【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ   作:日λ........

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残響

 

 

 

 

修行用の異界の前に、集まったメンバーで入るとペルソナ使いのモモメノさんの姿が自然と切り替わった。

それまでは頭のケモミミを隠すために身に着けていたフードは消え、紫色のドレスになんとも言えない表情の白色のウサギのぬいぐるみを手に持ち、頭には小さい王冠が置かれ、その顔は目元を隠すベネチアンマスクで飾られていた。

 

「反逆フォーム……?!そうか、モモメノさんってそっちのタイプのペルソナ使いだったのか!怪盗服……と言うにはなんか違う気がするけど、そうやって衣装が変化するのは始めてみたぞ」

「ボク達が知ってるトウキョウのペルソナ使いは皆こうだから、逆に他のペルソナ使いがどうなのかが気になるけど……コレがボクの戦いの意志が具現化した姿だよ。まあボクの場合、ナビだから直接戦いの場にいるって感じじゃないけどさ」

「ただフリスビーニキにその声でその反応されるとちょっと変な気分になるな。元祖『反逆のペルソナ使い』とほぼ同じ声だからな」

 

そうナイトニキに言われて同意するトーコさんに?マークを浮かべるモモメノさん。転生者と普通の人には埋められない溝ってのはかなしいことだがこのように存在してるのである……!!(※当然のことであるが、この世界にATLAS作品は存在して無い)

 

……転生して、カス子ネキに言われてから初めて気がついたが、オレの声はペルソナ5の主人公であるジョーカーの中の人ととてもよく似ている。まあ自分の声についてなんて意識しなけりゃあんま気にしないが、たまにジョーカーっぽい言い回しやらモノマネを他の俺らから求められることがたまにあったりする。まあ、オレはペルソナ使いじゃないので反逆フォームなんてなれんから怪盗服を着るにしてもコスプレにしかならんし、モノマネの精度だったらどちらかというとルルーシュとかのが高かったりするけども(こっちのが地声に近い為)

 

 

「まあ、それがなんだかわからないけど、ここからはボクが支援させてもらうよ」

 

ブチッ!!

 

「見渡せ……!!【エウリュディケ】!!」

 

 

顔に張り付いた仮面を引きちぎり、反逆の意思を昂ぶらせることで自らの『心の底に潜む、もう一人の自分』を具現化させる

 

青い炎と共に、モモメノの背後で形を成していくそれは『バイザー型の仮面を被った、赤い袖付きの服を身に纏った黄緑色の髪の少女』へと変化すると、仮面が剥がれたモモメノの顔にその手を被せた。

 

 

『あー、あー。てすてす。ボクの声が皆聞こえてるー?』

 

すると、不思議なことに一言も喋っていないはずの彼女の声が頭の中で響いた。

 

『OKOK、聞こえてるみたいだねー?更に更にー?こんなものもプレゼントだー!!』

 

彼女がそう言うと、なんと視界の端に小さい地図のようなものが浮かんてきた。自分たちを表す現在位置を中心に、他のメンバーもわかり易く表記されている。

 

「なる程こりゃ便利というか、タルタロスとかマヨナカテレビとか、メメントスとかのランダムダンジョン化してる異界探索するなら必須だわな。マッピングソフト改良の参考になるな……」

 

おまけに少し意識するだけで見えない状態にすることも一瞬で表記することも可能。戦闘における邪魔にもならない。

 

『他にも耐性アタックしたりアナライズした後の敵の弱点の情報をひと目で分かるようにしたり、ボクが歌う事で発動するスキルでMPをターン経過ごとに回復させたり、ステータス上昇させたりも出来るよ。歌い続けると疲れちゃうからそんなに連発はできないけどね』

 

これらの行動を自分はどこに誰が居るのかを、どの場所がどうなっているのか解析しつつ、異界の入り口の前とはいえ戦闘領域の外にいて余裕で出来るという破格っぷり。本人の戦闘能力は低いとはいえ、そうやってナビをしていると戦っている者達と同じようにレベルアップもするというのだから俺らではないこの世界の日本の異能者の能力限界は低いという下馬評が冗談に思えてくるほどの能力であった。

※ただしペルソナ使いに関してはそもそもが希少な上、変な風に外側から干渉されてない限りはその限りでは無い、という話である

 

(しかし……エウリュディケか。たしかオルフェウスが冥界に行った原因の恋人だっけか。初めて見る筈なのに妙な既視感があるのは何でだ?)

 

初めて見た筈なのに、妙に懐かしさを感じる既視感。そして受け取る支援の力も初めて受けた支援効果とは思えない程、その力に安心感があった。

 

 

 

__コール、■■斑

 

 

 

 

 

不意に、そんな声が聞こえた気がした。

 

それは聞き覚えのある相棒の声/初めて聞く少女の声、だった。

 

 

 

 

「フリスビーニキ?」

「マスター?」

 

ナイトニキとシュテルの声に、ハッとして辺りを見回す。……どうやら、狐に化かされていたらしい。

 

「ごめん皆、少しぼーっとしてたわ。よし!!」

 

パシンと自分の頬を打つ。気力が入る。

 

「今日も修行、頑張ろうか!トーコさんとモモメノさんとはオレは初めて組むし、シュテルに至っては初戦闘だから、あまり無理せず慣らす事を意識して潜っていこうと思う。ナイトニキには少し悪いけど、今日はそんな感じでいいかな?」

「うん、それで問題ない。モモメノ、ナビを改めてよろしくな」

「任せてよ兄さん。改めて皆も改めてよろしく。ボクもここから精一杯ナビさせてもらうよ」

 

そうして、各々準備が整い次第、オレ達は修行用異界へと突入していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイア連合東京支部。それはガイア連合の支部の中で最も同じ都道府県内に別の支部が分けて設立されている例外的土地である。

この東京の土地は俺達の間では『呪われた土地』『日本が滅ばなくても東京は滅ぶ』『メシア教が平然と活動しているやばい場所』などと言われ、大抵のものは転生して事実を知ったら脱兎のごとく別の土地に引っ越す厄ネタでしか無い土地だ。

 

そう、大抵のものならばだ。東京支部を設立させている者達はその大半に当てはまらない者達で構成されている。理由があってどうしても東京を守りたい者。自分自身はともかく家族や友人、部下などが東京以外に行くことができない者。

 

これらはまだいいがそもそも日本の国民ではなく海外にいた俺らが亡命がてら自分たちで作った組織ごと日本に来た者や、前世の知識に目覚めた時点で非合法組織に席を置いていた者達等のガイア連合内でも住み分けが必要な者達も、東京には放り込まれている。外人でもヤクザ等非合法組織の人間でもルールさえ守れば違和感なく街に居れて、問題なく活動できる場所となると皮肉なことに東京が一番適任だったのである。

 

更にいうならば、それらの存在が必要になる場所も東京であった。たしかに東京のGPは地方と比べて控えめだ。だが、そんなものは人の悪意が加わればいくらでもひっくり返る。

首都であり、メシア教が巣食い、常に人に狙われている東京は表側的には平静を装っているものの、裏ではとんでもない外道行為や人を人と思わないような所業が平然と行われていた。それらから人を守る、自分たちの身を守る、理不尽に抗うための人材には需要があったのだ。多少非合法であっても。

 

最近ガイア連合が普及させ始めたガイアポイントを使用するためのカード。その色により転生者とそれ以外が分けられ、黒札という転生者達の俗称が出来つつある今日この頃であるが、その黒札がリーダーをしている海外から半ば亡命気味に来た組織は東京に居ることを条件にガイア連合入りを許された。

 

尚、表向きはこれらはガイア連合の支部として存在していない秘密組織であり、現状では第十三支部である【ノーデンス・エンタープライデス】が表向きの『ガイア連合東京支部』となっている。他の東京支部と比べて真っ当な企業であり、現状唯一表側に出せる支部だからである。

 

 

長々と語ったが、要するに海外から逃げて日本に来ようとした俺ら向けにショタおじが用意することを提案した逃げ口の一つが、ガイア連合にとっての東京という土地である。

 

GPこそ抑えめであるが、その分人の悪意がマシマシな環境下に対応できる人材を集めた結果、ダークサマナー上がりの海外勢の黒札や前世の自覚以前から元々海外の霊的組織で働いていたり、ウェットワーカー上がりの者やマフィアやヤクザ等表沙汰にできない面々が揃ってしまったのであった。

裏社会で犇めき、なんとか致命的事件が起きるまでは終末が来るような事件を防ぐ為に日夜活動しているのが東京のガイア連合のメンバーたちであった。

 

尚、こんな厳ついメンバーではあるが根幹は『終末になってもファミチキが食いてぇ』という願望の元に善意でガイア連合に協力しているヒーホー共である。所詮俺らは俺らであった。

 

 

 

 

 

ガイア連合東京第十三支部

【ノーデンス・エンタープライゼス】社長室にて

 

 

「アルル、他の東京支部からの定期報告はもう届いてるか?」

「えーとね、第八支部の【東城会】の桐生さんから例の脳缶ニキを缶詰したメシアンの足跡を追った結果見つかった事件の後始末に着いての報告書が来てるよ。いわく『ヤクザが天使相手に赤玉製造の阻止をするとかどんな皮肉だよ』だってさ」

 

 

ピキリ、と額に皺が1本増えたその眼鏡の男はズレた眼鏡の位置をクイッと直す。

 

「よし、続けてくれアルル」

「 分かった!次は第四支部の【ファントム・ソサエティ】からの報告だね。横浜中華街一体が異界化して、土地の守り神として復活した英雄カンセイテンクンと協力して中華系マフィアが呼び出した邪神トウテツを倒したって春日一番さんから報告きたよー。今は巻き込まれた民間人の保護や消えきらなかった異界化した場所の封印をムナンチョさん達の教団がやってるみたい」

「よしわかった次だ次」

 

ピキリピキリ、と額に走る皺が二本増え、段々と表情が険しくなってきた眼鏡の男は自身の専用シキガミ兼秘書である『アルル・ナジャ』に続きをもとめた。

 

「次は……おっ、第一支部のVault-Tec日本支店のネイトとノーラ夫婦からいい知らせが来てるよ!!マサカド公の首塚があった場所に建てられたメシア教関連施設を買収に成功したって!!核シェルター建築の為の土地の買収にみせかけたのが良かったみたい!!公の首塚はメシア教から隠して再建しつつ、皇居周辺に核シェルターを建設する予定だってさ!!」

「ん、唯一のいい知らせだな。まあ、最悪の状況からは脱することは出来たといえるかな。組織の性質上どうしても後手に回らざるを得ないのキツイよホント……公が沈められない程の荒御魂になってなければいいけども」

 

 

 

そう言って額によった皺を解すかのように指で額を押したその男は、社長席から立ち上がり横においていた背広を着込む。

 

「全く、魔界からなんとか帰ってこれたと思ったら地上もコレとかどうなってるんだ。ホントならセガを支援するごん太なスポンサーになれる会社作って、セガをゲーム機戦争で勝利させた後に隠居する気満々だったんだけどなぁ……」

 

 

カカカカッ!!

 

ガーディアン使い『嶋㟢 陽介 LV80(異世界おじさん)』が現れた!!

 

 

ガイア連合東京十三支部長兼、ノーデンスエンタープライデスCEO。そんな彼は学生時代に事故で魔界に落とされ、数年前に地上に帰還した『魔界帰還者』である。

 

彼はその経歴を買われショタおじこと星霊神社の神主にスカウトされ、唯一魔界で友達になれた少女型の悪魔の『ナジャ』の遺品であるフォルマを元に、シキガミを作ることを交換条件としてスカウトを受けガイア連合入りした現在の東京のガイア連合支部群の取りまとめ役であった。

 

 

 

 

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