ゲヘナ新章のヒナちゃを見てちょっと興奮した先生は怒らないのでこっち来てください。
今回ちょい短め。
万紫千紅が面白すぎる所為です。
これもお前の所為だなイシュマール!(マイユニのデフォルトネーム)
補習授業部について周り、その様子を見守る毎日。
それはとても穏やかな日々だった。
……退学の二文字さえ無ければ、だが。
退学を回避する為の条件は簡単。
追試のテストで一定以上の点数を全員が取る事。
たったそれだけだが……それが難しい。
4人全員がそれぞれの理由で成績不良の集まりだった。
先生が見る限りだと、ヒフミはうっかりでテスト日を忘れていただけで成績はそこまで悪いわけではない。
アズサは覚え自体は悪くない。勉強自体はそこまで不得手でもなさそうだ。
コハルは、うん。まあ、その……頑張り屋だ。
ハナコは……実は、まだよく分かっていない。
皆が皆、個性的な生徒ばかりだけれど……なんだかんだ仲良しだし、雰囲気も悪くない。
テスト勉強もそこそこ順調に見える。
勿論、まだまだ問題はある。
それでも、この調子ならきっと乗り越えて行けるだろう。
——こんな日々が続くと良いな。
先生はそう思わずにはいられなかった。
勉強を疎かにした結果、結成された部活であるけれど。
集まった理由はどうあれ、この日々が彼女達にとっては重要な時間だから。
彼女達が健やかでいられるようにしてやりたい。
自分の目の届かない場所で蔓延る悪意や嘘に晒されないように……
そう思って先生は生徒の行動を見守っていた。
……どうか、この子達が退学になりませんように。
さて、そんな日々ではあるけれど。
本日は、ハナコの提案でこっそり夜の街へと繰り出す事となった。
それもまた青春……の、筈だ。多分。
ずっと勉強ばかりでは気が滅入ってしまうだろうし、丁度良いだろう。
そこに至るまでの経緯は勿論あったのだけれど……
ここでは然程重要ではない為、省略させてもらおう。
しかし、不運にもこの夜に補習授業部はちょっとした騒動に巻き込まれる事になった。
それもゲヘナの生徒である美食研究会の起こした事件に。
スイーツ店で偶然出会ったハスミのお願いで、補習授業部が捕縛に一役買うことになったのだ。
勿論、補習授業部が事件の全てを解決したわけではないけれど……
美食研究会の目的?
ゲヘナの生徒のやる事を理屈で考えようと試みるのはあまりお勧めできない。
自由と混沌に溢れた学園だ。
その思考回路はキヴォトスの中でも一際ズレているのだ。
……何処も程度の差こそあれ、何処の学園でもそう変わらないのかもしれないが。
ゲヘナが特別有名で派手なだけで。
補習授業部が、言い換えると先生がわざわざハスミの要請を受諾したのには理由がある。
エデン条約。
平和条約……或いは武力同盟。
近々結ばれるその条約を目前にして、ゲヘナとトリニティの衝突なんてもっての外。
当然、なるべく秘密裏かつ静かに解決しなければならなかった。
先生や正義実現委員会の委員長……ツルギの活躍もあり、今回の件は無事に終結した。
速やかに美食研究会の生徒達を捕らえることに成功したのだ。
そして、彼女達の受け渡しも先生に一任された。
先生の持つ『シャーレ』という立場故である。
ゲヘナとトリニティの境目にある道。
先生が受け渡す相手であるゲヘナの風紀委員を待っていると、車両が目の前に止まった。
中から出てきたのは先生とは初対面である生徒だ。
彼女は救急医学部部長を務める三年生の生徒、氷室セナ。
部長を務めるだけあり、医療技術には優れてはいる。
優れては、いる。
「……お待たせしました。死体はどこですか?」
この悪癖を除いた場合、だけれど。
"……え?"
かなり不穏な単語だったように思えるが、と。
先生はかなり不安を覚えた。
あのユウカから聞いた23区の話とか、裏路地の夜の話を聞かせたら喜んだりするのだろうか。
勿論、考えるまでもなくそんな世界について無闇に教えるのは論外である。
困惑していると、
「先生」
"ヒナ! 元気にしてた?"
「う、うん……」
先生の勢いに少し負けて後ずさる。
そんなに自分に会いたかったのか……と。
そう考えると少しだけ顔が熱くなるのを感じながら、なるべく平静を装ってヒナは応対する。
多忙を極める両者が会った回数はそこまで多くない。
最初に会ったのはアビドス自治区。
それから偶に会ったのが数回程度。
最後に会ったのは先日のアルの件で。
「(会えるのは嬉しいけれど……あまり、顔に出さないようにしないと)」
いつもの無表情の内に想いを一旦しまっておく。
そんなヒナを見て、先生も普段通りだなと安心した。
美食研究会(とその被害者1名)の引き渡しは何事もなく終わった。
別にシャーレにはゲヘナとの因縁があったりしないのだから当然だ。
業務引き渡しを終えた時。
先生の脳裏に浮かんだのは、先日の……ミカとの会話だった。
エデン条約の持つ意味合いの認識。
その擦り合わせの為には、ゲヘナの風紀委員長であるヒナは最適と言える。
偶然とは言え、お互いに忙しい身である先生と彼女が会う機会を得られたのは幸運だったのかもしれない。
ミカはエデン条約について、『武力同盟』と言っていた。
ゲヘナとトリニティ、三大学園の内二つの学園が手を結ぶ。
そうすれば当然、他の学園は手を出すことのできない巨大な勢力となる。
このことについて、自分が現在置かれている状況も兼ねて先生はヒナに意見を求めた。
そして、アリウス分校についても気にかかるが……
これに関してはわざわざ外部に漏らす必要はない。
アズサの出身に関しても、なるべく黙っていようと決めている。
……残念ながら、先生がキヴォトスに来たのはエデン条約の話が持ち上がった後。
詳細な内容や政治的な背景などについてはあまり知らない。
それ故、誰かに話を聞ければ……と、そう思っていた。
今回は、その思わぬ機会が巡って来た。
◆ ◆ ◆
"うん。ありがとうね、ヒナ"
「……ん、お礼はいいわ」
ヒナの話は参考になった。
それだけでなく、疑念や猜疑心が浮かびそうになった心が少しだけ楽になったかもしれない。
満足した先生は挨拶を済ませてトリニティへと帰ろうとする。
そんな先生を……今度はヒナが引き留めた。
「……そうだ、先生。その、えっと……」
別れ際に聞こえたヒナの声で先生は振り返った。
何事だろうと先生は首を傾げる。
はて、何か話したい事でもあっただろうか?
ヒナは言うべきか少し迷ったように口をすぐに開かなかった。
この言い淀んでいる様子からすると、もしかして個人的な悩みだろうか?
ゲヘナの風紀委員長なのだから、そりゃあ仕事の愚痴や悩みとかはいくらでもあるだろうし。
だがしかし、ヒナはそう言った悩みをあまり口にしない方な気がするのだが……
呼び止められた先生は、静かに待つ事にした。
やがて、たっぷり十秒程の沈黙が流れた後。
ようやくヒナは口を開いた。
「……以前、例の便利屋が遭遇した、鏡の件についてなのだけれど」
"……!? 何か分かったの?"
「これは話半分に聞いて欲しいのだけれど。アコが言うには、鏡が持ち出された痕跡がある……かもしれない、と」
かもしれない?
曖昧な話だと疑問に思っていると、ヒナはそのまま話を続けた。
「微かな目撃情報はあったのだけれど、確証のない証言かつ証拠も見当たらなかったの。アコは、全く関係ない別の何かしらであると思っているみたい。私も、半分くらいはそう思っているわ」
"そうなんだ"
「唯一判明しているのは、その鏡を持ち出したのはゲヘナの生徒ではない外部の人間ってことくらい。曖昧な話ばかりで申し訳ないのだけれど……」
"鏡の行き先とかは……"
「ごめんなさい。そもそも、本当に関連のある話なのかさえ疑わしかったから」
もし間違いだったら、先生に迷惑をかけてしまうから。
ヒナのその言葉に、先生は優しくこう返した。
"ヒナは、もう少し我儘になっても良いと思うな"
「……え? うん、考えて、おくわ」
少しばかり目をぱちくりさせながらヒナは頷いた。
これで少しは気が楽になってくれると良いのだけれど……
そう願いつつ、先生は改めてヒナを見送ろうとしたのだが。
ふと、シッテムの箱の電源が勝手に起動していた。
"うっ、これはまさか……"
「? どうしたのかしら、先生」
ヒナが気になって画面を覗こうとした。
先生は急いで思わず取り出したシッテムの箱をヒナには見せないように画面を上にした。
そこに映っていたものは……あまり、ヒナに見せたくなかった。
だって、それはあからさまに都市の背景で。
都市の人間で……んん?
"……???"
先生はヒナとシッテムの箱を交互に見直す。
ハナコやコハルの例を鑑みるに、恐らく今回はヒナだろう。
だけど、これは……いや。
本当に、今目の前で不思議そうにこちらを見ているヒナと、画面の中のヒナは……同一人物なのか?
「えっ」
先生が呆けている間に、ヒナもその画面を覗いてしまった。
……何だ、これは。
これはもしかして、鏡の世界の自分なのか?
「その、先生、説明してくれるかしら……?」
"……うん"
先生の話を聞いたヒナは、無言で天を仰いだ。
いつからか、鏡の世界の生徒が端末に現れるようになった。
それも、先生が接触した生徒が。
うん、まあ、うん。
一旦そのような事が起こる原因は置いておこう。
先生が嘘を付くような大人じゃないのは知っているし。
でも、それはそれとして。
この画面に映っている人物。
これが、私?
この
え?
ヒナも先生に続いて呆けてしまった。
まず、隻腕なのは何故なのか。
白い服装に紫色のコートとか完全にその筋の人だし、刺青が余計それを強調しているし。
胸元はだけ過ぎでは?
そして、何よりこの笑顔は何?
……先生に見られると、その、恥ずかしいのだけれど!
顔を俯いてただ無言でその場で佇むことしかできなくなったヒナ。
一足早く立ち直った先生は画面をハナコと話した時のように操作しようとした。
だが……妙な事に、いくら画面タッチしても反応がない。
代わりに……小さなポップアップが出てきているのに気が付いた。
『この子供の話を観るには、まだ経験が足りないわ。もう少しここで巻き起こる事件を解決したら、またおいで』
"……"
取り敢えず、ヒナを何とか宥めてから考えようか。
先生は内心で大きなため息を吐くのを堪えることができなかった。
得体の知れない何者かの意思を感じて身震いする。
何事も起こらなければ良いのだけれど……
しかし、先生が抱いた胸中の不安は現実のものとなってしまうのだった。
ヒナちゃの人格は凄い悩みました。
公式でもゲヘナではないヒナもヒナのいないゲヘナも想像できないって言われてるし。
そして悩んだ結果がこれだよ!
俺はクズいヒナちゃが見たかっただけだよ!
え、子方は誰だって?
……
誰でも大惨事ですね。まあ。
今更ですが、ヒナちゃは作者の好きなキャラです。
普段は自分の欲望を口にしないところが高評価。カルメンの注目度もきっと高め。
リンバスとブルアカのプレイ経験はありますか?
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リンバスだけプレイしている
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ブルアカだけプレイしている
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両方プレイしている
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両方プレイしたことがない
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プロムンの過去作はプレイしたことがある