世界はまさに転生時代・・・チートをもらって転生、オリジナルの世界があれば原作がある世界、または原作の設定だけあって全く関係のない世界。
これはそんな数ある転生者である俺の・・・どうでもいい話だ。まず俺が誰かと言うと・・・まあ名前は知らなくていい。大事なのは転生した世界が遊戯王をモチーフにしたオリジナル世界、と言うことだ。前世では軽く嗜む程度の遊戯王プレイヤーだった。全然ガチ勢じゃなかったし、大会には参加せず友人と遊ぶだけの普通の一般人。
だからか転生する時に遊戯王世界に転生するとは思わず適当にチートを求めたんだ。これが失敗だった。ちゃんとどんなものか要求するべきだったんだ。確かに俺はチートを手に入れた。だが・・・これはこの世界ではチートであっても呪いでもあったんだ・・・。
さて、少し話は戻るがここは遊戯王をモチーフにしたオリジナル世界だ。遊戯王が全て・・・己の要求を通したいのならデュエルで勝利しろ、というものだ。例えば学生であればクラス内カーストとかもデュエルが強いやつが上の方に行く。そんなふざけた世界だ。俺は中学生、クラスカーストもある。チートがあるから当然クラス内カーストも上位・・・なんてわけもなく俺は最下位だ。何故なら俺はデュエルを全くしないからだ。故にいつも最下位、上のやつに頭を下げる毎日だ。給食も奪われるし下校中に鞄持たされるのも当たり前だ。
そんな学生生活を送っている休日の日の話だ。俺は家にいるとクラスのやつに押しかけられて色々されることが多いから少し離れたところに散歩しに行くようにしている。この世界は遊戯王が全て・・・その他の娯楽は殆ど発達していない。ゲームセンターもカラオケもない。あるのはカードショップだけだ。一つの町にカードショップの20個や30個は当たり前。・・・いや流石に少し盛ったかもしれないがそれぐらいある。散歩してもカードカード・・・で少し嫌になるレベルだ。そんな嫌な思いをしながら歩いていると叫び声が聞こえてくる。何が起きたのか見てみると俺と同い年くらいの見知らぬ顔の二人組の少女が高校生くらいのやつと何か争っているみたいだった。野次馬根性で見てみると・・・どうやら高校生が少女の一人からカードを奪い取ったみたいだ。
「ちょっと!この子にカードを返しなさいよ!」
「へへっ、こんな雑魚がレアカード持ってるなんて烏滸がましいんだよ。それにデュエルで勝ったんだから問題ないだろ?」
「そんな賭けの話してなかったでしょ!ただのデュエルって話だったでしょ!」
・・・そんな話が聞こえてくる。違法な気がするから普通に警察を呼べば・・・と思うがこの世界はデュエルが全て。そんなことも周りは思いつかないのか何も言わない。取り返そうにもデュエルするとなるとこちらもカードを賭けないと向こうは乗ってこない。誰もが自分のカードを失うかもしれないと言うことが怖いのか挑まない。高校生はそのまま少女二人を放ってどこかに行こうとする。俺も無視しようと思う・・・思ったんだが・・・少女が泣いているのが見えた。・・・・・・・・・地元からは結構遠いし知り合いもいない。このまま見捨てるのも心が痛いし・・・仕方がないか・・・はあ・・・
「おい、デュエルしろよ」
俺はカードを奪った高校生に声をかけた。
「んー?なんだ、カッコつけか?わかってるか?カードを賭けてってことはお前も賭けるんだぞ?」
「構わない。俺は俺のデッキを賭ける。それならお前も文句ないだろ?」
周りから騒ついた声が聞こえる。デッキを賭けるなんて正気の沙汰じゃないからだ。
「ひ、ひひっお前馬鹿だろ!いいぜ、やってやるよ!お前のデッキ全部奪ってやるよ!」
互いにデュエルディスクを構える。そして、俺の勝ちが決まったデュエルが始まる。
「「デュエル!!」」
先行になったのは高校生だ。だが・・・関係ない。
「俺のター「今この瞬間!五枚のカードが全て揃った!」ン・・・は?」
俺の初期手札は封印されし者の左腕、封印されし者の右腕、封印されし者の左足、封印されし者の右足。そして封印されしエクゾディア。
「俺の勝ちだ」
放心している高校生からカードを奪い取り、少女に渡す。
「あ、ありがとうございます!その、あなたは」
それに応えることなく俺は早足で帰っていく。色々とこれ以上関わると面倒臭い気がしたからだ。
そうそう。ここまで見ていると俺のチートが何かはわかったとは思うが、一応答え合わせだ。俺のチートは初期手札で絶対エクゾディアが揃う・・・そういった呪いを持ってしまった、ただそれだけのどうでもいい話だ。デュエルをする楽しみも切磋琢磨する楽しみも何もない。勝つことが決まった何も楽しくない人生を送ることが決まったデュエルをしない俺の話だ。
続きません