リンバスにも日本語吹き替え来たら嬉しいけど韓国の声優さんも凄く気に入ってるのでちょっぴり複雑と思っている人手を挙げて欲しい
「……これはどう言う事かしら、先生?」
"えっとね——"
先生はつい先程までは仏頂面だったけれど、今では明らかな怒りを携えたヒナ。
冷たい目をした彼女は鬼気迫る雰囲気を醸し出している。
常人には近付く事すら許されなさそうな恐怖を抱かせる程だ。
目に入る全てを凍てつかさんとする視線で睨まれた先生は、覚悟を決めて弁明しようとするが……
「話を聞くまでもないですよ! あの問題児である便利屋68の人間を、あろう事かヒナ委員長の格好で目の前に連れて来るだなんて……!!」
歯軋りしながらアコがややヒステリック気味にそう叫んだ。
指名手配されている人間を連れて来た事よりも、ヒナ委員長のコスプレをしている事にキレているのが彼女らしい。
しかし、先生は穏やかな笑みを浮かべていた。
流石は先生ね、こんな怖い視線の人と対等に話し合えるなんて。
アルはそう感心していたのだが……
"アル、二人を説得出来る?"
「え、私!?」
先生が最初に切った交渉の札は、まさかの人頼みだった。
どうやら内心ではちゃんとヒナの視線が応えていたらしい。
"大丈夫、もし駄目だったら私がどうにかするから"
「……わ、分かったわ」
こはん、と。
咳払いをしつつ、敵意のある目を向けた二人にアルは向き合った。
真正面に立つと……受ける威圧感が凄まじい。
それでも、アルは怯まずに口を開いた。
「……」
「ええと、昨日先生がメールで話していた通り……今の私がどんな人だったのかは覚えてないの」
ヒナの凍て付いてしまいそうな視線も、今のアルには効果半減だ。
何故なら、彼女はヒナの強さを知らないからだ。
無知とは罪にもなり得るが、今この場においてはプラスに働いていた。
「もし、私が貴女達に直接迷惑を掛けたのなら……その、ごめんなさい。何も覚えてない人に謝られても、何の気も晴れないかもだけど」
「……そう。謝罪はこの際良い。だけど、何で私と同じ格好を?」
「私も同じ気持ちよ……貴女も私と同じ風紀委員長だから、なのかしら」
「……! 違う世界の委員長が、ヒナ委員長じゃないって言うんですか!?」
それは聞き捨てならない、とアコは噛み付いた。
「そうね。私も先生から聞かれたけど、空崎ヒナと言う名前は聞いた事がないわ。少なくとも、学園の生徒には居なかったと思う」
「……私が委員長をやっていない世界、か」
目を閉じて何かに思いを馳せるヒナ。
彼女にとって、風紀委員長の仕事はやらなければならない事だ。
やりたい事ではなく、他にやれる人が居なかったから。
だからこそ……彼女はその席に着いている。
「……そう、なら不問にするわ」
「ヒナ委員長!? 良いのですか!?」
「何となく、根は悪い人じゃなさそうだし。それに……先生の頼みだから」
"ありがとう、ヒナ!"
「っ……でも、次はないからね」
先生とヒナのやり取りを、アコは青筋を額に浮かべながら見ている。
その視線を受けて先生は少し居心地が悪そうにしているが……
「それで、押収品にある物を回収する必要がある……だったかしら」
"うん、望み薄かもだけど……どうにかしたいから"
便利屋68の面々の為にも、諦めてはいけない。
先生の覚悟が決まった顔を見て、ヒナも強く頷いた。
「分かった、だったら早めに行動しよう」
「助かるわ。押収品のある場所は覚えてるから、そこは任せてちょうだい」
「うん。アコは先に業務に戻って」
「……分かりました」
これでも忙しい中時間を作って来ているのだ。
まだまだ机の上に書類は積もっているし、済ませておかなければならない案件も沢山ある。
それらを無視すれば、万魔殿から何を言われるか分かったもんじゃない。
アコはキッと先生とアルを強く睨め付けてから、校舎へと戻って行く。
「……ごめんなさい先生、アコはああ言う性格だから」
"謝るのはこっちだよ。忙しいのにごめんね"
二人のやり取りを見て、アルはくすりと笑った。
何がおかしかったのだろうか。
そう思ってヒナはアルに視線を向けた。
「あ、その、馬鹿にした訳じゃないのよ? ただ……」
「ただ?」
「この世界の先生も、色んな生徒から好かれているんだなって……そう思っただけよ」
「……ふふ、そうね」
珍しい、ヒナが笑うなんて。
先生は顔には出さないが驚きの感情が湧き上がった。
機嫌が良いみたいだけど、原因は何だろう?
しかし、先生がそう考えている事をヒナが知れば、機嫌は急降下する事は間違い無かった。
"……ん?"
ふと、その場で着信音が聞こえた。
「……ん、モモトークに着信が」
どうやら、ヒナのスマホからだったようだ。
取り出して画面を見るヒナ。
その目から段々と温度が無くなって行く……
「……その、どうかしたのかしら?」
「ちょっと面倒な事になったみたい」
ヒナは呆れたような、それでいて怒っているような顔で説明する。
「イオリが温泉開発部を追っていたのだけど、完全に振り切られたって。今度は駐車場に温泉を掘ろうとしているみたい」
「……この世界でも、温泉開発部は相変わらずなのね」
アルもヒナと同じく呆れたような顔になる。
もしくは、変わらない事があって少し安心したのかもしれない。
今のアルの状況において……馴染みのある光景は彼女の心を安心させてくれたから。
「先生、手伝ってもいいかしら?」
"え? でも……"
「見過ごせないわよ……違う世界と言っても同じ風紀委員なんだし。先生、駄目かしら?」
"……そう言うところはアルらしいね。ヒナは構わない?"
「……そうね。今は人手不足だし、頼ってしまってもいいかな」
先生に出会う前なら断っていたかもしれない。
ヒナはなまじ一人で出来てしまう為に、あまり人に頼る事が少なかったから。
それもまた先生と言う大人に出会った影響なのだろう。
「じゃあ、早速……ん?」
その場にまた通知音が響く。
届いたのは同じくヒナからだ。
「……また何かあったのかしら?」
「今度はチナツからで、美食研究会が食堂を爆破しようとしているって……」
「あの部も変わらないのね……」
ああ……大変だ。
相手の苦労を知っているアルは、ヒナに同情していた。
自分も同じような日常を送っていた記憶があるのだから。
だからこそ、アルは見過ごせず力になりたいと思ったのだ。
「ここは手分けした方がいいんじゃないかしら?」
「先生まで駆り出してしまうのは心苦しいけど……」
"私なら大丈夫だから心配しないで、ヒナ"
「……先生がそう言うなら、そうする」
"ヒナも頑張って!"
先生の激励を受け、ヒナは内心で湧き上がった喜びを表面には出さないよう努める。
二人きりならともかく、今は第三者が居るのだ。
威厳のない姿を見せる訳には行かなかった。
しかし、アルはそんなヒナの内心を見透かしたようにこう告げた。
「……先生からの激励は、嬉しいわよね」
「っ! ……別に。それより、貴女も風紀委員長だと言うのなら相応しい振る舞いをして頂戴」
「ふふっ、分かっているわ」
ヒナはツンとした態度のままその場を走り去って行く。
アルは隠さなくても良いのにと思いながらその背を見守った。
見栄を張りがちな彼女に言われたくはないかもしれないが、ヒナは普段のアルについて知り得なかった。
……なお、先生の頭には「?」が浮かんでいた。
いつか刺されないといいが、幸か不幸かそれを気にする者はこの場に誰も居なかった。
⬛︎ ⬛︎ ⬛︎
温泉開発部が占拠した食堂。
その扉の前には、問題を起こした当人にである筈の美食研究会の姿があった。
しかし、その様子は加害者として見るにはどうもおかしい。
身体を背に預けて座っているその姿は、あまり調子良く見えなかった。
「あうぅ……あれ、先生? どうしてここに……」
"話すとちょっと長くなるんだけどね……"
「って、美食研究会の人よね。たしか、獅子堂イズミ……だったかしら?」
アルは記憶を掘り起こしてこの生徒の名前を口にする。
それを聞いて、イズミは不思議そうに頭を傾げた。
はて……先生の隣にいるこの人は?
「んん? 何か、聞いた事がある声のような……ってその服装は?」
"えっと、臨時の風紀委員長代理みたいな感じと言うか"
「ええぇぇ!?」
先生とイズミがそんな会話をしていると……
閉まっている食堂の扉の下。
僅かなその隙間からは、得体の知れない紫色の粘液が漏れ出していた。
……常人には耐え難い悪臭を漂わせながら。
「な、何これ!?」
「えっと、ちょっと前に部長が食堂を爆破しようとしたんだけどね」
「……その時点で何かおかしいでしょ」
アルの言葉は正論でしかないが……正論だけで語れないのがゲヘナの生徒。
イズミも綺麗にスルーして続きを話す。
「その時、ジュリがパンケーキを作っていた最中だったみたいで」
……先生とアルは、その言葉を聞いた時点でオチを察した。
2人共目に手を当てながら天を仰ぐ。
ああ……またなのか、と。
「部長が爆破しようとしたら、パンケーキが爆弾を吸収しちゃって……」
とうとうそこまで行ったのか、彼女の料理は。
思えば、ここまで来る間に爆発音は全く聞こえなかった。
何をどうしたらそんな生物が生まれるのかはさておき。
「そしたら、あのパンケーキがいきなり凄く大きくなって! 私は食堂の外まで弾き飛ばされちゃって……」
"なるほど、それでイズミは……"
「お腹が減って力が出ないよぉ……ぐすん」
……別に怪我をして動けなかった訳ではないようだ。
その点は良かったと先生は安心した。
「それで、中はどうなっているのかしら?」
「今は風紀委員と偶然居合わせた救急医学部の部長が中で戦ってるよ……他の皆はもう逃げちゃった」
どうやら、いつものように置いて行かれたらしい。
"チナツとセナが……"
「先生、早く中に入りましょう!」
大まかな状況を把握した二人は食堂の扉を躊躇無く開いた。
食堂はこれ以上ない程の大惨事と言うのが相応しい状態だった。
部屋の中央、嫌でも目に付くその場所に居座っているのは巨大なパンケーキの怪物だ。
紫色の体液を撒き散らしながら手当たり次第に触手を伸ばし、体内に取り込もうとしている。
チナツ達風紀委員がどうにか抑えようと奮闘しているようだ。
机と椅子は一部または大半が溶け落ち、使い物にならなくなっている。
床には痙攣して倒れている生徒が十人程転がっていた。
大半は風紀委員の生徒だったが、その中にはフウカの姿もあった。
セナが処置を施している最中のようだが、間に合っているようには見えない。
「あわわ……大変ですぅ!」
「……いつもよりも三割増しでキツくなりそうな気がするわ」
アルは少しヒナに似ている遠い目でそう呟いた。
入り口の隣に居たらしいジュリは慌てふためいていたが、先生の姿を見つけると少しだけ安堵した。
「あ、先生! 丁度良いところに……何から話せば良いんでしょうか」
"大丈夫、事情は大体聞いたから"
「ここは私達に任せてくれるかしら」
「だ、誰ですか? と言うか、その服装ってその……」
アルの服装についてはかなり気にされてしまうらしい。
ゲヘナ学園に来る前に新しい服を買った方が良かっただろうか?
生憎、急いで来た為にそんな暇はなかった為考えるだけ無駄ではあるが。
「気にしないで。今はとにかく目の前の脅威を鎮圧するのが先決だから」
アルはそう告げると、奥で戦っているチナツに向けて呼び掛けた。
「ヒナ委員長の代理として駆け付けたわ! 先生も一緒よ!」
「代理って……貴女はたしか便利屋68の!? と言うか、何で先生はここに!?」
"話は後だよ!"
ただでさえ怪物を相手しなくてはいけないのに、指名手配犯がやって来たこの状況。
既に状況はチナツでは手に負えなくなっていた。
だから、彼女は先生を信じる事を決断した。
先生の言葉ならきっと何とかしてくれるだろうから。
既に先生は生徒との間に強い信頼関係があった。
先生は真摯に生徒と向き合っている……その美徳故にだろう。
「……分かりました。指揮をお願いします!」
「先生、頼んだわよ!」
"うん、任せて!"
イズミの台詞考えてたら手が勝手に「ひぃん」って打ってました
イズミはユメ先輩だった……?
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