女性恐怖症の提督   作:針葉樹

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7月中に投稿できた……


深海と奇襲

大規模作戦当日

三宅島にて

 

ここ最近、我々の被害が増えている。

大島も制圧し、東京湾は目と鼻の先。攻略なんて赤子の手をひねるよりも簡単で、風前の灯火だったはずの日本。

その日本を落とすことが我々の目標だというのに、半年前から日本攻略は完全に停滞。

こちらの戦力は確実に削られていくが、我々は奴らに有効打を与えることはただの一度もできていない。

大島周辺の制海権も徐々に不利となり、先日制海権を完全に奪われた。

 

「クソッ!クソクソクソッ!!アトチョットダッタノニ!アノイマイマシイクニヲアトスコシデホロボセタノニ!」

 

たった70Km進めば日本を滅ぼすことができる。

しかし半年たっても1mすら進めず、むしろ後退しつつある。

この区域の攻略を丸投g……担当している離島棲姫は怒り狂っていた。

 

「クソッ!ホンライナラワタシノシゴトジャナイノニ!ゼンニンシャガシンダカラッテコンナトコロニハイビシヤガッテ!!リッチテキニヒコウジョウキトカコウクウセンリョクヲシュタイニスベキダロ!!!」

 

正論である。

確かに離島棲姫は航空機を積んではいるものの、飛行場姫などに比べたら圧倒的に劣る。

そのため日本で最も防衛線の固い横須賀鎮守府相手では彼女一人では首都爆撃なんて夢のまた夢。

味方部隊への航空支援で手いっぱいになってしまう。

そんな状態でも大島まで制圧した彼女の手腕は評価されるに値するだろう。

しかし上に空母の追加配備を要求しようとも、送られてくる空母はヌ級ばかり。

ヌ級の能力では東京を焼くことなんて到底不可能だ。

結局のところ東京を爆撃できるのは彼女のみであり、司令官である彼女がそこまで手が回るわけもなく、東京への打撃戦果は未だゼロだ。

しかしヌ級とはいえ空母は空母、東京湾を落とせば爆撃は容易。

離島棲姫もそれはわかっており、ヌ級主体の空母機動部隊とル級主体の水上打撃隊、ヘ級主体の水雷戦隊を編成し、水雷戦隊で敵艦隊を誘引し、水上打撃隊による退路の封鎖、航空機隊による奇襲。

日本は海洋国家で、資源も少ない。それを繰り返せばいずれ落とせる。離島棲姫はそう考えていた。

しかしその作戦を実行しようとした半年前のあの日、帰ってきたのは軽巡と駆逐のみ。

その日以降戦況は一転し、今日までずっと防衛線だ。

 

「センカンセイキニエングンヲヨブカ?イヤ、アイツノコトダカラミカエリヲヨウキュウシテクルカ………」

 

どうすればこの状況から脱却できるのか。

考えるが答えは出ない。

なら敵の強くなったであろう理由を考え、その原因を排除すればいいだろうか。

まぁ原因はおそらく司令部だろう。

以前とは比べ物にならないほど艦娘同士の連携が目立っているからな。

であれば司令部強襲……だが、司令部は横須賀。

大島周辺の制海権を取られている以上、現状での攻略は厳しいか?

いや、奴らが伊豆諸島攻略作戦を開始した時に不意を突いて手薄な鎮守府を強襲すれば行けるか?

肉を切らせて骨を切る、そんな作戦であれば刺さる可能性は高いかもしれん。

 

「ヨシ、グタイテキナサクセンヲタテルトスルカ」

 

離島棲姫が紙を取り、具体的な作戦案を作ろうとしていると、突如扉がノックされる。

何かあったのか、そう思い離島棲姫が入室を促すと、軽巡ヘ級が入ってきて一言。

 

「オオシマガトツジョコウゲキヲウケマシタ!」

 

敵の反抗作戦の知らせだった。

 

「ヒガイジョウキョウトテキセンリョクハ?」

 

「ヒガイハヒコウジョウノミデ、テキセンリョクハフメイ、タダカンサイキノカズカラクウボガイッセキハイルカト」

 

「フム……クウボガイッセキ」

 

空母が一隻?どういうことだ?

横須賀鎮守府は他の鎮守府とは一線を画すほどに航空戦力が豊富なはず。

一航戦と二航戦はもちろん、大鳳までいるし、軽空母だって多くいる。それなのに空母一隻なのは怪しい。

それに最近空母を沈めたなんて話は聞いたことがない。

であるならば、これは罠だろう。

私が相手だとしたら、空母を餌に部隊を誘引し、包囲殲滅。

攻撃を仕掛けるのは無謀だな。

だが、このまま放置しておくのも厳しい。

大島の飛行場が壊された以上、迎撃機はヌ級の搭載する艦載機のみ。

敵艦載機を殲滅するのは厳しいだろう。

いや、あえて罠にかかった方が良いか?

敵はおそらく大島の攻略を狙っている。

そのためにも大島の部隊を誘引し殲滅したいはず。

それに攻撃対象が大島のみとは考えにくい。大島だけを攻略しても私のような鬼や姫級の艦載機の脅威は排除できない。そのため他の島々も攻略してくるだろうし、もしかしたら今回の作戦で伊豆諸島全域を奪いに来るかもしれない。

であればここはあえて敵の罠にかかり、南端の島まで侵攻させた方が良いかもしれない。

そうすれば敵鎮守府は手薄になり、鎮守府強襲により敵首脳部の破壊が可能になるかもしれない。

失敗したら伊豆諸島全域を手放すことになるが……戦力比から考えてもアリだ。

こちらの戦力は空母はヌ級が4隻、戦艦はタ級が3隻と少ない。

それに対し向こうは推定で正規空母が7隻、戦艦は8隻……

よし、そうと決まれば……

 

「イマオオシマニイルブタイニコウゲキスルヨウメイレイシロ」

 

日本を攻略する為にも、彼女達には生贄になってもらおう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

大島周辺海域

伊勢を旗艦とし、日向、最上、三隈、漣、曙により編成された航空水上打撃艦隊にて

 

「私達航空火力艦をこんな使い方をするとは、横須賀の提督は面白いな」

 

伊勢型二番艦、日向

彼女の言う”こんな使い方”とは、上原が考えた航空水上打撃艦隊の運用だ。

上原は航戦や航巡の航空能力に着目し、今回の作戦を考えた。

航戦や航巡は空母としては艦載機が少なく、戦艦や巡洋艦としては火力が少ない。中途半端な船と言える。

そのため航戦や航巡主体で艦隊を組んでも、空母一隻分の艦載機数とトントンという具合である。

そこで上原は瑞雲の見た目を流星や彗星に見えるように迷彩を施し、フロートも見えにくくした。

そうすることで空襲を行った際、敵からしたら空母一隻分の艦載機が飛んでくるため、敵はこちらに空母が一隻しかいないと勘違いするだろう。

そうすれば敵はこちらの航空戦力が脆弱だと思い、攻撃を仕掛けるため接近してくることが期待できる。

そうして空母を狩りに来た部隊が相対するのは航戦と航巡による航空水上打撃艦隊。

航戦とはいえ戦艦。近距離の打ち合いにて負けることはほぼないといえる。

 

「しかし瑞雲を塗装することになるとはな」

 

「模型を作っているみたいで、僕は楽しかったけどね」

 

「くまりんこ!」

 

全員合わせて七、八十機近い瑞雲や二式水戦の塗装。

普通に考えたら嫌になりそうなものだが、彼女たち瑞雲教徒であれば何の問題ンもなかったようだ。

ちなみに二式水戦の方はなんか興が乗らなかったらしく、今回の編成の割合は瑞雲7,二式3である。

そうして話しているとまもなく作戦海域。攻撃目標はまだ見えないが、艦載機で攻撃するので問題はない。

 

「指定座標についたよ!みんな、艦載機発艦用意!」

 

「接敵キタコレ!」

 

「わかった。瑞雲の力を見せてやろう」

 

「よーし、いっけぇー!」

 

「くまりんこ!」

 

次々と艦載機を発艦し、大島に対し攻撃を開始する。

攻撃目標は敵飛行場。

飛行場を叩けば敵航空戦力を減らせるため、こちらの艦載機が落とされる可能性は低くなる。

それに敵空母はヌ級以外は確認されていないため、瑞雲と二式水戦で十分相手できる。

 

「よし、敵飛行場の破壊を確認。完全ではないが、復旧には数日かかるだろう」

 

「了解、このまま攻撃を続けましょう」

 

「およ?どうやら敵部隊が早速きたみたいですぞ」

 

うっすらではあるが、確かに影のようなものが見える。

人間では確実に何か判別できない距離だが、彼女たちの妖精さんには見える距離だ。

妖精が言うには空母を有する部隊とのこと。

 

「思ったより早いわね」

 

「総員、戦闘配置!それと司令部に打電!我、接敵セリ!」

 

『こちら司令部、確認しました。では作戦を第二段階へ』

 

「了解!日向、最上、三隈は艦載機にて敵艦隊にハラスメント攻撃を!漣、曙は魚雷による散発的な攻撃を!」

 

「ほいさっさ~」

 

「航空戦艦の真の力、思い知れ!」

 

「いっけぇー!」

 

「航空部隊の皆さん、お願いします!」

 

「さあ、いこうか!ボクが相手だよ!」

 

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視点は戻り三宅島

 

「セントウチュウノブタイガツイゲキシタトコロ、ハイゴカラスイライセンタイノキシュウヲウケ、ハサミウチニサレテイルトノツウシンガアリマシタ」

 

「ナルホド、テキスイライセンタイガヒソンデイタカ」

 

思った通り、敵は包囲を狙っていたか。

しかし水雷戦隊とは。

大島に駐屯していた部隊は確か軽空母2、戦艦2、重巡2からなる艦隊。

敵に空母が一隻しかいないとはいえど、空母機動部隊(おそらく重巡が2,3隻は居るだろう)と水雷戦隊ではかなり厳しいだろうし、早期に殲滅されかねん。

なら増援を送れば敵を逆に殲滅出来るのでは?

確か近場に戦艦1、重軽巡3、駆逐2の遊撃部隊がいたはず。

そいつらを向かわせれば数的不利は無くなり、戦力優位が取れるかもしれん。

まだ敵空母が一隻しか確認できていないのが気になるが……

ここは向かわせた方がいいだろう。敵が2艦隊、こちらも2艦隊合計4艦隊による艦隊戦であれば、敵もそちらに目が行くだろう。その間に私が虚を着く。

 

「ユウゲキブタイニゴウリュウスルヨウメイレイシロ」

 

「リョウカイシマシタ」

 

「アァ、ソレトワタシハイマカラセキヲハズス。ソノカンノシキハオマエニマカセルゾ」

 

「ワタシガデスカ!?」

 

「アァ、タノンダ」

 

へ級は戦闘能力は低いが、ずっと私のそばで働かせてきた。

簡単な指揮くらいならできるだろう。

そもそも勝つ必要も無いしな。




7月中に投稿本数が二本………来るぞ遊馬!

大規模作戦編は多分後1か2話で終わります。
割と進行早め

どうでもいい話
深海棲艦の喋り方が全部カタカナなのすっごく読みにくい。
漢字と平仮名にしたい。
でも漢字とかにすると「こいつめっちゃ流暢だな」って思ってしまう。
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