【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ 作:日λ........
「しかしこれ、またドえらいもん作ったなとは思ったが……どういう原理で合体してるんだコレ?悪魔合体の法則とはまた違うもんなのは分かるが」
【技教の館】を代名詞である鋼の義手であるオートメイル……もとい、メガテン世界であるがゆえに前世の世界よりも早く作られていたCOMP機能搭載型サイバネティックアームで稼働させているエドニキは、手持ちの低ランクスキルカードを合体させ色々と試した後、そう言った。
2枚を1枚に統合して情報精度を上げるのは分かる。しかしどうもそのやり方が単純にスキルカードを組み合わせればランクが上がるという単純なものでは無い事を『ランクが上がるどころか下がったカード』を見て彼は見抜いていた。
「これの参考にしたのは、脳缶ニキが詳しいデビルチルドレンシリーズの悪魔の合体の一つである純血合体だな。同じデビルを合体させてくことでそのデビルを姿形を変えないまま強くする方式の合体なんだが、そこにスキルカード特有の法則も組み合わさってるんだ」
「スキルカード特有の法則だと?」
「ああ、スキルカードは同じ名称の同じランクのカードであっても、構成情報が異なる代物なのはシキガミを扱う技術部の面々なら皆知ってると思う。そこに目をつけて自分の目で情報を解析していくとそれには一定の法則が働いてる事を見つけたんだ」
オレの目は注視して見たものを電子データ、情報に変換する異能があり、これを利用して現実世界で敵にハッキングを仕掛けているのだが、こういった情報解析の際にも役立つ代物である。霊視ニキのように見鬼用に特化されている訳では無いので戦闘中のアナライズはGUMPのが使いやすく、そちらを使っているのだが非戦闘時では色々と小回りがきく眼であった。
「驚いた事に、コレはかなり簡略化された遺伝子構造に似ていてね。それぞれ正の値と負の値があって、正の値に偏っているものが所謂高ランクのスキルカードだったんだ。だから、後天的にこの正の値に偏らせることで高ランクスキルカードを製造する事も可能なのでは??って思って実験をしてね。そのために作ったのが『技教の館』の原型になったスキルカード合成プログラムなんだ」
「じゃあランクが下がったスキルカードは負の値に寄っちまったカードなんだな。ん?じゃあ……極端に負の値に寄っちまったスキルカードって一体どうなっちまうんだ??」
「良い点に気がついたねエドニキ。ここにその極端に負の値に寄ったタルカジャのスキルカードがあるんだが、解析してみてくれ」
「OK。アナライズシステム起動……ってこれ唯のタルンダのスキルカードじゃねーか!!……って、もしかしてそういう事なのか……?」
エドニキが手にしたスキルカードの情報を解析していく。どこからどう見ても、それはシキガミ製造の際に何度も取り扱ったことのあるタルンダのスキルカードであった。
「全てが全てって訳じゃ無いだろうけども、おそらくこの『負の値に寄り切ったタルカジャのスキルカード』を見る限りだと一部のカードはそのまま効果と性質が反転すると思われる。ただ、まだまだ収集データが不足してるから結論を出すのはまだ早いと思うけどね。前の生配信動画で見せた『上振れ』の原因含めてまだ分かりきってない部分が多すぎる」
武器シキガミや人外型シキガミを相棒にしている俺達が血眼になって探している『変化S』のスキルカードを見て、思わず頭を抱えた。
実はこれ、あの放送の時に初めて起こった現象なんだよね……Bランク同士をかけ合わせてSランクスキルカードを生成する事はあったからそれにあわせて段階飛ばして上位のカードになった時の音声を技教の館の主が喋ってくれてたけども、Cランクが急に三段階上昇してSになるとまでは思っていなかったのである。
とはいえ同じカードの合体ならば、Sランクの壁を超えてしまうことはほぼ無いだろうとショタおじからもOKが出ているので問題ない筈だ。『同じカードの合体』ならば、だが。
「……実は実験段階では別種のスキルカードを合体したら低確率でスキルの域を超えて神や悪魔の【
「よくショタおじからの査定通ったなオイ!?このソフト結構な劇物じゃねーかやっぱ!?」
「そこに関しては占ってもらった結果デメリットよりも圧倒的にメリットの方が勝るって結果になったから辛うじてボツを食らわずに済んだ形だ。ガイア連合メンバーの全体の実力の底上げ、経済に良影響、更には終末後の人類の生存率にも貢献するってさ。まあちゃんと対策もしてあるから大丈夫な筈だ」
あくまでみんな欲しがってたのはスキルカードであって権能では無いだろうし、基本的に誰でも使えるスキルカードと比べてカード化した権能は基本的に使い勝手が悪過ぎる上、ここまで来ると技能のみのカードとはいえ悪魔からの干渉の危険性も無視できない。なので合体する素材の上限をAランクスキルまでとした上で、別種のスキルカードを合体させて別種のスキルカードを作り出す『スキルカード合体機能』をオミットする事で正規版である『技教の館』では対策をする事となった。
「と言う訳でエドニキ、唐突だがここに三枚のカードがある。エドニキを山梨支部の技術部の代表者としてコイツらを渡しておくから使わなきゃならんと思った時が来たら遠慮なく使ってくれ。ショタおじからの許可も降りてる」
「……話の流れから察するに、もしやこの三枚がその権能のカードって事か?」
「そうだ。それぞれ【
「りょーかい、とはいえこの格のスキルとなると暫くは使わずに封印する事になるだろうなぁ……
「心労を掛けて申し訳ない。お詫びといっちゃアレだが、スケベ部からもらった悪魔しょうかんの特別優待券を渡しておくよ……オレは使わんのにいつもお世話になってるからってミナミィネキがおいていった代物なんだが」
「困ったことがあったら何時でも言ってくれよな!!俺とフリスビーニキの仲だろ??」
キリッとした笑顔で、渡した優待券を手にしてエドニキはサムズアップしてそう言った。エドニキはスケベ部を公言してるから喜ぶとは思ったが想像以上に食いつきが良い。溜まってる優待券の使い道が出来たかもな(遠い目)
「というかフリスビーニキ、そっちの方はいいんか?男なんだから貯まるモンは貯まるだろうに」
「前世の頃からそうなんだが、そーいう溜まった欲求だとかストレスを創作意欲とかに変えて一気にぶつけちまうタイプでな。新作作って世に出した今はむしろ萎えてるわ……今一番恋しいのは自宅の布団だな」
あとコレは個人的な性癖というか欲求というか、拗らせてるんだろうけども、だからこそ譲りたくないんだよなって一線があるのである。
「それにオレは純愛主義者なんだ。シキガミを嫁として作ったとしてもまずは過程の方を大事にしたい位にはな」
「ロマンチストだねぇ……ま、専用シキガミ優待券を渡されて、実利の面すらすっ飛ばして何ヶ月も本気で悩んでたフリスビーニキらしいといえばらしいな。だが、待たされてる側は気が気じゃないかもしれないぜ?そこはちゃんとフォロー入れてやれよ?」
「そうだな……ナイトニキの喫茶店に寄ってケーキでも買って帰るか。ここ数日根を詰めてたからシュテルの事を労ってあげないと。それじゃそろそろオレは帰るなエドニキ。オレが行かない分楽しんできてくれ」
「ああ、また来いよー!!」
こうしてエドニキに渡した三枚の権能カードの内一枚、『シナイの神火』は、帰っていったフリスビーニキと入れ違いで山梨支部へのやってきたとあるイイ男__破戒僧として名が知られている阿部さんことアーニキが連れてきた九割死にかけの現地民の少年の肉体に、シキガミボディとの適合率が高まるからという理由で早速ぶち込まれることになるのであった。
更にいうならば、何分急な話であったのでその少年に移植するシキガミパーツが足らなくなり、フリスビーニキのシキガミであるシュテルを作る際に出た肉体の整形不良をなんとかしようとして色々と手を加えていた余剰パーツをその少年に使う事になり、その少年の見た目が『シュテルに』近寄る事になってしまったのだが……それはまた別の話である。
この日、ガイア連合により一人の改造人間が産まれた。彼を改造したガイア連合は世界の平和を(終末後でもファミチキが食べたいなどの個人的理由で)願う善(意の協力者達)の秘密結社である。
こうして彼__鷹村ハルカは人類の自由と尊厳を守る戦士、仮面ライダーとなり、神や悪魔から抗う我々ガイア連合の同胞の一人となるのであった!!
裏話
ハルカ君の存在とネタ被りを知ったのはシュテルを出した後に指摘されてだったんや……許してぇ(読んでみて面白かったッス)
それと、スキルカード合体プログラムの挙動には元ネタがありまして……初代プレステの名作『アストロノーカ』っていう宇宙の野菜を育てるゲームの配合システムそのまんまだったりします()