そして、オルクセンからまた別の国へ―。
そんなお話が未来で起きた出来事です。
海を渡り、旅をして 遠い地から、また戻る。
これは、ある物語がキャメロットの雑誌で連載されたことに始まるお話。
それはキャメロット中で読まれるほどの大ヒットとなった。
一大ジャンルの勃興ともなったそのお話は続編も次々作られて行く。
当然、その物語はキャメロットと関係のあったオルクセン王国にも波及。
著者と契約を結び、低地オルク語に翻訳し、発行される事となった。
ここで一つ問題がある。
キャメロットは人間族の国で、当然その物語の登場人物は人間族で描かれている。
しかし、オルクセンで発刊するに、それでは馴染みが無い。
オルクセンに人間族がいないでも無いが、やはり少数なのだ。
かといって、オークを登場させるにはちょっと不自然な気もした。
そうであるならば、いっそ……。
と言う事で、文章はそのまま翻訳したが、大胆なことに挿絵を全部コボルト族にしてしまった。
それは、ささやかな遊び心であったがオルクセンでは大いに受け入れられた。
そして、発行された小説は当然の如く発行と同時に大ヒットした。
本屋に入れば飛ぶように売れた。
舞台化もしたし、後年に映画と言う物が出来ると映画化もして、やっぱり大ヒット。
何なら主人公が身に着けているような服飾品も飛ぶように売れて、なりきりのファッションを楽しむ者すらでた。
さて、ここからだ。
当時、グスタフ王は道洋に強い興味を示し、秋津洲と貿易をしていた。
貿易とは双方向のやり取りだ。
向こうの物が入ってくる、と言う事は、こちらから出ていく物もある。
そんな中に、オルクセン王国で翻訳されたその小説も入っていた。
秋津洲で翻訳して売り出してみたら、どうしたって面白いから、やっぱり大ヒットしたが、律儀にも挿絵を変えずに出版。
登場人物は全てコボルト族だと認識されたまま広がり、根付いていく。
そして、それからずっとずっと未来の話となるが―。
秋津洲でアニメーション文化が花開き、アニメが大量に作られていく。
数多くの作品がアニメ化し、楽しまれて行く中で、その人気小説もアニメ化の流れとなるのは当然であった。
コボルト族の挿絵で広まったから、コボルト族の絵で!
子供に向けたからか、アクション多めだったり人物設定などに多少の改変はあったのだけれど。
そして、作品は海を渡り再びオルクセンへ帰ってくる。
キャメロットからは、登場人物の種族が違う事に苦言を呈した者もいたが、オルクセンでは道洋から輸入された、そのアニメが大いに楽しまれたという。
それは、ある探偵小説の小話である―。
終
コミカライズ版のコボルト族が愛らしくて仕方ありません!w