私の作品を読まれていた方はようこそ、新しい作品へ!
個人Vtuberで活動されている方の配信を観ていた際に執筆の話をしたら書きたくなり、ご本人様から許可を得てこの作品を書かせて頂く事になりました!
ご覧になった皆様が楽しめるように執筆致しましたので宜しかったら最後までご覧下さい!
それでは始まります!
バタバタバタと何かが回転する音が聞こえる。
普段の生活ではまず近くでは聞かない音だ。
「──さん、──さん」
誰かが呼びながらその呼ぶ相手の身体をゆする。
「──さん!起きて怜菓さん!」
怜菓と思わしき女性の身体を軽く叩くとその衝撃に気付いて目を開け、上半身を起こす。
だがその時に怜菓は自分自身がいつも配信で使っているキャラクターのメイド衣装とは異なってる事に気付く。
ウェーブのかかったショートヘアの茶髪、足には黄緑色、両腕には白色の装甲を纏った女性キャラ、ホライゾンと思わしき姿をしている。
そのホライゾンの右手首にはボタンが5つあり、小さな画面には57と表示されたリストバンドが付いていた。
そして周りを見ると自分だけではなくそれぞれ見知ったキャラが立っていた。
「う...ん、ここは...?」
「目が覚めたんですね。どこか変な感じはありますか?」
怜菓の目の前にいたのは全身が藍色の鋼鉄で出来ていて、少し細身の機械人間、その見た目はAPEXのキャラクターの1人、パスファインダーに見えた。
突然の事に怜菓は少しよろけながらも立ち上がる。
立ち上がっても足元に浮いた感じが取れないのは恐らく自分自身が何か宙に浮く乗り物に乗っているのか?と推測する。
「今の所大丈夫...です。えっと...ここは───」
「分かりません...けど怜菓さんの参加型配信を待ってて俺も自室のパソコンで待機してたはず───」
「あれー?もしかして怜菓さんと満月さんじゃないスかー」
2人で呼ばれた方を見てみると黒い長靴に黒い作業服、黄色のベスト、肘まである黄色のグローブと、かなり目立つ色合いの服を着たガスマスクを被る人物、こちらもAPEXに出てくる男性キャラクターのコースティックだろうか?
その男性が2人に近づいてくる。
「えっと、ここはどこなんですか?というか何で2人とも私の名前を───」
怜菓がなぜこの2人が自分の名前を知ってるのか聞こうとした時だった。
突然空に放り出される。
「え?」
「あ?」
「へ?」
眼下には島が見える。
どうやら怜菓達はヘリコプターに乗っていたようだ。
だが今そんな事はどうでもいい。
問題なのは今まさに問答無用で外に放り出された事だ。
「うおおおおおっ!?!?!?!?」
「なんでええぇぇぇええええ!?!?!?!?」
突然の出来事にパスファインダー、コースティックが悲鳴を上げる。
だが特に悲鳴が酷かったのは...
「いいいぃぃぃぃぃぃいいいやああああああぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
起きたばかりで空中に放り出された怜菓だった...
◆◇◆◇◆◇
タタン!!!!タタン!!!!
何か激しい音が遠くで聞こえる。
「──さん!怜菓さんしっかり!」
再び声を掛けられて目を開く。
目の前には先程ヘリの中で"満月さん"と呼ばれていた藍色機械人間が手を差し伸べていた。
その手を掴み、起き上がる。
「えっと...ここは...?」
「先程の飛行機から見えた島のようです。っととりあえずこれを」
怜菓の足元にドサリ...と大きなリュックが置かれた。
「とりあえず1番大きいリュックを見付けたのでそれを使って下さい。物資の補給はまた後で出来るのでとりあえずここを離れましょう!」
その言葉と同時にカシャン!と何かが投げ入れられた音がした。
その音がした方向を見てみるとセーフティーが外されたグレネードが落ちている。
つまり...
「っ!早くこっちへ!」
「わ、分かった...!」
満月に急かされ、怜菓も走る。
そしてその数秒後...
ドオオォォオオオン!!!!!!!!!!!!!!!!
先程いた建物の中でグレネードが爆発する音が聞こえた。
◇◆◇◆◇◆
先程の建物から数百メートル離れた別の建物に辿り着いていたがかなりの距離を走った為かお互いに息が上がっていた。
「ひぃ...ひぃ...」
「はぁ...はぁ...とりあえずここまで来れば大丈夫でしょう...それにそろそろ彼も合流する頃だと思います」
彼と聞いて先程のコースティックを思い出す。
「着地する時に多分怜菓さんは俺のコントロールから外れて逸れちゃったんですよ。で、ここに着いた時に俺は怜菓さんを、金斗さんは必要な物資を集めてここに戻るって話をしてたんです。で...」
満月は近くにあったロッカーから様々な物を取り出してきた。
「これ、好きなの使って下さい。俺はもう準備したんで」
そう言って目の前に多くの物資を並べた。
武器はアサルトライフル、スナイパーライフル、ライトマシンガンとその各武器に必要な弾薬。
シールドを回復するアイテムのセル、バッテリー。
体力を回復する注射器、医療セット。
投擲武器のグレネードにテルミット。
自身を守るヘルメットにシールドもあった。
目の前の満月は確かに色々と持っているようだ。
それならありがたく使わせて貰おうと身に付けるものは身に付ける。
それとグレネードに注射器、医療セット、バッテリーを一通り入れる。
そして武器はというとアサルトライフルとライトマシンガンを選んだ。
「...そろそろ来るはずなんだけどなぁ...」
満月が壁にある小さな窓からこっそりと外の様子を見る。
すると遠くから高速に接近する何かが見えた。
白をメインカラーとし、赤いラインが入ったカラーリングが特徴で後ろ側にあるスラスターを利用して空中を移動出来る唯一の乗り物、"トライデント"だ。
その様子を見て敵である可能性があると、持っていたアサルトライフルのセーフティーを外し、いつでも撃てるように準備する。
突然臨戦態勢になった満月さんを見て怜菓はビクッと身体を震わせた。
「え...!?」
「怜菓さんは隠れてて」
姿勢を低くしながら軽くドアに手を掛けてゆっくりと引き、ギリギリ見えるくらいにまでドアを開ける。
すると...
「おーい、満月さんやーい!怜菓さんは見付かったかー?」
その"満月さん"という単語に安堵した満月はフゥ...と息を吐いて立ち上がり、ドアを開ける。
「金斗さん、乗り物は少し距離を離してから入ってくれ」
「あいよー」
金斗さんと呼ばれた人物の声が少しづつ遠くなっていく。
どうやら先程のトライデントを少し離れた所に停めに行ったようだ。
外にいる人物が味方だと知り、安心したのか怜菓が立ち上がる。
「味方...でいいんですよ...ね?」
「ええ、怜菓さんも知ってるでしょ?金斗さんですよ」
金斗さん───その名前を聞いて思い出す。
自分の、怜菓の配信を見に来てくれているリスナーの1人だ。
それと同時に思い出した。
数十分前の出来事だ。
怜菓はいつも通り配信をしようとしてパソコンを立ち上げた時だ。
自身のメールボックスに新しいメッセージが届いていた。
宛先は────∀qヨ✕
文字からして逆さまにしたり左右反転させると《APEX》の文字に変えられる。
季節的にハロウィンだし、イベントの告知か何かか?と思い、そのURLを開いたのだ。
その瞬間、画面に変な模様が映し出されたと思うと意識は混濁し始め、目を覚ました時にはヘリに乗っていたという事だ。
怜菓が今までの事を頭の中で整理しているとドアが開き、コースティックの姿をした金斗が入ってくる。
「おー、目の前に満月さんと怜菓さんいるー!ま、見た目は違うけど。で、説明の方は?」
「まだだ。で、そっちは?」
「こっちは───」
2人がやり取りのしてる中、満月が手招きをして怜菓を呼び、怜菓も加わる為に歩み寄る。
「とりあえず変な説明になると思いますけど俺達はゲームの世界に送り込まれた────としか思えません」
「出られる方法は分かるの?」
「こういう場合、可能性で言えば"勝ち抜く"としか今の所は...」
本来、APEXは1ゲームにつき、3人が1つのチームとなり、合計で60人、20チームで行われるゲームだ。
そして安全地帯が狭まっていく中でフィールド上に散りばめられた武器やアイテムを駆使し、他プレイヤーを倒してチャンピオンを目指すのが目的となっている。
もしも満月の言う通り、勝ち抜くしか元の世界に戻る方法が無いのなら仮に生きて帰れたとしてもその最大人数は3人だけとなる。
だとしたら残りの57人はどうなるのだろうか?
「とりあえず今は生き延びる事だけを考えましょう」
「そうだね」
「りょーかい」
満月の提案に頷く2人。
たった今、元の世界に帰る戦いが始まったのだ。
やはり初回投稿はいつも緊張するなぁ…w
という訳で皆様、この作品は毎週土曜の18:00に投稿しますので次週もお楽しみに!
感想等もお待ちしております(*´ω`*)
ちなみにこちらの作品では名前に実際のリスナーと個人Vtuber【怜菓】という方を使わせて頂いておりますが実際の配信にも足を運んでみて下さい♪
それではまた来週(・ω・)ノ