禁断の「投稿」二度打ちです
そう言えば書いてなかったっけ……と、思ったので書きました
カヨコ、イイよね……凄くイイ……とても……
むせ返りそうなくらいに紙とインクの匂いが存在感を示している執務机。
山のように積まれた書類は半々に分けられて置かれている。
合わせたらちょうど天井に届きそうなくらいかな。
その大半はゲヘナの行政組織に当たる万魔殿から届いたものだね。
この尋常じゃない書類の山を子供はテキパキと捌いていた。
疲労で倒れてもおかしくないような環境だけど、それでも子供は無言で仕事をこなしている。
文句を言っても作業の量は減らないし、口を動かす暇もないって良く理解しているからかな。
周囲の風紀委員達はその様子を見て……或いは雰囲気に呑まれながら書類と向き合っているね。
紙とペンが摩擦を起こす音だけが聞こえていた。
そんな時間はもう四時間は続いていたけど、子供以外の作業効率は段々悪くなっているね。
こんな日はもう何日も続いているから慣れているんだ。
尤もそれは子供だけの話であって、やっぱり常人には耐え難い時間みたい。
「カヨコ行政官……私、そろそろもう……」
やがて、一人の生徒が机に突っ伏して動かなくなった。
子供はそれを見ても眉一つ動かさなかったの。
そして、書類から目を逸らさず作業の手も止めないままこう言ったの。
「たしか貴女は昨日も遅くまで委員長に付き合って仕事の処理をしてたよね。私達に任せて、少し休んでていいよ」
それを聞いた生徒はよろよろと立ち上がってソファーまで歩くと、そのまま気絶するように眠っちゃった。
本来は一応来客用に置かれているのだけれど、専ら休憩場所としてしか使われてないみたい。
ある物なんだから別にいいだろうって子供は考えているね。
「そうそう、他の皆は一昨日は少し休めた筈だからこのまま業務を続けるように」
ギラリとした目で他の風紀委員達を子供は睨んだ。
凶悪な視線に射抜かれた生徒達は背筋を伸ばして必死に書類と戦っているね。
子供が敵に容赦のない策を取る姿を見てきたからか、味方からも恐れられているみたい。
子供もそれを自覚しているから、たまにこうやって気を引き締める為に利用しているんだ。
気心の知れた友人や先生は怖がったりしないんだけどね。
役に立つ時もあるからと子供は弁明するのを諦めているみたい。
周りの生徒達が気を取り直して仕事に戻ろうとしたその時、設置されている電話が鳴った。
この忙しい時に誰なんだか……そう悪態を吐きたかったけど、部下の手前ではそうするわけにはいかない。
そう考えた子供はさっさと受話器を手に取った。
「はい、こちら風紀委員会。どちら様で……え、委員長?」
電話の相手は子供の唯一の上司だったんだ。
機嫌の悪そうな声はなるべく隠したつもりだったけど、伝わってしまったか不安になったみたい。
子供は感情を隠すのはかなり上手な方だけど……相手はそれなりに付き合いの長い相手なんだ。
バレてもきっと笑って受け流してくれたとして、恥ずかしい事に変わりはないから。
「……応援要請か。相手は温泉開発部? うん、分かった。すぐに行く」
行かないでと目で訴える風紀委員の生徒達に若干後ろ髪を引かれながら、子供は執務室を後にした。
部隊を引き連れて問題の解決に当たるのが普通なんだけど……
単独行動にも熟練している子供は、他人の力を必要としなかったんだ。
勿論協力を要請する事もあるけれど今回は不必要と判断したみたい。
日が暮れて闇夜が視界を覆い尽くす新月の夜。
風紀委員会の追跡から逃れた温泉開発部達が集合していた。
手際の良いリーダーの指示のお陰で大多数が追っ手を撒いたみたいだね。
でも……子供の目は誤魔化せなかったみたい。
明かりがなければ一寸先も見えない暗闇の世界に轟音が響き渡る。
大きな音に温泉開発部の生徒達は浮き足だった。
「な、なんなんだ今の音は!?」
「追っ手か……慌てるな、また散会して——」
判断力に優れた温泉開発部の部長は動じなかった。
すぐに指示を出そうとしたけれど、子供の一手の方が早かったみたい。
「……ぐあっ!?」
ライトを付けた生徒が何処からか飛来した弾丸に撃たれた。
今度は殆ど音がしなかったから、それが余計に恐怖を与えたんだ。
異なる射撃音が複数人に狙われているかのように感じさせたから。
「ま、不味い……囲まれているのか!?」
「早く逃げなければ!」
「くそっ、もう追い付いていたのか……!」
膨らんだ恐怖が一気に破裂して、疑念が思考を覆い尽くして行く。
手法は毎回違うけれど、部長には似たような状況が思い浮かんだ。
これが誰の仕業なのかを。
「う、あ、あ……」
恐怖に凍えた。
これら一連の流れを作ったのは間違いなく自らが最も恐れる……あいつだ。
今は書類に齧り付いているから行動を起こした筈なのに、と。
「捕まえた」
「ひっ……」
襲撃だと騒ぐ他の温泉開発部のメンバーは気付かなかったんだ。
闇夜に紛れてリーダーに近付く子供の姿を。
すぐに口元を手で覆われたので助けを呼ぶ事すらできない。
恐怖で震えた身体は抵抗すらできなかったんだ。
「部長は捕らえた。副部長は不在。うん……後は本当に作業だね」
書類仕事のストレスから一時解放された子供の笑顔を見て部長は涙を溢した。
口を塞がれてなければ幼子のように大声で泣き叫んでいただろうね。
それ程までに子供の事が怖いみたい。
たしかに十人が見て十人が怖がりそうな凶悪な笑い方だね。
子供は味方からも敵からも恐れられているけれど内心はそこまで怖い人って程でもないんだ。
常識や倫理観は一般的だし、話が通じないわけでもない。
なのに子供がゲヘナにおける恐怖の象徴とされている一番な理由は……
「それじゃ、残業もあるし……手早く終わらせようか」
こうして、口にした行動は必ず有言実行してみせるってところだろうね。
世界を超えてもやはりカスミは幼児化から逃げられない……
アコの立場に置かれたカヨコの人格。
多分風紀委員に誘ったのはアルだと思う。
下手に優秀だからかやっぱり大量の仕事を背負うように……頑張れ!
カヨコは三年生なので多分マコトから雷帝関連の何らかの圧力が掛けられてるのかもしれない。
と言うか留年疑惑がネタなのかガチなのか……早く判明して欲しいぜ。
判明するのはメインストーリーでだと思うけど、どんな展開になるのかな?
取り敢えずイブキだけは幸せでいて欲しい(マコト並みの感想)
次回は狐っ子回です
先に言っておくとセイアではないです
余談ですけど、ナツとセイアってわんぷりの二人なんですねぇ……
リンバスとブルアカのプレイ経験はありますか?
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