pixivでアップしているテイルズオブヴェスペリアの二次創作小説の2作品の統合版となっております。
ゲーム開始の25年前から始まる、「記憶持ちの時間逆行」と「ゲーム知識持ちの転生者」を含む、4人(オリ主、デューク、レイヴン、ユーリ)視点で繰り広げられるifストーリーです。
ゲーム本編、小説(主に奥田氏版)、劇場版の内容も含んでありますので、ネタバレ等ご注意ください。また本編等で本名やファミリーネーム、家族構成が明らかになっていないキャラクターの設定などを保管する形で、オリジナル設定多々含まれております。
ヴェスペリアの世界のパラレルワールド的な扱いにして頂けると幸いです。
ギルドの巣窟「ダングレスト」。
帝都があるイキリア大陸とは海峡を挟んで隣に所在するトルビキア大陸。以前にもトルビキア大陸にある港町カプワ・トリムには来たことがあるが、そこから先へ進んだことは無かった。
樹木がやたら成長して、巨大な虫型の魔物が多い森を抜けた先、太陽の位置に関係なく黄昏の空に照らされた世界に、結界に守られて街が姿を現した。
「へえー…あれがダングレストか。規模は帝都と同じくらいだな…」
思った以上の規模にダミュロンは驚き声を上げる。
「そうなのじゃ!
そう言うのは初老と言える年齢を全く感じさせない、金髪を左右のお下げに結ぶ女性、アイフリードであった。
ギルトユニオンの元首、
そして候補に上がったのは、関わりがある
おかげで、ソフィアと付き添いのダミュロンは、直ぐに
「それでのお…サイファーの奴ときたら…」
久しぶりに会うらしく話が尽きないのか、アイフリードの一方的な話は中々終わらない状態であった。
「テメエいい加減にしろっ! 俺だって暇じゃねえんだ‼︎」
痺れを切らしたドンは、強引にアイフリードの話を打ち切って、ソフィアたちの方を見た。
「で? アレクセイの小僧の妹が、何しにきた?」
「端的に言うと、儲け話をしに来ました」
「……ほう?」
「実践した方が早いですので、
ソフィアの言葉にドンが頷くのと同時に、部屋の照明近くのギルド員が横にずれる。ソフィアは
「そしてこれは送風用の
ジャンク品の
「っ⁈」
「使える
「……それで?」
「この
「散々
「そこは私如き末端が、どうにかできる範疇ではありません。私が関与できるのは、これから公表予定のこの
「はっ! 敵地であるギルトユニオン本部に単身で来るどころか、ガキ時分にカウフマンやアイフリードを誑し込むのが下っ端たあ…帝国に先はねえなぁ…」
「ギルドユニオンを敵と思ったことは、私自身はありません。このままでは帝国に先はないことは否定しませんが、だからと言って
そう言うソフィアの肩を、ダミュロンが後ろから軽く叩く。今のは言い過ぎという合図である。
暫し沈黙が流れた後、地鳴りかと思わんばかりの笑い声が響き渡る。
「そりゃあ違ぇねえなあ…これだけの代物、公開前に情報提供してきた事は認めてもいいだろう。だが、ちいとばかし条件がある」
「お聞きしましょう」
「周りの奴らを納得させる必要がある。この代物使って、一戦受けてもらおうじゃねえか」
「承知しました。私の代わりになりますが、ダミュロンが受けましょう」
「……俺への伺い無しで決定か…」
一方的に指名され、ダミュロンは項垂れる。その様子を笑いを噛み殺しつつドンは、より深く探るような視線をソフィアに向けた。
「もう一つは、嬢ちゃんの真意を聞かせてくれねえか? 何が目的だ?」
「何がって…
「なぜ独占しようとしない」
「独占したら、周りから確実に妬みと逆恨みを買います。そんな中では、私は楽しく生きていけないです」
「権力をつけて排除すればいいじゃねえか」
「そんな殺伐とした状況を楽しめるほど私は図太くありませんし、予め回避する様に動いた方が労力が少なく済みます」
「金を使って雇った相手に任せりゃいいだろうよ。富を独占するのも容易だ。そうなりゃ、思うがままとは思わねえのか?」
「富も金銭も使い所がないと意味がありませんよ。富を独占して不味い酒を大量に消費するより、社会に還元して新たな良い酒を生み出す原動力にして、多種多様な美酒を少しずつ嗜む方が楽しい生き方ですよ」
淡々とそう答えるソフィアを、周囲の者の大半は不可思議な生き物の様に見る。
「ドン・ホワイトホース。ソフィアは嘘を吐くのは不得手なんですよ。思考がぶっ飛んでるから、こっちはつい深読みしちまうけどな」
「そうじゃなあ…ここまで権力欲や金銭欲が無いとなると、色々と勘繰ってしまうからのう…」
ダミュロンの言葉に頷きつつ同意するアイフリード。
「権力や財力で痛い目に遭ったことが無い、良き友と家族に囲まれた、恵まれた環境にいただけですよ。だからどちらも、選択肢を増やすための道具以上の価値は見出せないだけです」
振り返ってそう反論した後、ソフィアは再びドンの方を向き直す。
「その恵まれた環境を壊す事なく生きたい。そう願っているだけです」
今、ソフィアが悲劇を回避するために動いている最大の理由はそれであった。
ここで一つ注訳。
ソフィアのディノイア家は、評議会の席を無くしてから没落の一途を辿り、起死回生を狙った事業も失敗した上に当主が亡くなると言う憂き目に遭っている。
そこからの廉価版
「全く気にして無いところが、ぶっ飛んだ思考なんだよな…」
廉価版
ドンとの対戦。
ダミュロンは1分耐える事ができた。
戦闘訓練を受けていない者としては快挙だったらしく、ダミュロンの尊い犠牲により、ギルドユニオンの協力を取り付ける事ができたのであった。
ドンとアイフリード(パティ)は盟友と言う話ですので、2人の絡みを書いてみました。それと、結局ダミュロン(レイヴン)はドンと一戦する運命だったようで…まあ、これを切っ掛けにドンは気に入る訳ですが…
次話から話が急展開していきます。今までもありましたが、ちょくちょくpixiv版から加筆修正を加えていければと思います。