透き通った世界に鏡を通して   作:紙吹雪

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水着セイア氏が某千年生きた人みたいな顔してるのを見て笑いました。
中の人が同じだからってセイア氏、はしゃぎ過ぎでしょ!?

因みにハフバガチャは普通に水着ティーパーティー三人をお迎えできました。
ついでに水着おじさんも引けたので普通に大勝利でした。
爆死しなかったらそれはそれで不安になってしまうですがあの。




ミレニアムに迫り来る悪意

 

 

 今日も今日とて仕事の量は山のように積み上がる。

 振り返ろうにも背後が見えなくなる程に。

 減る気配は欠片も感じられず、それどころか日に日に増えていく。

 

 書類の山と格闘していた先生は疲れが限界に達したのか机に突っ伏した。

 

"……やってもやっても終わらない"

 

 何処かの風紀委員長も同じ事を考えているだろう。

 最近のシャーレが担っている仕事の量とどっこいである。

 まあ、それはある意味いつもの事ではあるのだが。

 

 リンやアオイから託される仕事は減った。

 しかしどう言うわけか全体の仕事量は不思議な事にも増えている。

 先生が担当した事件が特殊なケースである為、ヴァルキューレの動きが鈍いのが原因だ。

 

 と言うかそれが全てだ。

 なんかヴァルキューレが全然言う事聞いてくれない。

 どうして?

 

 気になって防衛室の生徒に聞いてみたところ……

 

「うーん、残念ながらそれが平常運転ですからねぇ」

 

 と、ありがたい助言を貰った。

 なるべく力になりますからと言われて先生は喜んだが……

 結局のところ実情はここ最近全く変わらない。

 変わる兆しがまるで見えない。

 

 そんな最中でも先生は生徒に気を配っている。

 先日のイズナの件について思い返す。

 

 あの後、ちゃんと無事にイズナは元に戻った。

 ミチルとツクヨは泣きながら喜んでいたっけ。

 でも、最近の様子を見るとイズナの中に少し思うところがあったのか少しだけ異なる様子を見せた。

 

 時折、何かを考え込むように静かに佇んでいるのだ。

 後ろ姿だけ見ると、何故か先生の頭にはワカモの姿が思い浮かんだ。

 ……何かしらの後遺症だろうか。

 

 気になって聞いてみると、夢を見れるのは決して当たり前の事じゃないと思うようになったそうだ。

 だからって今まで感謝していなかったわけじゃないけど、と。

 ほんの少しだけ大人になったような気がする。

 

 この後、アルの様子も見ておいた。

 彼女については特段変わりはないような気がする。

 いつものようにキリッとしているように見えて、肝心な箇所が抜けている……

 けれど、締めるべき時は全力で物事に取り組める……いつものアルだ。

 

 どちらかと言うと他の便利屋68の生徒達の方が変化がある。

 

 一言で言うと……過保護になった。

 当たり前と言えば当たり前だ。

 危うく自分達が慕う人を失うところだったのだから。

 過敏になるのは自然だろう。

 

 似たような変化は忍術研究部にもある。

 常日頃から色々と注意を払っているようだ。

 先生が思っているよりも気を張らせてしまっていたらしい。

 それは風紀委員会の生徒達もそうだったかもしれない。

 

"……なるべく早く何とかしたいなぁ"

 

 生徒の安全の為にも、ついでに最近の激務をどうにかする為にも。

 先日イズナの件ではあの後リンちゃんにめっちゃ怒られたし。

 ついでに妖怪MAXの在庫もなくなりそうだ……あれだけあったのに。

 

 尤も、一番の問題は大量のエナドリを摂取しておいて体重が増えるどころか減っている点だろうけども。

 

 でも、忙しいのはきっと今だけだろう。

 謎の奇妙な手鏡への対処さえできてしまえば後は楽になれる。

 と、先生は考えていた。

 

 

 

 しかし、現実はそう甘くなかった。

 

 

 

 ふと、先生のスマホからコール音が鳴った。

 相手は……ミドリ?

 珍しい気がしてやや面食らいながらも、先生は電話に出た。

 

"はい、こちらシャ"

 

「先生!? え、えっと……よく分からないけど大変なの!」

 

"っ!!"

 

 耳をつんざく程の悲鳴にも似た言葉。

 只事ではないのは分かった。

 また事件か……

 

"落ち着いて、ミドリ。何があったのか話せる?"

 

「そ、その……ユウカが! あっ、ちょ、お姉ちゃん勝手にスマホ取らないで!?」

「先生、聞いてるよね!? 早く来て、ユウカの様子がおかしいの!」

 

 ユウカが!?

 先日、彼女の声を聞いたばかりだと言うのに……

 これまでのパターンからするとユウカもおそらくは……と考えたところで。

 

"……あれ?"

 

 先日、鏡に関する話を持ちかけたのはユウカだ。

 勿論ちゃんとアルの件があった後すぐ報告した。

 それなのに被害に遭ってしまうのは流石に妙な気がする。

 ユウカの性格から考えても絶対きっちりと注意を払うだろうし……

 

 もしかして別件だろうか?

 

"ユウカの様子がおかしいって、具体的にはどんな感じ?"

 

「え、えっと……話す内容がよく分からないの。『都市』とか『セブン』とか……あと、ヘイローを見て凄くびっくりしてたよ!」

 

 前者は先生にも分からないが後者も意味が分からない。

 『都市』はともかく『セブン』はきっと固有名詞だって予想はできる。

 コンビニの名前だったりするのだろうか?

 

 それにしてもヘイローを気にするなんて、まるで初めてキヴォトスに来た人みたいじゃ……

 

 

 

 ……ん?

 

 

 

「それから、服装も普段と違うの。()()()()()()を羽織っていて、何だか別人みたいな雰囲気で……って、それはいつもの事かも。あと、銃を持っていない代わりになんか剣を持ってるの。なんかこう、レイピアみたいな細い剣」

 

 服装が違う……それは今までの二件にも見られた特徴だ。

 その他の細部は少しだけ異なっているが。

 でも、剣を持っているって何事?

 銃を持たない人はおろか、全裸で出歩く人よりも珍しい。

 

 このキヴォトスにおいて銃を持たないなんて……まるで別の世界から来たみたいじゃないか。

 

 

 

 んん……?

 

 

 

"……とにかく、ミレニアムだよね。すぐに行くよ"

 

「出来れば早くして先生、今のユウカは普段と様子が違くて……今私達の部室の前でC&Cとぶつかり合いになってるの!」

 

"それ本当!? 急がなきゃ……"

 

 通話を切ると、先生は手早く出掛ける準備を始めた。

 切る前に銃声や爆発音も微かに聞き取れたので焦りが出てしまう。

 何よりも生徒同士で争いになっているのは止めなければ!

 

 手始めに仕事続きで放置していた寝起きのままボサボサだった髪を最低限整える。

 服装もそれなりに見られるよう整えて仕事の書類を整理して。

 そしてリンちゃんに見つからないようなるべくこっそりと部屋を出る。

 見つかってもまた怒られないよう書き置きも忘れずに。

 

 ……結局、また怒られる事になるのだが。

 

 

 

⬛︎ ⬛︎ ⬛︎

 

 

 

 ミレニアム学園に到着した先生は明らかな違和感を感じた。

 そう何度も訪れたわけでもないが、それでもハッキリと分かる感覚がある。

 ……妙にざわついているのだ。

 

 建物の外なのに妙に生徒が多く出歩いている。

 その誰もが不安そうにしていた。

 何か事件があったのは間違いない。

 

 理由はやはりユウカが関わっているのだろうか。

 誰かに聞いてみたいが、誰か顔見知りはいるだろうかと辺りを見渡す先生。

 幸い、知り合いはすぐに見つかった。

 

 一見するとかなり機嫌が悪そうな生徒が。

 

"やぁ、ネル"

 

「んぁ……先生!? 変な時に会うな……」

 

 少し前にゲーム開発部の存続についての件で知り合った生徒であるネル。

 その際は敵対している感じだったけど、今は別に戦う理由もない。

 それはそれとして怒った彼女は怖いが……

 

"そうだね。ネルも元気だった?"

 

「まあな。で、ミレニアムに何か用事でもあるのか?」

 

"うん。割と急ぎのね。でも、この騒ぎが何なのかも気になって……何か知ってる?"

 

「いいや。残念ながらあたしも知らない。ついさっきまで後輩達の好意で休暇を楽しんでたんだがな。騒がしさを感じて外に出たらこの有様だ」

 

 残念ながら、ネルも先生も同じくあまり情報は持っていないらしい。

 と言うか……伝えないといけない事がある。

 どうやらこの騒ぎの前に先にそちらを解決しなくてはならないようだ。

 

"その用事はネルも無関係じゃないんだよね。C&Cに関する事だから"

 

「あ?」

 

 虚を突かれたようにネルは声を上げた。

 まさか自分に何か用事があるとは思ってもみなかったらしい。

 

"その、落ち着いて聞いて欲しいんだけど……ユウカとC&Cが、今ちょっと戦いになってるらしいんだ"

 

「はぁ? ユウカって……あのユウカが?」

 

 信じられないと言った表情でネルがそう聞き返した。

 ユウカの普段の素行と立場からすれば当然の反応だ。

 セミナーに属している彼女がわざわざ面倒事を起こす理由がない。

 

"うん。私も電話越しでゲーム開発部から聞いた話だから細かい部分はよく分かっていないんだけどね……だから、急いで向かおうかと"

 

「……あいつらか。嘘をつくような連中ではないし、信じられねーけど本当と見るべきか」

 

 ほんの少しだけ考えていたネルだったが、すぐに行動を起こした。

 

「行くぞ先生! 私からも連絡取りながら確かめるぞ、場所はあいつらの部室か?」

 

"……うん。詳細は向かいながら説明するね!"

 

 現場の方にネルがいるかと思っていたが……頼りになる援軍を得た気分だ。

 ネルを伴い、先生は目的地へと向かう。

 

 

 

 やがて、目的地近くの廊下まで辿り着くと銃声が聞こえて来た。

 それだけでなく爆発音まで聞こえる。

 ……もしかしなくてもアカネの物だろう。

 どこか聞き覚えもある気がするし。

 

「ちっ、正直信じたくなかったが……」

 

 ネルは舌打ちを挟みつつも愛用の短機関銃を取り出した。

 先生も覚悟を決めて廊下の曲がり角を通り過ぎる。

 すると、まず視界に入ったのは壁に寄りかかったカリンだ。

 

「カリン! どうした、何があった!?」

 

"カリン!?"

 

「リーダー……それに先生まで。私は良いから早く止めに行って……!」

「ほっとけるかよ。足を怪我したのか?」

 

 ネルの言う通り、確かにカリンは足を押さえていた。

 僅かにだが出血もしている。

 丁度、足の筋……所謂アキレス腱の部分だ。

 鋭利な刃物で綺麗に切られたような傷跡だった。

 

「ちっ、先生の話の信憑性が増して来やがったな。一応聞くぞ、これをやったのはユウカか?」

「っ!? もしかして何か事情を知ってるの?」

「あたしじゃなくて先生が、な」

 

 カリンの足の傷を長く見つめていたネルは立ち上がる。

 

「この傷……まるで狙ったかのように最低限の攻撃で相手を無力化している。少なくとも、戦闘慣れしているやつの技だな」

 

 独り言を呟きながらネルは何処かに電話をかける。

 その言葉にカリンも同意するようにこくりと頷いた。

 実際に相対したカリンもそう思うのなら間違いないだろう。

 

「……よし、しばらくしたら人が来る筈だ。すまねぇがしばらく耐えててくれ」

「了解、リーダー」

 

 電話をしまったネルは走り出す。

 先生もその後を必死に追った。

 

 数分後……

 

 二人はようやくゲーム開発部の部室前の廊下までやって来た。

 そこではオドオドした様子のアリスが突っ立っていた。

 隣にはアカネとアスナもいる。

 

 しかしモモイやミドリ、それにユズの姿も見当たらない。

 

「お前ら、無事か?」

「リーダー! ごめんね、最近忙しかったから偶には休んでて欲しかったのにー」

「それに先生まで!? どうしてここに……いえ、それはまた後にしましょう」

 

"みんな、無事!?"

 

「先生! 大変なんです、いつの間にかモモイとミドリが消えてしまいました!」

 

"えっ?"

 

 ……一体、どう言う事だろうか。

 

「あの双子か。詳しく説明を聞きたいが……ユウカの事も捨て置けないな。先生、この場を任せていいか?」

 

"分かった。ネルも気を付けて"

 

「おう。アカネ、アスナ! ユウカは何処に行った!?」

「あっちの方だよ!」

「学園の北側ですね。何度か攻撃したのですが、普段の彼女とは思えないくらい手強くて取り逃しました」

「そもそも、何で戦闘になったのかもあたしは分かっていないんだが……まあいい、行くぞ!」

 

 ネルはアカネとアスナを連れて走り去る。

 本当にこう言う時の彼女は頼もしい。

 先生も自分の役目を果たさねば。

 

 まず、アリスから聞かなくちゃいけない事は……

 

"アリス。ユズは何処に……いや、それは聞かなくても分かったよ"

 

 ダンッ!

 先生が話した瞬間、部室にあるロッカーから物音がした。

 どうやら無事だったらしい。

 

"詳しい状況を説明できるかな、アリス"

 

 未だに落ち着きを取り戻せていないアリスに質問するのは少し気が引けるが……

 現状、状況を説明できそうな人物は彼女しかいない。

 

「は、はい……二時間と三十分前の事でした——」

 

 

 

⬛︎ ⬛︎ ⬛︎

 

 

 

 あれはそう、モモイがいつものようにシナリオが書けなくて駄々を捏ね始めた時でした。

 

「うわーん、全然面白い話が思い付かないよー!」

「お姉ちゃん……作業中は静かにしてよ」

「……」

「ほら、黙々と作業してるユズを見習ったら?」

 

 いつものゲームの制作風景でした。

 なので、これから何をするのかも大体想像が付きました。

 モモイが気分転換にゲームを提案して、ミドリが渋々賛成して、ユズも一息吐いて……

 

 今日もそんな感じになるとアリスは思っていたんです。

 楽しい日常がもう少し続くって。

 でも、違いました……

 

 始まりは一人の来客でした。

 普段は滅多に叩かれない部室のドアがノックされたんです。

 コンコンと音が鳴った時はアリスも含めて皆不思議そうに顔を見合わせました。

 誰だろう……って。

 

 ユウカや先生だったらすぐに名乗ってくれるから分かります。

 ですがノック音の後は何も聞こえて来ません。

 ……少し怖いなって思いました。

 

「だ、誰?」

「どちら様、ですか?」

 

 

 モモイとミドリはすぐにドアを開けずにそう尋ねました。

 すると、返答が返ってきました。

 焦っているような声色で、生徒の声だって印象でした。

 ……この時点では。

 

「すまないが、先に早く開けて欲しいかな。実は今追われててね……ユウカって人に」

「ユウカに?」

「あー……ユウカってば厳しいもんね。しょうがないなぁ」

 

 そう言いつつモモイがドアを開けました。

 この時、アリスの頭にはこの前皆でやったホラーゲームの事が思い浮かんでいました。

 怖いお化けが家に入れて欲しいと、選択肢を提示してくるシーンが重なったんです。

 

 止めようと思いましたが、それよりもモモイの方が早くて。

 ドアの外に居た生徒はサッと部屋の中に入って来ました。

 

「いやぁ、助かったよ君達。このお礼は、なるべく早く返すよ」

 

 その生徒は一般的なミレニアム生徒の格好をしていませんでした。

 アリスはあまり他の学校には詳しくありませんが……

 もしかしたら、前にユウカが言っていたワイルドハントって学園かもしれません!

 

 だってこの人は()()()()()()()()()()()()()()()をしていましたから。

 それだけならまあミレニアムの生徒かなぁと納得出来ます。

 ヴェリタスにも芸術に詳しい人が居た気がしますし。

 

 でも、()()までしているのが変だな〜って思ったんです。

 ()()()()()()()もありましたっけ。

 流石にそんな人はミレニアムでは滅多に見ないので凄く印象に残りました。

 

 





長くなりそうなのでやや中途半端でしたがここで区切りました。


念の為明言しておきますが、この芸術の採点をしてそうな服装の生徒はマキじゃないです。
候補ではありましたけど、ネームド生徒に悪役やらせるのもなぁ……と。

多分マキは野獣派だと思う(勝手な妄想)





はいここで野獣という文字列を見てアリスを思い浮かべたセルマァは正直に手を挙げてください
セルマァは私の拙い小説を読んでくれる友達だから……1万枚くらいにしておこうかな?

リンバスとブルアカのプレイ経験はありますか?

  • リンバスだけプレイしている
  • ブルアカだけプレイしている
  • 両方プレイしている
  • 両方プレイしたことがない
  • プロムンの過去作はプレイしたことがある
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