マジ切〜(気楽な挨拶)
五周年記念ガチャは無事アリスとケイの両方を出せました。
でもアリスの方でケイを二回も引いたのは何だったんだマジで……
まるで私の所にアリスを行かせないように身代わりになっているかのような。
あと臨戦おじさんもアリスガチャで来たんだけど何で?
すぐ横でピックアップされてる二人を引くとかどんな確率?
え、ヒマリオガチャはどうしたって?
指令には天井以内に当てろとは書かれていなかったから……
「貴方は言ったよね……点とは魅力的な瞬間であるって。連続する点は線になっちゃうんじゃないかな」
「……それ、は」
今まで全く動揺を見せなかった『ねじれ』が……言葉に詰まっていた。
マキの問いに反論しようと考えを巡らせているのだろうか?
ピクリとも動こうともしない。
ユウカはたしか、薬指は芸術を重視する組織だと言っていた。
その為ならば人の命は勿論……自らの命すら削る事すら厭わない。
理解はできないけれど、その熱意だけは感じ取ることができる。
過剰で危険なその意志を。
だが、今だけはその狂気的な情熱が方向性を見失っていた。
それは一瞬だけだったかもしれない。
水を浴びせて火の勢いが一時的に収まっただけ。
またすぐに燃え出してしまっても不思議ではない。
だが、それで充分だった。
紛れもなく……喉から手が出る程望んでいた、この上ない好機だったから。
"みんな、行くよ!"
「おう!」
「分かったわ」
ネルとユウカが『ねじれ』に迫る。
『ねじれ』はすぐにハッとなったが二人の接近に反応するのに遅れた。
一瞬の隙かもしれないが……それでも致命的なのに違いはない。
"ユウカ、そのまま突っ込んで!"
「はいはい!」
『ねじれ』はかぎ爪で迎え撃つが、動きに先程までの切れがない。
メンタルが動きに影響しているのが如実に現れていた。
だが、しかし。
そうだとしても当たればひとたまりもない威力なのは変わらない。
ユウカも勿論それを理解していた。
「ふーん、かなり動揺したようね」
「うるさい! 貴方には何も分からないでしょうに!」
「そうね、芸術には造詣が深くないし」
ユウカは左手で剣を抜刀しかぎ爪を防ぐ。
そのまま銃口を相手に向ける。
それを見た『ねじれ』は目を丸くする。
「馬鹿な、お前は……!」
「ふふ、完璧〜」
「ちっ!」
近距離から放たれる銃弾は流石に無傷では済まないのか、『ねじれ』が初めて防御に集中した。
銃と剣、二つの武器を自在に操るのは容易ではない。
それができるのは……今のユウカが二つの人格があるからだった。
セブン協会フィクサーとしてのユウカ。
セミナー会計としてのユウカ。
二つある人生の経験をその場に使えるように生かすのは、並大抵の技量ではできない。
成し遂げられた理由の一つは神秘があったから。
通常なら主導権を奪い合う人格を制御できるのは、紛れもなく神秘であろう。
そしてもう一つは……彼女が両利きだったからだろうか。
「人格の多重同期……だが、あの宝石程ではない!」
「っ、所詮は付け焼き刃ね」
『ねじれ』は無理矢理かぎ爪を振るう。
その威力は動きが乱れた今も健在だ。
たまらずユウカは飛び退いた。
地力の差。
如何ともし難いそれはユウカだけでは覆すのは難しい。
……ユウカだけなら。
「良くやったな、ユウカ……!」
「っ!? しまっ——」
『ねじれ』の背後に回ったネルがその頭部に銃口を押し付ける。
この間合いは完全に彼女の得意な間合いだ。
そして、ユウカに気を取られて気付くのが遅れてしまった以上。
もう、勝ち目はない。
「ゴミは掃除しなきゃなぁ!」
「ぐあぁ!?」
今までの鬱憤を晴らすような弾丸の雨が『ねじれ』を襲う。
ネルの本気の攻撃は相手の抵抗すら許さず、避ける術なく撃ち抜いていく。
今までの拮抗勝負とは打って変わった一方的な蹂躙。
溜まった鬱憤を晴らすかの如くの一転攻勢。
銃撃が終わった時。
ネルにも匹敵する戦闘力を持った『ねじれ』は、ようやく膝をついたのだった。
「ぐっ……」
「これだけ撃ち込めば、流石にしばらくは堪えるだろ」
「寧ろ、何で意識があるのか不思議なくらいだわ……」
ユウカが緊張の糸が切れたのか、その場に座り込んだ。
"マキの一言が無かったらこんなに上手くいかなかったかも"
「そ、そうなの? あの、私まだ状況をよく飲み込めてないんだけど……」
彼女が目を覚ましたのはたった数分前である。
色々と非常事態だったので説明する暇が無かったのは仕方がない。
三行で説明するのが難しい程度にはややこしい状況だったし。
「……先生、アレ!」
突然、モモイが『ねじれ』を指差して叫んだ。
ふと気付くと、『ねじれ』の身体を構成する皮膚がドロドロと溶けていた。
まるで絵の具のような粘質のある液体が床に広がって行く。
床に染み込んだにしては早く液体は消えて見えなくなる。
蒸発したようには見えず、これも不思議な現象の一つだろう。
やがて、怪物の皮は剥がれて元の姿へと戻った。
地面に手をついて下を見下ろしていた。
この空間にしばしの静寂が訪れる。
先程まで銃撃などが鳴り響いて止まらなかったが……
今は嘘のように静まり返っていた。
「結局は我が師と同じ結末……いや、少し違うだろうか。ははっ、これが私か」
自嘲する乾いた笑みと共に、そんな言葉を吐き出した。
諦観と悲壮が混じり合う陰鬱な心象が伝わる声色だった。
それはもう、聞いている方まで侵食されてしまいそうな程に。
「……所詮は模倣。誰かの足跡を辿っただけの芸術に歪で惨めな姿を見せる鏡なのだから、当然なのでしょうね」
その独り言に誰も返答はしなかった。
自分よがりな芸術に言及できる程、興味関心はなかったから。
他人の人生にそう口を挟もうとはしないものだ。
心にゆとりが無ければ誰かの事を気にかけはしない。
だけど……先生はそうでもない。
とてつもないお人好しな人だから。
"やり方は間違っていたと思う。たとえ、君の済んでいた場所の倫理観がとても酷い場所だったとしてもね"
「過程がどうであれ、結果的に目的へと至れればそれで良いのです。そして、私は至れなかった。それだけの話ですね」
"いや、それは少し違うんじゃないかな"
先生は一拍置いてから話を続ける。
ユウカと同様に……目の前の人物も生徒である事には変わりない。
都市にいて、キヴォトスには本来存在し得ないとしても。
信条は変わらない。
"私は別に芸術に詳しいわけでもないんだけど……それでも、熱意を持って入れ込む気持ちは何となく分かるな。周囲に迷惑をかけなければ、好きにやっても良いよ。あ、これはマキにも同じ事を言わせてもらうね"
「う……」
唐突に釘を刺されたのでマキはビクッとした。
今回薬指が引き起こした事件と比べたら、マキの行動なんて些細な悪戯かもしれない。
程度の問題ではなく他人に迷惑をかけてはいけないってだけだ。
"気になってたんだけど、この研究施設って芸術家ってだけで作って運用できるものかな?"
「そうですね……私のような天才病弱美少女ハッカーならともかく、他の方には難しいかと」
「部長、空気読もうよ」
部屋のまだ無事そうな機械を軽く検分していたヒマリが自慢するように言った。
しかし、言っていることは何も間違っていない。
ミレニアムの生徒でも彼女以外では初見の知らない機械を理解するのは難しいだろう。
"……さっき、私のような凡人でもって言ってたよね。私はそんな事ないと思うけどな"
「研究者としても、私は本職には決して敵わないでしょうよ。芸術家としても……私は結局、何者にもなれなかった」
静かにそう否定されて、先生はふと気付いた。
この人は……誰かと比べることでしか自分をみることができないのだと。
客観的に見ようとする度に別の物を気にしてしまっている。
それが本来の性格なのだろう。
先程までは師匠と呼ばれる誰かを盲信していた。
だから、あんなにも自我がハッキリとしていたのかもしれない。
自分だけの答えを探すよりも他人の足跡を追いかける方が楽だから。
"芸術は個性が出るものじゃないかな。自分にしかない色を表現する手段とも言えるけど"
「師の塗った点が美しかった。それを真似たいと思ったのが間違いとでも」
"芸術には間違いなんて無いと思う。でも、君には君の……また違う芸術の道があるんじゃないかな? 少なくとも、私はそう思うよ"
誰かと比べなくても……芸術は尊いものだろう。
その人にしか出せない色を塗って作り上げるものだから。
「余計なお世話ですね。ですが、もう一度見直さないといけないのは……はぁ、たしかでしょうか」
意気消沈していたように見えたけれど、薬指の生徒はもう一度立ち上がった。
ほんの少しだけ晴れやかな顔をしていた。
それが、彼女の見せた最期だった。
"……あれ、消えて行く!?"
「これも、特異現象の一つでしょうか……?」
彼女の姿は塵へと変わる。
散ってしまった後に残ったのは、一人のミレニアムの生徒だけだった。
⬛︎ ⬛︎ ⬛︎
事後処理にはかなり手間がかかる事となった。
それもこれもセミナーの会長が居ないのが大きな原因だが……
嘆いても変わらないと先生は生徒達を手伝った。
まず、薬指の人格を被っていた生徒。
かなり身体に負担がかかった為にしばらくはベッドの上で過ごさなければならない。
……だが、復帰には問題なく一ヶ月もかからずに完治するとのことだ。
そう聞いた時にホッとしたのは先生らしい。
正直、性格に違いがあり過ぎると思ったが……考えてもよく分からなかった。
薬指としての記憶も覚えていないようだし、少し妙な点はあったが……
次に、被害に遭っていた人達。
マキのように被害が軽微だったのは少数だった。
大半がそれなりに長い間入院生活となるだろう。
だが、全員後遺症は残らないだろうとのことだ。
そして……活動資金を横領して分け与えていた生徒、コユキについては。
「ひぃ!? の、ノア先輩!?」
「あら、コユキちゃん。今回の件について、詳しくお尋ねしたいことがありますので……少し、お話ししましょうか」
「に、逃げさせてもらいます! 拒否権を行使します!」
一度、本人が元気に逃走しようと試みたが……
「あら、コユキ。奇遇ですね、私も貴方に話したい事が山程あったのですが……」
「だ、誰ですかこの人!? 雰囲気がノア先輩に似てる……すなわち凄く怖い!」
「うふふ、誰が怖いですって?」
「ひいぃぃぃ!?」
結局、ミドリとノアに引き摺られて行った。
二人とも怖過ぎて先生やネルにも近寄り難い、有無を言わさない雰囲気があった。
きっと彼女には毎日夢に出てきてしまうような経験をするのだろうけど……
やらかした事がやらかした事なので、先生ですら擁護はしなかった。
コユキの折檻……もとい、事情聴取の後にモモイとミドリも無事に元に戻った。
アルやイズナのように無事に戻ってくれて一安心だ。
ユズとアリスも満面の笑みを浮かべて喜んでいた。
そして、ユウカは……
「……先生。また会いましょう」
先生が何かをする前に、自然と元のユウカへと戻った。
セブン協会フィクサーとしての記憶は残らなかったけど、これまでに取った行動は覚えていた。
これは今まで通りだが、ユウカは不思議そうにしていた。
なお、戦闘の途中に先生に背中をさすられた事を思い出したらしく、顔を赤くさせていた。
恥ずかしがって先生から離れて行く彼女を見ながら、先生はシッテムの箱を取り出す。
画面を見ると、アルやイズナとはまた違う別の場所にユウカの姿があった。
彼女は先生と目が合うと、少しだけ嬉しそうに目を細めた。
何故このような現象が起こるのかは分からない。
アロナにも分からないらしいし、これから判明するかも未定だ。
それでも……また彼女と話ができるのは、先生としても嬉しかった。
セブン協会のフィクサー、ユウカ。
彼女から聞く都市の話に驚くのは……もう少し先の話。
前回で終わらせるつもりなのに長くなって切ったけど、今回は逆に短くなりました
私は小説を書くのが下手です
物語は続いて行く……ってことで『夢をなくす』完結となります。
次回にCパート的な話を挟んで次の章へと突入します。
ほぼミカ編みたいなものです。
どうでもいいけどマルクト(ブルーアーカイブ)がドジっ娘じゃないのに凄い違和感を覚えてしまう
まあプロムンユーザーが一番戸惑うのは多分アイン(ブルーアーカイブ)がまともな事ですよね
リンバスとブルアカのプレイ経験はありますか?
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リンバスだけプレイしている
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ブルアカだけプレイしている
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両方プレイしている
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両方プレイしたことがない
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プロムンの過去作はプレイしたことがある