女性恐怖症の提督   作:針葉樹

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また会いましたね。
提督視点は書きやすいから投稿スパンが短くできてうれしい
あと誤字とかがあったら報告してくださるとありがたいです!


毒と料理

今日から秘書艦が付くことになる。

俺としてはあまり気は進まないのだが、まぁ所詮一人だけだ。

俺が数十年培ってきたバレずに薬を飲むスキルがあれば何の問題もない。この技術で授業中もよく薬を服用してきたものだ。いままでこの技術を見破ったものは一人を除いてあんまりいない

時刻は七時、そろそろ秘書艦の子が来る時間だな。

 

「シツレーシマース!金剛デース!提督、今日はヨロシクオネガイシマース!」

 

今日の秘書官は金剛だ。

金剛は以前執務室に突入してきた艦娘達の筆頭(勝手にそう思っている)だ。

その金剛を最初にしたのは俺への不満の払拭にある。

この前なぜ艦娘達が俺に対し不満ないし嫌悪を覚えているのかを考えた時に一つの仮説を立てた。

彼女達は[提督って男だし日頃執務室に籠ってるし命令を下してくるしうざいよね。]と思っているという仮説だ。

そのために今回提督排除派艦娘達の元締め(勝手にそう思っているだけ)である金剛に俺を知ってもらい、日々多くの仕事をしているから執務室を出ないのだと思わせる。

実際は執務室から出たくないだけなんだがな。

 

「こちらこそ。本日はよろしくお願いします。」

 

口調はいつも通り丁寧にしてしゃべる。砕けた口調というのは相手との関係が近い、もしくは近づけたい時に使う物だ。それに対し丁寧口調はどんな相手との関係も一定に保ことができる上、関係を進展させにくくする。

つまり、言葉だけで壁が作れるのだ。

 

「Wow!この量いつもやるんデスカ?提督は忙しいデスネ……。だけど今日は私がイマース!私の実力、見せてあげるネー!」

 

すごい元気だ。

まぁ彼女の言う通り、今日の仕事量は多い。上層部が今回の大規模作戦の攻略目標に新島と神津島を足してきやがったのと、二日前に秘書官のローテを徹夜で組んだ時に先送りにした結果、増えてしまったのだ。

普段なら投げ出したいと思うほどの量だが、今日に関してはこれは幸運だった。なぜなら金剛がいるからだ。

流石にこの量であれば一日では彼女もさばききれまい。

仕事中であれば彼女も俺に何かすることもないだろう。ないと信じてる。いやマジでないと思う。多分。きっと。おそらく。

 

「それで提督ぅー!ワタシは何をすればいいデス?」

 

「そうですね……ではこれらの遠征報告書の資源の収支と出撃報告書の支出をこちらの帳簿への転記をお願いします。」

 

とりあえず凄くめんどくさい資源関連を金剛に任せよう。いや、転記自体は別段めんどいわけではないのだが、倉庫担当の子からの備蓄報告書との誤差があったりするのでそこがだるい。

さて、俺はその間に何をするかというと、提督の権限がなくてはできないことだ。主に行うのは装備の開発・改修や作戦立案。演習の計画や司令部からのデイリーと呼ばれるものをやったりと多岐にわたる。その中でも最初にやるのはいつも通り艦娘からの意見書や嘆願書、備品補充要請などだ。

こういうの遅らせると艦娘に何されるかわかんないし、以前別の事に注力していて数日ほっといたら

「ペンタブをおねがいします!どうか、どうかお願いします!!是非ともお願いします!!!

 

 

お願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いしますお願いします」

というように、恐怖というかもはや呪物と化していたりするので、できるだけ早く通すようにしている。

今でもあの時の恐怖は覚えている。というかよくb7用紙にあそこまで書けたもんだ。

閑話休題まずは今来ている物を見てみよう。一つ目が「敵艦の能力を数値として見れる機械の開発許可」か……。

なんで一鎮守府で未来技術級の研究をしようとしているんだ?名前を確認するとやはり明石だった。

まぁ俺に害のあるものではないので許可しておくか。

次は「清涼飲料水補充の要請」か、まぁ駆逐艦達はそういうジュースとか好きだもんなぁとか思ったけど……。

どう見ても書かれている商品名が酒なんだが。そういえば舞鶴に行った奴が言ってたな。度数50%以下は水だとかいう駆逐艦がいるって。よっぽど酔わないのか、それともただの馬鹿なのか、はたまた体がアルコールでできているのか……。

まぁ、通しておくか……。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

時は過ぎ現在12時、昼食の時間だ。

艦娘にも昼食の概念はあるようで、金剛に食事でもとってきたらどうかと勧めて退室してもらおう。

彼女もちょうど仕事が終わったようだし。

 

……は!?仕事が終わった!?秘書官初めてなのに!?俺でも半日はかかる量なのに!?

横須賀の高速戦艦は化け物か!ニュータイプってレベルじゃねぇぞ!

不味い!このままだと今日中に仕事が終わってしまう!

同僚の話だと提督は仕事が終わった後秘書官の子とよく談笑しているという。

談笑(尋問、あるいは脅迫)ねぇ……。その提督まだいきているのかな。

いや、今はその提督の生死はどうでもいい。今は俺の生死が掛かっている。

とりあえずこの場は昼食を取りに行かせて時間を何とか確保する。

その時間内でなにか対策しなくては。

顔面に一発殴るだけでなんとか収まってくれないかなぁ……。

でも金剛って戦艦だよな。

どこぞの長門は深海棲艦と「砲弾が切れたから」とかいう理由で殴り合ってたとかいうし、そのこぶしを顔面に一発。

流石に俺死ぬなぁ……

ならどうすべきか。答えは単純、怒りの矛先ないしストレスの発散方法を俺からずらせばいいのだ。

ただ問題は方法だ。口で言うのは簡単だが、実際にそれをどうやればいいのか。

今それを考えても仕方ない、いったん考えるのやめてまずは金剛に昼食を取りに行かせなければ。

 

「そろそろ昼d「Lunchの時間デース!提督はまだ食べてないデスヨネ?それなら私がmakeしたLunch boxがあるので一緒に食べマショー!」

 

この場合はcookedもしくはcookingなのではないだろうか。

いや、今それはどうでもいい。それより彼女は今作ってきた、作って「きた」(過去形)といったのか。

毒だ。絶対に毒が入っている。今すぐ銀食器を用意したい。

食いたくないなぁ……。死にたくないなぁ……。

でも断るわけにもいかなくてぇ……。

ここで断ったら厚意を無下にするようなクズと言われかねん。すでに一部の子からクソ提督と呼ばれているけど。

だからこそ、これ以上評判を落とせない!

 

「ありがとうございます。ありがたくいただきます。」

 

目の前に差し出された弁当箱。

見た目は和風寄りで、木箱のような印象を受けるプラスチック製の二段箱。

下の段にご飯が入っており、上におかずが入っているらしい。

蓋を開けると卵焼きで作られたハートマークが置かれていた。

金剛のほうを見ると頬をそめ、何かをつぶやきながらくねくねしてる。フフッ、怖い。

俺を殺せることへの興奮とか……?だが、ここで引くわけにはいかない。

やって見せろよ、上原!

何とでもなるはずだ!!

毒入りだと!?

 

「いただきます」

 

「ワタシが作った英国式金剛Lunch box、召し上がれ♪」

 

英国式なら米や卵焼きじゃなくてパンやレタスとかを使ったサンドイッチでは?

ボブは訝しんだ。

俺はそんなことを考えながら満面の笑みでこちらを凝視してくる金剛を横目に箸を持ち、卵焼きを口に運ぶ。

瞬間、俺に電流走る

なんだこの味わい深い卵焼きは。

今までこれほどの旨みをもつ卵焼きは食べたことがない。

一体何の出汁を使っているかわからないが、少なくとも市販のものではないことだけは確かだ。

そして同時に気付く。毒らしきものがない。

手は動く、足も動く、瞼は重くなく、感覚も正常だ。

何故だ?もしや遅効性か?

 

「どーデスカ提督!ワタシの Loveが詰まった卵焼きは!」

 

ラヴ?何かの隠語だろうか。ラヴ、Love、Vole……ネズミ!?

ネズミ入りの弁当って何食わせてんだコイツ!

いやまて、まだネズミが入っていると決まったわけではない。

てかあれ、俺って女性の作った料理って食べて大丈夫なんだっけ……

 

心臓の音が強く、早く聞こえる。体に熱が回るのを感じる。背中に悪寒が走るのを感じる。頭は感情が爆発しまとまらない。足の感覚がなくなる。手の感覚がなくなる。だが、それを理解することすらできず、脳内はあふれ出した考え、感情、神経からの情報をまとめようとする。

体がボロボロになっていく中、頭の中の冷静な部分がこう言った。

そうか、毒なんか仕込む必要なんてないんだ。だって彼女が、女性が作った時点で毒になるのだから。

そうして俺は退院三日目にして……倒れた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

気が付くと自室にいた。

どうやら病院に送られたわけではないようだ。

時計を見ると針は3時を指していた。

 

「三時間ほど眠っていたか」

 

まさか食事をとっただけで倒れるとは。

前に食堂で間宮さんの料理は食べれたから安心しきっていた。

……なぜ間宮さんの料理は大丈夫だったのだろうか?

考えられる理由は……いや、やめておこう。今考えるべきは今後の対応だ。

まずしなくてはならないのは金剛への謝罪だ。彼女からしたら自分の料理を食べた瞬間倒れたんだ。何か思うところはあるだろう。

そうと決まれば執務室に

 

そう思い身を起そうとするが、右足に何かが乗っているような重み、よくよく見るとそこには

 

「ん……てーとくぅ……」

 

アイエエエ!?ニンジャ!?ニンジャナンデ!

いやニンジャじゃないけど!金剛だけど!

なんでいんのお前!いやなんでいんの!

い、いや待て、おちつけ、もちつけ、いやもちはつくな!

こんな状況誰が想定できるんだよ!




金剛の口調がすごく難しい今日この頃。
明石の話の下りはIFストーリとして書く予定です。
(ただし次回書くとは言っていない)

設立から5年、ようやくうちの鎮守府にも夕張が……!
質問などがあれば感想からお願いします。

どうでもいい話
上原の女性センサーに引っかからないのは祖母だけだったりする。
「ん?でも間宮さんもセンサーに引っかからなかったよな?
間宮さんと祖母にいったい何の関係が……もしかしてねんr」
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