pixivでアップしているテイルズオブヴェスペリアの二次創作小説の2作品の統合版となっております。
ゲーム開始の25年前から始まる、「記憶持ちの時間逆行」と「ゲーム知識持ちの転生者」を含む、4人(オリ主、デューク、レイヴン、ユーリ)視点で繰り広げられるifストーリーです。
ゲーム本編、小説(主に奥田氏版)、劇場版の内容も含んでありますので、ネタバレ等ご注意ください。また本編等で本名やファミリーネーム、家族構成が明らかになっていないキャラクターの設定などを保管する形で、オリジナル設定多々含まれております。
ヴェスペリアの世界のパラレルワールド的な扱いにして頂けると幸いです。
「ヒールストリーム‼︎」
地属性治癒魔法で痛みが引いていくのを感じ、ユーリは重たい瞼を上げた。
「キャナリ……副団長?」
「選抜戦後に治癒術を習得していて良かったわ…立てる?」
キャナリの手を借りて起き上がると、瓦礫の山の周辺に仲間が散らばって倒れ伏していて、騎士団とギルドの混成部隊の騎士や傭兵から治癒術を受けていた。
しかしその中で姿が見えない仲間が一人。
「おっさんは⁈」
ユーリの記憶が一気に蘇る。
頭上から降ってきた崩壊したザウデの台座、その回避が間に合わないと思った時…レイヴンが上級風魔法で仲間を、瓦礫が落ちる範囲外へと吹き飛ばしたのであった。
残されたレイヴンは…
「ワンっ!」
ラピードの声が聞こえて視線を向けると、何かを主張するように瓦礫の山の一角を前脚で掻く姿が見えた。
最初に気づいたジュディスの顔から笑みが消えた様を見て、ユーリもその事実に気づき顔から血の気が引いていく。
「そんな…」
「レイヴン! レイヴンっ‼︎」
「何やってんのよぉ! バカあ‼︎」
エステルを皮切りにカロルとリタが、ラピードが知らせた瓦礫の方へと駆け寄る。その様子を見たレイヴンの部下であるシュヴァーン隊の騎士たちは慌てて駆け寄り、ルブランを筆頭に半ば泣きながら救出作業を始める。
ユーリも手伝おうとしたが、腕を強く握りキャナリが止めた。
「スパイラルドラコは、帝都に向かっているわ!」
「……何だって⁈」
あれだけの力があれば、結界が無くなった帝都では簡単に壊滅してしまうことは、ユーリも容易に想像できた。
「ヘラクレスを出動させたわ。でも…まだ動力機関が不充分で、以前ほどの力は無いわ。先ほど退艦命令が出たから……アレクセイ閣下が一人で操作して押し留めている」
「一人でって…閣下はまさか⁈」
フレンの呟きが耳に入ったユーリもまた、同じ考えに至っていた。
「道連れに自爆する気かよ…」
「ほとんど時間は残されていないの! だから急いでっ‼︎」
「皆、バウルは戻ってきたわ!」
バウルに説明するためにジュディスは一足先に行き、レイヴンの場所が伝わったことを確認したラピードもそれに続く。
しかしレイヴンがまだ瓦礫の下に居る現状から、他の者は誰一人動こうとしない。
「…行くぞ、カロル……」
「……でも……」
瓦礫を取り除く作業を止めないカロルを、ユーリは強引に引き剥がす。
「行くんだ!」
瓦礫の側に戻ろうとするカロルを、ユーリは羽交締めにする。その時デュークが歩み寄り、カロルに視線を合わせるように体勢を低くした。
「デューク?」
「アレは存外頑丈だ。あの時放たれた魔法の効果と軌道から、大きな瓦礫は術者の頭上を避けているはずだ」
「…ルブランたちに任せましょう。カロル」
デュークに続いて、エステルはそう言い泣きそうになりながらも笑みを浮かべる。その様子を見て、カロルは少し落ち着きを取り戻したようであった。
「先に行って、おっさんの出番を取っちまおうぜ」
「……わかったよ」
自身の言葉に頷くのを見て、ユーリはカロルを解放した。
「いつまで泣いてんのよガキんちょ!」
「リタだって泣いてたじゃないかっ!」
軽く本の角で小突かれたからか、彼しか見ていなかった事実を暴露するカロル。
「な……わ、私はエステルの貰い泣きをしただけで…」
言い合うリタとカロルをエステルが仲裁しつつ、3人はフレンに促されてバウルが待っている場所へと移動を始める。
それを見届けた後、ユーリはデュークに礼を言う。
「ありがとな、デューク」
「冷静さを欠いたままでは敵は倒せぬ」
「確かにな。だったら、俺からも一つ」
そこで言葉を切ったユーリは、不適な笑みを浮かべてデュークを見つめる。
「あの人が大人しくやられるとは思えない。今までのパターンからすると、全部ひっくり返すタイミングを見計らってんじゃねえのか?」
ユーリが言う「あの人」が誰か、デュークは直ぐに理解した。
「……そうだな。ならば尚のこと、彼女の期待に応えねばならぬな」
エアルの乱れを察知したバウルの案内で、ユーリらはスパイラルドラコの姿を察知した。
「追いついたぜ!」
帝都の北西にあるラウライス島、そこからヘラクレスはスパイラルドラコに集中砲撃をする。何度かの波状攻撃に末にようやく羽を破壊して、スパイラルドラコの飛行能力を奪った。
墜落したスパイラルドラコの前方に回り込む形で、ユーリらはラウライス島に降りる。そして戦場に着いたユーリらが見たのは、ヘラクレスに向けて突進するスパイラルドラコの姿であった。
迎撃するヘラクレスの攻撃がスパイラルドラコの胴部に当たるも全く効果はなく、そのまま突っ込まれてヘラクレスの側部は大きく歪んだ。
その間に左右の頭部がヘラクレスに火炎ブレスを浴びせ、風のブレスで焔を強化した。そして…
爆音と共にヘラクレスは大破した。
その様を見たフレンは、唇を噛み締め必死に感情を押さえ込んでいる様子であった。
「……ヘラクレスの爆発でダメージを受けているわ! 畳み掛けるなら今よ‼︎」
ジュディスの言葉を聞き、デュークはユーリに確認を取る。
ユーリはミムラから聞いたスパイラルドラコの特性を思い出しつつ口にする。
「左の尾は毒弾、右の尾は精神汚染だったな」
「回復のフォローはボクがする」
「私も回復と補助に専念します」
「広範囲魔法で押さえ込めばいいのよね。共通して効くのは無属性……だったら!」
布を揺らしリタは舞うようにマナを操り、術式を構築する。
「トラクタービーム‼︎」
スパイラルドラコの巨体が浮かび上がり、そして地面に叩きつけられた。直後、飛び出したデュークが円閃乱舞で連続して斬りつけていく。
「ユーリ! 僕も胴を叩く! 首が降りてきたら…」
「回復ができる中央の首が最優先だな。行くぜ、ラピード‼︎」
「ヴワウ…ワン‼︎」
「下に降りてこなくても、私の攻撃なら届くわ!」
そう言うや否や、ジュディスは舞い飛ぶように空中をヒラリと回転する。
「崩蹴月! 飛燕連月華‼︎」
ジュディスのコンボが決まる中で、フレンはデュークと入れ替わりに胴に秋沙雨を叩き込むが、尾の攻撃を避け損ねて毒を受けてしまう。デュークが援護する中で後退したフレンに駆け寄り、カロルは活心リカバースタンプで状態異常を回復させる。
胴への連続攻撃に耐えかね、そしてジュディスの猛攻を避けるように、スパイラルドラコは首を地面まで下げた。
攻撃範囲内に来た頭部を、ユーリとラピードがそれぞれ左右の首に峻円華斬、爪竜烈濤牙で連続攻撃を加える。その間もジュディスは中央の頭に攻撃を加えていく。
尋常ではない強度故に、武器を振い続けるユーリらに疲れが見え始めた。動きは精彩を欠き始め、攻撃後に首振りやビーム、ブレス、尾の珠や振り回しなど、多種多様な攻撃を避けれず、受け止めきれない時が増えてきた。
「ナイチンゲール!」
「活心キュアスタンプ!」
エステルやカロルは休みなく回復や治癒をし、隙を見てグミを放り込むのを繰り返していた。
「あーもう! 鬱陶しいわね‼︎」
埒が空かないとリタは大技の構築を試みた。彼女が集める膨大なマナに危機感を抱いたのか、尾から精神異常を齎す攻撃を乱発するスパイラルドラコ。運悪くその攻撃を、ラピードが受けてしまった。
「ラピード⁈」
混乱したラピードの攻撃をジュディスが抑える中、カロルがラピードの回復に向かう。その間、ユーリが3つの頭部を牽制していたが、前線の維持は難しく…
「リタっ‼︎」
エステルの絶叫で、ビームの光が籠った口が、自身の方を向いていることにリタは気づいた。背に恐怖が這い寄り、喉が引き攣りそうになるが、詠唱を…術式の構築をとめる訳にはいかない。
ユーリたちも疲労困憊で、誰も彼も回復が必要な状態で、援護に入る余力が無いのは明らかであった。
術発動が先か、それとも…
「驟雨の乱っ‼︎」
聞き覚えののある声と共に、無数の光と化した矢が中央の首に降り注ぐ。スパイラルドラコは攻撃を止め、不意打ち攻撃への防御に転じるしか無かった。
見覚えのあるその技を放った者は…
「レイヴンっ‼︎」
「おっさんっ‼︎」
「レイヴンさん‼︎」
「おっ? 感動の再会で胸いっぱい?」
驚き呼ぶユーリらの声に、ウィンクで答えるレイヴン。それを押し除け姿を現したのはキャナリと
「感動は後回しにしなさいっ‼︎」
「マイスウィートハートの言うとおりです!」
息ぴったりでそれぞれ弓と銃を構える。
「キャナリ中隊長⁈」
「一時的に私たちが受け持ちます。その間、回復に努めて体勢を立て直しなさい!」
フレンにそう指示を出し、キャナリは家宝のディバイセイバーを剣に変形させて中央の首に斬りつけ、標識を付けると同時に距離を取るように後ろへ跳んだ。
「ターゲット…ロックオン!」
キャナリを攻撃すべく蠢く複数の尾や頭をレイヴンが適切に射って牽制する間に、剣から弓へと淀みなく変形させ、キャナリは弓にマナを込める。
「クライシスレインっ‼︎」
無数の矢が光となり、四方八方から翻弄した。堪らず地面に落ち始めた中央の首の落下地点に、不敵に笑むイエガーの姿があった。
「お別れのタイム!」
打ち上げるように鎌に変形させた得物で何度も斬りつけ、充分に上に吹き飛ばした直後、銃に変形させてマナを込める。
「カーレス・オブ・デス‼︎」
渾身の一射がスパイラルドラコの中央の頭を貫いた。
回復能力を持つ要である中央の頭をボロボロにされ、スパイラルドラコは怒りからか激しく吼える。そして大技の後遺症で動きが鈍いイエガーに向けて、スパイラルドラコは攻撃を仕掛けようとする。
しかしスパイラルドラコは、目の前の敵に翻弄され、一番警戒すべき存在を忘れていた。その存在に気づくも、リタが最上級魔法の構築は既に完了していた。
「メテオスウォーム‼︎」
数多の隕石が広範囲に降り注ぎ、巨体故に多数の攻撃を受ける羽目となり、スパイラルドラコは倒れ伏した。
無防備に地面に落ちる3つの頭部に向けて剣を向けたのは、騎士団長の鎧と真紅の騎士服を纏ったアレクセイであった。
「アレクセイ⁈」
驚き名を呼ぶユーリを一瞥するアレクセイ。彼から視線が外せないユーリの元に、レイヴンが駆け寄る。
「待たせたね、青年」
「レイヴン、あんた…」
「キャナリやルブランから無事と聞いてたけんど…直接会わんと納得できんよね」
そう言いレイヴンはユーリにスペシャルグミを渡す。それが彼が生きてこの場にいる証左に他ならない。
「それはこっちの台詞だ。アレクセイもどうやってヘラクレスから脱出しやがったんだ?」
「そこんとこは本人に聞くしか無いけど、まずはアレを倒すのが先でしょーが。帝都まで後がないでしょう? だから大将も直々に、混成部隊を引き連れてきたわけで…」
そう言い、目視できる距離にある帝都をレイヴンは見た。
「混成部隊の連中は?」
「ここを邪魔されない様に、周辺で魔物を狩ってるわよ」
「了解。アンタをぶん殴るのは後回しだ」
そう言いレイヴンが渡してきたスペシャルグミを、ユーリは口に放り込んだ。
スパイラルドラコの前に立つアレクセイの側には、いち早く回復を終えたデュークの姿があった。
「ついてこられるか?」
デュークの返事を聞くまでもなく、アレクセイはマナを込めた特大の剣気を複数放つ。
「任せておけ!」
スパイラルドラコが怯んだ隙にデュークが術式を構築し、その周囲に剣状の多重結界を花弁様に展開して閉じ込める。
直後、二人は同時に剣先をスパイラルドラコに向ける。
「「光龍十字衝っ‼︎」」
寸分違わず中央の頭部に重なる様に剣気が交差し、原型を留めないほど激しいダメージを与えた。
中央の頭部は完全に沈黙した。
左右頭部も瀕死状態に追い込まれている。
にも関わらず、残された尾でアレクセイとデュークを薙ぎ払い、スパイラルドラコは帝都に向けて歩き始めた。
足止めのために、距離を置いて攻撃するキャナリとイエガー。2人に対してブレスを吐き散らす様を見てカロルが呟く。
「これでも倒せないの⁈」
「ダメージを負っているのは間違いない」
防御と受け身で致命傷を避けたアレクセイやデュークにグミを配ったフレンが答える。
「時間を掛ければこのまま削り取れるかもしれないが…これ以上戦いが長引くのは、避けた方がいい…」
日が傾き空が橙色に移るにつれて、周りの魔物の気配が濃くなるのを、ユーリは肌で感じ始めていた。今は混成部隊が抑えているが、そこが崩壊したら…
「…ヴェスペリアの指輪を使う」
皆の回復が終わったタイミングで、ユーリが切り出した。
「後の精霊化を考えると、技は一回限りが望ましいわ」
リタの言葉を聞き、暫し思案した後にレイヴンが口を開く。
「となると秘奥義ね…確実な足止めが必要となると…カロル少年。おっさんが術式構築するまで、守ってちょうだいな」
「わかったよ、レイヴン」
「ワンコと青年少女たちは、おっさんが作る5秒間で準備整えて叩き込んでちょうだい」
レイヴンの言葉で思い当たる術技が脳裏に浮かび、その術の負担の大きさからユーリは思わず呼び止める。
「おいレイヴン⁈ まさか…」
「青年、おっさんに任せなさいな」
ユーリとレイヴンが内々で話す中、カロルはカバンから三つのパーツを放り投げる。
「カルロウXっ‼︎」
そしてカロルは、巨大化したカルロウの肩に乗った。
「ぶっ放せっ! いっけぇええええ‼︎」
剛閃爆殺ウルトラXボンバー。
カロルの号令に従って主砲から巨大な火球が放たれ、スパイラルドラコの下半身に着弾し、尾を2本共まとめて跡形もなく吹き飛ばした。
怒り狂ったようにスパイラルドラコの左右の首が、ブレスを吐き散らし暴れ始めたその時…
「時間よ止まれ! お代は見てのお帰り…ストップフロウ‼︎」
レイヴンの最上級魔法で、味方以外の時間が静止した。
相手が無抵抗となっている貴重な時間稼ぎの中で、最初に準備ができたのはリタとエステルであった。
「エステル、無茶しないでよ!」
「はい! 気をつけます‼︎」
リタが術式を飛ばし、スパイラルドラコを中心に複合術式を構築する。その間に距離を詰めたエステルは、剣で突き攻撃をしつつリタの術式を強化した。そして…
「「ミスティック・ハンマー‼︎」」
エステルとリタが腕を振り下ろすと同時に、マナで巨大な槌が構成され、スパイラルドラコの左頭部を押し潰した。
「私たちは残りの頭ね」
「ウワウッ!」
ジュディスが槍で斬り上げ、球状の術式でスパイラルドラコの左頭部を囲む。
「お願いね」
「ウワウっワンワンっ‼︎」
ラピードが剣気を放ち、マナで構築した風を放って斬り刻む。
「月華の乱‼︎」
飛び掛かったジュディスは、マナを槍先に込めて叩きつけた。
「ワォーン‼︎」
同時にラピードも力を解放した結果、スパイラルドラコの左頭部は弾け飛ぶように消滅した。
直後、空間が割れる音と共に時間の凍結が解除される。
残った頭を潰され消し飛ばされ、何が起きたか分からず混乱している様子のスパイラルドラコであったが、立て直す時間を与える気はユーリには無かった。
「決めるよ、ユーリ‼︎」
フレンが一閃。
「ああ、見せてやろうぜっ‼︎」
続けてユーリが斬り裂く。
続けて二人同時に剣を差し込めば、これまでの累積ダメージで、スパイラルドラコの腹部は大きく斬り裂かれた。
息を合わせ、剣を重ね、集結するマナを己が切先に乗せる。
「「武震双閃波‼︎」」
ユーリとフレン、同時に放たれた剣気がスパイラルドラコの胴を漸く貫き破壊した!
大技の負担で座り込んでいるレイヴンに、飛びかかるようにカロルがのし掛かった。
「レイヴン……無事でよかった…」
「ああ、ルブランたちのお陰でなんとかな」
「本当に良かったです…」
「エステルに心配掛けてんじゃないわよ!」
うっすら目に涙を浮かべつつも、照れ隠しをするようにリタは本の角でレイヴンの頭を叩いた。
「本当良かったわ。おじさま。私、胸が張り裂けそうだったのよ」
「ジュディスちゃん…」
「なんかウソっぽい…」
「あらリタ。本当なのに可笑しいわね?」
「おっさん」
「なあに、青ね……あだぁっ‼︎」
レイヴンの頬にユーリの拳がめり込む。
「ザウデで捨て身になるわ、さっきは命削る大技使うわ…こっちの気持ちになりやがれ!」
「他に方法がなかったでしょうが‼︎ それに俺様も生き残る努力はしたのよお…」
「ったく…ンなことはわかってる」
そう言いユーリは、レイヴンに右手を差し出す。
「ありがとな」
素直に礼を言われると思っていなかったらしく、キョトンとした顔をした。そして表情を和らげて右頬を摩りつつ、レイヴンはユーリの手を掴み、引っ張り上げられる形で立ち上がった。
一方でフレンは、アレクセイに向けて騎士の敬礼をした。
「アレクセイ団長閣下…よくご無事で……」
「…ったく、爆発した移動要塞から無事逃げ出せるなんざ、どんだけ人間離れしてんだよ」
「ローウェル君。自動操縦システムというものがヘラクレスには備え付けられている。このような非常時に、指揮命令者を潰すような作戦を取るわけがあるまい」
「キャナリ副団長…知っていましたね…」
イエガーの治療を終えたらしく、アレクセイの隣に控えているキャナリを恨めしそうに見るフレン。
「あら、私は一言も言っていないわよ」
「諦めろフレン。俺たちが勝手に早合点しただけだ。それに、急いで駆けつけないと危なかったのは事実だったろう?」
一年前の反乱の復興が進んでいる帝都。
それが灰燼にされることなく防げた事をようやく実感し、ユーリは緊張を解くように大きく息を吐いた。
「勝利に浸ってる暇は無い。早急に精霊化を」
「ワン!」
デュークとラピードに促され、ユーリらはスパイラルドラコの骸の元へと集まる。そして
ズぶリ……
潰したはずのスパイラルドラコの中央の頭部が再生された。
「な⁈」
「嘘…」
「
「仕留め損ねていたのか⁈」
「いいえ、マナの動きで確認したわ。間違いなく生命活動は停止していた
「こんなことって…」
スパイラルドラコの温度の無い赫い瞳がユーリらの方を見る。
そして……
合体秘奥義はテイルズオブザレイズ(もっとサービスが続いてほしかった…)から拝借。
光龍十字衝と月華の乱は都合上ペアのメンバーが本来と違います。ユーリに2回やらせるのは働かせすぎな上、流石にヴァンを召喚する訳にはいかないので…