百合ゲー世界に『百合に挟まる男』がPOPしちゃったんだが!?   作:わたなれアニメ化成功祈願

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後編

 

「ヤバいヤバい……結局徹夜で読んじゃった……」

 

 目は冴えてるけど頭痛い! 『愚かね』と、脳内紗月さんの罵倒が聞こえる。『わたなれ』の世界から脳が戻ってこれていない。

 

 それでも、最低限やるべきことはやらねば。ということで、作戦を共有するため、早朝から甲板でトレーニング中らしい氏に会いに行ったが、その途中でマリーナ先生と出くわした。

 

「あれ、赤月さん! おはようございます! 今日も頑張ってくださいね!」

「あ、はい……なんかテンション高いですね……」

「先ほど三条くんにエナドリを頂きまして! やっぱり徹夜明けにはこれしかないですね! 今ならDPS理論値でクエ回せそうです!」

「後でぶっ倒れないでくださいね……多分夕方くらいから忙しくなりますから……」

 

 うるさ……。つか、徹夜明けにこのテンションの人相手すんのきっついな……。でもエナドリは確かにありか。後で飲もう。

 

「そういえば、その三条くんはどこ行ったか分かります?」

「さぁ、汗かいてたのでお風呂でも入りに行ったんじゃないですか? というか、彼に何か用事でも?」

「いえ、大した用じゃないんですが……あ、教えて頂きありがとうございました。それじゃ、先生もくれぐれも無理しないでくださいね」

 

 どうしようかな。大浴場は女性専用だし、自室のシャワーだろう。二人きりで会話は難しそうだ。

 

 ……しょうがない。メッセで伝えるか。これを渡すのは後でもいいし。

 

「あ、赤月さん! 忙しくなるって、もしかしてこの間言っていた緊急指示ですか?」

「そうですね。多分やることになりそうです」

「……本当に、私たちは何もしないでいいんですか?」

「はい、準備の方は全て僕がやります。一応、司令塔の役割になりますからね。でも、はじまってからの避難誘導とかは先生方にお任せすることになるので、そこはよろしくお願いします。詳しくは追って指示を出します」

「……赤月さんこそ、無理はしないでくださいね。何か手伝えることがあれば何でも言ってください。私だってこんなんでも一応先生ですから」

「ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。昨日のうちに準備は大体終わってますし。だから、心配しないでください」

 

 そう言って、先生と別れた。なんか、あんなシュンとした様子されるとちょっと申し訳ないな。でも、本当に準備は大したことないしなぁ。ちゃんと説明したはずだけど、まあ教師としては複雑な気持ちになるのは分かる。紫陽花さんに「宿代は全部払う」と言われてしまったれな子の気持ちに近いのかな。

 

 ……とりあえず、氏に緊急指示について知らせとこう。説明の時に使ったスライドを送信……っと。

おっ、もう返信きた。

 

『原稿を拝見しました。百合作品としての文脈ではなく、一般的なラブコメの文脈から解釈するという試みは、我々百合オタ以外にも分かりやすいという点で優れていると思いますが、百合の本質から離れてしまっていると感じました。特に、紫陽花さんを『いわゆる負けヒロインの系譜』と断じ、そこから一般的なラブコメとの違いという形で百合作品であることを強調するという構成は、あまりにも結論ありきではないでしょうか。あの結末は、あくまでれな子と真唯、れな子と紫陽花さん、そして真唯と紫陽花さんの関係性の末に導かれたものであり、三者がそれぞれ主体となって行動した結果です。確かに主人公はれな子ですが、それはあくまでも語り手としてであり、主人公と勝ちヒロイン、負けヒロインという構図に押し込めるのは私には許容できません』

 

 あれ、何の話……あ、送るファイル間違えた。これは、今度n〇teに投稿予定だった『『わたなれ』考④ ~ゴミになったれな子~』の草稿だ。なかなか厳しい意見をもらっちゃったな。確かに、ヒロインとしての真唯、紫陽花さんという視点で話を進めたのは強引過ぎたか。彼女たちにとってはれな子がヒロインであり、このお互いがヒロインであるという構図が百合であるということだ。この点を踏まえて全面的に書き直さないと……というかなんで敬語? もしかしてキレてる?

 

『ごめん。間違えた。こっちのファイルです。緊急時の流れについて。ヒイロ氏もこれに従って行動してほしいけど、どうせしてくれないだろうから概要だけでも頭に入れておいてください』

 

 改めて、ファイルを送信し直した。今度はちょっと時間をおいて返信が来た。

 

『これは、いつ発動する?』

『僕の予想だと、恐らく今晩』

『根拠は?』

『勘』

 

 実際、それはその通りだ。原作と違い、向こうは隙を狙って、なんて考える必要はない。いつでも船内を地獄絵図に出来る。だから、タイミングとしては絶対に逃げられないところ、今日の夜に寄港地から離れて洋上にでたところじゃないか、と考えているけど、別に明日に持ち越される可能性も全然ある。

 

 だが、その理由を告げるには、Aがアルスハリヤであると教える必要がある。これを知った氏がどう行動するのか読めない。馬鹿正直に突進することは無いだろうが、氏の警戒がAに伝わってそのまま開戦となる可能性を除去できない。

 

 避難を開始するタイミングはAの襲撃直前がベストだ。早すぎればAの妨害があり、襲撃後だと遅きに失する。直前であれば、きっと氏に関心が行っているからすぐに妨害に来る可能性は少ない、はず。

 

 追及を覚悟していたが、何かを察したのか、彼から返信は無かった。位置を確認するとプールに移動していたので、ヒロインの誰かに連れていかれたのだろう。

 

 ん? ヒロイン? そうか、原作では月檻にとってのヒロインだったけど、今や月檻もヒイロ氏にとってのヒロインだ。視点が変わればって、まさにそういう話だな。氏はそれを肌で感じているからこそ強く反論してきたのかもしれない。

 

 またぞろ女の子に囲まれて苦しんでいるだろうけど、逆に言えば何か起きても彼が対応してくれるということだ。それなら、僕は安心して別行動に移ろう。

 

 というわけで、『助けて』とかいうメッセは無視し、僕は自室に戻った。

 

 

 そして、目覚めれば夜。特にアラームが鳴ったりは無かった。つつがなく経過したのだろう。

 

 いよいよ修羅場だというのに、緊張はなかった。やっぱり『わたなれ』を読んでおいたのが良かったな。いつでもテンパっているれな子を見ていたら、「まあれな子ほどじゃないしな」という気分になれた。自分の能力でできることを、出来る範囲でするだけだ。

 

 あ、また何かメッセ来てるな。『襲撃は今晩らしい』。どこからその情報を? いや、ヒイロ氏が言うならきっと正しいのだろう。

 

 現在の小導体(ミニコンソール)の配置を確認。Aクラスがダンスホールに集まっている。舞踏会イベントか。氏もちゃんと会場にいるな。それに、緋墨瑠璃も来ている。というか、二人の距離が近い。何か会話している? いつの間にか接触していたのか? なるほど、情報は彼女由来。

 

 さて、避難開始は何時でもできるが、ダンスホールに人が集まっている状況は少しマズい。ある程度ばらけていてくれないと。それに、氏にまだアイテムを渡せていない。なら、急いで氏に会って、舞踏会が解散になったタイミングで開始するか。

 

 そうして、ダンスホールに向かおうとしたところで、氏のビーコンが急にせわしなく動き出した。襲撃? いや、それ以外の動きに変化はない。彼一人が慌てているだけのようだ。何かに気付いた? あ、ダンスホールを出るのか。ヤバい、早く捕まえないと。氏はどこにいくつもりだ?

 

「……屋上か!」

 

 彼はまず自室に向かった。何かを確認するために。忘れもの? いや、自室を出た後も凄いスピードで移動している。お目当てのものが無かった反応だ。彼と同室なのは月檻とオフィーリア、そしてダンスホールにオフィーリアは居なかった。屋上で一人黄昏れているからだ。この状況でオフィーリアを一人置いておくのはマズい。彼女は率直に言って激弱、襲撃があればひとたまりもない。そう考えた氏はオフィーリアを探している。だったら、最終的に屋上にたどり着くはず。

 

 そして、僕は屋上へ続く階段の前に陣取り、待ち続けること数分。

 

「オイ、お嬢は!?」

「上にいるよ。何にも問題ない。無事だ」

 

 狙い通り、ヒイロ氏は僕の前に現れた。さっそく、彼にアイテムを投げる。

 

「これは?」

「僕が開発した、研究中の秘密道具。名前は募集中だ。お守りくらいにしかならないと思うけど、まあ悪いことにはならないと思うから、とりあえず持っといてくれ。使い方は魔力を込めるだけだ」

「効果は?」

「残機が1増える……かもしれない。確率で言うと10%くらい。ダンジョン攻略用に作ってたけど、流石に難航しててね。それも、莫大な金を費やしてやっと出来た試作品なんだ。出来れば、使わないで返してくれると助かる」

 

『シャルシェ』は僕専用にチューニングしたものだが、誰でも使える廉価版も副産物として開発した。これは、範囲は狭いものの設置して魔力を通すだけで周囲の状況を完璧に把握することが出来るため、ダンジョン攻略や軍事目的にすこぶる売れた。その儲けを使って新たに開発しているのがこの玩具だ。今後原作開始に伴い世界が荒れまくるのに備えて開発していたが、早速使う時が来るとは思わなかった。てか早すぎだろ。まだプレイ時間で言うと1時間たってないくらいだぞ?

 

 僕の説明を聞いて流石に驚いた顔をしたが、やがてふっと笑った。「『いわなだれ』が外れる確率と同じか。なら、余裕だな」。確かにそう聞くと凄いあたりそう。

 

 とにかく用は済んだ。さっさと自室に戻って、いつでも避難指示を開始できる準備を整えないと。彼の前を去ろうとして、声をかけられた。

 

「なぁ、なんで赤月氏は俺を守ろうとするんだ? 俺は三条燈色だぜ? ここまでする義理なんてないだろ」

 

今さらの質問に驚く。

 

「え? スノウさんに頼まれたって言ってなかったっけ」

「だとしても、だろ。無理やり乗船したり、こんな貴重なアイテムまで用意するようなことして。そこまでする理由にはならないはずだ」

 

 そうかな……? いや、確かに嫌いな人間相手だったらここまではしないだろうけど。

 

「えーっと、前から思ってたけどヒイロ氏は自己評価が低すぎないか? 確かにゲームの三条燈色はただのカスだったけど、今の氏はいつも周囲の女の子の幸せのために行動している良い奴だ。もうちょっと、自分が周りから向けられる気持ちを大事にした方がいい」

「赤月氏はどうなんだよ。前はスノウに止められて止めたかもしんないけど、一度は俺を殺そうとしたはずだろ!? あれから俺は何も変わっちゃいない、相変わらず月檻やラピス達の好感度を稼ぎまくりだ! はは、笑えるだろ! 俺が憎いはずだ! 百合の間にずけずけ挟まる俺がッ!」

 

 え、逆切れ? 戸惑っている間も、彼はさらに語気を強めていく。

 

「だいたい、この船旅の間、お前はずっと俺のことを見てたんだろ!? なのに、何故一回も邪魔しに来なかったんだ!? ちょっとくらい百合を助けに来いよ! せめて、俺と協力してくれたら、もっと効率的に月檻たちの好感度を落とせていたはずだ! ちゃんとしろよ! 襲撃とかよりこっちのが大事に決まってんだろ!?」

 

 うわ……。なにこのダル絡み。こっちはこっちで忙しいんだけど。なんかムカついてきたな。

 

「じゃあ、言わせてもらうけど。ヒイロ氏はそれだけ頭が回るんだから、もっとちゃんと自己認識できていればこんなことにはなっていないんじゃないか? 何だよ、わざと怪我して雑魚だと思われて好感度下げようって。今まで散々実力見せといて、それが通ると思ってんの? それに、ずっと氏のこと見てるわけないだろ? 基本イチャついてるだけじゃん! 不快過ぎて殆ど見てないわ! 『わたなれ』で中和してなかったら脳破壊されてたわ!」

「ほら! やっぱり嫌だよなぁ! 俺みたいな奴がのうのうと生きて、月檻やラピスたちと絡んでたらさぁ! なのに、なんでだよ!」

「それは……友達だからだよ」

 

「は?」

 

 彼の心底驚いた声を聞きつつ、僕は彼に背を向ける。流石に面と向かって言うのは恥ずかしいからな。

 

「あのさぁ! 最初にファミレスで会った時から思ってたけど、お前凄いよ! めちゃくちゃ百合作品摂取してるし、それぞれに造詣も深いじゃん! 結構マイナー目な作品の話振っても全然返してくれるしさ! 何より、百合に対する情熱が凄い! 僕も結構百合好きだと思ってたけど、ヒイロ氏に比べたら全然だって思わされた! ──本当に、尊敬するよ」

 

 だから、一度は彼に憧れて、百合を守るために彼を殺そうとしてしまった。でも、今は違う。

 

「別に、僕はヒイロ氏みたいにはなれないし、もうなろうとも思わないけど、それでも僕とお前は同じ百合を愛する同好の士だ。この世界だと、本当に貴重な。だから、僕は、僕も! ヒイロ氏に死んでほしくない! 生きて、また『わたなれ』アニメの感想とかで盛り上がりたい! 分かったか!」

 

 そして、返事も聞かずにその場を立ち去って、なんか4巻のれな子と香穂ちゃんみたいだな、なんて思いつつ部屋に戻ろうとして──。

 

「こんばんは、赤月様」

 

──Aと出くわした。

 

「……こんばんは」

「お貸し頂いていた本、全て読ませていただきました。どうぞ、お返しします」

「……どうも。それで、感想は?」

 

「そうですね。ありふれた恋愛小説でしたが、主人公のキャラクターは気に入りました。自己評価が低く、押しに弱い。そのわりに、周囲からの好感度は高い。──男を割り込ませるには持って来いのの」

 

 僕は魔道触媒器(マジックデバイス)を起動し彼女の首をはねた。

 

「殺すぞ」

 

 ……つい勢いで攻撃しちゃったけど、やっちまったな。今正体を露わにされるのはまずい。魔力に気付いたヒイロ氏もこっちに来るだろうし、そこでバトンタッチして避難誘導を開始……は難しいだろう。2人がかりでも瞬殺だ。

 

 彼女は平然と頭を掴み、首に繋ぎ直した。ニヤニヤと、耳障りな言葉を吐いてくる。

 

「……殺してから言わないで欲しいのですが。ところで、そう怒りを露わにされるとは、内心思い当るところがあったということではないですか?」

「は? ないが?」

 

 彼女はまだAの擬態を続けていた。まだ正体を明かすつもりはないということか。とにかく、向こうが会話する気ならそれに付き合わざるを得ないだろう。

 

「それは、心当たりがある人の反応ですよ。あ、そうだ。一つ伺いたいことがあるのですが」

「……なんだ」

「先ほど、三条様に『百合』とは何かを訊ねました。そうしたら、彼はただ一言、『百合とは、愛だ』と。なるほど、彼は愛を救う者なのだと合点がいきました。先ほどの本にあったような関係を守りたいのだと。そこで、疑問なのですが──なら、何故彼は愛を壊しもしているのですか?」

 

「……あー、確かに。多分、彼も一番それが知りたいと思いますよ……」

 

 ちょっと素になっちゃった。そうだよな、魔人からしても不思議だよな、ヒイロ氏の百合破壊ムーブ。

 

「赤月様でも分からないと」

「いや、一応、僕の見解はある。彼には否定されるだろうけど」

「興味深いですね。ご教示いただいても?」

 

 ……なんか、こういうところはこいつ良いよな。もちろん、性格も性癖も最悪なんだけど、わざわざ変装して完璧なスタッフになりすましたり、自分の興味に対しては手を抜かないというか。

 

「まず、百合が愛という認識が違う。百合を守ることが愛を守ることになるのはそうだけど、それは百合に含まれる意味合いの半分でしかない。なぜなら、愛し合う2人の関係を百合と認識する第三者がいて初めて百合は成り立つからだ。つまり、人間同士の関係に百合というレッテルを貼ってコンテンツして消費する下世話な連中、それが僕たち百合愛好家だ」

「それで?」

「つまり、百合愛好家という汚泥の上に成り立つのが百合というわけ。だけど、ヒイロ氏はその百合の美しさにしか目がいっていない。だから、彼は汚泥をまき散らしながら百合を枯らせまいとするが、当然百合の花にも汚泥はかかってしまう。そして、泥にまみれた花を、もはや彼は百合と認識しない。何故なら、彼は自身を、泥の存在を何よりも忌み嫌っているから。泥だらけでも、百合は百合なのにね。……どう? これが僕の見解」

「……なるほど。理解しました。愛を守ろうとして愛を害う。ふふっ、やはり彼は興味深い」

 

 え、なにその反応。嬉しいんだが。こんなしょうもない話を真剣に聞いてくれる奴なんて、それこそ姉さんかヒイロ氏くらいだし。こいつ実は良い奴か?

 

「ちなみに、赤月様はどうなのですか? あなたも、同じ『百合の守護者』なのでしょう?」

「それは彼が勝手に言っているだけだけど、そうだな、この例えでいうなら、僕は硝子のケースに保存された、フィクションの百合を守るようにしているよ。それなら、硝子を壊して百合を害おうとする輩を倒したとしても、僕からでた泥はケースにしかつかないからね」

「それで、『わたなれ』ですか」

「そう。だから、『わたなれ』」

 

 ヤバいよ、ちょっと通じ合っちゃったよ。えー、どうしよ。もし今回失敗したらアルスハリヤ派に鞍替えするのもワンチャンありかもしれん……。

 

「質問に答えて頂きありがとうございます。それでは、私は所用がありますので──赤月様もどうぞ、ご自由に。精一杯あがいてみてください」

 

 そういって、Aは立ち去った。

 ……マズい! 『所用』って、きっとヒイロ氏に会いに行くってことだろ!?。じゃあもう最終決戦じゃん! ヤバいヤバい、絆されてる場合じゃない、急がないと!

 

 魔道触媒器(マジックデバイス)を起動する。適宜風魔法でアルスハリヤ派の眷属や魔獣たちを吹き飛ばしながら、僕は真っすぐ自室にたどり着き、『シャルシェ』を起動した。そして、生徒たちの小導体(ミニコンソール)に接続し、号令を放つ。

 

『緊急事態発生。緊急事態発生。船内で魔人の眷属と思われる集団による襲撃が確認されました。生徒の皆様は、急ぎ救難ボートから脱出してください。最寄りのボートまでの経路は小導体(ミニコンソール)を通じて案内されます。また、ボートは近くの救助船に自動で向かうよう設定されていますのでご安心ください。慌てず行動してください。繰り返します──』

 

 魔道触媒器(マジックデバイス)の演算機能を全集中させ、船内の人間とその最寄りボートまでの経路を描画していく。途中、経路上に眷属や魔獣がいた場合は適宜ルートを変更、また近くに教職員が入れば対処に向かってもらう。うわ、流石にきついなこれ。頭割れそう。辛い。でも、まだ舞踏会が終わったばかりで船の下層にいる生徒が多い。彼女たちはすぐ案内できそう。だから、ひとりひとり脱出させるしかない。頑張ろう。これが終わったら『わたなれ』アニメが待ってる……!

 

『いやいやムリだし、ムリ!』

 

 そんなことを言うんじゃない、れな子。れな子? いや、これは僕の心の声。『わたなれ』キャラの姿を借りて出てきたのか。

 

『私だって完璧ではない。思い通りにならないことがあるのだと、初めて知ったよ』

 

 違う! 真唯さんの悩みは、こんな努力すればどうにかなることじゃない、もっと真剣な恋の悩みだ!

 

『だけど、魔人には勝てないわ』

 

 そんなことはない! だいたい、原作では普通にボスとして倒されてるんだ! 決して、紗月さんにとっての真唯さんみたいな存在じゃない!

 

『結局、友達を守りたいなんて嘘。ただ、自分が楽しみたいから、自分の都合を押し付けてるだけ』

 

 その通り! でも、紫陽花さんと一緒、その行動は事実だ!

 

『なんであたしこんなところに来ちゃったんだろ……』

 

 ホントだよ! 香穂ちゃんみたいな熱意があるわけでもないのに! でも、来ちゃった以上は、やるしかない!

 

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 脳内で、『わたなれ』を思い返しながら誘導を進めていく。一隻、二隻、着実に生徒たち載せたボートが救助船に向かっていく。途中、禍々しい魔力反応が出現したが、努めて無視した。どうせ屋上だ、避難には関わらない……うわーっ! 何か船召喚しやがった! 待機! いったん脱出待機! アブねー!

 

 だが、気付けば船内に残された生徒は一握り。下層で眷属と戦っている月檻たちと、屋上のヒイロ氏と……緋墨瑠璃。後は待機しているボートが数隻。概ね脱出させることが出来たようだ。教員たちも適宜一緒にボートで移動してもらったし、もう、この船の中には数えるほどしか残っていない。

 

 ただ、肝心のヒイロ氏の脱出はムリそうだ。アルスハリヤに果敢に戦いを挑んでいるが、流石に勝てる相手じゃない。既に瀕死の状態だ。しかも、様子を見ると完全に熱くなっている。とても逃げてくれそうにない。

 

 だけど、まだ生きている。なら、ワンチャン回収して逃げられるんじゃないか?

 

「……やるか」

 

 氏は丁度屋上にいる。風で吹き飛ばしてボートに載せれば、お手軽脱出完了だ。空きボートはまだあるし、近くまでいければ可能なはず。

 

 そして、急いで屋上に向かおうとして──

 

「……よぅ……」

 

 ──左腕を失ったヒイロ氏と対面し、言葉を失った。一目見て分かった。これは、もう助からない。全身血みどろで、彼の歩いてきた道にはべったりと血が付いている。どうみても致死量だ。これでは、救助船に載せたとしても、治療を行う前に死んでしまう。

 

 そんな状態だというのに、彼はそれでも真っすぐに前を見据えて歩いていく。

 

「緋墨を……頼む……あそこの客室に隠れてる……逃がしてやってくれ……」

「あ、ああ……。それで、ヒイロ氏はどこへ……?」

「エンジンルーム……」

 

 そうか。彼はアルスハリヤごと自爆するつもりだ。だが、どうする? それでは僕の渡した保険も発動しない、というか装置ごと壊れる。それなら、今救助船まで連れて行って、ワンチャン復活できる可能性に掛けた方が良いんじゃないか?

 

 だが、彼はそんな僕の逡巡を見抜いたかのように呟く。

 

「頼む……行かせてくれ……誓ったんだ……緋墨に……英雄たちに……」

 

 そして、彼はゆっくり僕の横を通り過ぎていった。

 

「見たか、あの姿。びっくりだろ。まだ希望を捨てていないらしい。本気で僕を倒せると思ってるんだ。自分ひとり程度の命と引き換えにね。ウケる」

 

 彼の後を歩いていたアルスハリヤが、呆れたように話しかけてくる。

 

「あ、そうそう。避難誘導お疲れ様。よく頑張ったね。そうだな、折角だし、ヒイロ君をぶっ殺した後はまずあの救助船を海に沈めるとするよ。君の頑張りに報いないといけないからね」

「……ああそう」

 

 僕の気のない返事に、アルスハリヤは少し眉をひそめた。

 

「なんだか余裕じゃないか。それって、もしかして自分は死なないと思ってるから? 確かに、今の君は分身だものな。でも、もう君の顔も名前も覚えた。僕から逃れ続けることは不可能だ。古い言い回しだが、君の一族郎党を殺し尽くすことなど造作もない」

「……そうだろうね」

 

 ヒイロ氏について、アルスハリヤについて、そして、百合について。ようやく考えが纏まった僕は、真っすぐアルスハリヤを見据えて、告げた。

 

「でも、もうどうなってもいいやって」

 

 少し呆気にとられて、それから奴はつまらなそうに目線を下げた。

 

「諦めたのか? それともそういう作戦か? どっちでもいいが、どちらも無意味だし面白くないぞ」

「さっきお前にした、百合の花の例えを覚えているか?」

「ああ、お前らが泥で、愛が百合だとかいう奴か。勉強になったよ。その点だけは収穫だったな」

「ありがとう。そう言ってくれて素直に嬉しいよ」

「なんだ、下らないおべっかか?」

「いや、だって──お前が、新しい『百合の守護者』になってくれるってことだろ?」

 

「──は?」

 

 そこでようやく、アルスハリヤはこちらの顔を見た。

 

「待て待て。どういう理屈だそれは。本当に頭がイカれたのか?」

「ほら。だってお前はもう『百合の守護者』とかいう意味不明なワードを理解している。素質あるよ(笑)」

「それは……いや、待て。そうか、こう言いたいんだな! 僕も既に、愛を百合として認識する、百合愛好家になったと!」

 

 その言葉を肯定するように、僕はにやりと笑った。

 

「──その通り。さっきの例えで言えば、お前はきれいな百合の花が枯れる瞬間が大好きな泥ってところかな。でも、百合の花の価値を認めているってところは僕たちと同じだ。そして、お前が枯らした百合の花が醜ければ醜いほど、人々はかつてあった百合の花の美しさを語るようになる。そして、その美しさはもはや何人にも穢されない。お前が、百合を永遠にする。最高のスクラップアンドビルドだ。悔しいけど、今ある百合を守ることしかできない僕らより、よっぽど向いてるよ」

「は、ははははは! なるほどな! そういうことなら、遠慮なく名乗らせてもらおう! だが良いのか? どんなに屁理屈を並び立てて僕を肯定しようとしても、結局お前が死ぬことには代わりないぞ?」

 

 そして、僕は新しい百合の守護者に向けて笑った。

 

「いいんだよ。実際、思ってたんだ。僕はフィクションの百合が大好きだけど、どんな素敵な物語も、いつしか語られなくなっていく。いつか、『わたなれ』も完結して何年もたったら、『ああそんな作品もあったね』なんて、言われてしまうのかなって。でも、さっきお前が言ってただろ?」

「なんだ?」

「『れな子とかいう主人公、チン落ちさせがいがありそう(笑)』って。思わず動転してお前の首を刎ねちゃったけど、お前の言う通り、ちょっと図星だったんだ。で、それで思い出した。『ストライクウィッチーズ』って知ってるか?」

「知るわけないだろ? 何だそれは」

「15年前くらいにやってた流行ったアニメでさ、結構ヒットして、続編とか外伝もいっぱいアニメやったんだけど、流石にそろそろ展開もなくなってさ。熱心なファン以外はもう記憶から薄れていくのを待つだけって感じだったんだけど、実は最近ネットで話題になってて。キャラ原案の人が、fant〇aで大量にそのアニメのキャラのエロ画像を公開し始めたんだよ」

「……だからどうした」

 

 本気でどうでもよさそうにアルスハリヤは相槌を打った。いや、どうでも良くないんだって!

 

「別にもともと百合好きだけに向けた作品ってわけでもないけど、それでも結構百合っぽい話とかキャラとか多かったのに、その彼女たちが平然とチ〇ポ舐めたりア〇ルセックスしたりする絵を原案が描いてるんだぜ!? そりゃショックだったよ。あくまで二次創作って本人は言ってるけどさ」

「……どうでもいいけど、君、一応未成年じゃないのか」

「でも、同時に思ったんだ。『少なくとも、僕はこの衝撃を一生忘れることは無いな』って。多分、そういうことだよ。『わたなれ』でれな子とか紫陽花さんがチャラ男にどうこうされる本を見たら間違いなく僕は脳みそ粉々になるけど、そういう人間が多ければ多いほどその同人誌と共に『わたなれ』の名前も残る。お前もおんなじだ、アルスハリヤ。お前が壊した愛や希望が素晴らしいほど、その記憶は後世に語り継がれていく。お前が百合を壊そうとする限り、逆説的に百合は永遠になる。だから、もういいんだ。それに、こんなくだらない話を長々と聞いてくれて、本当に感謝してるんだぜ? ヒイロ氏に言ったらマジで殺されそうだしな!」

 

 お、ちょうど5分くらいでキリよく話がまとまった。いやー、マジで最後まで話を聞いてくれるとは。アルスハリヤ、本当に良い奴なのかも。

 

「で、それはそれとしてさ! 一応ヒイロ氏のこと友達だと思ってるから、あそこまで痛めつけてくれちゃってムカついてるし、腹いせに今から自爆するわ! ここまで話を聞いてくれたお礼だから、気にしないでいいよ!」

「は?」

 

 魔人にも気付かれないとは、なかなか僕の魔法も捨てたもんじゃないな。先ほど呟いた起動ワード、『もうどうなってもいいや』から5分。この分身体のコアに集積された魔力を全開放し、空間内の魔術演算子に至るまで全てを球状に吹き飛ばした。そして、緋墨のいる客室や月檻たちのいる部屋を上空に巻き上げたことを確認し、僕の意識は途絶えた。

 

 いやー、ジークアクス、EDタイトルからしててっきり爆発オチだと思ってたけど、全然違ったな。

 

 

「って、そんなこと考える場合じゃない! 急げ急げ急げ……!」

 

 救助船の中で跳び起きた僕は、顔を拭いながら甲板に駆け出した。うわ、鼻血、ほんとに出てたんだ……って、見つけた! 

 

 海を見れば、豪華客船クイーン・ウォッチは半壊状態だった。その中で、上空に投げ出された2つの大きな破片に向けて、全力で魔法を発動させる。今まさに落下しようとしていた破片はふわふわと軌道を変え、その中の人影はさらにゆっくりとボートの上に着地した。

 

 「せぇええええええふ! あっぶねー……」

 

 その場にへたり込んで、大きくため息をつく。

 

 アルスハリヤと対面した瞬間、僕が考えないといけないことは3つ。ヒイロ氏に託された緋墨たちの救出をどうするか、ヒイロ氏をどうするか、そしてアルスハリヤをどうするかだ。優先順位もこの順になる。

 

 まず、自爆すること自体は最初から決めていた。本体が救助船で近くまで来れた以上、分身体の役割は終わっていたからだ。それに、単純に船を壊して緋墨たちを救助ボートまで運ぶには、そのくらいの出力がいると判断した。

 

 ただ、自爆するにしてもその範囲や風力を完璧に制御しないといけない。そのために5分という時間が必要だった。でも、その時間を稼ぐ方法は特に思いつかなかったので、適当にごちゃごちゃ話したらなんか行けた。まあ、さっきの船内での会話で意外と会話に乗ってくれる奴だと判明していたし、百合という概念には疎そうだったからワンチャンないかなーとは思ってたけど、まさかこんなに上手くいくとは。思い返せば原作でも結構喋りたがりな奴だったし、案外話し相手に飢えていたのかもしれない。

 

 で、肝心のヒイロ氏をどうするかだけど、それはもう彼に任せた。なんか自信ありげなこと呟いてたし、きっと何か策があるんだろう。ただ、僕の時間稼ぎが成功しすぎてアルスハリヤと決戦前に失血死しちゃったら困るので、念のためエンジンルーム近くまで風穴を開けておいた。アルスハリヤ用の直通エレベータだ。それに、風通しが良くなったから僕が遠隔でサポートできるようにもなる。

 

 さて。じゃあ、後は彼のたった一人の最終決戦を見守ろう。

 

『どうした? 僕は赤月琴莉公認の百合の守護者だ。君という紛い物を殺して、名実ともに百合の伝道師になろう。散りゆく花の儚さ、そして美しさを伝える伝道師にね』

『黙れ……テメェが、琴莉氏の名前騙ってんじゃねぇええええ!』

 

 あ、ヤバ。これ、本当に公認したことバレたら僕も絶縁されるやつじゃないか……って、ヒイロ氏強っ! アルスハリヤをボコボコにしてる! ……いいぞ! アルスハリヤに余計なこと喋らせるな!

 

 ……いや、強すぎだろ。さっきまで死にかけだったじゃん。こんなに強いんだったら、別に僕が頑張る必要なかったじゃん。

 

 と、思ったら、ボコボコにされたアルスハリヤが理由を解説してくれた。なるほど、棺杖(コフィン)ね。そういえばあったな、そんなアイテム。成功率1%とかだっけ、まあヒイロ氏なら引くよな。あれ、でも心臓に刺したってやばくね? 抜いたら死ぬじゃん。いや、そもそも自爆して死ぬつもりか。なら問題ないか。

 

 ……良くない! そうだ、アルスハリヤ倒せてもヒイロ氏死んだらゲームオーバーじゃん! その問題がぜんぜん解決してなかった!

 

 ヒイロ氏に保険で渡したアイテム、あれは僕がさっきまで使っていた分身用のコアと同じものだ。これは、自分の魔力を転写し、意識をコアに同期させる代物。そして、予めコアに込めておいた魔力で肉体を空気中に投影する。風属性と言えば分身かな、と思った僕が編み出した魔法だ。分身に意識がある間は本体が動かせないのが難点だけど、今回のオリエンテーション合宿には大いに役立った。こうやって、本体に意識がある時に救助船をあらかじめ呼び寄せることも出来たし、アルスハリヤに自爆をかましたりも出来たし。

 

 ただ、意識をコアに移すというのが人によって大いに適性が別れるところらしく、会社の10人くらいで試したけど、僕以外には使用できなかった。そんなに難しくないと思うんだけどなぁ。

 

 とにかく、僕の計画ではあれに一時的に意識を避難してもらって、あとでヒイロ氏の肉体を修復して生き返らせる予定だった。人体実験になるから試したことないし、それでもヒイロ氏ならもしかしたらいけるかも……程度の賭けだったけど。だけど自爆するなら一緒に壊れちゃうよなぁ。おしいなぁ。三条燈色って原作でも魔人になったりしてたし、意識を魔術演算子とかそういうのに移すの行けると思ったんだけどなぁ。

 

 ……いや、まてよ。いるじゃん。そこに、原作で三条燈色を魔人にした張本人が。

 

 あの船の動力となるエンジンルーム。もしそこが爆発すれば周囲の空間は魔術演算子ごと吹っ飛ぶ。僕の自爆を遥かに上回る威力だ。こんどこそアルスハリヤは消滅するだろう。生き残るためにはどこかに避難するしかないが、あの空間で魔術演算子を格納できるものは一つだけ、ヒイロ氏だ。爆発で消滅しようとするヒイロ氏の肉体を再構築し、その内側に隠れる。もし奴が生き残るとしたらそうするほかない。

 だが、それは僕にとっても歓迎すべきことだ。理由はどうあれ、氏の肉体が生き残るのだから。それに、氏ならきっとアルスハリヤに乗っ取られたりはしないだろう。

 

 つまり、アルスハリヤがこれまで数千年を生き抜いてきた通りのしぶとさを発揮し、ヒイロ氏がこれまで通り謎の運命力を発揮すれば、ヒイロ氏は良い感じに生き残る。うん、なんだかいけそうな気がしてきたな。

 

 でもまあ、ちょっとだけ手助けするか。

 

『百合に挟まる男は死ね』

 

 ──そんなこと言うなよ。君は百合に挟まる男じゃない。しょうがないんだ。男が現実の百合を楽しもうとすれば必然的にそうなってしまうんだ。それに、君がいなくなったら、君が愛した、君が認識していた百合そのものも無くなってしまうんだぞ。僕はまた、君が話す百合の話が聞きたい。

 

 小さな風を起こし、エンジンルーム内の魔力の密度を揺らす。アルスハリヤが爆発に巻き込まれる時間をコンマ0.001秒遅らせるために。あいつが、生き汚くあがこうとする時間を作るために。

 

 そして、轟音が響き渡り、救助船が大きく揺れた。爆発が起きたんだ。海を見れば、クイーン・ウオッチ号から大きな煙が上がり、真っ二つにちぎれようとしていた。沈めば大波が起きる。この船も危ない。ボートはもう全て収容できただろうか。

 

 だが、僕が気になるのはヒイロ氏の安否だけだ。『シャルシェ』が繋ぐ映像は、爆炎に包まれていて良く分からない。

 

 もし、アルスハリヤが肉体を再構築できたとしたら、そのまま船内に留まることはしない。その権能を使い、自らの異界へ身を潜めるだろう。だが、もしそんな余力もなかったとしたら? 肉体はそのまま残っているはずだ。そして、異界から眷属を呼び寄せ、肉体を回収させる。つまり、まだ船内にいる可能性はある。

 

 感覚を研ぎ澄ませる。そして、船が倒壊する轟音が響く中で、小さな足音が聞こえた。姿は見えない。続いて、何かを引きずって歩く音。そして、それきり異音はなかった。他に出来事と言えば、空気中に含まれていた僕の魔力の内いくつかが、突然異界に消失したことくらいだ。

 

「は、ハハハハハハ!……やっぱり凄いな、ヒイロ氏。本当に、悪運が凄いというか、なんというか……。とりあえず、『わたなれ』は4Kで録画しておくから、帰ってきたら一緒に見よう……隣で初見のキミの反応を見るのも楽しそうだしな、ハハハ……」

 

 甲板の上に寝ころんだ。周りは爆発やら波やらで大変そうだが、今はとにかく空がきれいだ。スノウさんへの報告どうしようとか頭の片隅によぎったけど、無かったことにした。とにかく、こんなにも清々しい気持ちで『わたなれ』アニメを迎えられるなら、頑張った甲斐があった気がした。

 

 さあ、僕たちの出番は終わった。だから、次は君だ、れな子。君の頑張りを、地上波で魅せてくれ。

 

 




アニメ『私が恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)』は2025年7月7日深夜1時より放送開始!
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