TOV 黎明の残月 宵闇の盈月   作:桐錠

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 pixivでアップしているテイルズオブヴェスペリアの二次創作小説の2作品の統合版となっております。
 ゲーム開始の25年前から始まる、「記憶持ちの時間逆行」と「ゲーム知識持ちの転生者」を含む、4人(オリ主、デューク、レイヴン、ユーリ)視点で繰り広げられるifストーリーです。
 ゲーム本編、小説(主に奥田氏版)、劇場版の内容も含んでありますので、ネタバレ等ご注意ください。また本編等で本名やファミリーネーム、家族構成が明らかになっていないキャラクターの設定などを保管する形で、オリジナル設定多々含まれております。
 ヴェスペリアの世界のパラレルワールド的な扱いにして頂けると幸いです。



望まぬ戦い(オリ主二次小説名物のオリ主戦)

 

 階下へ繋がる道の先にあった小部屋、そこの転移魔法陣を複製宙の戒典(レプリカ・デインノモス)で起動させると、ザウデへ侵入した時に使った桟橋へと移動することができた。

 アレクセイとデュークを乗ってきた船内に休ませ、イエガーとゴーシュ、ドロワットは護衛に残る事になった。

 そしてユーリらは再度ザウデへ侵入して、先ほど地下に飛ばされた石舞台まで辿り着く。行き止まりであることから、ジュディスを補助に、リタが複製宙の戒典を操作して解析し、先へ進む手がかりを探る。

「ワウっ!」

「ん、どしたのワンコ……っと、受信か。あんがとね」

 通信魔導器(コールブラスティア)の受信を知らせてくれたラピードに礼を言い、レイヴンは操作し始める。その様子を見てフレンが尋ねた。

「ダミュロン隊長、ソフィアさんからですか?」

「そうみたいね…」

 そう言い内容を確認し、概要を抜粋してレイヴンは読み上げた。

「……フィアレンとカクターフの方も、『タルカロン』…? そう言う名前の古代兵器がある場所に着いたってあるわね」

「イエガー…ステル副隊長が話していた、もう一つの古代兵器ですか…」

「ええっ⁈ ど…どうしよう…」

「慌てても仕方がねえだろう。さっさと、こっち終わらせて……レイヴン?」

 険しい顔をして通信履歴を見ている事から、思わずユーリが尋ねる。

「いやなに…口調からしてグラダナとミムラはくっちゃべっているんだけどね…最後に会ってから…っつーか昨日から一度も、ソフィアらしい台詞が見つからんのよ」

「それってどう言う…」

 ユーリが尋ねようとした時、リタが操作していた石舞台から、ぼんやりとした光が放たれた。

「転移術式を起動させたわ」

「およ…下か?」

「いいえ。一部の床が昇降機能みたいだけど、それはすでに最上階に行ってるみたい」

 レイヴンの問いに、リタの代わりにジュディスが答える。

「つまり、最上階に居るって訳か」

「そう。だからそこに繋いだわ。急いで…」

 

 直後、起動音と共に誰かが転移してきた。

 

「……ソフィア」

 転移してきたその者の名を呼ぶレイヴン。

 その姿はユーリの記憶の中よりやつれた様子で、緋色の瞳は仄暗い闇を抱えている様に見えた。

 

「ソフィア先生! ご無事でしたか…」

 真っ先に口を開いたのはエステルであった。

「全く…パパに心配掛けないで欲しいわ」

「あら、リタも心配していたじゃないの」

 あっさりとバラされて、リタは姉のジュディスに抗議の視線を向けた。その時、レイヴンは矢を番えてソフィアに向けて放った。

「レイヴン⁈ 何やってんだよっ‼︎」

「……カロル先生、よく見てみな」

 レイヴンに食ってかかろうとしたカロルは、ユーリに促されて視線を向ける。それと同時に、ソフィアの手元からレイヴンの矢に貫かれた何かの魔導器が、音を立てて床に落ちた。そしてそれをソフィアが拾う間も無く、ラピードが咥えてレイヴンの元に届けた。

「ありがとね、ワンコ。で、これは何の魔導器?」

「この術式…転移装置のようね」

 傍から覗き込んだリタが素早く魔導器の用途を口にする。

「へぇ……何処へ飛ばそうとしたわけ?」

「帝都ザーフィアス」

 ようやく口を開いたソフィアは、そう言いガラス玉の様な目をユーリらに向けた。

「振り出しに戻そうって考えていたわけか。で、そこまで追い出したいって理由は? 全部アンタがケリ付けてくれてからか? それとも古代兵器の復活に俺らが邪魔だからか?」

「後者が正解」

「そんなっ‼︎ だって…キャナリさんは……友達じゃないの⁈ みんなを裏切るっていうのっ⁈」

「貴女は、人質を盾にされていたに過ぎない被害者だ」

「被害者と言うは貴方の主観でしょう? 現在の帝国法に照らし合わせたら私は死罪は免れない。叛逆罪だからね」

 そうさらりと言うソフィアの言葉に、フレンは押し黙る。

「しかし……そんなのって……」

「大丈夫だよ、エステル! ドンが話をつけてくれたんだ! ソフィアさんの身はボクら凛々の明星(ブレイブ・ヴェスペリア)が預かるって! だから……」

「……随分と気に掛けてくれて申し訳ないけど、カクターフ公が古代兵器を復活させることは、私自身の希望でもある」

 ソフィアの言葉を聞き、ユーリらは凍りついたように静止した。

「……おいおい、嘘だろう?」

「どう言うことですか⁈ 貴女はカクターフらを失脚させるために、この一件に関わったのではないですか?」

「既にカクターフ公は別の古代兵器の元へ行っている。それを止めるのは不可能でしょう」

「そんな……」

 ソフィアがフレンの問いの代わりに口にした内容を聞き、エステルは思わず言葉を失う。

「しかし復活させたところで使いこなせなければ意味はない。おそらくこのザウデにせよ、復活させようとしている古代兵器にせよ、使いこなせるのはアンタだけじゃないの?」

 リタの言葉を聞いてカロルの表情は明るくなる。

「だったら話は簡単じゃないか。僕らと一緒に帰……」

 

「トリウィア・ミラージュ」

 

 カロルの言葉の途中で魔法を発動するソフィア。それはカプワ・トリムで見た、魔物化した人々を貫いた無数の闇の槍で…

「はぁああっ‼︎」

 ユーリは複製宙の戒典(レプリカ・デインノモス)を操作盤から強引に引き剥がし、力を放出して発動しかかっていた魔法のエアルを霧消させた。

「マジでやり合うつもりか⁈」

「……宙の戒典、複製品が完成したのですね」

 ユーリの問いに答えず、彼の持つ複製宙の戒典に涼やかな視線を向けるソフィア。一方でリタはユーリに近づき、複製宙の戒典を改める。

「何て使い方すんのよっ! 乱暴に扱って……自己修復に入っているから当分使えないわよ!」

「わかってる。だが相手も連発できる技じゃねえだろう?」

 リタに問いかけるユーリの言葉を聞き、ジュディスが口を挟む。

「あのアメジストの指輪…始祖の隷長の力を借り受けている?」

「ご名答。流石はクリティア族。これは〈暗きもの〉の能力を模した魔法。予想通り当分は発動できないから一発で決めたかったのだけど…」

 指輪をひと撫でして、ソフィアは視線を上げる。

「いい感じに仕上がったものね」

 そう言いソフィアは感慨深げに、複製宙の戒典を見つめた。

「わたしを舐めんじゃ無いわよ……アンタがオリジナルから引き出して纏めてくれた情報、余すことなく使わせてもら…」

 リタの言葉の途中で、突如ジュディスがリタの前に立つ。そして槍を払うと共に硬質な音が響き、ジュディスの足元にナイフが転がる。エアルで構築したものらしく、攻撃が届かなかったナイフは光の粒子となって消えた。

「いい反応ですね」

「何度手合わせをしたか覚えていないの? 貴女の何を差し置いても勝利を掴もうとする心意気、嫌いじゃ無いわ」

 ジュディスの言葉でレイヴンは思い出す。

 会話により搦手で油断を誘う、混乱させる、躊躇させる…

 相手が実力を出せない状況に落とす。それがソフィアの戦い方であったと…

「……嬢ちゃんと少年、攻撃せんでいいからフォローしてくんない?」

「レイヴン⁈」

「ユーリ、フレン。ソフィアの言葉に対して考え過ぎん方がいい。嘘は言わんが大事なことを意図的に隠す。精神的に本気で戦えないようにするためにね」

 レイヴンの言葉に、ソフィアは否定とも肯定とも取れる笑みを浮かべる。

 

 それが戦闘開始の合図となった。

 

 駆け出すユーリの足元に魔法陣が浮かび上がった。

「ユーリ⁈ 彼の者達に抗う力を……レジスト!」

 ソフィアが発現させた魔法は時間差で二つ。一つはイラプション、もう一つはスプラッシュ。

「効かねえな…っと」

 ユーリは魔法を避けるが、スプラッシュの水がイラプションの溶岩に当たり、高温の水蒸気が舞い上がった。

「ぬあっ‼︎」

 ユーリは発生した灼熱の霧に包まれる。エステルが掛けたレジストのお陰でエアルによる魔法自体の損傷はさほど無いが、発生した有毒ガスで気道や肺に火傷を負いユーリはその場に膝を着いた。

「か…はっ……」

「ユーリ!」

 フレンが足を止めた間にソフィアは距離を取る。

「アイヴィーラッシュ‼︎」

 しかしソフィアが移動した先に向けて、リタは魔法を放つ。

 そしてリタの詠唱時間を埋めるように、レイヴンもまた時間差で魔法を放った。しかしリタのアイヴィーラッシュ、レイヴンのアリーヴェデルチはインヴェルノで氷の塊に変えられ、続けてリタが放ったネガティブゲイトはあっさりと避けられてしまった。

「あちゃあー…こっちの行動パターンが完全に読まれてるわ」

「無詠唱なのに威力が強い……どうして⁈」

「彼女、ザウデと繋がっているみたいね」

 ナギーグでエアルの流れを探っていたジュディスが、リタの疑問に答える。

「ザウデの巨大魔導器の演算機能とエアルを利用しているって訳⁈ 冗談じゃないわよっ‼︎ タイダルウェイブ‼︎」

「ちょい、リタっち!」

 レイヴンが制止する間も無く、拘束目的から逸脱した殺傷能力の高い濁流が放たれる。

「グレイブ…サンダーブレード…サンダーブレード……」

 ソフィアは足元を隆起させて濁流から逃れる。リタの周囲まで水浸しとなった床に目掛けて、ソフィアは連続して電撃を放つ。

「お生憎〜」

 レビテーションで浮かび、電撃を避けるリタ。間髪入れずソフィアはファイヤーボールを放つ。

 直後、電気分解で発生した水素と酸素の混合物に引火し、大爆発が起きた。

「きゃあっ‼︎」

「リタっ‼︎」

「ちっ! 嬢ちゃん、回復頼む!」

 そう言いレイヴンはソフィアを傷つける覚悟で、回復に向かうエステルを援護するように上級風魔法を構築する。

「テンペスト‼︎」

「グレイブ」

 ソフィアは自身の周囲にグレイブで土の壁を作って凌ぐ。

「相変わらずいい腕してるわ〜。リタっちの治療は…まだ掛かるわね。フレン、ホーリーランスを頼む」

 多少の怪我は致し方ないと腹を括ったレイヴンが、ユーリの治療を終えたフレンに指示を出す。

「しかし詠唱する時間を見逃してくれるかどうか…」

「あら、時間は作るものじゃなくって?」

「ワンっ」

 そう言い残すや否や、ジュディスはラピードと共にソフィアの元へ駆ける。跳躍で土の壁を越えようと、ジュディスが足に力を入れた瞬間…

「ストーンブラスト」

 ソフィアの魔法で、ジュディスの利き足の腱に礫がめり込むように刺さった。

「くっ‼︎ お願い…」

 そう言い倒れ込むジュディスの影に隠れるように、ラピードは方向転換しソフィアの背後の岩柱の隙間から仕掛けようとする。振り返ることなくソフィアが放ったサンダーブレードは、ラピードのダメージを与え電撃の余波で動きを止めた。そして魔法を放とうとしたフレンに視線を向け…

「アイシクル」

 ソフィアはフレンの頭部を見定めて、狙いを定めて魔法を発動する。生物の体内で魔法を顕現することは不可能というのが通説だが、体内構造を理解した上で発現地点を限局化させることで、下級魔法を1mm四方程度を数秒間発動させる技をソフィアは身につけていた。

 今回発動したのは左右の眼球裏、眼球から伸びる視神経を凍らせ傷つける。突如視界を奪われたフレンは、動揺も手伝い見当違いの場所の魔法を発動させ、片手で両目を押さえてその場に膝をつく。

「フレン!」

 治療を終えたリタをカロルに任せ、エステルがフレンに駆けつける。それをフォローする様に、矢を上方に放ち攻撃するレイヴン。

「『天の嘆き』を使わず『天の閃き』に留める所が甘い…極力傷つけたく無いって考えが見え見え…」

 ソフィアが矢を避けたその時、身体の痺れから立ち直ったラピードが、隙を縫うように飛び掛かってきた。

「ヴァウゥっ‼︎」

「っ‼︎」

 ラピードを避けるためにソフィアは、壁代わりにしていたグレイブの土柱の囲いの外に出た。

「そこだあっ‼︎」

 いつの間にか待ち構えていたユーリは、刀を振るう。しかしその直前にソフィアとユーリの間の地面に光の線が走り…

 

 ガンっ!

 

 ユーリの峰打ちは、見えない壁に当たって弾かれた。思いもよらない壁の存在で、ユーリの手から刀が離れて後ろに飛ばされた。

 仲間達はエステル、カロル、レイヴンのお陰で回復するも、障壁ができてソフィアに近づくことも、先へ進むことも不可能となった。

「……やってくれるじゃねえか…」

「そうでもないですよ。貴方方の力量は既に私を凌駕している。兄……アレクセイ殿の程の剣の腕、魔術の腕は私にはありませんから。ただ、ちょっとした嫌がらせくらいならば造作もないこと」

「ちょっとした嫌がらせねえ…」

「命を狩るのでしたら、脳や心臓の機能を止めるように魔法を構築すればいいのですから」

 ソフィアの言葉を聞き、レイヴンは10年以上前のザウデの事件を思い出す。外傷が見当たらないにも関わらず絶命していた、海凶(リヴァイアサン)の爪の戦闘員。ソフィアは自身が手に掛けたと言っていたが、レイヴンは証拠隠滅で戦闘員が自害した責任を負っていたのだと思っていたのだ。しかし実際は、申告通りにソフィアが葬っていたのだ。

「私がここへ来た理由は時間稼ぎ。その場合は、殺すより生かしたほうが効果的。負傷した仲間をフォローする必要があるからね」

 そう言いソフィアは自身の前を軽く叩き、今までの行動は障壁を張るための時間稼ぎと言わんばかりに、硬質な音を響かせて壁の存在をアピールした。

 見えない壁は部屋の端から端まで存在し、破壊しなければ先へ進めないのは明白であった。

「こっちは急いでいるんだ。通しちゃくんないかな?」

 静かな笑みを浮かべて、ソフィアは首を左右に振る。

「ばっかやろうがっ‼︎」

 ユーリは光を取り戻した複製宙の戒典(レプリカ・デインノモス)を構える。何かを決心した様子のユーリを見て、カロルは慌てて駆け寄ってきた。

「秘奥義はダメだよユーリ!」

 秘奥義「漸毅狼影陣」。

 スキル「スペシャル」で己が力を限界まで引き出して敵を撃つ。

 確かにそれならば障壁を破壊できるかもしれない。それも、エアルを操れる複製宙の戒典ならば尚のこと。しかし…

「ボクらはキャナリさんと約束を……」

 攻撃の途中で障壁が破壊されれば、その刃はソフィアに確実に届くだろう。つまりユーリは、ソフィアを斬ってでも先に進み、古代兵器復活を阻止すると言っているのだ。

「ある意味手を抜いた結果がこれだ。このままじゃ、カクターフのヤロウ共が古代兵器を手に入れちまう」

「でもっ‼︎」

 カロルの返事を聞く事なく、ユーリは得物を振るいソフィアに飛びかかった。

 

「お仕舞いにしようぜ」

「望むところ」

「アンタはなんでそんな言葉を……閃け、鮮烈なる刃!」

 苦悶の表情を浮かべるも、ユーリは攻撃の手を止めない。

「無辺の闇を…」

 闇がなければ光を認識しないし欲しようとしない。闇が光を生み出そうと願う原動力になる。今ユーリらがこの場に居る理由は…

「鋭く斬り裂き…」

 自身の正義を貫かんと、ユーリは同じ箇所を寸分の狂いもなく障壁を斬りつけた。

「仇為す者を…」

 闇に徹する事を選び、対峙することとなった相手を「仇」と思いたくはない。しかし互いの正義が互いが望む未来の障害ならば…

「微塵に砕く!」

 ユーリの闘気に呼応する様に、複製宙の戒典の輝きは増し、叩き込まれた一撃は障壁を粉々に破壊した。

「決めるっ‼︎」

 最後の一太刀を放とうとしたユーリ。

 そこには迎撃どころか防御すらせず、無防備に両手を下ろし笑みを浮かべるソフィアの姿があった。

 ソフィアの覚悟を目の当たりにして「やはり」と思いつつ、唇を噛み切りユーリは、袈裟懸けにソフィアの身体を斬り裂こうとした。

 

 ギィイイン…

 

 ソフィアの前に立ち、ユーリの剣を止めたのはフレンであった。

 ソフィアを斬らずに済んだ安堵からかユーリは一瞬呆けるも、先ほどまで抱いていた自身の決意を汚されたように感じ、フレンから離れて再度ソフィアの剣を向ける。

 するとフレンは、今度はユーリの手を刀ごと掴んだ。

「手ェ…離せ……フレン。壁壊したからと言って、この人がすんなりと引き下がってくれる訳無いだろう⁈」

「駄目だ……後で絶対後悔する」

「……はっ…俺は選んだんだ。覚悟は決めて…」

「違う! 僕が後悔する。君が手を汚す決断をするように追い込んでしまったことに。だから……」

 まるで懇願する様な視線を向けるフレンの姿に、ユーリは思わず刀を下ろす。その様子を見て、ソフィアは落胆した様なため息を吐いた。

「……この身体だけでも持ち帰って貰いたかったのだけど、ままならないものね」

「ソフィア?」

「このザウデのシステムは、完全に私の支配下。手段を選ばず、排除させていただく」

 その声に呼応する様に、エアルのナイフがソフィアの周りにずらりと並んだ。

「舞い飛べ」

 ソフィアの声に呼応して、ナイフは一斉にユーリ達に向けて飛び、縦横無尽に走って切り刻んでいく。

「くっ!」

「きゃっ‼︎」

 そして定められているかの様に、ナイフは床に刺さっていき、それを起点に光の線が無数に走っていった。それはザウデの力を引き出し顕現させる、巨大な魔法陣。

 

「閃覇嵐星塵‼︎」

 

 無数の光が放たれ、ユーリらの身体を貫いた。

 倒れ意識を失う寸前ユーリたちが目にしたのは、哀しげな笑みを浮かべて光の粒子となって姿を消すソフィアの姿だった。

 





 pixiv版で割愛したオリ主戦を加筆しました。
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