pixivでアップしているテイルズオブヴェスペリアの二次創作小説の2作品の統合版となっております。
ゲーム開始の25年前から始まる、「記憶持ちの時間逆行」と「ゲーム知識持ちの転生者」を含む、4人(オリ主、デューク、レイヴン、ユーリ)視点で繰り広げられるifストーリーです。
ゲーム本編、小説(主に奥田氏版)、劇場版の内容も含んでありますので、ネタバレ等ご注意ください。また本編等で本名やファミリーネーム、家族構成が明らかになっていないキャラクターの設定などを保管する形で、オリジナル設定多々含まれております。
ヴェスペリアの世界のパラレルワールド的な扱いにして頂けると幸いです。
「新たに雷の精霊、闇の精霊が生まれましたね」
「カクターフらが葬ったバクティオン神殿の
「はい。これで作戦の術式で核となる大精霊は充分揃いましたが…」
アレクセイの言葉に答えたヘルメスは、次期皇帝であるヨーデルに視線を向けた。
「世界に存在する全ての
そう言いヨーデルは、ギルドユニオンのドン・ホワイトホースとハリー、ユニオンには属していないが同規模のギルドである
「
「
「ご心配なく。マスター権限でロック解除は可能です。作戦時ではロック解除と精霊化を促す命令式を、転移魔法の術式を介して飛ばす予定です」
「精霊化が終われば、後は大精霊たちの指示で自ずと動くことになるでしょう」
サイファーの問いに、フェドロック会長とヘルメスが答える。
「
「魔導器探知機の機能の応用で、
ちなみに
「ただ、先日に皆さんからいただきました資料から、
フェドロック会長の報告に一つ頷くヨーデル。そこへ確認するようにナッツが声をかける。
「接続歴が無いのは、反乱勢力から没収した
「はい。そちらへの標識付けも数日以内で終了するでしょう」
「後は、ウチらの覚悟次第じゃのう」
水道や魔物避けの結界と言ったインフラ、そして魔物に立ち向かうための魔法や術技の補助…社会において、
「代替機関の準備も急務でしょうが、それより民への説得が大事です」
「テメエはお得意の『帝国法』の押し付けで問題ねぇだろうよお。それより、貴族様への対応をどうするつもりだ?」
隻腕になるも気迫は健在で、ドンは鋭い視線をヨーデルに向ける。
「問題ない。
「代替機関は
ヨーデルの代わりに答えるアレクセイに続き、ヘルメスは詳細に説明をする。
「結局は利権はそのまま引き継がれる訳ね。まあ、
「帝国貴族からは、マナの収集と蓄積する機関開発へ出資して貰ってますよ。それができないと、
カウフマンに笑みを向けつつ言ったヨーデルの言葉に、ヘルメスは合点がいったように目を細めた。
「……研究開発資金が潤沢なのは、それが理由だったのですね」
「それでも
「ご心配なく、固執していた者の大半は失脚や投獄されましたので」
ナッツが口にした懸念について、アレクセイはさらりと言った。
「…随分と苛烈な手を打ったじゃねえか?」
「そうするしかありませんよ。何せ、国家反逆罪なのですから…」
ドンに答えたヨーデルの言葉を聞き、水を打ったような静けさが広がった。
「まさか……今回の反乱勢力というのは…」
辛うじて言葉を発したサイファーに対して、ヨーデルは和かに笑う。
「貴方方が嫌悪している類の帝国貴族が多いのは、何の偶然でしょうね? 彼らから没収した財産を、オルニオン建設の財源に回せたのは僥倖でしたが」
「……この危機的状況で、未来を視野に入れた資金投入を帝国がしてくれて助かったわ。正直、経済循環が崩壊する危険性もあったから」
「ここまでお膳立てをしてくれたのですよ。我が妹は…」
カウフマンの言葉に一つ頷き、苦渋の表情を無理やり微笑へと変えたアレクセイがそう答えた。
それぞれが治める地において、世界の危機を回避するため、全ての
そして互いがそのことを同意する条文を作成し、今現在集まったこのオルニオンの街で調印式を行うこととなった。
場の解散の折、アレクセイはアイフリードとサイファーを呼び止めた。
25年前、遭難した両親の遺体の回収と、妹のソフィアを救助した礼を、アレクセイは改めてアイフリードとサイファーに伝えた。
「その礼はソフィア自身から受けておる。それに…その結果、滅びの運命を回避できようとは、まさに『情けは人の為ならず』じゃ」
「一つ訊きたいことがあります。25年前、ソフィアの蘇生に使ったのは、本当にライフボトルでしょうか?」
アレクセイの中で一つの懸念があった。そしてこれは、その可能性の有無を判断するための質問であった。
「……アイフリード?」
「そうだな…もういいだろう。最初にライフボトルを使ったが効果がなくてのう…まだ子供ゆえに哀れに思うて、一か八か『霊薬アムリタ』を使ったのじゃ」
その名称はアレクセイにとって見覚えがある物であった。ソフィアの日記で確か…
「5年前、残っていた『霊薬アムリタ』の一部を、解析したいと申し出たソフィアに分譲したと」
「うむ! そう、それで思い出した。その時にソフィアが
「
そう言いアレクセイが取り出したのは、ソフィアがダミュロンに託した荷物に入っていた、二つの装飾品であった。
「
「
サイファーの話によると、先ほど言った楽園の扉を開く鍵が、
「…ザウデ不落宮の地下…あの先に『楽園』があって霊薬アムリタを手に入れた?」
「おおっ! 楽園へ行ったのか?」
「いえ…奥には進んでいないのですが…」
そこで挨拶もそこそこに、アレクセイはアイフリードとサイファーと別れた。
§
オルニオンに作られた騎士団の出張所。
キャナリと挨拶を交わし、部屋に篭ることを伝えて用意されている個室へとアレクセイは向かった。
ベッドと椅子と机のみという簡素な造りの部屋。アレクセイは甲冑を脱ぎ、騎士服のみの姿となって椅子に座り、机に上で組んだ両手に顎を乗せ、窓の外の景色を眺めた。
ザウデ不落宮のシステムの中枢である巨大な
この時、同時に
「
ソフィアはザウデの
懸念が深まる中、アレクセイはソフィアの日記を捲る。その最初のページは、ソフィアが蘇生して目覚めた後。例の異世界語の表記は、蘇生後しか存在しないのだ。
「蘇生後に記憶を取り戻したのならいい。だが……」
本来のソフィアはその時に死に、入れ替わりに別の魂が入ったのならば?
霊薬アムリタが、異世界の魂を呼び寄せるトリガーとなったのならば?
そして霊薬アムリタが、ザウデ不落宮で手に入れた代物であるなら…
アレクセイは廉価版
ミムラが解読したソフィアの研究メモの概要を纏めた冊子を捲り、ソフィアが行った霊薬アムリタの解析結果を探す。続いて、一昨日にヘルメスから受け取った、台座に残存していたザウデの
そして比較した結果…