執筆中ずっとライカードの一人称を我か余かで悩んでましたが思い切って余に変えました。
暫くアンケート置いときます、展開の内容に影響はないです。
火山館に到着した黄金達は火山館の主、ライカードに招かれ円卓の間の居た、黄金とライカードは互いに向かい合う形で席に着くこととなった。
「改めて、余がカーリア王家の血筋が一人ライカードだ、小僧…お前の名はなんと言う?」
「名はグラム、アンタの妹のラニと始まりのデミゴッド、ゴッドウィンの間に生まれた子供…らしいわ」
黄金の発言に当事者のメリナとラニ、そして問うたライカード以外の面々が驚愕に満ちていた、その容姿からゴッドウィンに連なる者であるのは想像に容易いがまさかラニの血筋延いてはカーリアの血をも引いていたとは誰も予想だにしていなかったのだ。
「だからまぁ…あれだ、俺とアンタは甥と伯父の関係になる…のか?」
「ククッ…まぁそうなるな、なんとも奇妙な家系図*1になったものだ」
ライカードは魔力でグラムの家系図をざっくりと投影する、見る者によってはそこに連なる名前だけで度肝を抜かれるだろう。
「冗談みたいな家系図ね」
メリナの発言の通りレナラとラダゴンの子の欄には
《ライカード》《ラダーン》《ラニ》の名が刻まれておりマリカとゴッドフレイの子の欄には《ゴッドウィン》《モーゴット》《モーグ》の名が刻まれている、そしてラダゴンとマリカの間に生まれた《ミケラ》と《マレニア》の名前、まるでこの世の全てを煮詰めたかの様な名前欄である。
「つまりグラム、君はその…デミゴッドという事になるのか?」
レダの疑問も尤もだ、グラムがゴッドウィンとラニの子ならば必然と彼もデミゴッドという事になる。
だがその疑問を遮る様に言葉を発したのはラニであった。
「今はそんな事どうでもよかろう、さして重要な事でもない、それよりも…だ。ライカード…我が誇り高くも
「…姿形は変われど、小さくはなれど、肝心要な所は外さん、お前の癖だったなラニ…故に答えよう」
それが今に伝わる蛇が脱皮する起源となる
余はその力を求め、手中へと収める為に蛇に身を食わせ同化した
そしてその後各地から英雄と呼ばれる者達を集めて喰らい
我が力とする事で黄金樹への、延いては神への叛逆を企てたのだ
尤も世が知る様にその目論見は外されたがな…
だがとある時に転機が訪れた
星が動き、堕ちたのだ
それは我等の運命が再び動き出し
三つの流星の一つが破壊された事を意味する
そして、ラダーンが死んだ事もな…
「それで元の姿に戻ったというのか、異形から人に戻れる術等聞いた事が無いがな、ただの脱皮でそうなるとも思えん」
「昆虫は蛹から成虫になる際中の肉体は液体状になる、それに倣い実行したまでのこと」
「古い皮を脱ぎ捨てるのではなく羽化としての脱皮か…通りで私が知る頃より力が増している筈だ、喰らった人間の力を全て自身に凝縮させたか、しかし…」
ライカードの説明で納得しかけたラニだがそれでも引っ掛かる部分がある。
──しかしそれは生命の操作に等しい、人を捨て蛇に成り、また人へと戻る…そんな芸当は不可能な筈だ…産まれ直しでも使ったか?
だがそうだとしてもこの満ち溢れた生命力の根源はどう説明する、産まれ直しで生まれ落ちた生命はどんどん短命になっていく、それ故に欠陥術として処理された筈だ。
ラニが思慮に浮かべた産まれ直しとは既存の肉体を捨て新たな肉体を得る秘術でありある種の生命の操作とも取れる御業だが致命的
それがラニの考えた通りの短命であり一度産まれ直しを受けた者は死を避ける為にまた新たに産まれ直しを行い命を縮めていく、そんな悪循環に陥っている。
従って現在のライカードの様に生命力に満ち溢れた状態は産まれ直しの影響では不可能な状態でありまた別の手段を行ったと考えるのが自然である。
「しかし…なんだよ?」
ラニの発言の続きを促すようにグラムが発言するもラニは何も語らない、それはラニ自身にも答えの確証がない故に無闇に発言することができないのだ。
「いや…なんでもない」
それ故にラニは沈黙する事を選んだ。
そして違和感を感じたのはラニだけでは無い、ライカードの姿を見たグラム自身も確かな違和感を感じていた。
──ライカード、強いには強い、が…なんだろうなこの感覚。滅茶苦茶強く燃えてる筈なのにまるで短くなった蝋燭みたいに後がない、この男…一体何を薪に焚べたらここまでの勢いで燃える事が出来るんだ?魂まで焼き尽くす勢いだぞ。
グラムがライカードに抱いた印象、それはラダーンやラニの兄である事になんの疑いもない程の実力とドス黒く燃え盛る炎といった物であった。
誰もが静まり返って円卓の間において、先に口火を切ったのは火山館の主であるライカードだった。
「さて、黄金の小僧…弟の、ラダーンを破ったそうだな、その件に関して恨みはない、寧ろ戦士として誇り高き死を与えてくれた事に感謝を述べたい、無論、あの最期の事もな…」
あの最期の事、と言われて誰もが思い至るのは腐敗の王に堕ちたラダーンの姿だ。
「それに宙から降りた三つの流星が一つ、暗黒の落とし子を打ち砕いた事も我は知り得ている。更には大ルーンを既に三つ手に収めている事も、今お前はこの狭間の地に於いて最も王に近しい存在と言える」
「いろんな奴が言うなそれ、俺が王の器なんぞに見えるか?実際興味ねえしな」
「お前の意思やどう見えるかは然程重要ではない、この地に於いて王の器とは
ここまで言えば理解できよう、お前はいまこの世界で限りなく“最強”に近いのだ、お前が望もうと望むまいと周囲はお前を王へと押し上げる、それに何か不満でもあるのか?」
「不満しかねーだろ、誰が好き好んでやりたくもない事をやらなくちゃならないんだ、そもそも俺は王になるだとかの理由の為に戦ってる訳じゃない」
「…では貴様は何の為に戦っている、貴様が背負う大義とは何だ?」
黄金の神子とも言えるグラムの戦闘理由、それはメリナでさえ知り得ない事、本人は今日までそれを語った事がなかったそれをライカードは初めて問い正した。
この場の意識が全てグラムに向いた中当の本人は暫く沈黙した後に遂に口を開いた。
たった一言のそれだけ言葉、しかしその言葉は皆に衝撃を与えるに十分足る言葉であった。
「王になる、弱者救済、勧善懲悪…そんな綺麗事掲げて戦った事は一度も無い、
「…目的も無く、ただ本能が欲するがままに戦ったというのか…それでは獣と大差ない」
暗に人の生き方ではない、湧き溢れんばかりの本能を強靭な理性を持ってして支配し、冷徹に物事を成す、それが人としての生き方であると、ライカードはそう伝えているのだ。
それを感じ取ったグラムは心底理解出来ないと言わんばかりの表情を浮かべ口を開いた。
「…闘争が、手段では無く目的か、忍耐がない」
「
我慢など──耐える事など必要ない、戦いたい時に戦い喰らいたい時に喰らう、本能が欲するがままに本能が刺激されるがままに生きて物事を成せば良い。
本能を剥き出しにした行動は確かに獣のソレだろう、しかし本能が先に出ているが故にその行動には嘘がない──つまり理性により小綺麗に取り繕われたソレは、グラムにとっては行儀の良い振りでしかない。
ゴッドウィンの生まれ変わりや実の息子…としか思えないその外見とは裏腹にその思考はゴッドウィンの父、嘗てのゴッドフレイの思想に重なる物がある、しかし彼の王は愛する女の為に理性を背負い、完璧な王を演じた。
しかし今のグラムには本能を抑え込む楔が、繋ぎ止めるべき鎖が無く当の本人が必要とすらしていない、ライカードはその思想に僅かばかりの羨望と危うさを感じ、同時に内心既に亡きゴッドウィンに対して悪態を吐かざるを得なかった。
──全く、なんて奴を造ったのだ、あの男は。
「それで?アンタにはあるのか、戦う理由って奴。俺はアンタの事は噂だけでしか知らんし、今のアンタを見た上で敢えて言うんだが……」
「構わんさ、余がそこらの者達に忌み嫌われているという事は周知の事実、己を蛇に食わせ暴食の限りを尽くした事もだ、今更改めて発言する事もない」
グラムの指摘に対して過去を受け入れ反論する様子もないライカードにグラムは毒気を抜かれた、彼の予想では食ってかかってくると認識していたからだ、結果としてグラムはライカードに対して結構好印象を持つ事になる。
──ホント、噂ってのは当てにならんな。
「戦う理由だったな──様々な要因があるが敢えて言うならば後の世の為とだけ言っておこう」
「標的は?」
「黄金樹だ、延いてはそれを裏引く存在──お前が砕いた星の大元とも言える存在か」
「デミゴッドが神殺しを掲げるか、面白い…が、その後は?神を殺した後でアンタは何がしたいんだ」
「人の世界を創る、今の世界のような人が力を求め漁り合う…その様な獣の様な生き方ではなく理性を持って統治された世界、それが余が求める世界だ、言うなれば人の律とも呼べる」
新たな世界を創世する、それは王ではなく最早神の領分である、ましてや新たな律を制定する為には神人たる資格が必要、そんな事などライカードはとっくに理解していてもおかしくはないのだが…
ラニが指摘するよりも早くグラムが口を開いた、ライカードは虚言を吐いていると。
「まぁ神殺し云々は本気なんだろうな、その魂に根付いたドス黒い炎から察するに神への憎悪は確かだ、だが人の世界云々ってのは建前にすぎない、そもそもアンタ…もう長く生きれないだろう?」
グラムが発言したライカードの短命という事態に誰もが信じる事はできなかった、現にライカードは生命力溢れる力強い姿を見せている、どこをどう見ても短命とは言い難い、しかし彼は断固たる確信を持ってそう発言したのだ。
「手段までは分からん、だが何かしらの術法を使い肉体を改造したのだろう、結果として大幅に力は増したが反面寿命を著しく削り今や風前の灯という訳だ」
『ライカードはさ、強い人ではないよね』
思い返せばあの男には遠慮という物がなかった、互いに共通する物が多かったからかやけに親しくされたのを覚えている、その後にも色々と…それはもう好き勝手に喋っていた物だ。
──
口調こそ異なれどこの恐れを知らぬ物言いはやはりあの男の血を引いている事を否が応でも理解させられる、姿形だけでなくそういう所までも同一というのは呆れざるを得ない。
加えてこの男と共に行動している者達も中々の強者だ、何故女ばかりなのかは知らんがミケラの騎士が一団に居るのが気にかかる。
そして誰も理解していないのだろう、
…尤も、その頃には自分はこの世に居ないだろうが…な。
ぶれる前に
──ライカードが纏う空気が変わった、揺らぎ一つ無かった気配が今や一寸の濁りもない闘志だけが漂っている。
「話すことも話した、そろそろ始めよう…貴様の指摘通り余には時間がない」
両者の姿が円卓から消失した
これ書いてる際に現実の科学の方で新しい発見があったそうで、どうやら氷って奴は曲げたら電気が発生するらしいですね、どうなんですかラニ様
・黄金野郎(グラム)
エルデ版サラブレッドみたいな家系図の中に居る主人公、尚本人にそんな自覚はさらさらない。
形式上デミゴッドに当たると思われるが現在の情報ではどの様にして産まれたかまでは明かされてないので実は結構面倒くさい立ち位置。
王の立場や権力には微塵も興味ない
・メリナ達
初めて黄金野郎の戦う理由を聞いた、ネフェリだけが好ましく思っている、戦士だからね。
レダとミリセントは王になる気がないと聞いて困惑半分位、ゴッドウィンと同じ姿してる奴が大ルーンを求めて各地に出向いてると聞いたら誰でも王になると勘違いする。
メリナはちょっと分からん、多分呆れてんじゃないかな。
・ラニ
現実的な進歩である意味パワーアップした方、お前まだ強なるんか…まぁいいけど。
因みにラニの推測は完全に見当違いとも言い切れない
・ライカード
物凄く簡単に言うと超魔ハドラーみたいな改造をした人、寿命は限りなく短くなったがそれを補って余りある程にパワーアップした、少なくとも蛇を着込んでた時よりは強い。
蛇の力も継承してるのでどちらかというと後天的にメスメルみたいになった
第一部のラスボスは?
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角が生えてる方
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雷とか使ってくる方