【完結】迷子の友人は羨望する   作:シキヨ

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Ave Mujica.Ⅳ Acūs horologii iterum procedunt
お前が俺を救ってくれたからだ


「なに?」

 

 私はいつも通りミルクゼリーを立希さんに渡していました。

 今回はあいさつ代わりと言うよりは、感謝の印という意味合いも込めてですが……。

 

「お礼ですよ、若葉さんの件はありがとうございました」

 

「別に私はなにもしていないし」

 

 立希さんらしい言葉が飛び交いながらも、ベンチに座っている立希さんの隣に座ることはなく立ったまま私は飲み物を飲んでいました。

 

「ムジカ……どうすんの?」

 

「私としては活動を再開させたいと考えていますね。最速武道館だけでなく、全国ツアーの開催も予定されていました。あそこまで脚光を浴びたバンドというのはそうそうありません。ムジカだからこそやれることはあるんじゃないか?とは考えています」

 

「そうは言うけど、他は大丈夫な訳?祥子は……」

 

「ええ、知っていますよ。彼女があの日RINGに現れたのはムジカの為ではなく若葉さん個人の為だということを……。だからこそ、此処からは私達の仕事です。今までは立希さん達のお世話になりましたが、此処からは私達の仕事」

 

 あの日、若葉さんのことを取り戻してくれたのはとても感謝していますよ。しかしながら、あの日私は晴れぬものがあったのも事実です。自分達のバンドだけではなく、他のバンドの力を借りなければならなかったという状況。そうしなければ、若葉さんを救い出すことが不可能だったとしても私はあのとき少し悔やむものがあった。

 

「海鈴……なんか変わった?」

 

「そうでしょうか?……いえ、そうですね。変わったとすれば」

 

 

 

 

 

「貴方達、お二人のおかげですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 俺は今RINGに来ていた。

 今日はバイトと言う訳ではないが、Ave Mujicaのこともあって近々MyGOとしての活動が出来ていなかった為、立希主導のもと話を久々にしたいということになっていたが約一名が来ていない。

 

「燈、愛音は?」

 

「あっ、え、えっとね……今日RINGに行くって話を……したんだ……。それで……その今日は来れないって……」

 

「来れない?」

 

「う、うん……ゆいくんも今日来るんだって……話をしたらあのちゃん急に慌てて用事思い出したって……」

 

 途端に俺へと全員の視線が向けられる。

 燈は優しい視線を向けてくれていたが、そよと立希は明らかにまた何かやったという顔をしている……。とはいえ、今回ばかりは俺が悪いとしか言いようがない。後先考えないでと言う訳じゃねえが、それでもやらかしたことには変わりないから俺はどうするかと悩んでいると……。

 

「バンドクラッシャーの結人君はいったいなにをしたの?」

 

「おい、待てなんだその変な異名」

 

 明らかにこの状況を楽しんでいるそよ……。

 いつものようにニヤニヤとしながらもバンドクラッシャーなどという変な異名を付けていた。

 

「気に入らなかった?男の子ってこういうの好きなんでしょ?」

 

「じゃあ、俺がそよ・ザ・デンジャラスって呼んでも「結人君、そんなに自分の首絞めたい?」」

 

 机の下からスマホの画面を見せつけて来るそよ……。

 そう、その画面は俺も知っているそよと添い寝していたときの写真……。

 

「知らなかったなー、結人君がそんなに死に急いでるなんて」

 

 優越感に浸った顔でそよは笑みを浮かべている。

 そう、俺はそよにも愛音にも弱みを握られている。そういう立場にいる。

 

「いや、どう考えても不名誉だろその称号……」

 

 と話をしていると、立希に服の生地に一瞬掴まれた後に無言の圧を感じる。

 そして、俺は立希にも弱みを握られて……そもそも此処に俺の弱み知らない奴居ないな……。というか、楽奈が今此処に居なくて良かったな本当に……。

 

「……責任、取って来る」

 

「MyGOは俺の女だから?」

 

 燈は顔を赤くしたまま、膝の下に手を置く……。

 立希は掴んでいた俺の服から手を離して、小さく「……は?」と言っている。表情は明らかに赤くなっていてコーヒーカップの取っ手部分を持とうとして、ほんの少しだけ持てなくなっていた……。

 

「そよ、お前なぁ……」

 

「先にそういうのを向けて来たのはそっちでしょ?」

 

「ゆいと、なんのはなしして「あーちょっとこっち来いそよ……」」

 

 完全に自分が有利だということを理解しているのか、俺のことを手玉に取って来る。

 そして、その間にたったRINGのカフェの扉を開いてやって来た楽奈がやって来て俺はそよを連れてその場から逃げることにした……。

 

 楽奈は口が……硬い?のかは分からんが、この場で俺が愛音に抱きつかれたなんてことを話されたらこの場が更にややこしくなること間違いない。そのため、俺はこの場をそよを連れて離れることを選んだ。

 

 

 

 

 

 

「睦ちゃんと……モーティスちゃんのことありがとうって言っておいた方がいい?」

 

「別に俺は何もしてねえよ……。あいつらが出した答えだからな……」

 

 カフェから離れてやって来ていたのはRINGの受付やらなにから離れた場所にある自動販売機にある場所だった……。俺は適当にそよに午前の紅茶を渡して、俺の方はアンバサを飲んでいた……。

 

「あいつらとは話したのか?今日」

 

「ちょっとだけ……睦ちゃんとは今日は何の野菜を育てるの?って話をしてただけ」

 

「そうか、ならいい……」

 

 睦とそよは元々同じバンドだったということもあるから因縁という訳ではないが、そこはちゃんと吹っ切れて仲良くしてくれているなら俺はいいとなっていた。そよはあの日のこともあるからな……。

 

「で……」

 

「……待て、でってなんだ?」

 

「睦ちゃんとモーティスちゃんには()()をしてあげたの?」

 

 空気が変わる。

 それは凍り付いたようなものではなく、完全にさっきと同じ空気の流れになっている……。そう、この空気は完全にそよの場になっている。

 

「いや、それならお前も知って「私はそれ以降を知りたいんだけどなぁ……俺はMyGO一筋ですって顔をしておいて今度はどんなことをしたのかなって思っただけ」」

 

 俺は今、悪魔だなこいつとなっていた。

 自分が圧倒的に有利な立ち位置にいるからこそそよは俺にこういうことをしてくるんだろうなと納得したくない納得をしながらもこう答える。

 

「キスしたんだよ、二人共」

 

「へぇ、()()なのに?」

 

 水を得た魚のように笑みを続けるそよに俺は若干イラっとしながらも、俺はアンバサを一旦ソファーの上に置いて立ち上がる……。

 

 

 

 

「結人君って本当色々とやってること自覚してる?」

 

「ああ、してる……」

 

 だが、そう言われても仕方ねえだろう。

 俺が今しているのは……所謂……。

 

 

 

「本当に?」

 

 壁ドンと言う奴なのだから……。

 

「ああ、言っただろ?俺はお前のことを守ってやるって……。それにお前らから目を離す気もねえよ。これで安心できたか?」

 

「……そういうのは顔を赤くしながら言ったらカッコつかないと思うけど?」

 

 一本取られる。

 今度こそ勝ちだと思った瞬間、またそよはいつものように得意げな表情に戻っていた……。これ以上、続けていてもそよが喜ぶだけだと判断した俺は溜め息をつきながらもこう答えながらも壁から手を離す。

 

「……とにかく俺は行くからな。これじゃあ、バンドクラッシャーって言われても否定できねえな……

 

 立希からケジメを付けてこいと言われたような気分になっていたのを思い出した俺はRINGへ出ることにする。

 それと同時に俺は愛音に連絡することにしたが全く出ることがない……。それは当然かもしれない……。とにかく、前に一度燈から愛音の家を聞いたことがあったから向かうか……となっていると視界に入って来ていたのは……未だ活動再開することがないAve Mujicaのニュースだった。

 

 祥子や睦達が立ち直り、このままAve Mujica再始動という美味い話がある訳がない。

 祥子の方はそもそもあの場に来たのは睦を助けたという意志があったからだ。ムジカをまたやりたいか、やりたくないかで言われればまたそれは話は別のはずだ。それに睦達の方はモーティスはまずムジカをやらせたがらないだろう、あいつはムジカのせいで睦が苦しんだと認識しているし、睦の方はギターを見つけ出すことには成功したが自分が今どうムジカと向き合うべきなのか考えていないはずだ。

 

 

 

 

 

 

 此処ばかりはあいつら次第だろうとなりながらも俺は愛音の家へと辿り着いた。

 そして、インターホンを鳴らして待つことにした……。

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

「ゆ、ゆいくん……奇遇だね。私今日はちょっと風邪引いててさ」

 

 宅配の人かと思って、家の扉を開ければ、そこに立っていたのはゆいくんだった……。

 とりあえず仮病を使って帰らせようと考える。というか、今は本当に顔も見えないってば……!!

 

「学校には来てたって聞いたぞ」

 

「え?あ、ああ……えっとね、学校には行ったんだけど帰りにちょっと体調悪くなっ……な、なにしてんの!!?」

 

 ゆいくんは自分のおでこに手を当てながらもそのまま私のおでこに手を当てる。

 やばい、やばい昨日の今日だよ!?昨日の今日でこんなことされたら動揺しない方が無理に決まってるって……。どうしよう、本当にどうしようとなりながらも蒸発しそうになっている私は必死に我慢していた。

 

「あーまあ、あながち嘘ではねえみたいだな」

 

「で、でしょ……!!?」

 

「じゃあ、とりあえず寝てろよ。なんか買って来てやるから」

 

「え、え?あーいいっていいって!薬とか冷えピタとかならあるしさ」

 

 なんとかしてゆいくんに帰って貰いたい私はどうにか誤魔化そうとし続けていた。

 ゆいくんが家に来たことによって体が熱くなったのは一石二鳥だったのかもしれない……。いや、これ一石二鳥なのかな?全然違うよね!?

 

「……じゃあ、分かったよ。せめて安静にしてろよ」

 

「え?う、うん……」

 

 やけに物分かりがいいゆいくんに頷いていると、彼は私から背を向けて家から出ようとしていた。それにホッとしていると彼は会話を続ける。

 

「睦達のこと改めてありがとうな」

 

「あーそれも全然気にしないでいいって、私も睦ちゃん達のこと助けたかったから」

 

「そう……か、じゃあこれだけは伝えておきたいんだが……」

 

「え?な、なに?」

 

 これでようやく帰ってくれると期待していた私にはまだ言葉の矢が降り注いでいた。

 

「あいつのこと最後まで諦めないで居られたのはお前のおかげだ。本当に感謝してる。お前から教わってなかったら俺はきっと睦とモーティスのことを諦めていたと思うからな。それと此処まで俺が踏み込めたのお前のおかげだからな」

 

 言葉という矢……いや強さを感じる。

 そして、それはゆいくんが本当に感謝してくれているというのが表情を見れば一目瞭然だった。頬は緩んでいて、目は優しい目をしている。そういう表情をしているからこそ、私は一瞬下を向いた後に言葉にならない気持ちを抱えつつもこう彼に告げる。

 

「ゆいくんのそういうといころ、本当にズルいってば……」

 

「……悪かったな、後はこれは個人的なもんだが……」

 

「個人的な……もの?」

 

 疑問に思って首を傾げる。

 

「ああ、悪いが拒否権は無し……だからな」

 

「え?それってなんかダメ!!」

 

 と思った私はゆいくんのことを突き放そうとする。

 

「お、おい……あんまそうやって無理矢理帰らせようとすんな……よ!!」

 

「だって、しょうがな……あっ!!?」

 

 物凄く変な予感がしていた私はそのまま彼のことを家から追い出そうと一悶着が起きると、ゆいくんがそのまま私の方に倒れてしまう。

 

 

 

 

 

「いったい……」

 

 そのまま天井に視点が切り替わっていた。何が起きたのか理解できずにいると、顔みたいなものが近くにあったような気がしていた。いや、それは間違いなんかじゃなかった。

 

 

 

 

 

 え!!!?まさか……まさかだけどこれって…………!!?

 

 

 

 

 

「ゆゆゆゆ、ゆいくん!!?ご、ごごめん!!」

 

 押し倒された状態のままゆいくんの顔が目の前にあった……。

 顔を真っ赤にさせているゆいくん……。でも、その表情は……。

 

「というかなんか慣れてそうだねゆいくん!!?」

 

 動揺はしているけど、そこまでという感じだった。明らかに……。

 

「あーそこは……そのまあ色々あるからな」

 

「聞いたのこっちだけどちょっと複雑な気持ちになったんだけど!!」

 

「……すまねえ」

 

 事故とはいえ、ゆいくんに押し倒されたいう事実だけで頭がおかしくなりそうなのにその上に見つめられているからもうどうすればいいのか分からなくなっていた。いや、本当は抵抗しなくちゃダメなんだろうけどゆいくんのこと全然嫌いじゃないから、抵抗する気もなかったなんて言えない……!!

 

「……一度しか言わねえからな」

 

「え?な、なにを?」

 

 

 

 

「俺はお前が居なかったら死体だった」

 

 一瞬だけ、時間の流れが止まったような感覚が再びしていた……。

 目に映っているのはゆいくんの強い眼差しと彼が残した風のような余韻だけだった……。

 

「俺と最初に会った頃、こう言ってたよな。当たり前のことを当たり前にやってるだけなんだって。俺は自分が正直どうして誰かに優しくしているなんてことは自分でもよく分かって居なかった。ただやるべきことをやっているだけだと思っていたが、お前はそれを言語化してくれた。腑に落ちるってのはこういうことを言うんだろうな。だから、本当に感謝してた……」

 

「それだけじゃねえ、お前は俺と燈を再び繋いでくれた。浅瀬で燈から必死に離れようとしている俺に手を差し伸べて沖に上がっていいと示してくれたのはお前だったんだよ。それだけじゃねえ、お前は俺に言葉と行動、記憶と記録の大切さを教えてくれたしMyGOが一生続くようにこれからも思い出を作って行こうと言ってくれた。本当の意味で優しさがあると言ってくれた、そのおかげで俺は睦ともモーティスとも寄り添えた。なによりも、俺が一番嬉しかったのは……」

 

 

 

 

「俺のことを否定しないで居てくれたことなんだよ」

 

「私が否定しなかった……から?」

 

「一度しか言わねえって言ったろ……」

 

 知らなかった……。

 ゆいくんが此処まで私に重たい感情を持っていたなんて……。

 

 私は今までゆいくんにゆいくんならそうなんじゃない?とかそう思うならこうして行かない?とかそういうものをぶつけていただけに過ぎなかった。ゆいくんはそういうものを分かっているからこそ進むことが出来ると信じていたけど、本当は違ったんだ……。

 

 

 

 ゆいくんも弱かった……んだ。

 感情を手で掬いながらも、私はゆいくんにようやく目を合わせる。彼のそういう人間部分を見て私は思ったことがあった……。

 

 

 

 

 

 

 やっぱり、私って……。

 

 

 

 

「ゆいくんのことが好きなんだ……」

 

 気づいていなかった訳じゃない。

 心の何処かではそんな気はしていた……。だって、それに触れたのがスカイツリーで一緒に写真を撮ったときのことだから……。

 

 

 

 

『ゆいくんといるこの時間も悪くないって思えたんだ……』

 

 スカイツリーで光で包まれた景色を見下ろしていたときのこと……。

 あのとき、私が思っていたことは単なる言葉なんかじゃなかった。あれは紛れもなくゆいくんっていう人間と作って来た記憶と記録が私を照らし合わせてくれた解答みたいなものだった……。

 

『自己顕示欲が強めで目立ちたがり屋のギターの音っていうのを……!!』

 

 ゆいくんは私の音を聴いてくれていた。

 あーいやゆいくんって確か燈ちゃんの歌声しかちゃんと聴いてなかったんだっけ……一回目のライブは……。そう考えるとあんまり説得力ない気がするけどあのときは本当に救われた気がしたんだよね。自分の音に聴きたいと言ってくれる人が居るってことに……。だったら……。

 

 

 

 

 

 もう言っちゃってもいいよね……。

 彼なら受け入れてくれるだろう……から。

 

 

 

 

「ねぇ、ゆいくん……」

 

「なんだ?」

 

 呼吸を整える。

 その瞬間だけ無音になっていた……。鼓動も心臓の音もしていなかった……。

 

 

 

 

 

 

「好きって言ったら受け止めてくれる?」

 

 

 

 

 

 

「ああ……」

 

 

 

 

 

 

 

「受け止めてやるよ、幾らでも」

 

 

 

 

 

 

 彼は純粋なただの笑顔でそう答えていてくれていた……。 

 

 

 

 

 

 

「本当ズルいなゆいくんって……」

 

「悪かったな、クレープ食いに行くか?」

 

 

 

 

 

 

 

「うん……!!」

 

 あの頃からなんだろうな……きっと……。

 私がゆいくんっていう人間に強く惹かれるようになったのは……それまではともりんの友達で本当の意味の優しさを持つ人間だってなっていたけど、あそこで私は本当にゆいくんがどういう人間なのか掴めてしまっていた。

 

 

 

 本当に嬉しかったんだよね、ゆいくんがぶつかってくれたことが……。

 だから、本当は凄い感謝しているんだ……。一番最初に……。

 

 

 

 

 

 私のことを肯定してくれたのがゆいくんだったから……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

 

「一応見に来たけど……」 

 

 

 

 

 

「まーたー変なことしてる結人君……」

 

 結人君のことだからこういう流れになるのはイメージ出来ていたけど、本当にこういうことをしているんだから本当に結人君は結人君なんだなというものしか出てこない。良かったね、愛音ちゃんとなりつつも心の何処かではまあ私は添い寝したことあるけどというちょっと性格の悪いところが出そうになっていた。

 

 それにしても……。

 

『私は結人のおかげで自分を取り戻すことが出来た。自分という人間を得ることが出来た……。結人と出会わなければ……無理だったかもしれない……。だからこそ、そよに……聞きたい』

 

 睦ちゃんの発言を脳裏に過る。

 もう弱々しく人形だった頃の睦ちゃんは存在しない。あそこに立っていたのは強い心と意志を持った若葉睦ちゃんだった。それは人格がまた新しくなったとかじゃなくて睦ちゃんという人間がより強固なものになったという……だけ。

 

「はぁ……だから睦ちゃんも惹かれたんだろう……ね」

 

 納得せざる負えなかった。

 彼が愛音ちゃんの馬鹿みたいな優しさと光に包まれて睦ちゃんやモーティスちゃんを誰かの力を借りて助け出しても私にとって睦ちゃんは友人そのものだから。助けてくれて、ありがとうの言葉しかなかった……。それに……。

 

『ああ、言っただろ?俺はお前のことを守ってやるって……。それにお前らから目を離す気もねえよ。これで安心できたか?』

 

 本当、彼はああやって人のことを安心させるのが上手くてしょうがない……。

 彼の壁ドンは優しくて温かった……。あの瞳には威圧とは程遠い柔らかな光が目には宿っていた。怒っているのでも責めている訳でもない。ただ、真っ直ぐに私のことを見つめていてくれていた……。あのときの彼を思い出してしょうがなかった……。

 

「本当、バンドクラッシャーだな結人君って……」

 

 男女二人が玄関で倒れているという変な光景を眺めながらも改めてそう実感出来ていた……。

 

 

 

 

 

 

 

「というか……」

 

 

 

 

 

 

「扉開いてるから公開事故現場になってたけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

「面白いからこのままでいいよね」







そよは基本結人で遊んでます。
満足できる反応が返ってくるので。
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