【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ   作:日λ........

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苦労の果に覚醒したが、結果は貧弱クソザコフリスビーマンな件について

 

 

前世の記憶に目覚めたのはほんの数ヶ月前の事だった。きっかけは本当に些細な事だったんだ。節約して必死に給料を貯金して、ついに買えた最新のパソコン。ワクワクしながら箱から開封して、それを起動したときのOSの起動音を聞いて、なんでか酷く懐かしい気分になった。

 

初めて聞いた筈なのに。まるで過去にその起動音を聞いたことでもあるかのような郷愁が襲われたのだ。おかしいな?と思いなんの事だったか思い返してみると……頭が割れるような頭痛と共に、この23年間の人生とは別の、前世の頃の自分の記憶が流れ出してきたのである。

 

そうして頭痛が収まった後、なんで懐かしい音に感じたのかを俺は理解した。

 

 

「生まれ変わっても前世と同じ初購入のPC買うとか、死んでもオレの趣味って変わらねぇんだなぁ」

 

 

学生時代からのPC好きが高じて、自作のパソコンを組むまでに至る理由になった始まりのパソコンが、壊れてしまうまで使い倒した思い出のあるディスプレイが、箱出しの新品で起動している姿を見て思わずにっこりと笑ってしまった。

 

だが、前世の記憶に目覚めて懐かしいと感じたがゆえに、前世ではもう無くなってしまった掲示板でスレでも見ようかと板を開いた後、そんな余裕は消し飛んだ。

 

 

「★転生者雑談スレ?はは、どーせ釣りスレだろ……ん??」

 

そうして板にアクセスする為に要求されたパスワードは前世での名作アニメのタイトル。しかし、それはまだ今の時代では放送どころか発表すら10年は先になるであろう未来のアニメのタイトルであった。覚えていたそれを打ち込むとパスワードが一致し、難なくアクセスする事が出来た。

まさか俺以外にもこんな経験してるやつが本当に居るのか??そう疑問に思い過去ログをROMっていると、見過ごせない単語やら証言の数々が出てくる出てくる。そして、恐ろしいことに今生での記憶に証拠になりそうなものが何個も出てきてしまった。

 

「……前世では無かったメシア教とかいうカルト宗教団体の建物が割と街で見かけたり、かのマサカド公を沈めるための首塚が皇居の付近からGHQの工事で再開発時に撤去されてたり、あの夢の国の名前が東京ディスティニーランドになってたりしてたなそういや……えっ、イヤ、マジで???」

 

創作界隈の中でも、転生したくなんてない世界ランキングに上位に位置しそうな女神転生シリーズ。そんなゲームの世界に、オレは生まれ変わってしまった可能性があった。

しかも、もしそれが事実なら状況は相当にマズイ。メシア教、アレはゲームのそれそのものであれば相当苛烈で狂気的な十字教系のカルト集団であり、もし現実に存在するなら100%ヴァチカンから異端認定待ったなしな狂気的な破戒者達であった。人体改造手術やクローン技術を使って自分達にとって理想の救世主を『作ろう』としたり、人々を拉致して洗脳したり聖母としようとしやがったりとおおよそ神やその子供である救世主の遺した教えに従って道徳的に生きようとする本来の十字教とはかけ離れた存在である。

 

そんな危険なカルトであるのだが恐ろしいのは神の声が聞こえなくなった結果バグった四大天使が作り上げたものである事だ。

『神の力』であって神ではない天使の下僕になっているとか十字教としてアウトにも程がある。天使信仰は異端扱いされているのだがこういう事態を避ける為だったのかもしれない。

だが無情にも女神転生というゲームにおいて天使とは『そういう種族の悪魔』なのだ。到底常人では抗えない力を持っている上、大天使達の威光は善良な十字教徒であっても魂を屈服させ精神汚染してメシア教に作り変えてしまう。宗教における癌細胞のような存在だ。

そしてこの女神転生というシリーズの率役者であったゲーム作品三作品目である『真・女神転生』において、世界が滅んだ原因を産んだ元凶の一つでもあった。

 

「なんで唐突に前世の記憶なんてもん思い出したのかも分かんねーが、コレがマジだったとしたら特別な力も何も持ってない転生しただけのオレとか悪魔のいい餌なんじゃねーかな……」

 

そうしてスレを読み漁り数時間。ようやく現行のスレまで読み進めていき最新の更新を掛けた時に、その人物は現れた。

自称デビルサマナー。ただしメガテン的な悪魔召喚プログラムなんてもんは使っていない、紙を使って式神を操る古典的な術士。なんと富士山の霊地にある神社の神主であるという。

 

「この流れなら、釣りだとしてもスレの住人達で富士山に登る経験をしたってだけの思い出話になるか。正直死ぬほど怪しいが、真面目に女神転生の世界だとしたらこのまま何も力を持たないで居ると死ぬより酷い目に合うだろうからな……」

 

星霊神社の神主を名乗るその人物が開催した、修行兼登山オフ会。

そこで修行を行うも中々覚醒を果たせなかったオレは、その主催である神主こと通称ショタオジの提案で、やる気のあるもの限定で行う厳しい修行に挑む事となった。

 

このハードコースの修行は、言ってしまえば臨死体験フルコース。生命の危機から来る覚醒を誘発する為の物だ。

俺達には時間がない。ショタオジの占術によれば、後5年程度で世界に終末が訪れる流れが来てしまっているらしい。ICBMか、津波か、シュバルツバース現象か、それとも全く別の故知らぬ脅威か。何が理由かは分からないが最早この流れを全て断ち切ることは難しいとのことだ。

そしてそんなことになれば俺達が待ち望む日本で生まれるであろう数々の名作、アニメや漫画、映画に特撮にゲームなどが生まれることすら無く消えることは間違い無い。それら全てを守るとまでは行かないだろうが、創作を続けられる環境を維持できる場所を作り上げる位のことはしたいというのが現状共通の俺らの意見である。もっとも、先行きどころか青写真すらない状況であるためどこまでやれるかはまだ分からないが……足掻くことは無駄ではない筈だ。そう信じたい。

 

何を成すにもまず力が必要となってくる時代が迫ってきているのだと悟った『俺ら』は自分達が望むもののために、一部の志願者はその拷問じみた修行を受けた。そう、受けてしまった。

 

 

 

 

 

オレ達はそこで地獄を味わうハメになった

 

 

 

 

 

 

 

その内容については多くは語るまい。というか語りたくない。思い出したく、ない。

ただ、今思うとオレの場合無駄に根性出し過ぎてしまったせいで、知覚している死亡回数が3ケタを超え、疲れ果てたが故の過労死で目覚めるとかいうアホな事になってしまったのかもしれないなと思っている。

 

 

 

もっとも、そんだけ頑張って目覚めた力には、スキルとしてまともな攻撃手段が無いだけでなく装備制限もバチクソに掛かっていた為、覚醒後のレベリングにもオレはこの後苦労して行く事となった。

 

 

 

 

 

 

武器として円盤状の物しか持てないのは、何でなんだろうなぁ

 

 

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