女性恐怖症の提督   作:針葉樹

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大淀と日記

新しい提督が着任してから一週間が過ぎた。

新しい提督は着任後から執務室に籠り前任者が不在の間に溜まった仕事を片しながら出撃や遠征の指揮を執っている。しかも一人で。

以前の私も提督代理として同様の事をしていたが、流石に一人では出来なかった。

その量を一人でやっている、すごい人だ。

しかしその忙しさゆえに着任式が未だに行えていないため、現在提督の執務室の前は新しい提督に興味を持つもので溢れており、報告書を渡しに行った艦娘は必ず提督の事を聞かれるのだとか。

私も初日の鎮守府案内以降、直接顔を見ていない。

まぁこの状況も暫くすれば収まるだろう。

 

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一月が経った。

鎮守府は以前とは大きく変わっていっている。

もちろん良い方向へ。

提督も鎮守府の改良を画策しているようで、目安箱というのを設置した。

自分たちが過ごしやすいように意見することができる、前まではとても考えられないような待遇だ。

とりあえず私は「秘書官制度の採り入れ」と書いて入れておいた。

艦娘と提督間のコミュニケーション機会の増加に繋がるし、提督の仕事量も削減できるためだ。

そういえばその提督は絶賛艦娘達の中で株がかなり上がっている。

提督に会う機会が極端に少ないことで、報告書を渡した子達の証言が想像を膨らましているようだ。

曰くイケメンだとか。曰く優しさの塊だとか。曰く礼節があり、丁寧だとか。曰くクソ提督だとか……この証言は約一名しか言っていないが。

艦娘は基本定的に提督へ信頼を寄せる傾向にある。

そのため会えない、正しくは会う機会が非常に少ない提督に対する信頼も生まれているようだ。

艦隊指揮を執る際の的確な判断に信頼を置いている子もいるようだが。

最近では提督と関係を築こうと報告書を渡すときに昼食に誘う子もいるという。

 

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今日の昼、食堂で何かあったようだ。

何人かに聞いて回ったところ、皐月が提督を食事に誘って一緒に食べていたところ、突如提督がよろめきだしたのだとか。

その後おぼつかない足で自室に戻ったという。

間宮さんは「もしかしたらアレルギーでもあったのでしょうか」と言っていた。

しかしあれほど知見に優れた提督がアレルギーのことを事前に間宮さんに言わないということがあるのだろうか。

いや、おそらくはありえないだろう。

もしかしたら提督が日頃執務室からあまり出ようとしないのには仕事以外に理由があるのでは?

今回の件が起きてしまう理由が。

……これ以上考えても仕方ない。今日はもう寝るとしよう。

 

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二月が経った。

艦娘達は提督が何らかの持病を患っているないし何らかのアレルギー持ちであると考えたようだ。

以前とは異なり提督を食事に誘うものは減った。

その代わり提督の体調を慮る子が増えた。

一部の子は提督に仕事の手伝いを打診しているとかいう噂も流れてきた。

また、報告書を渡した子の証言の中に、執務室に薬の入った瓶が置いてあったという話もあるようだ。

 

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半年が経った。

あれ以来提督に何かあったという話はなくなってきている。

また、横須賀周辺海域の完全鎮圧、遠征航路の安定化が出来たことで提督に時間が出来たようで、近々大規模作戦があることだし、それについての説明もかねて説明会を行うという通告があった。

多くの艦娘達にとっては提督との初対面の場でもあった。

説明会の後、提督が想像以上に素晴らしい方だったようで、某高速の人は大きな声で愛を叫んでいた。

……ちゃんと作戦の内容聞いてたんですかねこの人。

 

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作戦は無事終了した。

大規模作戦は半月近くにわたり行われた。

提督はその間まともに休みがなかっただろうに、作戦終了後、私たちに報酬を与えると言ってきた。

一部の子達(主に駆逐艦は)提督に頭をなでてほしいとかわいらしい報酬を要求したようだが、時津風がハグをねだったところ提督が申し訳なさそうに断った。さすがに自衛隊の体裁を気にしたのだろうか?

結果、報酬は金一封とカタログになった。

後日、鎮守府内をカメラ片手に走り回る重巡洋艦が確認されたらしい。

 

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大規模作戦からしばらくたった。

提督は鎮守府の内部環境の向上に努め、随分と過ごしやすくなった。特に全部屋にエアコンがついたのは個人的にかなりうれしい。

先の大規模作戦での功績もあってか、提督の株はここの所上がりっぱなしだ。

皆、どうにかして提督との仲を深めようと画策しているが、提督はいつも通り執務室に籠りっきりだ。

……もしかしたら一部の子達が強硬策に出るかもしれない。

明石に頼んで夜間の警備を手厚くするべきだろうか。

 

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朝食堂に行くと随分と騒がしかった。

事情を聴くと何でも提督が青葉のインタビューを許可したらしい。

それで質問内容を募集してるうちに人が集まったのだとか。

青葉本人もここまで人が集まると思ってなくって収拾がつかなくなっているようだった。

仕方ないので助け舟を出し、「質問の提案は一人一つまでとし、紙にて提出すること」とした。

さて、私も後で自室から紙をもってこなくては。

 

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インタビューの日、ちょうど非番だったので様子を見に行くとすごい人だかりができていた。

質問内容に対し、提督が答えるたびに皆一喜一憂していた。

一応そのまま眺めていると、問題が二つ起こった

一つは「現在彼女などはおられますか?」という青葉の質問に対する提督の返答を聞いて、祝砲を撃とうとしていたアホが居たことだ。もちろん即座に拘束し、一週間のトイレ掃除を義務付けた。

しかしもう一つの問題が良くなかった。それがインタビュー中に提督が花粉症の薬といって服用した薬についてだ。

それだけだと特に問題がないようにも見えるが、問題はその薬の量だ。

一つ二つではなく、五つ六つの種類の薬を服用していたのだ。

花粉症の薬にしてはどう考えても多い。

このことで提督病弱説が噂……というかほぼ事実として扱われ始めた。実際私も提督は病弱だと思うようになっている。

それはさておき、彼女達は日々どうにかして提督を休ませる方法を考え始めている。

それが平穏な手段であればいいが……

やはり明石に頼んで警護を厚くした方が良いだろうか。

 

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最近、聞くところによると提督が自室にも戻らず仕事に専念しているらしい。

理由を聞くと次の大規模作戦関連で忙しいとかなんとか。

恐らく嘘だろう。

大規模作戦の準備に時間や労力が必要なのは事実だが、提督ほどの人物がそこまで、執務室に籠ってまでやらなければならないほどの量は無い。

他に理由があるのだ。執務室に籠らなければならないほどの理由が。

それに提督に秘書艦制度を具申した際に言われた艦娘を慮る言葉……

恐らくだが、提督は艦娘に心配をかけたくないのだ。

だから自分が病弱だと隠そうとするのだろう。

自分自身が苦しむだけだとわかっていても

 

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衝撃的な話が飛び込んできた。

提督が倒れたという話だ。

すぐに軍医が駆け付け病院に搬送されたらしいが……

……ダメだ。自分に対しての憤りが止まらない。

分かっていたのに、読めていたのに、止めれなかった。いや、止めようとしていなかった!

そんな後悔と怒りの感情が心を満たしていく。

あの時ああしていれば、もっと提督の業務を減らせていれば、止めていれば!

既に過ぎ去った過去。考えても仕方ない。

それは分かっている。分かっているのに、分かっているのにこの感情は止まらない。

そもそもあ

 

 

 

 

 

 

 

 

(涙と書きなぐるような字体で読むことができない)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あけましておめでとうございます。
バレンタインが終わり、エイプリルフールが過ぎ、新生活が始まって少し経ちましたね。
前回投稿11月 今4月 約五か月

はい。投稿遅れましたごめんなさい。
次回は年を越えません。絶対、大丈夫!
早ければ4月中にあがります。

どうでもいい話
上原の男女識別能力は常軌を逸しており、着ぐるみの中の人が男性か女性か見ただけでわかる。
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