…
あのウルサスでの戦いから、約1年という時間が経過しようとしていた。
その間に、テラを取り巻く勢力図は変わった。
一言で言えば、各地方の大都市の壊滅による…世界の陥落だ。
要因は分かっている。
この荒廃した世界で繁殖する源石生物やテロリスト…彼らによって世界のバランスは崩れていった。
各地で軍の残存勢力や残党も奮戦を続けているが、微量かつ無力だった。
…世界に敷かれた境界線は常に動き続けている。
そこに生きる人々とは関係無く……
……これが、星暦2027年のテラの現状だ。
……………………
「…ドクター。朝ですよ。」
「ん?そうか…」
俺は目を覚ますと、アーミヤが起こしに来てくれた。
失明してから大分経ったが、光が無かった目にはハイライトが戻って来ていた。
全く見えていないようだが…
「なんだよ。ジェスター達は食堂か?」
「ジェスターさんとウィシャデルさんのチームは既に作戦内容を通達しました。ついでにフロストノヴァさん達にも例のタワーの調査に行ってもらってます。」
俺は服を急いで着替えてそのまま通路に出る。
「俺だけ出遅れか。じゃあ俺の任務って何かあるのか?」
俺がアーミヤに聞くと、アーミヤは微笑んで言った。
「聞かれると思いました。ドクターには、シルバーさんとスルトさんのチームにしばらく配属してもらいます。」
「…!アイツらか…最近会ってなかったな。」
「シルバーさんを引き渡してから大分経ちましたからね。さ、行きましょうドクター。」
「アーミヤ、お前まだ目が良くないんだから無理すんなよ?」
「明るいところなら、まだかろうじて見えます。それに…」
アーミヤは俺の胸に触れる。
「こうして触れていると…分かるんです。ドクターの鼓動、感情、感覚が。」
「………」
俺は黙った。相変わらず無理しようとする奴だな。
しかし、こうしたアーミヤは誰が何言っても聞かない。
「…はあ…分かった。無理だけするなよ。」
「はい!」
そうして、俺たちは走って急いだ。
………
「遅い。」
スルトと再会してからの一言がそれだった。
「よ、レイヴン久しぶりだな。」
シルバーがそう言ってレイヴンの肩を叩く。
「元気してたか?随分会ってなかったけど。」
「以前よりもやる事多くて困るな…」
「シルバーアッシュの所で色々修行つけられてたって聞いたぞ。」
レイヴンがそう言うとシルバーは苦虫を噛み潰したような顔をした。
レイヴンは大体想像できた。
会った事は無いがシルバーアッシュはかなり厳格な男と聞いている。
ついでにシルバーと名前が被っている為割と言い間違えが多かったとも…
「お陰で真銀斬のマネできるようになったんだぜ?すげーだろ。」
「いや、会った事ねぇからしらねぇし…」
「まあいいや。さっさと任務済ませようぜ?今日カレーだし。」
「お、マジ!?なら頑張んないとな!」
レイヴンとシルバーは肩を組んで喜んでいた。
それを遠目に見るアーミヤとスルト。
「スルトさん。シルバーさんはどうですか?」
「腕は良いし、能力も申し分無い。後は、それを熟練させる事だな。」
「スルトさん。教官っぽいですね。」
「気のせいだ。」
彼女はそっぽ向いて答えた。
アーミヤは苦笑いした。
「…そ、それより。計画の解説をしなくて良いのか?」
「あ、そうでした…じゃあ早速作戦会議を始めましょうか。」
アーミヤはそのままモニターに概要を映した。
「今回は調査隊の救援とタワー付近の敵の掃討です。」
「まず、私とスルトさんのAチームと、ドクターとシルバーさんのBチームで別れます。」
アーミヤは淡々と概要を話していく。
「あくまで調査隊の救援が目的なので、敵を全員倒す必要はありませんが、念の為に敵を掃討します。」
「この辺りに居るんだよな、ネイカーってやつ。」
ネイカー。半年前から出現した戦闘機械で、ヴィクトリアの技術が使われているようだ。
硬い装甲を持ち、口のように展開して火炎放射を放つ攻撃を行うそうだ。
「ネイカーには特に注意して対処します。ネイカーの火炎放射は鉄板も軽く貫く程です。」
「では、作戦は30分後の10時10分から!それまでは皆さん休んでくださいね。」
そうしてアーミヤの言う通り、オペレーター達はそれぞれ短い自由時間を過ごす。
レイヴンも、食堂の窓際に座ってジャンクフードとコーラを嗜んでいた。
「……」
レイヴンが黙って目を閉じる。
周囲の空気が一変するかのように、目の前には居ないはずのケルシーが座っていた。
しかし、他の周りには全く認知されておらず、レイヴンは少し黙った様子だった。
『希望は充分に芽吹いた。後はそれが目覚めるのを待つだけだ。』
『ドクター。これは賭けだ。いざとなったら最悪の状況も…』
ケルシーは黙った後すぐに訂正して立ち上がる。
『…いや、君には要らない心配だったな。』
『ドクター、いざとなったら13番のコンテナを持って行け。きっと君の役に立つ筈だ。』
ケルシーはそのままレイヴンの背後に回り、そのまま離さないように抱きつく。
『私は必ず君の元に帰ってくる。だからそれまで君は死なないでくれ。』
「分かった…ケルシー。待ってる。」
レイヴンはそう呟いた。
コップの氷がカランと揺れたと同時にスルトが呼びに来た。
「…ドクター…誰かと喋ってたか?」
「え?俺独り言言ってたか?」
レイヴンは知らないフリをして誤魔化した。
スルトはジーッと見つめるも、ふーんとしたようにそのままにしておいた。
「ふーん。まあいいや、みんな待ってるから早く来なよ。」
レイヴンに時間を告げて戻って行った。
レイヴンは格納庫に行き、ニールを呼び出す。
「どうしたんだよドクター?」
「13番のコンテナを持っていてくれ。」
「13番…?分かった。持ってくる。」
しばらくしてニールが13番コンテナを持ってきた。
そうしてレイヴンはそれを受け取り、すぐさまコンテナを開けた。
すると、中には大型の直刀が入っていた。
「…サンキューケルシー…使わせて貰うぜ。」
レイヴンは静かにそう言って直刀を持ってそのまま走っていった。
……………………
それから数時間。レイヴン達は任務を終わらせて帰還した。
その後、レイヴン達はメディカルチェック中。担当者のアンセルはレイヴンの検査結果を見て違和感を覚える。
「ん?」
「…ちょっとアーミヤさんに伝えておきますか…」
アンセルは立ってアーミヤの部屋に向かう。
「アーミヤさん。ちょっと良いですか?」
「アンセルさん…?」
アーミヤはドアを開けて話を聞きに行く。
「ちょっとドクターの検査結果を見たんですが、少し異常があって…後でドクターにもこの事を報告しようと…」
「……」
「いえ、ドクターにはこの事を言わないでください。」
アーミヤは少し悩んだ後に言う。
「よろしいんですか?」
「彼のことですから、言っても話してくれないと思いますからね。」
そうしてアーミヤはそのまま席を立った。
そのまま資料を受け取り、アンセルと共に部屋を出る。
何か胸騒ぎがする……
アーミヤはそんな思いを秘めながら医務室へと向かった。
キュアエクレールの正体もうすぐ明らかになりますねぇ!
皆さんは誰だと思いますか???
次に書いて欲しいキャラストーリー
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アーミヤ
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ケルシー
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ロスモンティス
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フロストノヴァ
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Mon3tr