだ少女もいる。

 

「あれ、椛も来てたの?

まぁいいや、こいつは私の友達の雛だよ。」

 

「はじめまして」

 

にとりの紹介で少女、雛は波音にお辞儀をした。

 

「はじめまして、確か厄神様でしたっけ?」

 

「ええ、そうよ。それで私は何のために呼ばれたの?」

 

「えっとね、この子が文に盗撮されたみたいなんだけど、多分また来るからその時に撃ち落としてくれない?」

 

「ええ、いいわよ」

 

「ありがとうございます、そうだ!お礼がわりにこれどうぞ。」

 

波音はお礼を言うと鞄からきゅうりを取り出して三人に渡した。

 

「おお!きゅうりだ!ありがと〜!!」

 

「頂きますね」

 

「ありがとうございます」

 

「それと、にとりさんにはこれも」

 

そう言って波音は鞄からスマホを取り出してきゅうりを食べ終えたにとりに渡した。

 

「ん?これはなんだい?」

 

「スマートフォンという外の世界の連絡用の機械です。

こうやってタッチで操作するんですよ」

 

「おぉ!これはすごいね。河童の誇りにかけてなんとしてでも再現しなきゃ。

じゃ、私は皆のとこに帰って分析始めるからまたね」

 

にとりはそう言うと川の向こうへと行ってしまった。

 

「行っちゃいましたね」

 

「行っちゃったね」

 

「私たちはここで文さんを待つとしましょうか」

 

その後、再び取材すべく飛んできた文を雛が撃ち落とし写真を取り返した波音は椛達と別れて道に戻って守矢神社に向かった。

 

第五章 妖怪の山 後編に続く




ここまで読んで下さりありがとうございます。

ふと思ったのですが今まで波音について外見の説明をしてなかったことに気がつきましたw
今の所、波音の外見はグレーの上着を羽織った青髪青目、三つ編みじゃないお燐みたいな髪型の17歳の女の子で考えていますが詳しいとこはあまり決まってなかったりします。
最終章で絵を描いてみようかと思っているので詳しい外見はしばらくお待ちくださいw
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