なんかもうね、ただひたすらにイチャイチャしてる話を書きたかった。それだけなんだ。

という訳でポッキーの日ですね。ぼ虹もリョウ喜多も甘々にしてやりましたとも。
本当はこのままR-18にするか悩みましたがここでリョウ喜多エッチを書いちゃうと後々書くつもりのリョウ喜多オメガバースで書く事なくなりそうなので描写はぼかしてます(アウト寄りのセーフな気がしなくもない)

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ポッキーより甘い

虹夏side

 

「ふっふっふっふ……、遂に来ましたねこの日が」

「え、なに? どうしたの喜多ちゃん?」

 

 今日のSTARRYでのスタ練が終わるや否や、喜多ちゃんが喜多ちゃんが目を怪しく光らせながら不気味な笑いを浮かべていた。こわ。

 

「どうしたもこうしたも! 今日が何日か考えればすぐに分かるはずです!」

「はー?」

 

 今日が何日か? 今日は11月11日だけど、別に祝日でも無いし誰かの誕生日でもないし、記念日でも無いよね。何かあったっけ……、って。

 

「あ、ああ、あああああああ……!」

 

 考え込んでいると隣にいたぼっちちゃんが突然人としての形状を崩壊させながら呻き始めた!? 何が起きたの!?

 

「ま、まままままままさか喜多ちゃん……! 喜多ちゃんが言いたいのは、あ、あの陽キャにしか許されない禁断のゲームの事じゃ……!?」

「うふふ、ひとりちゃんは気付いた様ね。そうよ。11月11日にしか許されない甘美なるゲーム……。その名も……!!」

「ああ、ポッキーゲーム?」

「ああんもう! 言わないで下さいよリョウ先輩!」

 

 一番美味しいセリフをリョウに言われて腕にしがみつく喜多ちゃん。ああ、言われてみれば今日は所謂ポッキーの日だっけ。普通にポッキー自体は好きだけど特別ポッキーの日だから~、みたいな感じで食べた事ないから全然思いつかなったな。私もそんな特段陽キャの極致の様な遊びに興味ないし。

 

「さあさあ取り敢えず皆の分のポッキー買ってきましたから。ひとりちゃんはいどうぞ!」

「あ、ありがとうございます」

「リョウ先輩にも!」

「郁代好き」

「私もです!!」

 

 こんな安い告白シーン世の中にあっていいんだろうか。そんな事を思いながら喜多ちゃんからポッキーを受け取る。まぁ貰える分には実際嬉しいよね。

 

「ありがとね喜多ちゃん」

「どういたしまして。じゃあ早速始めましょう! ポッキーゲームを!」

「えぇ……。本気?」

「勿論ですよ! こんなふざけた遊び若い内しか許されないんですよ!? 今やらずにいつやるんですか!」

 

 流石の喜多ちゃんもポッキーゲーム自体がふざけた遊びなのはちゃんと分かってるんだ。

 

「せっかく可愛い女子が4人いるんですよ! 若さと可愛さと勢いに任せてきらきらきららしちゃいましょう!」

「自分で可愛いって言うのか」

 

 まぁその辺自覚してないとあんなキラキラしたイソスタあげられないか。

 

「でもさぁ喜多ちゃん、メンバー的に無理があるよ」

「そうですか?」

「だってさぁ、見てみなよ。まずは根っからの陰キャと」

「あ、はい」

「クズと」

「……? 誰の事?」

 

 お前だよ山田。てか食べるの早。もう殆ど残ってないじゃん。

 

「そんで私も明るさと勢いで誤魔化してるけど割と陰キャ寄りだしさ。こういう遊びやりたいかって言われるとちょっとねぇ」

「えー!?」

 

 大体ファーストキスだってまだなのに、そんな大事な事ポッキーゲームで済ませずにちゃんとしたいし。……好きな人とだったら、まぁ駄目ではないかもだけど。

 

「……? 虹夏ちゃんどうかしましたか?」

「え!? な、なんでもないよ!」

 

 やば、無意識にぼっちちゃん見ちゃってた。ぼっちちゃんって意外と人の機微に鋭いから気を付けないと。

 

「ま、まぁそういう訳だからポッキーゲームは却下ね」

「そんなぁ! ひとりちゃんは!? ひとりちゃんは陽キャに憧れ持ってるからやりたいわよね!」

「うぇ!?」

「あ、こら喜多ちゃん!」

 

 断るのが苦手なぼっちちゃんに振るのは反則でしょ! っとぼっちちゃんを喜多ちゃんから遮ろうとしたら

 

「あ、あの、私もポッキーゲームはちょっと遠慮、したい、です……」

 

 あのぼっちちゃんがちゃんと自分の意思で断っていた。

 ぼっちちゃんも成長してるんだなぁ。なんてしみじみしていると俯いていたぼっちちゃんがチラッとこっちを見た時に目が合って、顔を真っ赤にしてまた俯いてしまった。どうしたんだろう?

 

「えーん! この一瞬プライスレスなのに! 皆でポッキーゲームしたいですぅ! リョウ先輩とかリョウ先輩とかリョウ先輩とかと!」

「それが本音かい!」

 

 まったくまったく。床にゴロゴロ転がって駄々をこねる喜多ちゃんを落ち着かせようとすると、急にリョウが前に出てきた。……なんだあの食べかけの異様に短いポッキーは? なんであんな中途半端に食べ残して手に持ってるんだろう。

 

「郁代。ほい」

「? リョウせんぱ、むぐ」

 

 そしてリョウが喜多ちゃんに短いポッキーを咥えさせて

 

「あむ……ちゅっ……」

 

 ポッキーを咥えると同時に喜多ちゃんの唇にキスをした。……キスをした!?

 そのままリョウが喜多ちゃんにキスをしている間、私はあまりの出来事に脳が処理できずにツッコミを忘れ、ぼっちちゃんはあまりの出来事に気絶してしまい、喜多ちゃんはあまりの出来事に目をまん丸に開いて固まって、そしてリョウは暫く喜多ちゃんを堪能した後吸い付く様に喜多ちゃんの唇から離すと自分の唇に残った喜多ちゃんの後味を確かめる様に舌なめずりをして、

 

「ごちそうさま。甘かったよ」

 

 っと、喜多ちゃんの唇の感想を言った。

 

「あ、あ、あ、……あひゅぅ……」

「喜多ちゃん!?」

 

 顔を真っ赤にした喜多ちゃんが「ボンッ!」と顔を煙を出して倒れちゃった! いやそりゃそうなるわ!!

 

「何してんのリョウ!?」

「見ての通りポッキーゲーム」

「いやスタートとゴールが同時だったんだけど!?」

 

 あんなのただ『結束バンドの華、喜多郁代 ~ポッキーを添えて~』を美味しく味わっただけじゃん!

 

「なにそれ高く売れそう」

「売るな!?」

 

 リョウなら本当にやりそうで危ない。

 

「冗談だよ。売るとしても私専売にするし」

「はぇ?」

「……じゃ、郁代も静かになったしお開きだね。郁代は私が持ち帰るから、そこで気絶してるぼっちは虹夏が持って帰ってね」

「あ、うん。……うん?」

 

 ちょっと待って今こいつ持ち帰るって言った? それって自分の家にお持ち帰りするって意味じゃないよね、っと聞こうとしたけどリョウは早々と喜多ちゃんを連れてSTARRYを出てしまった。ま、まさか……ね?

 

「さて、と」

 

 取り敢えず気絶してるぼっちちゃんを家まで運ぶとしよう。お、お持ち帰りって訳では無いけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、うぅん……?」

「お。起きたねぼっちちゃん」

 

 あれから私の部屋のベッドで寝かせていたぼっちちゃんがやっと目を覚ました。

 

「あ、私……。ご、ごめんなさい。また迷惑かけちゃって……」

「いいよいいよ。あんなの見たら仕方ないよ」

 

 まさか目の前でキス見せられたんじゃね。私にだって結構衝撃なのにぼっちちゃんが耐えられる訳ないもん。

 

「それにしても喜多ちゃんにも困ったもんだね、急にポッキーゲームだなんて」

「あ、へへ。でも喜多ちゃんらしいかなって」

「それはそうなんだけどねー」

 

 まぁ喜多ちゃんも本気でポッキーゲームでキスしようとまでは思ってなかったとは思うけどね。

 

「で、でも本当に驚いちゃいました。まさかリョウさんが喜多ちゃんに、キ、キキキ、キス……しちゃうなんて」

「いやそれは本当にね」

 

 確かにあれのお陰で喜多ちゃんが静かになったけどまさかキスまでしちゃうなんて。ファーストキスとか別に大切にしてるタイプじゃないのは間違いないけど、だからって軽々しくキスしたりするタイプでもないと思うんだけどなぁ。

 

「そ、そういえばリョウさん喜多ちゃんにキスした時に甘かったって言ってましたね。確かに喜多ちゃんって甘くて美味しそうな感じしますもんね。うへへ……」

 

 む?

 

「なにぼっちちゃん。ぼっちちゃんも喜多ちゃんにキスしたいの?」

「ヴェ!? い、いいいいいえ! そ、そんな訳!」

「そういえばぼっちちゃんと喜多ちゃんって仲良いもんねー。学校も一緒だし、ぼっちちゃんの家にお泊りもしてるし?」

「あ、あばばばばば……!」

「私の事良い匂いとか言うのに喜多ちゃんの方が美味しそうなんだぼっちちゃんはー?」

「ひぎぃっ!」

 

 ぼっちちゃんに悪気が無いのは分かってるし単純に私が嫉妬してるだけだけど、でもやっぱり好きな人が別の人の唇が美味しそうって言ってたら気分良くないもん! ……でもぼっちちゃん蹲ってブルブル震えてるし、そろそろ冗談だよ~って言ってあげた方が良いか。

 

「なんてね~! ぼっちちゃんじょうだ……」

「わ! わわわ!」

「え?」

 

 え、なに? ぼっちちゃんが私の手を握ってきた。

 

「わ、私が一番美味しそうって思ってるのも、食べたいって思ってるのも! 虹夏ちゃんだけです!!」

「…………」

 

 ……とんでもない爆弾発言してきた。

 

「ふーん? 私だけなんだ?」

「ひゃ、ひゃい!」

 

 やば、嬉しすぎて顔ニヤケそう。でも、そうか。それならさ。

 

「じゃあ、証明してよ」

「ふえ?」

 

 喜多ちゃんから貰ったポッキーの箱を開けて一本取り出した。

 

「ちょうどポッキーもあるからさ、ポッキーゲームで証明してよ」

「え、ええ!?」

「そのまま食べちゃってもいいから。ポッキーごと、唇も、……私も。だから、証明して?」

 

 ポッキーを咥えて目を閉じる。……とんでもないこと言ってるな、私。熱に浮かれ過ぎだ。だけどぼっちちゃんの言葉嬉しすぎた。このままぼっちちゃんに美味しく食べてもらえるなら本望だ。

 

「に、虹夏、ちゃん……」

 

 ぼっちちゃんが私の頬に手を添えて、サクッ、っとぼっちちゃんがポッキーを食べ始めた振動が私に伝わった。

 

「さくっ、さくっ」

 

 ぼっちちゃんが食べ進めながら近づいてくるのが目を瞑っていても振動で分かる。

 まさかこんな形で初めてを迎えるなんてなぁ。今日私下着バラバラだし、めっちゃ地味なんだよな。こんな事ならもっとちゃんとしたの選んでおけば良かった、なんて思うけどそんなの分かる訳ないし。でも今はそんな事どうでもいい。ぼっちちゃんが私を求めてくれてる。それが何よりも嬉しくて堪らない。ああ、ぼっちちゃん。はやく、はやくはやく。

 ぼっちちゃんがもう目前まで迫ってる。胸のドキドキが最高に高まってる。

 

 そして、ぼっちちゃんの唇が私に重なる―――――――

 

「がはぁ……!」

 

 瞬間ぼっちちゃんは気絶した。

 

「……え?」

 

 白目を剝いてベッドに倒れるぼっちちゃん。ぼっちちゃんの左胸に手を当ててみる。

 

「死んでる……」

 

 ああ……。多分私以上にドキドキが激しかった結果、限界を越えて脈が止まっちゃったんだな。

 

「もう、仕方ないなあぼっちちゃんは」

 

 でも、まぁ、これで良かったのかもしれないな。色々と勢いに任せ過ぎだし、やっぱりポッキーなんか無しでいつかキスしたいもんね。

 

「でもこれくらいの事は、させてね?」

 

 倒れたぼっちちゃんの頬に掛かる髪を避けて、

 

「ん、ちゅ……」

 

 ぼっちちゃんの頬にキスをした。

 

 ポッキーよりも、甘かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

郁代side

 

 STARRYでリョウ先輩にキスをされて意識を失っていた私は、いつの間にかリョウ先輩のお部屋に運ばれていた。

 

「あ、あのあのあの、リョウ先輩、あの……」

「なに?」

 

 私の未開封だった分のポッキーを勝手にポリポリ食べてるリョウ先輩。どうしてあんな事があったのに平然としてるの!? もしかしてキス経験済み!? 相手は誰!? 男!?

 

「いやあああああああああああ!!」

「ぷぷぷ、起きるなり元気な郁代ウケる」

「ウケてる場合ですか!」

 

 こっちは唐突にファーストキスされちゃったのに!

 

「そんなに私とキスしたの嫌だった?」

「……え?」

 

 あれ? ちょっとだけリョウ先輩寂しそう……?

 

「い、いやその。嫌な訳じゃなくて、その、むしろリョウ先輩なら嬉しいくらいなんですけどぉ……」

「じゃあ良いじゃん」

 

 再び何食わぬ顔でポッキーをポリポリ食べ始めるリョウ先輩。もう!

 

「ポッキーゲームだって郁代が言い始めたんだし」

「そ、それはそうですけど。別に本当にポッキーゲームでキスしようだなんて思ってた訳じゃなくて、ちょっとドキドキ感を味わえたら楽しいかなーって思っただけで……」

 

 流石に私だってそんなゲームでファーストキスをしようだなんて馬鹿じゃないもの。

 

「私はリョウ先輩と違ってファーストキスだったんですから、本当にしようだなんて」

「え? 私もした事なかったけど?」

「はい!?」

 

 キスしたことなかったの!? じゃあ何であんなシレっとキスが出来ちゃうの!? でもそれならリョウ先輩に男はいないって事よね。良かった。

 

「私は別にファーストキスとか拘り無いし。キスしたいからしただけだよ」

「……じゃあ別に私じゃなくてもよかった、ってことですか?」

 

 それはちょっと、寂しいかも……。

 

「は? そんな訳ないじゃん。私が言いたいのは」

 

「ファーストキスだろうがセカンドキスだろうが、私がキスしたいのは郁代だけってことだよ」

 

 ポッキーを食べていた手を止めて、リョウ先輩が私の腰を抱き寄せて顔を近づける。

 

「え、あ、あの、リョウ先輩……!」

「郁代が私と、ポッキーゲームしたいって言ってくれて嬉しかったから。キスしたくなったの」

「え?」

 

 それって、私が駄々をこねて本音をぶちまけた時のこと、よね?

 

「郁代がポッキーゲームで本気でキスしたいだなんて私も思ってなかったけどさ。でも、嬉しくて。私が郁代にキスしたくなったの」

「あ、ぅ……」

 

 こ、これってリョウ先輩が私に告白してくれてるってことよね? そういうことよね!? 嬉しすぎてうまく言葉が出なくてひとりちゃんみたいに呻く事しか出来ない……!

 

「……ファーストキスを急に奪ったのはごめん。でも郁代が真似事でもぼっちや虹夏とキスするって考えたら、それも嫌で。身体が勝手に動いてた」

「リョウ、先輩……」

「私こう見えても結構相手に執着するっていうか、依存しがちっていうか。意外と重いんだ」

「あ、それは何となくそう思ってました」

「え」

「だってリョウ先輩って伊地知先輩に固執してるんですもん。多分そうだろうな―って」

「い、いや。虹夏の事は恋愛的に見てる訳じゃなくて、めっちゃ親友として大事なだけで……!」

「分かってますよ」

 

 リョウ先輩が寄せていた顔に、私からキスをした。

 

「ん……、ぷぁ。リョウ先輩さっき、キスしたいのは私だけって言ってくれましたから。だから、ちゃんと分かってます」

「郁代……」

「うふふ。さっきはリョウ先輩に急にキスされたから、仕返しです。ビックリしました?」

「……うん、驚いたよ。私からするつもりだったから。ねぇ、郁代」

「はい」

「もう一回」

「……はい」

 

 今度はお互いに近づいて、ゆっくりと唇を重ね合わせた。

 ああ私、今リョウ先輩とキスしてるんだ。幸せ……。

 

「ぷはっ……。ごめん郁代、私まだ」

「はい、私も。何回でも」

 

 次第に重ねていただけの私達のキスはお互いの唇を食むようなキスに変わり、そして。

 

「ん、ちゅ。れる……はぁ、郁代……。あむ」

「ちゅ、じゅる……、んく、こく。あぁ……リョウ先輩……」

 

 身体をベッドに優しく横たえられて、リョウ先輩に唇も、舌も、貪る様にキスをされていた。

 そして私の唇から離れたリョウ先輩はそのまま私の首筋に顔を埋めて、そのまま首筋に吸い付いた。

 

「あ、リョウ先輩……! 跡付いちゃう……」

「ちゅうぅ……、ぷは。付けてるからね。郁代絶対モテるだろうから、マーキング」

「そんなこと……。ふ、ん……」

 

 そのまま首筋から鎖骨の下にキスマークを付けると、私の服を捲って私の身体にキスをしながら降りていくリョウ先輩。あ、あぁ……。リョウ先輩が私の事食べてる。すごく、嬉しい……。

 お腹の辺りまで下っていたリョウ先輩がまた私にキスをした。

 

「郁代、好きだよ」

「……私も、大好きです」

 

 そしてリョウ先輩の指先が硬くなっている手が、私の身体を滑りながら下に向かっていく。どこに向かっているのかは、もう分かっていた。

 リョウ先輩の手がスカートに侵入して、そのままショーツに……。

 

「あ、は……。リョウ、先輩……!」

「……力、抜いて」

「は、い……。あ、ん、んぅ……! あ、あ……!!」

 

 そして私はこの日、リョウ先輩にポッキーよりも甘く食べられたのだった。


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