透き通った世界に鏡を通して   作:紙吹雪

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ギャン泣きするワカモがめっちゃ可愛い!!!!!!!!!!!




それはそうと、ふと気になって追加したアンケートの結果にちょい驚いています。
なんと答えてくれた方々の過半数がリンバスとブルアカ両方やってるんですよ!
両作品がお気に入りな作者にとってはとても喜ばしい事です。

なるべく両作品の片方しか知らない人にも楽しめるよう努力します……
でも、私が思い付いた内容をひたすら書き殴っているのが拙作です。
その所為でよく分からねぇ! となってしまったらお手数ですが両方履修するのもアリでしょう。

リンバスや図書館ロボトミにハマれるならブルアカも色々と刺さる筈です。主におじさん。
また、ブルアカの曇らせを堪能できるならリンバスはきっとマッチするでしょう。
二作品とも基本プレイは無料なのでやるだけならタダですぜ!




アンブッシュ

 

 

「目的の物があるのはこの辺りの筈ですが……」

 

 注目されたツクヨを励まし、なるべく人通りのの少ない道を行き。

 ワカモの示した場所に辿り着いた先生一行。

 そこは狭く曲がりくねった裏路地の行き止まりだった。

 

 しかし先生の目に入ったのは……誰もいないし物も置かれていない空間。

 ブラックマーケットを回れば幾らでも見つかりそうなありふれた場所。

 

"……本当にここなの?"

 

「ええ。この裏路地なのは間違いありません」

 

 確かであるとワカモが言うなら間違いないだろう。

 つまり、考えられる可能性は……

 

"既に退去した、とか?"

 

 ブラックマーケットには露店の類も多い。

 おそらくワカモが見たのもそうだったのだろう。

 

「可能性はあります。ですが、ワカモはその線は薄いと考えます」

「ふぅん……何故です?」

「店主はもうしばらくここに居ると言っておりましたので」

 

 ワカモのその言葉を聞いて、先生はゆっくりと頷いた。

 

"そうなんだ。だったら、何でここに居ないんだろう?"

 

「……壁に微かな弾痕がありますね」

「まさか、以前来た時はそれが無かったとでも言いたいんですか?」

「いいえ。私の記憶が確かならこの弾痕の場所に目的の物が置いてあった筈です」

 

 窪みは大体ワカモの肩よりも若干高い位置にある。

 棚とかを並べて置かれていたのだろうか。

 ……まさかとは思うが、撃たれて駄目になっていたりはしないよね?

 

 悪い想像を先生はどうにか頭から振り払う。

 確かめて見るまでは分からないから。

 

 それにしても、この場所はどうにも違和感がある。

 何か、見落としている事があるような気がしてならなかった。

 

"うーん……もう少しここを調べてみない?"

 

「あなた様がそうおっしゃるなら!」

「主人様のお望みのままに!」

 

 先生の指示を聞いて、ワカモとイズナはシュババっと動き始める。

 ミチルとツクヨも一足遅れて加わった。

 

 

 十分後。

 

 

"……何も見当たらないね"

 

「うーん……もう何処かに持って行かれちゃったのかな」

「だ、だとしたら探すのは絶望的に……」

 

 ツクヨの顔は青かった。

 ミチルもツクヨ程ではないにしろ、あまり顔色はよろしくない。

 心情的には先生も一緒だった。

 悪い想像ばかりが浮かんで来てしまう状況……

 

 しかし、ワカモとイズナは違った。

 

「何です? 先生のお言葉を疑うのですか?」

「先生がきっと何かあるとおっしゃったのです。まさか、信じられないとでも言うのですか? もしそうなら信じられるようになるまでお手伝いして差し上げましょう」

 

 寧ろ眼が爛々としていた。

 こう言う時だけは息がピッタリの二人である。

 物騒な発言とその眼を受け、ミチルもツクヨも背筋がピンとなった。

 

"……あまり、生徒を怖がらせないようにね"

 

「わ、分かっています」

「……勿論ですよ、主人様」

 

 若干怪しい返答だけど先生は気にしない事にした。

 

 カラスを白いと言えば、その通りだと答えそうな二人だから……

 きっと、自分が道を間違わないようにすれば正しい道を行ってくれるだろう。

 責任がやや重大だけど降りるわけにはいかない。

 生徒を守る大人として。

 

「うぅ……探すって言っても手掛かりなんて殆どないんだけど」

 

 ミチルは疲れたのか壁に寄りかかる。

 そこは弾痕のある場所から少し右側だ。

 

「……ふぇ?」

 

 ミチルはふと浮遊感に襲われているのに気が付いた。

 自分の背は壁があった筈なのに……何故か、身体が後ろへと倒れ込んでいた。

 何が起こっているのか分からず、ミチルは情けない悲鳴を上げた。

 

「の、のわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 それを聞いた先生達は皆、ミチルの方へと顔を向けた。

 

 壁の一部が回転して扉のようになっていた。

 時代劇とかで稀に見るような仕掛けが本当にあるのか……

 先生は勿論、ワカモもイズナも驚いているようだ。

 

「……あっ、これが昨日部長が言ってた普通の壁に見せかけた回転式扉っ!?」

 

 ツクヨも驚いていた。

 ……なんか方向性が異なるけど。

 

 壁の向こう側は倉庫のような空間になっていた。

 おそらくは商品なのであろう様々な商品が所狭しと置かれている。

 手榴弾や弾丸と言った武器の類から機械系の物まで、種類はとても豊富に見える。

 

 そして……倉庫の目立つ場所に先生は見つけた。

 探していた物である奇妙な箱を。

 丁度、入り口に近い場所に置かれていた。

 

"ミチル、大丈夫?"

 

「あいたた……」

 

 後頭部をぶつけたらしく頭をさすっているミチル。

 半分涙目だけど、この程度では怪我をした範疇に入らないキヴォトスの人々である。

 割とすぐに立ち上がった。

 

"とにかくお手柄だよ! 流石忍者!"

 

「えっ……あ、うん。も、勿論!」

 

 ミチルは突然褒められて露骨にオドオドしていたが、何とか体裁は保とうとする。

 保てていたかどうかは本人と周囲の認識次第だが……それはさておき。

 

「むむっ、主人様お下がりください、床に何か妙な物があります!」

 

"えっ"

 

 イズナの言葉に先生は思わず足元を見る。

 そこには本当に良く見なければ気付かない程小さな機械が床と壁の境目に左右二つずつ置いてあった。

 微かに赤い光を放っているような気がしないでもないが……

 

「……これは報知器の類ですわね」

「ああ、やはりですか。何となくそんな気はしていたんです」

 

 そう話していた途端、鼓膜が破れそうなくらい大きな音のサイレンが鳴った。

 ワカモとイズナは事前に耳を塞いでいたし、ついでに先生の耳も二人で合わせて塞いでいた。

 反応の遅かったミチルとツクヨはとてつもなく耳がキーンとした。

 

"……ありがとうね、二人とも"

 

「いえいえ、当然の事をしたまでです」

「うふふ、お気になさらず」

 

 そんな二人をやや恨めし気に見つめながらミチルは何とか再起動した。

 ツクヨも遅れて復帰したが、耳は抑えているのでまだダメージから抜け出せていないのだろう。

 

"それより、報知器が作動したって事は……"

 

「足音捕捉……人数はおよそ15人と言ったところですね」

「特徴的な音からして、機械の兵士……カイザーコーポレーション等で良く雇われているタイプでしょうか?」

「なら、十二分に迎え撃てますね」

「あなた様の行く道を邪魔する者共を思う存分阻めますのね……!」

 

 爛々と目を輝かせたワカモとイズナを見て、ミチルは思う。

 ああ、これは相手が可哀想な事になるやつだぁ……と。

 そして、その予想は正しかったとすぐに判明する事になる。

 

「まさか、この場所がバレるとは思わなかったな」

 

 そう言いつつ仰々しい雰囲気で登場したのは……予想通りの機械の兵士が15名。

 それと、リーダー面をした犬の獣人。

 

 

"……誰?"

 

「誰なの?」

 

「だ、誰なんでしょうか……」

 

「誰です?」

 

「誰?」

 

 

「……フッ、まあ知らなくて当然だ。まだまだ私の組織の知名度は低いだろうからな」

 

 総スカンを食らった獣人はやれやれとため息を吐いた。

 

「何処のどいつだか知らないが……これから始まる我が壮大な成り上がり計画の為、犠牲になるが良い!」

 

 どうやら対話を試みるには遅かったらしい。

 先生は諦めて指揮を取ろうとするが……その前に。

 イズナの姿が見えない事に気が付いた。

 

「さあ、お前ら出番だ! 高い給料出したんだから、その分は働いて——」

 

 獣人がそう口にした途端、兵士達はバタバタと倒れて行った。

 あまりにも理解できない光景を見たのか、口がポカーンと開いたままになっている。

 ワカモはそれを見て少し悔しそうに呟いた。

 

「くっ、出遅れましたか……」

 

 その発言の意味をまず最初に理解したのは先生だ。

 イズナの姿は倒れた兵士達の中心にあった。

 当然、目的の箱はおろか部屋にある大半の物資は無事のままだ。

 手に握ったクナイを器用に弄んでいるが、表情は褒めて欲しそうに先生の方へニコニコと笑顔を向けていた。

 

"……仕事が早いね、イズナ"

 

「うふふ……♡」

 

 にへら〜と屈託のない笑みを見せるイズナと苦笑を浮かべる先生を交互に見ながら獣人は狼狽えている。

 

「ば、バカな!? この一瞬で我が私兵を制圧したと言うのか!?」

 

 先程までの余裕が嘘のように消え去った獣人にイズナとワカモが歩み寄った。

 二人の恐ろしい気配をようやく感じ取れたのか、獣人はその場でへたり込んだ。

 

「くっ……何の言葉も無しに動くのは卑怯だろ!」

 

"……まあうん、挨拶は大事だよね"

 

 先生はちょっと哀れに感じたのか、一応共感の姿勢は示した。

 

 が。

 

「挨拶前のアンブッシュは……一度限り許されるんですよ?」

 

 イズナにとってはどこ吹く風か。

 卑怯だなんて微塵も思っていないようだった。

 

 その台詞を聞いて、ミチルは少し首を傾げた。

 何処かで聞いた事のあるような台詞だったからだ。

 

「目的の物はこれですね。では撤収を……あら?」

 

 ワカモは箱を手に取ってそう言ったが、不思議そうに手に取った箱を見る。

 どうしたのかと先生が尋ねるとワカモは答えた。

 

「この箱、中身がありませんわ」

 

"えっ……"

 

 先生がかなり困ったような顔をした。

 それを見てワカモとイズナは決意した。

 先生の憂いを必ず晴らさねばならないと……

 

"……あの、この箱の中身って知ってる?"

 

「一々覚えてないに決まってるだろ! ついさっき箱の中身は別の箱に移されたからな」

 

"何処に移動させたか、教えてもらえるかな"

 

「ふん、言うわけないだろう? 何処の誰だか知らんが、こんな()()()()奴にベラベラと喋る口は持ち合わせて……ヒィ!?」

 

 瞬間、イズナとワカモの視線が重なった。

 二人睨まれた獣人は、腰が抜けたかのように後ずさった。

 

 

 

「では、主人様の為にも()()尋問させて貰いましょうか」

「うふふ、()()()終わるのでほんの少しだけお待ちください」

 

 

 

 もし、この世に地獄があるとするなら……それは、この二人の間に存在する。

 逃れる事のできず、足掻けども決して抜け出せない底無し地獄が。

 対面する者全てにそう感じさせた。

 

「っ!! ま、待ってくれ! あんた、この子達を止められるんだろ! 頼む、お願いだから……!」

 

"……あー"

 

 先生は数秒迷ったが、やがてこう言った。

 

"くれぐれもやり過ぎないように、お願いね?"

 

「ご安心ください。人体の限度については心得ておりますので♡」

「このイズナにお任せください♡」

 

 先生はミチルとツクヨを連れてその場を一旦離れた。

 ミチルとツクヨは懸命にも決して後ろを振り向かなかった。

 怖いもの見たさでほんの少しだけ好奇心があったけれど、どうにか耐える事ができたのだ。

 

 先生が、目でやめておいた方が良いと暗に伝えていたから。

 

「お、おい! 冗談だろう……? うわっ、何をするやめ……」

 

 それ以上は良く聞こえなかった。

 先程サイレンで耳をやられていたからだろうか、それとも脳が聞くのを拒否したからだろうか。

 確かに言える事があるとしたら……

 

 ワカモとイズナは、凄く生き生きとした声をしていた。

 

 

 

⬛︎ ⬛︎ ⬛︎

 

 

 

"お疲れ様、みんな。二人はお手柄だったね"

 

「うふふ……」

「ふふ……」

 

 ワカモとイズナは嬉しそうに笑っている。

 先程まで地獄を作っていたとは到底思えないくらい明るい笑顔だ。

 先生も落差が酷いとは思ったが、口にはしなかった。

 こんなに嬉しそうなのに水を差すのは悪いだろう。

 

 二人によると、あの獣人はただの夢想家だったらしい。

 たまたま拾った物を好事家に見せて高値で買うと言われて良い気になって。

 そのまま調子に乗って大物に成り上がろうとしていた、と。

 

 何とまあ荒唐無稽な話だ、とはイズナの言い分である。

 

「で、えっと……見つかったんだよね、そな……手鏡だっけ?」

「これですね」

「……その、布で包まれてますね」

 

 イズナが取り出したのは布で覆われた物だ。

 形状からして手鏡なのはほぼ間違いない。

 下手に取り出すとまた危険な目に遭う可能性があるのでチェックまではしていないが……

 二人が持って来たのだから先生は信用することにした。

 

 色々とあったけど、何とか目的は達せられて良かった。

 先生は安堵の一息を吐き、再びワカモとイズナに向き直った。

 

"二人ともお疲れ様。特にワカモは手伝う理由がないのに本当にありがとう"

 

「うふふ……勿体無きお言葉です。ですが、私にとってはあなた様のお役に立てるのならそれだけで動く理由に足り得ますので♡」

 

 そう笑顔で答えるワカモをイズナはジトリと見ていた。

 嫉妬とまでは行っていないのは、なんだかんだ行動を共にして相手を認めたからだろうか。

 結局、妬ましく感じる存在なのには変わらないけれど。

 

「……えっ、ワカモ?」

「それってたしか、あの七囚人の一人の……?」

 

"……あっ"

 

 やばっ。

 先生はつい先程の発言が失言だったのに気付くのが遅れてしまった。

 狐坂ワカモという名前はそれだけでも影響力が大きい。

 

「構いませんわ、あなた様。直接名前を呼ばれないのも、思っていたよりずっともどかしかったですし」

 

 ワカモは別に何とも思っていないようにそう言いつつ、懐から狐の仮面を取り出して着用した。

 仮面を着けた姿はキヴォトスにて悪名高い七囚人が一人……"災厄の狐"だ。

 

「ほほ、本物の七囚人!? えっ、私達一日そんな人と一緒に歩いてたの!?」

「あ、あわわ……!」

 

 ミチルとツクヨは当然大いに取り乱した。

 まあ普通そうなるよね……と、先生は内心で二人に謝罪した。

 後日、何か差し入れでも持ち出すべきだろうか。

 

「では、私はこの辺りで。また用事があれば、再びこのワカモをお呼びください!」

 

 ワカモはそう言うとその場から歩き去って行った。

 ワカモにも今度何か特別にお礼がしたいなと考えつつ、先生はイズナ達と共にシャーレに帰還するのだった。

 

 

 

 

 

 

 尚、その後ヴァルキューレに現場の品を勝手に持ち去った事が発覚して小さな騒動になるのだが……

 それはまた、別のお話。

 

 






今更ながらリンバス側の要素が今のところ鏡くらいしかないな……
予定では次のお話でリンバス要素が出て次の章に移るつもりだったのですが……
ううん、リンバスタグ付けてるのに要素を出さなかったら親指に下顎を砕かれますかね……?


リンバスと言えば、そろそろ例のヴァルプルギスの夜が来ますねぇ!
このイベント期間中は()()()()()()()()()()であるドンキちゃんの()()()()人格が来るんですよねぇ↑↑↑!!!
なのでこの機会にまだリンバスをプレイしていない人も初めてみたら如何でしょうか?
えっ、アークナイツコラボの為に石(狂気)を貯めたい?



天井までガチャを回すのは虚しいだけかもしれない。でも、それがガチャを引かない理由にはならないから。



ブルアカに絡めた話をすると、個人的には宇沢レイサちゃんが憎しみちゃんのE.G.O似合いそうだと思っています
そうなるとキャスパリーグが貪欲の王かな
絶望の騎士は……誰だろ?

リンバスとブルアカのプレイ経験はありますか?

  • リンバスだけプレイしている
  • ブルアカだけプレイしている
  • 両方プレイしている
  • 両方プレイしたことがない
  • プロムンの過去作はプレイしたことがある
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