投稿がランプグレゴールの速度くらい遅くてすみません。
ギリギリ8月に入る前なのでセーフです(?)
今回はブルアカしか知らない勢の為のちょっとした説明回みたいなものです。
時系列的にはエデン条約編の直前くらい、先生視点。
順番がおかしいと感じたらそれは作者の構成力がゴミな所為ですね。
ごめんなさい、許してください……
いや、全ては私のお陰だ(エイハブ人格によるメンタルヘルス)
”……ふぅ、もうこんな時間か“
窓の外には既に登り行くお日様が見える。
この作業を始めたのは日付が変わった直後辺りだから……
数時間があっという間に過ぎてしまっていたらしい。
所謂、徹夜というやつだ。
慣れてはいるものの、決して慣れたくはないと声を大にして言いたい。
幸いにも昨日はよく休めていた方だったので何とか乗り切れたが。
それでもまあ、これが先生にとっての最近の日常だ。
キヴォトスで問題や悩みの種が尽きる様子は全くない。
いつも何処かの地区で何かしらの問題が起きている。
それ故に連邦捜査部シャーレの……先生の仕事は中々途切れない。
少しくらいは嘆くべきだろうか?
勿論、誰かに愚痴を溢したところで物事は何も解決しない。
そうだとしても、やはり口にするくらいはしないと。
たまには休みが欲しいな、と。
まあ、それをリンちゃんが許すかどうかはまた別の話なのだが。
今日に纏めた資料を見直してから、先生は大きな伸びをした。
流石に身体のあちこちが凝っていて、疲労も眠気も溜まっている。
少しくらいは休まないと、流石に今日の業務に響く。
何せ、さっきまで纏めていた資料はあくまで仕事ではない。
先生が独断で作成した物だ。
それも未だに完成までは遠く、終わりの見えない作業だ。
一文字を記すだけでも精力と根気を吸い取れていくような感覚がする。
完成が見えないというのはそれだけメンタルに響いてくるものだ。
しかも、無給でやっているのだから、かかる負担は尚更だ。
ただでさえシャーレの業務は忙し過ぎる。
普段なら流石の先生でも明日の自分に丸投げしたくなるような作業量だ。
心は既に割と折れそうになっている。
そしかし、先生がこの資料の作成にこうして少なくない時間を捧げている。
休みが欲しいのも本心ではあるのだが……それでも。
これだけは絶対に作らなければならない。
だから、先生はこうして時間を見つけては資料を纏めていた。
『都市』に関する資料を。
『都市について知りたい?』
“うん。駄目かな?“
『情報が専門のフィクサーとして、タダで情報の提供をする訳にはいかないんだけど。まあ、都市に住んでるなら誰でも知っているようなことなら、別に良いわよ』
”本当!? ありがとう、ユウカ!“
『……別に、大した事じゃないわよ』
都市に住んでいる人間はとてつもなく冷たい顔をしていることが多い。
それでも、この瞬間だけは。
同じ人だと確信できるくらい、普段のユウカ通りの反応だった。
照れ隠しなのか、少し早口でユウカは問い返した。
『それにしても、急にどうして都市について聞きたくなったのかしら?』
"……好奇心。って事じゃ駄目かな?"
『はぁ。まあ、いいですけど……』
シッテムの箱を通す事で、都市の人間……都市で生まれ育った可能性の生徒とも話せるようになった。
未だにどうしてこのような不思議な事が起こるのかはアロナにも分かっていない。
そもそもの話、このシッテムの箱という端末についても分からない事ばかりではあるが。
だから、少しずつでも知っていくべきなのだろう。
何も置かれていない書棚に本を置いて行くように。
誰も知らない図鑑の一頁を埋めるんだ。
そう考えているのは先生だけかもしれないが。
だが、しかし。
ある程度は分かっていたことではあるのだが。
先生はどうしてもこう思わざるを得なかった。
何故、こんなにも倫理観が無さ過ぎるのか……と。
『——と、裏路地についてはざっとこんな感じですね。区によって特徴などが様々なので、これ以上は料金を頂きますが』
"ちゃっかりしてるね。まるで……いや"
ユウカみたいだ。
その一言を飲み込んだ。
先生にとっては別人かもしれないが……本人にとっては自分は紛れもなく自分だろうから。
この境界線は分かり辛くて、触れ難い。
"裏路地よりも……その、『巣』って所の方が良い場所みたいだね?"
「当たり前ね。大体のフィクサーは……巣に住むのを目標にしてると思うわ」
ユウカの話だと裏路地はあまり治安の良い場所には聞こえなかった。
勿論、キヴォトスだってお世辞にも治安が良いわけではないのだが……死人は出ていない。
敢えて差を付けるとしたら、そこくらいかもしれない。
「まあ、元々巣出身のフィクサーも全く居ないわけじゃないけどね。今はもう老いたけど、夜明事務所のあの人とか……とにかく、道端を歩いて死ぬのを心配する必要のない場所に皆住みたがるのは当然ってこと」
"……"
このユウカはそんな世界で生きてきたのか。
どのような苦労を経たのか、まるで想像できない。
ここも問題だらけではあるけれど……いや。
不幸自慢ではあるまいし、比べるものでもないだろう。
その世界で生きている人達にとっては、その場所で幸せになるしかないのだから。
"そうだ、『フィクサー』って正確にはどんな人達なの?"
「……それも知らなかったのね。話を聞いていれば大体分かって来たところなんじゃない?」
"うん。でも、一応聞いておこうと思って"
先生の理解では、フィクサーとは便利屋のような職業を指すのだと認識していた。
最初は探偵の事なのかなと思っていた。
しかし、話を聞いている内にユウカの所属しているセブン協会のフィクサーだけの特徴だと分かった。
ユウカの話によると、フィクサーとは都市に発生する問題を解決する為に存在する便利屋のようなものらしい。
……何処かの社長が聞いたら目を輝かせそうだ。
そこまでは先生の想像通りだった。
しかし、その仕事の内容は想定よりも遥かに多岐に渡っていた。
猫探しから……暗殺まで。
基本的には他に働き口のない裏路地の人間がなるものらしい。
まあ、さっき聞いたように例外もあるらしいが……
"12のフィクサー協会かぁ……"
「セブンは情報を専門に扱う協会ね。勿論戦闘もこなせなくはないけど、集団戦闘ならリウ、決闘方式ならセンクの方が適しているわね」
先生が個人的に気になったのは暗殺等を専門とするらしいシ協会なのだが……
そんな物騒なものが存在するのは、都市がそれを必要としているからだろうか。
一体どのような場所なら……そんな仕事がありふれた場所になるのか。
常に問題が発生しているキヴォトスにも、フィクサー制度を追加するべきだろうか?
少しだけそう思ったが、やはりやめておいた方がいい気がした。
アル達みたいなグループが増えると考えると、何故か問題の方が大きくなってしまうような予感がする。
アルはとても良い子なのに、何故か。
"……ええと、特色フィクサーというのは?"
「ハナから色を付与された特別なフィクサーの事ね。フィクサーの階級が9級から1級まであるのはさっき説明したわね。特色フィクサーは1級フィクサーの中でも特に優れたフィクサーに付与されるのよ。一番有名なのだと……『赤い霧』かしら。今はもう伝説となってしまったけど」
"なんか格好良いね!"
「実際、ファンも居るだろうしね。と言うか、『赤い霧』は多分都市で最も強かった者でしょうね。今はもう居ないから、今も生きている強者と実際に比べる事はできないけれど」
その『赤い霧』という人物について、ちょっと興味が湧いてきたが……
流石にそろそろ時間的に起きているのが難しくなっていた。
話を聞きながら軽くメモも取っていた事もあり、眼を開けのも覚束なくなってきた。
先生はユウカとの会話を取り止めて、ソファーに寝転がる。
まだまだ知らない事ばかりだけれど……それでも、多少なりとも理解した。
"都市"がどのような場所であるのかを。
"……向こうの世界も、良い場所に変わって行けば良いのにな"
独り言でつぶやいたその言葉は、虚しく宙へと消えて行った。
「先生、良い加減起きてください。仕事をする時間です」
"ふわぁ……あれ、リンちゃん?"
いつの間にか、眠っていたらしい。
時計を確認すると、既に10時を回っていた。
普段よりも大幅に遅い時間帯だ。
どうやら寝過ごしてしまったらしい。
なるほど、それでリンちゃんの視線が冷たいのか。
……いや、普段から割と冷たかったかもしれない。
「先生が仕事を沢山抱えているのは私達も承知しています。故に、それだけ綿密な自己管理が必要であるわけで——」
"ごめんね。すぐに仕事に取り掛かるからさ"
「……はぁ。それと、寝癖が酷いので最低限整えてくださいね。では、私はこの書類を届けに来ただけですので」
リンちゃんは両手で抱えていた書類の山を机の上に置いた。
軽く「ドンッ!」と音がする程の量だ。
先生は苦笑いを浮かべながら顔を洗う為にソファーから立ち上がった。
「……ん? 何ですか、これは」
"……あっ"
机の上に置きっぱなしであった都市についての資料の束をリンは手に取った。
ソファーから起き上がったばかりの先生には止められなかった。
あまり、人目に晒すようなことはしたくなかったのに……
"えっと、リンちゃん?"
「その呼び方はやめてくださいと、いつも言って……」
もう慣れたやり取りをしていると、資料に目を通していたリンの表情が渋くなる。
あまり気分の良さそうに見えない顔だ。
1枚目の資料を読み終えたらしいリンは、先生を引き気味に見つめた。
「……これは先生の書いている小説の設定集ですか?」
"誤解だ!"
割とドン引きされている気がする!
先生は急いで弁解しようと口を開いたが、リンはそれを聞く前に溜め息を吐いて資料を机の上に戻した。
「これを作る為に徹夜されたのですか? 先生個人の趣味に干渉する気はありませんが……その、あまり褒められた趣味ではないですね」
"だから、誤解だ!"
先生はリンの近寄らないでと言いたげな視線にも負けずに資料に関する説明をした。
最初は怪訝な反応のリンだったが……
やはり話を最後まで聞いて怪訝そうな表情のままだった。
「何ですか、そのディストピアな世界は。そんな世界、あるわけないじゃないですか。と言うか、私達と何も関係があるようには思えませんが」
"ええと、完全に無関係ってわけじゃないんだけど"
現に、都市での記憶を持った人物……いや、人格がキヴォトスに立っていたのを見たことがあるのだから。
「それはそれで、これはこれです。そんな妄言を吐いたって誰が信じるんですか。先生が無闇に嘘を吐かない人なのは知っていますが……あまりにも荒唐無稽過ぎますよ。先生が勝手にやる分には別に構いませんが……今のように、本業の仕事に影響が出ているようでは困ります」
"……ごめんね"
仕事で迷惑をかけるのは先生の望みではない。
今度からはもう少し時間を上手く使わなければ。
そう先生は反省した。
とは言え、やめるつもりは今のところ毛頭なかった。
「……それ、続ける意味はあるんですか? 先生の言うことが本当なら、外の世界に関する事なんでしょう? それなのにそこまで気にするって……その世界を救いたいとでも思ってらっしゃるんですか?」
"うん"
即答。
あまりにも明快な答えにリンは少し眩暈がした。
お人好しだとは思っていたけど、まさかここまでとは。
それが先生の良いところではある。
もうそれなりに一緒に居たから分かっていたけれど。
"既に知ってしまった事に、知らぬ振りはできないからね"
「……いずれ、潰れてしまっても知りませんよ」
"うん、リンちゃん
先生の視線に淀みはない。
思考に迷いもなかった。
"それが、私が望む事なんだ"
「……貴方は馬鹿ですね」
話しているのも馬鹿馬鹿しくなってきた。
結局、他人に何を言われようと先生の信念は崩れないだろう。
それならば、この話は別に気にする必要はない。
自分は自分の仕事をしていればそれで良い。
リンはそう思う事にした。
「一先ず、この話はまた今度にしましょう。今日も業務が大量に積もっているので」
"……はい"
肩を落としてトボトボと顔を洗いに行く先生を尻目にリンは部屋を後にした。
偶に格好良い癖にそれがいつまでも続かないのだろうか、この大人は。
まあ……仕事さえしてくれれば文句は言わない。
そんな事を考えながら廊下を歩いていると、ふと疑問を覚える。
「……リンちゃん「も」そう言うんだね、ですか」
ちゃん付けにはもう突っ込むのも疲れた。
「も」ということは、他の誰かにもこの話をしたのだろうか?
先生の反応からしてあまり広げたくなさそうな話だったのに。
最近の先生の行動に関しては幸い頭に入っている。
ミレニアムでの騒動があってからは外回りを殆どしていない筈。
つまり、誰かに会ったりはしていない。
少なくとも、リンが知っている限りは。
それなら、他の連邦生徒会の誰か?
それもあまり考え難い。
こんな話をしたら、多少は顔に出るような人ばかりだ。
……いや、防衛省のあの子辺りはそうでもないかもしれない。
でも、あの子はまだ先生とは会ってすらいない。
リンは皆の様子について思い出してみたが、特に思い当たるようなことはない。
先生の性格から考えても、恐らく生徒にはこの話をしていない。
そして、外回りで生徒以外の誰かとも接触する機会もなかった。
仮に誰かに言っているのだとしたら——
それは一体誰?
てっきり、自分だけに初めてしてくれた話だと思っていたのに。
自分だけの先生の秘密……
「……はぁ、とっとと業務を進めましょう」
時刻を確認すれば、想定よりもかなり時間が過ぎていた。
巻きで行動しなければ辛い事になるだろう。
仕事に関係ない事よりも先にやるべき事をやらなければ。
ああ、馬鹿らしい、馬鹿らしい。
ふと浮かんだ疑問は、連邦生徒会の膨大な業務の中で静かに消えた。
なお、この翌日に先生がトリニティからの要請により長期間席を外す事になるのをリンはまだ知らない。
リンちゃんや、人の話を聞かないのはブーメランなんやで……まあ相当未来の話になるけど。
裏路地の治安は死人の出るブラックマーケットみたいなもんです多分。
多少の差はあるけど、おおよそ似たりよったり。
都市の何処でも人の命は消耗品。
最近リンバスのロビーで流れるBGMをリカルド戦のアレにした所為でリンバス起動する度に笑ってしまう。
中指ヒースもセットしてるので更に笑う。
いや5章をプレイしていた当時の私からしたら笑えないけど……
リンバスとブルアカのプレイ経験はありますか?
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リンバスだけプレイしている
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ブルアカだけプレイしている
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両方プレイしたことがない
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プロムンの過去作はプレイしたことがある