しばらくお休みしたことで心に多少の余裕ができたのでぼちぼち投稿を再開します。
アークナイツコラボイベントも始まってますよ(露骨な宣伝)
取り敢えず4種のコラボE.G.Oを全部同期Ⅳにしました。
使ってみた感じだとスカジメールが可愛かったです。
アレがイベント報酬ってマジかよこれはリンバスカンパニー始めるしかないぜ!(禁断の宣伝二度撃ち)
ブルアカの方でもワイルドハント学園の新イベントが来ていますね
あの、慈愛の怪盗はいつ実装されますか……?
あんまり遅いとこっちで書いちゃいますよ……?
「で、だ。一応聞いておくが、お前らはどの部活に所属してる?」
「えっと、セミナーだけど……」
「私もセミナーだよ。ネルはC&Cなんだよね?」
「……ああ」
ネルが代表して聞いたが、何となく皆が既に薄々察してはいた。
二人の所属が何処なのかを。
それでも、確かめないといけなかったから聞いたのだ。
「えぇ……私達ってこっちだとどの部活に入ってるの?」
「お姉ちゃん、もしかしてだけど」
ミドリが何かに気付いたようにモモイに話しかけた。
それはまるで、聞いては駄目だと制止するかのようで……
"心当たりがあるの?"
「……はい。多分ですけどゲーム関係の部ではないでしょうか」
「あ、ああ……なるほど?」
モモイもミドリも酷く複雑な表情をしていた。
一度目を背けてしまって、合わせる顔がない相手に向けるような……そんな顔だった。
先生は二人を見て……アルとイズナの事件を思い出す。
あの二人もまた、今のモモイとミドリと似た様な表情をしていた。
もしかすると、これは共通点なのかもしれない。
まだ確実とは言い切れないけど、これはきっと切ってはならない重要な線ではないだろうか。
この事件が起こる理由の一端を掴む為にも……
"セミナーに入った切っ掛けを教えてくれるかな?"
「切っ掛け……と言うか何と言うか」
「その、ミレニアムは恥ずかしながら財政に不安があって……人事にも事欠く有様でして。そんなセミナーを見ない振りができなかったんです」
ユウカも偶に愚痴っていたような記憶がある。
実験に使用する謎の支出等々……大分頭を悩ませていたと先生は記憶していた。
それでも、ミドリが言う程先生の知るミレニアムの状況は酷くなってはいない筈だ。
割とゲーム開発部に甘い判断もしていたし。
「……ま、セミナーの仕事が落ち着いたら趣味でゲームを作ったりしたいなとは思っているけどね」
「え、お姉ちゃんそうだったの? 私はてっきりもう諦めてたんだと……」
「ちょ、どうしてそう思われてるの!? 私、自分で言うのもなんだけどかなり諦めは悪い方だよ!?」
「だって、最近は書類を片付けている時のお姉ちゃん、黙々とこなしながら死んだ魚の目をしてるし……」
ミドリの言葉にモモイは心外だと言わんばかりに言い返した。
「あのね、ミドリ。当たり前の事を言うけど……愚痴を言おうが泣き叫ぼうが、仕事は減らないんだよ?」
"ぐはっ"
間接的に先生にも心的ダメージが入った。
そう語るモモイの眼はミドリの言っていた『死んだ魚の目』そのものだった。
ああ、あのモモイが悟りの領域に達している……
「はぁ、それもこれも生徒会長がいつも不在な所為だよ! 私達がセミナーに入って来た時は普通に居たのに……最近は全然顔を見せないんですよ。どう思いますか先生!?」
"そんな事言われても……"
そう言われても、まだ先生はミレニアムの生徒会長とは面識がない。
名前も知らなければどんな人物なのかすら知らない。
言葉に詰まってしまうのは当然だろう。
と言うかさっき愚痴を言おうが仕事は減らないって言ってたのに早速愚痴が飛んで来てしまった。
"いつか、機会があれば会ってみたいと思うけどね"
ミレニアムの生徒会長なのだからきっと忙しいのだろう。
会計であるユウカでさえ忙しくしていたのだから、難しいかもしれない。
シャーレの先生としては負けないくらい働いているつもりではあるのだが。
「……リオはそっちでも相変わらずなのか」
ネルが何処か呆れたように呟いた。
その呟きに含まれた意味は先生にはよく分からなかった。
ネルは生徒会長の事を良く知っているのは何となく察した。
関係性までは分からなかったけど、そこまで険悪でもないような気がする。
ところが、モモイはネルの言葉に首を傾げた。
「あ? どうしたんだよ」
「その、
「……は?」
ネルは思わない発言に呆気に取られたのか、珍しく動揺した様子だった。
辺りを見渡せばアスナだけは意外そうに目を見開いていた。
先生を含めた他の人達は皆あまりしっくり来ていないらしい。
「じゃあ誰が生徒会長なんだ?」
グイグイと距離を詰めてくるネルに若干引きながらもモモイは答えようとする。
が……
「……えっと」
「何だよ、答えられない理由でもあるのか?」
「……」
モモイは目を逸らして言い淀む。
何故だろうかと考えていると、ふと先生はモモイの視線の先に気が付いた。
モモイもミドリも……視線を向けているのは、気絶しているユウカだった。
"……その、もしかしてだけど"
視線の意味を察して先生が話に加わった。
いや、まさかな……とは思っている。
だけど、これまでの経験からしてこの予想はきっと正しい。
結局、ネルの質問に答えたのはミドリだった。
「……そこの気絶している人。
⬛︎ ⬛︎ ⬛︎
「……ここ、は」
"気が付いたんだね"
「っ……なるほどね。間抜けにも捕まってしまった、と」
目の覚めたユウカは状況を把握するのが早かった。
顔色は悪いが、まだ眼に力は宿っている。
そんな様子のユウカを見て、先生が思った事は一つ。
……覚悟が決まり過ぎている。
本当に子供なのかと疑いたくなるくらいに。
どれだけ厳しい環境ならこんな風に育つのだろうか。
改めて対峙して、先生はこのユウカが歩んで来た人生がどれだけ苦しかったのかが気になって仕方がなかった。
他の生徒達もユウカの雰囲気に当てられてか黙ったままでいる。
ユウカは周りを軽く見渡していた。
その時。
視線がアリスを向いた時に少しだけ目を見開いた気がした。
すぐに戻ってしまったので気の所為にも思えたけど……何だったんだろう?
やがて、ユウカがぽつりと言葉を発した言葉は——
「……聞かせて頂戴。私を生かして帰してくれるには、何をしたら良いのかしら」
単純明快な命乞いだった。
殺されるのがまず前提なのが……まず好ましくなかった。
優しくない世界に生きて来たのがそれだけで分かったから。
それが当たり前だと考えている、いや、考えざるを得ない世界。
もし本当に存在しているのならなんて悲しい世界なのだろう。
色々と聞きたい事はあったけれど……
先にどうしても済ませておきたい問答ができてしまった。
悲しさを隠せないまま先生は答える。
"殺さないよ。悪人だとしても、死んでも良い人なんていないからね"
「……随分とまあ、寝惚けた夢物語を語る奴ね。馬鹿馬鹿しくて聞いているだけで恥ずかしいわ」
命乞いしている状況なのも忘れたのか、ユウカは心の底から呆れた表情でそう言った。
アリス達はそんなユウカの迫力に気圧されかけていた。
人の生き死にを一蹴する彼女の表情は……何処までも冷たかったから。
だけど、先生はそれでも会話を続けた。
"たとえ、死ぬのが当たり前の場所に住んでいたとしても……私は自分を曲げる気はないよ"
「ふん……そう言うのは死んだか死にかけた奴だけが言える台詞じゃないの?」
"手厳しいね。それでも、私は言い続けるよ"
そう語る先生の真っ直ぐな意思の宿った視線を受け……ユウカは少しの間黙り込んだ。
先生達には預かり知らぬ事だが。
このユウカが暮らしていた都市には、先生のような事を嘘でも言える人なんて殆どいなかった。
何処か眩しさを感じたのかユウカは目線を逸らした。
「……一度崩れ落ちなければ、分からないのかしら」
呟いた言葉は何処か物悲しくて。
光に手を伸ばしたいと願っているかのようだった。
"もしかして、心配してくれてる?"
「そ、そんなわけないわよ!」
でも、こんなやり取りはいつものユウカみたいで。
先生の脳内は困惑で溢れていた。
黙り込んでしまった先生に代わり、今度はネルがユウカと対峙する。
「んで、だ。何でアイツ……あの、顔に見慣れないペイントを入れた生徒を攻撃したんだよ」
「依頼だからに決まってるじゃない」
「依頼? 誰から?」
「言う訳がないじゃないの」
当然、といった風にユウカは口を閉じた。
そんな彼女をネルは難しい表情でジッと見つめた。
やがて、ネルは苦々しそうに口を開いた。
「さっきお前は言ったよな。生かして帰してもらうにはどうすればいいかって」
「それを天秤にかけるのなら、私は黙秘を選び取るわ」
「……テメェ、意味が分かって言ってるのか?」
ネルが怖い顔で凄む。
この場合の意味とは……説明するまでもない。
自分の命と依頼主の情報。
ユウカはそれを天秤にかけて、依頼主を選んだという事だ。
二人のやり取りを、先生と他の生徒達は固唾を飲んでそれを見守る。
「……目を見れば何となくだが、本気だと分かるな」
「それ以外の条件なら……提示次第だけど飲むわ」
「何故そこまで頑なに話そうとしないんだよ。そんなに大事な相手なのか?」
苛立ちの混じったネルのその問いに、ユウカは不思議そうに首を傾げた。
逆に何故そんな事も分からないのか……と、そう言いたげに。
「……依頼主について話してしまえば、フィクサーとしての信用は地に落ちる。フィクサー免許も剥奪されるだろうし、当然生活はままならなくなるわ。そうなってしまえば、後は緩慢に死へ向かって行くだけだから……私もそんなに高い地位に座っているわけでもないし」
はぁ、とため息を吐いたユウカを見た先生は思う。
やっぱり……今のユウカは、別の世界の住人なのだと。
それも、碌でもなさそうな。
「色々と気になるんだが……まず、フィクサーってなんだよ?」
「何でそんな事も知らないなんて……あんた、何処の裏路地出身なのよ? いや、どんなに馬鹿なチンピラでもフィクサーくらいは知っている筈だし……」
「アァ!?」
チンピラと言われてイラッと来たらしい。
ネルは強くユウカに掴み掛かった。
身動きの取れないユウカは避ける事もできずに苦悶の声を上げる。
「くっ……」
「面倒臭ぇ、良いからとっとと知ってる事全部吐けや!」
"ネル、一旦落ち着いて"
先生の声にネルは思わず振り向いた。
手はユウカから離さないまま。
「先生、少し黙って……」
その先の言葉までを、ネルが口にする事はなかった。
先生の顔が真剣そのものだったからだ。
普段はおちゃらけた表情の方が多い癖に。
「……何か考えがあるんだな?」
"うん、そうだね。だから、私を信じて欲しいな"
「はん……なら、後は任せるか」
ネルはユウカから手を退け、数歩程後退った。
そのまま壁に背中を預けて見守る態勢になる。
何かあった時の為にすぐに銃へと手を掛けられるようにしていた。
……口調こそ荒いけれど、優しさも持ち合わせているのが彼女らしい。
先生は内心苦笑しながらユウカと向き合った。
"さっき、それ以外の条件……依頼主について以外なら飲むって言ったっけ"
「……ええ、そうね。まあ、前提として私にできることならだけど」
"なら、君が狙っていた人物について教えて欲しいな"
「ううん、それなら……って、まさか知らないの?」
ユウカはマジマジと先生を見つめる。
信じ難い物を目の前にした時のような反応だ。
こくりと先生は頷いた。
しかし、ユウカはそれでも納得が行かないように眉を顰めている。
先生は何も言わずに待っていると、根負けしたのかユウカは口を開いた。
「はぁ……いいわ、教えてあげる」
ユウカは憂鬱そうな溜め息を吐いてから話し始めた。
「あいつは薬指の構成員よ。位は一番下のスチューデントだけれど……」
「く、薬指?」
「……そこも説明が必要なのね。指は裏路地を牛耳る五つの組織の名前よ。どの指も危険な組織に変わりないけれど、薬指は特に芸術を重視する指なの」
芸術?
「良く分からないけど、ワイルドハント学園みたいなものかな?」
「断じて学園ではないのだけれど……」
「もしそうなら、あの人ってそんなに悪い人じゃないんじゃ?」
目を細くしたユウカは明らかに呆れた口調で続ける。
「……保護下にある住民は芸術作品を制作し続けなければならず、落第……つまり芸術の素養無しと判断された者は
「いっ!?」
「じょ、冗談だよね……?」
「あはは、そんなわけ」
ユウカは軽く笑った。
この程度は序の口だと言わんばかり。
つまるところ、まるで冗談には全く見えなかった。
「それに……私が狙っているのは依頼だからであって、あいつが悪人だからじゃない。フィクサーは別に正義のヒーローじゃないしね」
フィクサー。
また知らない単語が出て来た。
先生は脳内のメモ帳に聞くべき事柄のリストが増えて辟易していた。
「お前はそんな組織に喧嘩を売ったのか?」
「報酬が良かったのが一つ。他の指と比べればまだマシだと判断したから。まあ……どれもこれも関わり合いになりたくないのだけれど。それに、あいつは末端も末端だから」
少しだけばつが悪そうにユウカはそう言った。
「……貴方達が薬指と無関係なのはもう分かったわ。あいつを庇うって事はほぼ確実に薬指と関係のある組織だと思っていたけど、違ったのね」
「そんなヤバい組織と関係があると思われてたなんて嫌過ぎるんですけど!?」
モモイが嫌そうにそう言った。
先生も含めてこの場にいる大半の者は同意する。
……そりゃそうだ。
「……このくらいでいいかしら?」
"うん、ありがとう"
そう言って先生はユウカの縄を解いた。
ネルが本気で縛ったらしく……大分手こずったけれど何とか解く事ができた。
その間、ユウカは先生の事をずっと見つめ続けていた。
「……本当に解放するのね」
"もちろん。さっき約束したからね"
「約束、ね。その言葉が耳障りに聞こえなかったのは……久し振りかも」
何処か感傷に浸るような様子でユウカは呟いた。
まだまだ信頼できる関係ではないけれど。
でも……少しだけ距離は縮まった気がする。
"もしかして、まだ納得はしていない?"
「だって、私にとって都合が良過ぎるもの」
ユウカの晴れない表情を見て先生はそう聞いたが、やはり思った通りだったらしい。
少し考えて……先生は口を開いた。
"だったら、また後日でいいから都市の事を聞かせて欲しいな。代わりに、私はキヴォトスの事を教えるから"
「……変わった人ね、アナタは」
なんて事のない提案だったけれど。
それでもユウカはほんの少しだけ、険が取れた顔をしていた。
ビッグシスター人格のユウカは今は書きません。
先にセブン協会の方を書きたいので。
感想とかを鑑みて需要があるようなら、なるべく早くに書きたいとは思っています。
はいそこ太ももが既にビッグとか思った人は素直に申し出てください。
申し出なかった人の元にはトナカイホンル&イシュの精神の鞭が飛んできます。
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