書けたから投稿する。
けど今度こそ次回投稿は持ち越しで、来年の始動は1/20になります。
(知らんけど)
あとペリアの牙の数を9本から12本に変更しました。
完全では無い事が完全。とか思ってたらしいんだけど、物語の都合に沿わないので変更です。
あしからず。
m(_ _)m
第5階層。
この世界のダンジョンにおいて、1〜4階と5階層以下では存在の強度がまるで異なる。
創り出せる空間の広さであったり、次元の多重構造化であったりする部分が大きな違いなのだが、まぁアレだ。
簡単に言うと5階まではチュートリアルなんだと。
いやはや、本当にまいった。
方向性さえ決まっちまえば、後は温泉の効能を決めて適当にフィールド形成して、最後に契約する魔族を選択して召喚するだけ…なんて思ってたんだけど、それが大きな間違いでして。
ザックリとした5階層創造の計画を立て、いざ着工してからがまぁ〜〜〜長い。
今までが
その期間中に習得している筈だったモロモロの知識や技術が抜け落ちてる事。
(エクセル、条件付き書式? 知らない子ですね)
今までなにかと細かいシステム面でもフォローしてくれていたコーちゃんにも、チュートリアル以降のデータ蓄積がない*1事。
そうした要因が重なり連なり大渋滞。
なんというか…自分で穴掘って、そのあと間違いに気付いて埋め戻してからもう一度同じ場所で穴を掘る作業をエンドレスに繰り返して…みたいな感じでね。
にっちもさっちも進まなくなってしまったのよ。
…しかも。
「アシレーヌ…ちゃん?」
4畳間の隅っこで俺に背を向けて体育座りをする巫女服ロリ巨乳へと呼びかける。
「アシレーヌ…くん?」
完全に無視。
チクセウが、どうせ体育座りするんならブルマー姿に換装してから座りなさいよッ!
「アシレーヌ…様〜ぁ??」
「……………」
ご覧の通り、アシレーヌの機嫌が悪い。
これがアローラの姿にリージョンフォームする前のアシレーヌだったら「キモい」「カスが」「空間の邪魔だろJK」とか言ってポポイと追い出せたんだけど、現在のアシレーヌにそんな暴挙は許されない。
よろしい、ならば戦争だ。
受けてみよ、俺の必殺・褒め殺しッ!
「あッ! 可愛い!? なんだこの可愛い子! こんな可愛い女の子に出会ったのは生まれて初めてだぞ!? 後ろ姿からしてもう既に可愛いとかヤバい! 髪の毛艶々! チラッと見えるうなじのお肌も白くてきめ細かくて、ちょっと眺めただけでも鼻血出そう! セクシー&プリティー! 美少女!? え、もしかしてアイドルの方ですか? もしくは天使ッ!? エンジェル系統なのですかッ!?」
照れてるのか、小さな手でうなじを隠す。
その姿が可愛いんだもの。
やっぱ女の子は良いぞぉ!
ズゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!
まるっきしダンジョン増築時と同じ音が体内から響く。あかん…これ普通に鼻血噴き出す前兆だわ。
最悪コーちゃんが吸ってくれるし、無くした血液はDP変換で補給出来るけど今の可愛いアシレーヌちゃまの前で鼻血ブーは避けたい。
ならばどうするのか…。
「ぽにゅラロ…!」
「…!!」
俺の危機を敏感に察する。
流石はコーちゃん。
そう、俺達は一心同体!!
「合体だ…!」
「ぽぬリュー!」
周囲に広がるスライム状の体液をコアに圧入し、最高コーにスリムになったコーちゃんが俺に向かって飛び跳ねる!
その軌道は真っ直ぐに、光を帯びて俺の口へ流れ込むぅぅぅぅぅぅ!!
ーーー【合体ッ!!】ーーー
天地狂乱・唯我独尊!
今ダンジョンは、新たなる時代を迎える…!!
………ふっ、ほとばしる知能の限界突破。
鼻血を止められないのなら、体内からコーちゃんにチュウチュウしてもらえば良い。
そして吸い取られた血液をコーちゃんがDPに変換、変換されたDPを俺が血液に再変換!!
そう、これこそが新たなる永久機関*2!
完成しちまったぜ…。
俺達のメビウスが…!!
「アシレーヌ」
超・友情合体により冷静さを取り戻した俺の美声に思うところがあったのか、アシレーヌがようやく俺の方に振り向いてくれた。
「………もぅ」
ふくれっ面が可愛い。
だが、視覚が捉える映像にオスだった頃のアシレーヌのゴルフ顔が半透明に重なって見えて、そのせいで脳がバグる。
バグった脳の働きにより鼻の毛細血管がブチブチと断裂! 無尽蔵に鼻血が溢れるこの一連のデスコンボ…だが!!
『クポ…ぐぼぼぼぼぼ』
体内でコーちゃんが頑張ってる。
偉いぞコーちゃん!
流石だコーちゃん!!
これなら……カツル!!
「ゴメンな、俺ーーー『ムリポ』」
え?
あれ今コーちゃんムリポって喋らなーーーブシャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
鼻血とコーちゃんを噴火のような勢いで排出。
「Gyaoooooooooo!!!!」
鼻と口から溢れてるけど、噴射される圧力が高過ぎるのか、それでは足らずに目や耳の穴からもピロピロ溢れてる…ナニコレ怖い止まらないんですけど…!
流石にこれには驚きが過ぎたのか、血と黒いスライムでデロンデロンにデコレーションされたアシレーヌが恐竜のような悲鳴を上げました。
ーーーアカン。
これ、終わったヤツや。
謝りたいんだけど、ゲロが止まらん。
たぶん排出の圧力が強すぎて中の皮膚が裂けてる。
メッチャ出る。
怖すぎてなんか笑えるんだがww
とりあえず苦しいのもあるし、土下座のポーズでゲロの排出完了を待つ。
…あ、行けそう。
止まる…止まれ、止まっ……た!
「おッぷドバーーーーー!!」
(第二波襲来ww)
全然行けなかった件。
本当にヤバいゲロって息継ぎのタイミング難しくね?
呼吸より発射が優先されるから酸欠になりそうで軽くパニクるんだよね。
ーーーいやそれにしても、ヤバい。
勢いが凄かったからかな? なんとか第二波までで許されたらしくて胃の痙攣は収まったし、中からコーちゃんもコロンと出てきた。
吐くものは失くなって気分もスッキリしたんだけど、顔を上げるのがひたすら怖い。
流石に…コレは………やっちまった。
ど、どうする?
「ポ、ぼコポん…?」
はーーー!
そうか! ナイスなアシストだぜコーちゃん。
「さ、3階…ゴボッゴボゴボ…ッ!!」
3階のシミ消えの湯ならこの酷すぎる状況もリセット出来る。旧アシレーヌのこびり付いたパンツの黄ばみすら綺麗さっぱり消し去ったんだからきっと大丈夫。
天原先生直伝の温泉チートなら許される。
許されて。
許されろ。
許されなされ。
………ん。
えっと…その。
顔はまだ上げてないんだけど、視線の圧?
すげー
頭に穴が空きそうなほど凝視されてるのを感じる。
オコ?
端的に言ってオコですの??
オコと書いて
「イヌイ君…」
は〜〜〜ね?
この、押し殺した声色ね?
地の底が唸るような素晴らしい響きね?
うん。
うんうんうん。
やっぱね?
許されない感じ…ですね。
ふっ…。
\(^o^)/オワタ
◆異界・セトナ砂漠◆
我らの祖は人であったらしい。
この不毛の大地に流され、ダンジョンの邪法に染まり。
やがて地の底より染み出した瘴気を追いて移動して。ソレが溜まり、淀みを経て魔界化した地の果の砂漠へと住み着いた。
魔界とは繋がらず、人の世とは違い過ぎる。
故に異界。
始祖の名を冠して異界セトナ。
そのように、我らは地の名を定めた。
我らは竜血の影。
同じく魔に属する者であるクリムゾン・スケルトンを狩り、骨を喰み、髄液を啜って生きていた。
死ねば骨となり、生きれば骨を喰う。
ただただ生と死を繰り返すだけの愚物。
それでもだ。
それでも我らは生きたかった。
縋りついた生の先に、何かがあると願っていた。
故に、それは歓喜であった。
「【馳せ参じよ】」
クリムゾン・スケルトンを媒体として、偉大なる神の奇跡にて受肉された神の巫女が我らを求めてくださった。
空よりも深い蒼の髪。
雲よりも際立つ白の袖。
血よりも鮮やかな赤の袴。
「【我が血に連なりし者共よ、新にして真なる我が神のもとへ集え】」
美しき巫女。
その御名はアシレーヌ。
アシレーヌ・グナル・イヌイ。
我らは待った。
…だが、まるであの日の奇跡が夢であったかのように、音沙汰無く時が過ぎ。
短慮なる者は神に唾吐く暴挙にまで出た。
………その折。
酷く風の冷たい、月の無い夜であった。
◇
デザート・リザードマンは群れない。
一人立ちするまでは母のもとで生きる術を学ぶが、以降は単独行動を行い、広い砂漠にそれぞれの縄張りを持ち食料となるクリムゾン・スケルトンを狩って生きている。
彼らが集うのは繁殖期だけ。
印の岩場と呼ばれる聖地に獲物を持参して集まり、事が済めば風に舞う砂粒のように散り散りに消える。
それが、今だけは違っていた。
「何ガ神ノ巫女ダッ…!」
ダンッ!
荒々しく振り下ろされた尾の一撃がひび割れた赤い大地を打つ。
彼はまだ若く、薄っすらと頭部に毛の残る青二才ではあるが、その尾の逞しさは
「3日モ、何一ツ音沙汰ナイ!!」
彼の怒りは部族の怒り。
本来であれば不要な集団での生活により、憤懣は澱のように重なり、赤黒く視界を染めている。
己の世代こそが神の奇跡に選ばれた。
己までを繋いだ過去にある祖先の苦労が報われた。
その希望への裏切り。
それは容易く彼らの心を砕く。
「神ハ…ッ!?」
彼が何事かを吐き捨てようとした、その刹那。
「【
ーーー神気ーーー
莫大な 膨大な 甚大な。
神の息吹に、彼らの魂の火が消える。
姿は何も変わらない。
以前に彼らが見た巫女服の少女。
しかし、ソレこそが神であると。
ひと目で理解させられる空間の捩れがあった。
空気が、大気が、大地が、時が。
あらゆる世界がソレの存在に押し潰され、それでも本来の有様を取り戻そうと足掻いてもがく。
「【
言葉は無い。
説明は無い。
命令は無い。
必要がーーー無い。
「【ロロロロロロ……ロロ】」
ソレが招くは色の無い肉塊。
開かれた黒い次元から押し出されるように。
ソレと変わらぬ神気を纏い、ソレとは違う巨体を晒す。
「コレはペリアの牙が第1柱『
生きて、生きて、生き続けて。
只管に『生』を蓄積し続け肥大化したネズミの化物。
離砂蜥蜴を軽く二人は丸呑みに出来る口の、その有に10倍は広がる胴体の贅肉。
眼球は肉に押し出されて赤く血走り、閉じられなくなった口からはうめき声と涎が垂れ流される。
ペリアの。
【生】と【蓄積】の眷属として許された横暴が、彼女の奉じる神により奪われてより久しく。
今の鼠の能力は本来の1割にも満たない。
死を恐れ、巡る事を拒み続けた奇跡の末路。
その悍ましい姿を睨むでもなく。
彼女は、アシレーヌは凪の海を眺め、歌うかのように囁いた。
「矮小、塵芥、我が影共よ」
少女を模した肉の器。
その瞳孔が開き。
胸の中では地なる焔龍神の片魂が燃える。
火を宿し、縦に裂けた瞳孔。
その色は真紅。
「偉大なる者。異なる神の下僕たる僕が命じる」
胸の中央に怪しく輝く片魂。
少女はソレを、鋭く変形した自らの人差し指で横一文字に掻き切った。
少女の体積から見て、とても考えられない勢いで溢れる血と、粘性の高い死の液。
己が神から授かった【死】と【循環】の、その顕現。
「命を捧げよ」
広がる、広がる。
血と死の海が。
ゾゥ…。
肉体が震える。
ゾゥゾゥ…。
魂魄が昂る。
【カタカタカタ…!!】
血の海から沸き立つように。
有り得ない数の赤黒い骨の群れが呼ばれた。
蜥蜴の食料である彼らにも意思はある。
怖い。
苦しい。
ひもじい。
嘆かわしい。
その意思はしかし、今だけは。
「我が神を讃えよ」
アシレーヌの歌に、骨が応える。
小さく、細かく、赤く、黒く。
ーーーカタカターーーカタカタカタカターーー
赤い渦。
空は黒。
鳴は骨。
波は音。
嗚呼…そうか。
「神ノ名ヲ…我ラニモ、神ノ名ヲ…!!」
繋がりたい。
命と死と。
その中に生きていたい…!!
膝を折り、平伏し。
彼らの願いは一つ。
「イヌイ」
死は、思ったよりずっと恐ろしく。
思ったよりも、ずっとずっと。
「
その場に平伏す全ての蜥蜴が、
一様に彼女の温かな眼差しを感じた。
「【異なる戦龍神 イヌイ・アマノ】」
立ちなさい。
小さき命よ。
「貴様らの死地はここ」
死ね。
その先に繋がる為に……!!
「我が神が定めた、未来へ繋がる小さな聖戦」
循環の。
本来の。
「行こう、戦士達」
アグナとして。
アシレーヌとして。
神の巫女として。
「未来へ」
彼女の命は今。
誰よりも強く、光り輝いていた。
瀬戸内海→セトナイカイ→セトナ異界→異界セトナ。ただそれが思い浮かんだんだ。小説おじさんのハートに…な。
………良いお年を!