そして世に(銀髪薄幸美少女傭兵との)純愛のあらんことを   作:アリマリア

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 第4世代強化人間であるリンクスは、ナインによる強化シミュレーションを受けた初めての少女だった。
 結果として彼女は問題なくミッション遂行能力を得たが、成否の見えないミッションに対するやる気はやがて彼女の精神を駆り立て、闘争心に満ちた傭兵の人格が完成した。





次から次へとミッション……よくもまあ飽きないものだ

 

 

 

「617、621。ベイラムとアーキバスから依頼が届いている。

 これまでのような小競り合いや互いへの妨害ではない。対封鎖機構を強く意識したものだ。両社とも、コーラル調査どころではなくなったらしい。

 どちらがどの依頼をどう受けるか考えるためにも、まずは依頼を確認しろ」

 

【レイヴン、リンクス。ウォルターの言うものの他に、私の方でも解放戦線からの依頼を確認しています。

 今回の件を受けて、ルビコン解放戦線は中央氷原に支部を編成しました。そして今回、その実質的指導者から依頼が届いています。

 レイヴンはその実力を見込まれてでしょう。リンクスは先日の取引の結果からかもしれません。

 ……私は、強力な傭兵であるあなたたちにこそ、ルビコンに生きる者について深く知ってほしい。確認をお願いします】

 

 両者の声の後に、ハウンズ2人の網膜上のインターフェースに、3つの依頼が並ぶ。

 

 

 

 一つ目の依頼は、坑道破壊工作。

 ベイラム系列企業大豊からの、レイヴンに向けられた依頼だ。

 

 どうやらベイラムは戦術的観点から、近傍拠点の封鎖戦力を分散させることを望んでいるらしい。

 そのため、老朽化したウォッチポイントであるエンゲブレト坑道、その最奥にあるセンシングバルブを破壊することで陽動を行う。

 それが今回の依頼の内容だった。

 

 当該坑道は近く修繕予定ではあるが、現在は運用されていない。

 そのため、配置された警備は手薄であることが予測されており、最奥までの侵入とセンシングバルブの破壊自体は極めて困難というわけではないはずだ。

 

 が、しかし。

 帰り道は、話が変わってくる。

 

 運用されていないとは言っても、これがウォッチポイントであることに変わりはない。

 コーラルの流動をコントロールする役目を持つこれが襲撃されれば、封鎖機構は決して無視できない。

 そのため、この破壊を止めようと、あるいはせめてそれを為した侵入者を撃墜しようと、確実に近傍拠点から増援が差し向けられるだろう。

 

 確かに有効だろう陽動作戦だ。ベイラムも頭ベイラムばかりではないらしい。

 

 しかし同時、それは依頼を負う側のリスクが増えることも意味する。

 

 なにせセンシングバルブ破壊の後、坑道を最奥から遡る帰り道では、来るであろう増援を切って捨てながら脱出しなければならないのだ。

 ACを越える性能を持つ封鎖機構の機体が複数。それに足止めされればされる程、相手の数は増えていく。

 更に言えば、出口まで一本道である坑道内。通常のミッションとは違って、敵に追い詰められたらミッションを放棄して逃げるという道は選べない。

 

 これを単騎で支援もなく行う必要があるのだ。

 アリーナランク1/Sであるレイヴンに相応しい依頼と言えるだろう。

 

 どれだけの増援がどれだけの早さで駆けつけるか不明な中で、足場も不安定で道も真っ直ぐでない坑道を遡って行くことが、果たしてどれだけの負担になるだろうか……?

 

【ならないんだなぁ、これが。俺やエアの無法っぷりとレイヴンの力を合わせれば、むしろ楽な仕事ですわ。

 ……ただ、このミッション、受けるとしたらレイヴン限定だな】

【? 何故リンクスは受けられないのですか? 実力は十分だと思いますが】

【そりゃあエア、ここが仮にもウォッチポイントで、破壊対象がセンシングバルブだからだ。

 ウォッチポイント・デルタ襲撃の際、レイヴンはあの規模のコーラル逆流を受けてなお明瞭に意識を保つ、稀有な程のコーラルへの耐性を見せた。故にこそ君との接触も可能としたわけだが。

 しかし、リンクスまでも同じ耐性を持っているとは限らない。君と話せているのだって、俺が脳深部コーラル管理デバイスに干渉してちょこっとイジったからだしな】

【つまり……このセンシングバルブを破壊しても、コーラル逆流が発生する。だから、耐性がないかもしれないリンクスに任せるのは危険である、と?】

【そうとは限らんが、危険性は確かにある。一度起こった事はまた起こる可能性があるものだ。

 リスクヘッジを考えても、確実に耐性を持っているレイヴンが単独で行くべきだろう。

 幸い、難易度自体は極端に高いわけでもない、僚機を付ける必要はないからな】

 

 

 

 次の依頼は、燃料基地襲撃。

 アーキバス系列のシュナイダーから、ハウンズ両名へ向けられた依頼だ。

 先日ラスティが言っていた依頼とはこのことだろう。寄せられたメッセージの声も、いつもの傭兵起用担当ではなくラスティのものだった。

 

 依頼地点は、惑星封鎖機構の補給拠点、ヨルゲン燃料基地。

 内容は、ヨルゲン燃料基地の襲撃及び、最奥のエネルギー精製プラントの破壊だ。

 

 この基地は、以前ベイラムのコーラル調査拠点だったが、封鎖機構による大侵攻を受けて攻め落とされ、失陥したらしい。

 以後は、強襲艦を筆頭とする封鎖機構戦力の補給基地として運用されているとのことだ。

 

 敵戦力の撃破と共に、燃料タンク破壊にも特別報酬が用意されていることからして、少なくとも表向きの目的は敵の補給妨害だろう。

 

 『エネルギー精製プラントを破壊すれば……そうだな、連中の制圧艦隊の足止めくらいにはなるだろう』

 『連中を叩けば金になる、そう宣伝してくれるとありがたい』

 

 ラスティはどこか歯切れ悪そうにそう語っていた。

 

【うーん、相変わらずアーキバスは頭アーキバスだな。ラスティに依頼させる辺り、いやらしい】

【どういうことでしょうか、ナイン? そこまでおかしな依頼ではないと思いますが】

【エアはまだその辺は慣れないか。

 アーキバス特有のカスポイントは、まず第一に「基地の奪還」じゃなく「破壊」を目してる点だな。

 ベイラムとアーキバスは一時的な不可侵条約を結んだらしいが、対封鎖機構への攻撃は禁止していない。

 つまりは『元ベイラム所有、現封鎖機構所有』の基地を襲撃することはできる。

 要するに、良い機会だから傭兵を使って未来の敵が使える基地を潰しとこう、という寸法だ。対封鎖機構戦が終わった後も想定してるんだろう】

【それは……いえ、しかし、現在は封鎖機構の基地ですし、確かに正当な攻撃ではありますね】

【そう、正当だから責められない。いやらしいヤツらだよ、ホントに。

 で、更に言えば、だ。ラスティは結構仄めかしてくれていたが、プラントを破壊したところで足止め程度にしかならないんだよ。勿論タンクを破壊してもそうだ。

 この一手はレイヴン、ランク1/Sの傭兵の派遣に釣り合う程に、戦局を大きく左右しないわけだ。

 それでも彼女に依頼を、それも多額の報酬と共に出す意味……エアならどう読む?】

【……あのV.IVの言葉……アリーナのランク1が、封鎖機構に敵対している。アーキバスは多額の報酬を出す。その両面による、独立傭兵への印象操作、でしょうか?】

【そういうことだな。流石エアだ。

 ベイラムが将来使うかもしれない基地の破壊、来るかもしれない増援も含めた封鎖機構への打撃、独立傭兵への印象操作、まさしく一石三鳥の効率的な策だな。

 更にそれを、親交のあるラスティの口から語らせることで断りにくくするオマケ付き】

【ベイラムは実直に戦術を立てているようですが、アーキバスは長期的な戦略を重要視しているのですね。

 一時的な損失を受け入れてでも、レイヴンたち傭兵を駆り立てようとしている】

【やはり策謀ではアーキバスが一歩上を行っているな。鬱陶しいものだ。

 ニヤニヤ笑ってる金髪オールバック眼鏡の顔が見える見える。実際には見たことないから幻覚ベースだけども】

 

 

 

 最後の依頼は……これに関しては、幾度も戦いをループした621にとっても初見の依頼。

 

 「壁」奪還。

 ルビコン解放戦線の帥叔、ミドル・フラットウェルから寄せられた、ハウンズ両名への依頼だ。

 

 依頼内容はとても単純。

 以前、レイヴンとラスティの活躍によってアーキバスに掌握された、交易拠点「壁」。

 そこに現在駐屯しているアーキバス部隊を、力尽くで全て排除することだ。

 

 以前、コーラル調査が進んでいない時分、企業にとって「壁」を抑えることは重要だった。

 ここは解放戦線の重要拠点の一つであり、逆に言えば、ここさえ抑えれば彼らの勢いを大きく削ぐことができたからだ。

 また、元は交易拠点だったことからも分かる通り、「壁」は周辺地域へのアクセスが良く、補給地点としての価値が高かった。

 

 ……そう、高かった、のだ。

 ベリウス地方が主戦場である内は。

 

 コーラル集積地点が中央氷原にあると判明した今、目的地から遠く離れたベリウス地方の一拠点に、もはやそこまでの価値はない。

 補給拠点としてはそこまで役に立たないだろう。

 解放戦線に取り返されて勢い付かれるのは困るが、それだってベリウス地方でのことで、コーラル獲得競争の大局に関係はしない。

 

 つまりは、「壁」を握っておく必要性の半分以上が失せてしまったわけだ。

 

 施設の重要性が下がれば、当然ながら配置できる防衛戦力は低下する。

 封鎖機構との戦いに向けた中央氷原への戦力集中の必要もあり、結果として現在の「壁」の防備は手薄になっている状態だ。

 ヴェスパー部隊の下位ナンバー一名を除けば、AC乗りの一人もいない。大規模と言えるまでの戦力は残されていないのが現状らしい。

 

 実際、アーキバスの判断は正しいだろう。

 「壁」は恐らく、ルビコンの戦局を大きく左右するものではない。

 

 しかし、この地に生きる解放戦線──今日も多くのルビコニアンの命を守らなければならない彼らにとっては、重要な場所であることに変わりはない。

 

 なにせ物流を担っていた一大拠点。ここがあるとないとでは、各地域に運べる物資の量が大きく変わる。

 生きるために必要な物資や食料、企業の圧政に対抗するための機械部品に弾薬。それらがなかったという理由で、今日も各地で同胞たちが死んでいく。

 それを思えば、守りが手薄になった今の内に「壁」を取り戻したい、という判断をすることは決して不可解ではない。

 

 ……しかし、奪還の難易度が下がったとはいえ、それは「不可能」から「極めて困難」になっただけだ。

 

 「壁」には下位ナンバーとはいえ、ヴェスパーの正規隊員が詰めて警戒網を敷いている。

 解放戦線は常に戦力不足。企業専属AC部隊員に対抗できるような者など、片手で数えられる程もいない。

 それも、帥叔や帥父、あるいはその直轄の部下、いざと言う時の懐刀といった、決して失えないメンバーばかりで、戦局には関わらない「壁」の攻略にはとても駆り出せない。

 

 だからこそ、「壁」の奪還のためには、独立傭兵に頼らざるを得ないのだろう。

 

 そうして彼らが助けを求めたのが、3人の傭兵。

 

 企業からの依頼で一度は「壁」を失陥させたとはいえ、不明な兵器群やアーキバスの手勢からストライダーを防衛してみせた功績や、その他にもいくつも解放戦線の依頼をこなしたことから、しっかりとCOAMさえ支払えば味方に付くと判断された、ルビコンの最強。

 ランク1/S、レイヴン。

 

 多くが企業になびく独立傭兵にあってしかし、解放戦線に直接危害を加えたことが殆どなく、これまでの依頼履歴から確かな実力と信頼性が担保されている、強き傭兵。

 ランク19/D、リンクス・ウィズ・カラー。

 

 そして、他と比べても格段に解放戦線に肩入れしてくれている(ように見えるが、実際にはベイラムとは関われず、アーキバスとは心情的に距離を置きたいので、結果として解放戦線からの依頼ばかり受けているだけの)、安定した強さを持つ独立傭兵。

 ランク28/F、ヤクザ・オブ・ザ・ガチタンゴッド。

 

 つまりは、621と617と元ヴォルタであった。

 

 なんとも因果なメンバーに固まったのは、偶然か必然か。

 このミッションは最大三人での協働、という形になる。

 

【いやエグくない? イレギュラーとイレギュラーの雛とガチタンの包囲網とか、スウィンバーンを殺す気かよ。殺す気だったわ。 

 こんだけ戦力があればもう隠れる必要なんてない、真正面からぶち殺してやれるな!

 ……いやまあそもそも、ヤクザはともかく、レイヴンとリンクスなら単騎でも攻め落とせるが。情報量が少ないから仕方ないとはいえ、戦力の見定めが甘いわな解放戦線も】

【……どちらかと言えば、レイヴンとリンクスの実力が非現実的すぎるからだと思いますが。

 それはさておき、ジャガーノートは既に二機とも破壊されているはず、グレネードキャノンによる遠距離狙撃には警戒する必要はないでしょう。

 ただし、V.VIIスウィンバーンは極めて慎重かつ神経質な質であるようで、監視網は以前よりむしろ強化されているかもしれません。

 ナインはああ言っていますが、不意打ちをかけるには、やはり慎重に事を進める必要がありますね】

【あ、それと、アーレア海を渡る渡航費用と手段はあっち持ちだ。

 もうあのカーゴランチャー移動をする必要はな……ああ、いやすまん617、思い出させるつもりはなかったんだ。ごめんな、許してくれ。ほら、ドライパインあげるから】

 

 

 

 * * *

 

 

 

 封鎖機構の積極的侵攻により事態が急変したことを受けて、ハウンズの下には一度に三件の依頼が寄せられた。

 ……正確にはその何十倍の依頼が押し寄せているが、信頼できない大半の依頼はウォルターが捌いていることを、ナインとエアは知っている。

 その精査の上で、二件。更にエアが取って来たものを含めれば三件もあるのだ。

 現在ルビコンを取り巻く混乱と狂乱、そして武力の需要の程がわかるというものだろう。

 

 そして、彼女たちハウンズはウォルターのお抱えではあるが、今は独立傭兵でもある。

 依頼が来ればそれを熟す。621は勿論、617にとっても、それはもはや当然のものとなりつつあった。

 

 が、しかし。今回はいくらなんでも、一挙に依頼が押し寄せすぎていた。

 受ける依頼の裁量をウォルターより任されたハウンズ2人と、その脳内変異波形2つは、どの依頼をどう受けようかと考えを巡らせていた。

 

 

 

「ん……どうする? だれも依頼を受けない、っていうのは、あんまりよくないけど」

 

 ACのコックピットの通話越し。

 621が3人の相手が問うたのは、つまりはどちらがどの依頼を受けるか。

 

 ベイラムの依頼はレイヴンに対してのもので、617は危険性を考慮すれば受けられない。

 これに関しては悩む必要はないだろう。

 

 しかし、アーキバスと解放戦線の依頼は、ハウンズ両名に対してのもの。

 つまりは、どちらかが依頼を蹴っても、もう片方が熟せばいいわけで……。

 どちらが、あるいは両方が依頼を受けるか。依頼内容も考えながら、結論を出す必要があった。

 

 口火を切った621に対して、617が思案気に声を上げる。

 

『おにいさまは……依頼を受けた後にちゃんと休むことも大事、とおっしゃいました。

 ですので、2人で依頼を分担し、きちんと休みながら効率的に進めていくことを提案します。

 破壊工作には私は参加できませんので、その間に燃料基地襲撃をこなす……で、いかがでしょうか』

「なるほど、そうだね。せんせい、いけそう?」

【リンクスの実力という意味でなら、問題はない。それでいこう。

 むしろ問題は、その2つが終わった後だな。「壁」奪還は、可能な限り2人で行きたいところだが……】

 

 ナインのどこか苦し気な声に、しかしエアが疑問を呈した。

 

【下位のヴェスパー部隊一人であれば、ミッションの難易度は高くはないと思われますが、ハウンズ2人で挑む必要があるでしょうか?

 緊急の依頼を考えれば、1人はここに残った方が良いのではないかと思いますが】

「まあ、暗殺じゃなくて基地奪還なら、多分そんなにむずかしくないけど……」

【うーん……】

 

 621は渋面を浮かべ、ナインも何とも言えない微妙な声を漏らす。

 

 彼らが思案しているのは、このミッションのことではない。

 これから先の流れだ。

 

 

 

 実のところ、このミッションが終わった後にはいくつか、アーレア海の向こう側であるベリウス地方や、アーレア海上でのミッションがあるのだ。

 無論、これまでの周と大きく変動がなければ、の話ではあるが。

 

 カーラからの花火会場への誘い、ザイレムという無人都市の調査。

 「壁」がどうなるかは不明だが、場合によっては封鎖機構に占領された「壁」での執行部隊殲滅もそれに当たるだろう。

 

 621は実際に体験しており、2周目以降は効率的に仕事をこなすため、海を渡る時は一気にそちらでの依頼をこなしていたし。

 ナインは実体験こそないが、知識としてそれを知っている。

 

 だからこそ2人は、「壁」の奪還は最後に回すつもりだった。

 そのままベリウス地方での仕事に取り掛かるつもりだったのだ。

 

 そして、ただそれだけなら、621が海の向こうで仕事をすれば良いだけなのだが……。

 

 617とナインの存在がどのように状況に変化を与えるか読めない現状、彼らの知る未来の予測絵図も完璧なものとは言い難い。

 である以上、ハウンズ2人は可能な限り、近くで運用した方が都合が良い。

 常に並んでミッションに挑むというのはともかく、ただ移動するだけで数日の時間が消えかねないアーレア海を跨いで分断するのは、何かあった際に合流も救助もできないリスクを生んでしまうからだ。

 

 

 

 だが、617やエアは、未だナインの不可思議な知識も621の周回のことも、何も知らない。

 伝えても無用に混乱させるだけ。強化人間の少女と変異波形の女性(?)に対し、それらを理由にはできない。

 

 ならば、どう説明したものかと悩む2人は……。

 結果として、俯いた状態からぱっと顔を上げた617に救われることとなった。

 

『……「壁」の防衛設備が復元されているのなら、足の遅いヤクザの「テッポウオヤブン」は、街路侵入時に役に立たないかもしれません。

 しかし、単騎で攻め入るだけでは、敵のヴェスパー部隊員に逃げられてしまう可能性があります。

 表と裏から617と621で挟みこみ、ヤクザを後詰めにして、逃がさないため。ひいては、確実にミッションをこなすため……でしょうか?』

 

 必死に頭を捻って出したのであろう、推論。

 617はどうやら、ナインから常々「どうしてだと思う?」「どう思う?」と問われ続けたことで、自分なりに考える癖が身に付いたらしい。

 

「あ、そ、そう! そんなかんじ?」

【ああ、スウィンバーンはちょっとアレなヤツだから、臆病風に吹かれて逃げることは十分考えられる。

 挟撃でそのリスクを減らすのは妥当かつ効果的な選択肢だ。よく考えてるな、617。偉い】

『はい。おにいさまが、たくさん教えてくれましたから』

 

 ナインがその頭をさらりとコーラルの流れで撫でれば、口元に微笑を浮かべる617。

 

 そんな彼女と思案にふけるエアにバレないよう、2人は安堵に胸を撫でおろすのだった。

 ……お互い別の意味で撫でおろす胸はなかったが、とにかくそんな心境だったのだ。

 

 

 







 おまけ・それぞれの容姿

 621→スラっとしてうっすほっそな体格。身長も低い。胸もない。
 617→少女としては身長高めだが不健康なくらいに細く儚げ。胸は若干ある。
 ナイン→胸は物理的にないし身長も何もない。気体だし体重は恐らく1k未満と思われる。
 エア→貧乳か巨乳かで意見が分かれているが何をどう考えても貧n(衛星砲の直撃によりデータ破損)。
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