【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ   作:日λ........

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不穏な夢と未来への備え

 

 

 

まず初めに自分が覚醒したことで目覚めた一つ目のスキルは【ディフェンスゲイン(ラクカジャ)】であった。これ自体は割と悪くないというか当たりである。防御バフを使えるということは相手とのダメージレースに勝ちやすくなる。初めのスキルとしては悪くない代物だ。

 

問題なのは自分が装備可能な物の範囲が矢鱈と狭い事である。なにせ装備可能な物で神社内で見つかったのが昔ショタオジが家族で使ってたものの今は蔵の中で眠っていたという【鍋のふた】のみである。どうも円盤状の物しか装備出来ないようで、その中で金属製で武器としてかろうじて使えそうだったのがこれくらいしか無かったのだ。皿とかCDとかでどう戦えと言うのか(遠い目)

 

無理にまともな武器を装備したら?覚醒状態が不活性化してレベル0へ逆戻りである。あれにはショタオジさんも焦っていたしアレだけ厳しい修行の成果が無に帰したかと思ったオレも思わずちいかわみてぇに泣いた。幸い武器を手放したらすぐに元に戻った為、とりあえず使えそうなものを……と色々出された結果どれもこれもまともな武器は不適合の為か覚醒不良を引き起こし、ヤケクソで構えた大きめの鍋のふたのみがそれを起こさなかったのが円盤状の物しか装備出来ないと判明した理由であった。

 

流石にチャクラムなんていうキワモノ武器をすぐに用意できる筈もなく、他に装備出来そうな物が見つかるまでの間に合わせとしてショタオジが軽く術をかけて補強をしたというそれを自分は受け取ったのであった。

 

そうして軽く戦闘の訓練として基礎的な体力作りと身体の動かし方の講座を修行僧の皆様から学び、第一回目の霊山オフ会は終了した。本当はもっと修行を重ねてレベルを上げたかったものの、長期休暇を利用しての参加だった為1度自分は自宅に戻って色々と用事を済ませる必要があった為だ。

 

何せ自分はたまたまあの霊山オフ会をやっているタイミングで前世の記憶に目覚めただけのしがないPCショップの店員でありただの社会人である。霊視ニキのように明らかにその手の道の人でもなければ、セツニキのように元々霊能力者だった訳でもないし、他の『俺ら』達のようにいち早く前世の記憶に目覚めていた為にそれに基づいて財産を築いた訳でもない。覚醒こそしたがプログラミングの知識とPCを自作できる程度の技術があるだけの一般人だ。

 

つまりだ。自力でレベリングしようにも、自分には悲しいことにその方法がショタオジに頼る以外の選択肢がオレには無いのである。星霊神社以外にその手のツテなんてものあるわけ無い。今生ではこちとら秋葉育ちの都会っ子である。

異界に行ってレベリングをする為にはその異界を管理しているだろう神社や寺にアポイントメントが必要だと、修行中に異能関連の常識等を教わった際に教えてもらったがある訳ないのである。

なので、手っ取り早く星霊神社に手早く行けるようにするため山梨県に引っ越す事にした。その為家庭の都合という理由で職場に退職届を出してきたのである。

 

早くネットがしたいという転生した俺らの欲求により、この世界のPC関連の技術は本来の歴史よりも遥かに早く発展している為それを専門とするPCショップは常に知識の更新に追われていた。趣味と実利の両方の観点から貪欲にその知識を磨き、最新の知識にも対応出来ていたオタクであるオレの存在を店長は大変買っていてくれたようでとても惜しまれたものの、後輩たちに引き継ぎを終えた頃には仕方ないかと諦めてもらえた。

 

こうして身軽になったオレは、富士山が近くにある賃貸に引っ越して、登山の準備をして再び星霊神社に向かった。

 

 

……何故そこまでするのかってショタオジに聞かれたが、ここ最近夢見が悪くて不安だからと伝えておいた。

しかし何なんだろうなたまに見るあの夢は。

 

東京に悪趣味な色の花々がコンクリートとか鉄筋とかからすら生え茂り空から■の大群が攻めて来る、いろいろな意味で非現実的な夢。日に日に鮮明になってくる逃げ惑う人々が死に絶えていく阿鼻叫喚の地獄絵図。前世の記憶を思い出した日から、見るようになったその悪夢の中で、オレは巨大な■相手に仲間たちと共に戦いを挑んでいた。

 

理不尽に抗う力がほしいという、不安から来る悪夢なのだろうか?オレはそれが何なのか、まだ分からずにいる。

 

 

 

 

 

 

「うーん、ここまで色々と試してみたし、ちょっとばかし占って調べてみたけどね……断言するよ八角君、君攻撃系の術や呪殺、破魔とかの才能は無いね!!」

「ええっ、マジっすか……?!」

「なんかねぇ、すっごい才能偏ってるように見えるんだよ。バフとかデバフとかの補助とかの才能に関しては鍛えれば僕並みに到れる可能性あるよ?でもね、アギとかムドとか、攻撃系のスキルとかの相手を直接的に害する力に関しての才能は無いね。覚えられる可能性は絶望的なレベルだぁ……」

 

 

攻撃手段が『鍋の蓋でぶん殴るor鍋の蓋を投げつける』しかない自分のこの弱すぎる攻撃力の問題を解決する為に、スキルでなんとかしようとしてアギの魔法の修行を初めて1週間程度、ショタオジの元で修行していた自分に告げられたのはそんな悲しい真実であった。

 

 

「そ、そんなぁ……じゃあオレは、どうやって戦えば……」

「まあ現状は、自分を強化して相手をぶん殴るしかないね。僕の家の鍋の蓋でさぁ。まあ、今霊視ニキに試してもらってるシキガミが上手く行ったならシキガミに戦ってもらって八角君は補助に回れば良いんじゃないかな?結構貴重だよ?補助の使い手って」

 

流石にそれはメガテンユーザーなのでわかる。でも根本的に最初期のレベル上げがキッツいなぁ……

いや悪魔ってのは見えるなら割と武器は何でも倒せはするとは聞いた。でも流石に鍋のふたで殴り倒すとかはシリーズ作品でも見たこと無い。行けるのかコレで……?ショタオジのシキガミ相手にぶん回しては居るけど、毛ほども効いてる様子無いから不安になってくる

 

「あとさ、唐突だけど八角君パソコン作ったり、プログラミングの知識あったりするって聞いたんだけどホント?」

「ああはい、そりゃぁ今生は職場のパソコンショップでパソコン組んで売ってたりしてましたし、前世もプログラマーしてたのでその手の事はそれなりにやれますね」

「ならおちんぎん支払うからさ、今度ちょっと手伝ってほしい事があるんだけどいいかい?実はさ、MAGで動くパソコンが作りたくってね」

「アームターミナルでも作る気ですか?」

「いや、そっちは悪魔召喚プログラムが無ければ無用の長物だから今は良いかな。作りたいのは使用者の生体マグネタイトで動くパソコンだよ。なんとか終末が来ても自分たちだけでもネット環境維持したいからね」

「ああ、そういうことですか。そういうことならいくらでも手を貸しますよ!自分もネット環境は残っていて欲しいですから。その、気を回してもらってありがとうございます」

「いやいや、個人的には凄く必死に修行受けてくれるの嬉しいからね。こっちも教え甲斐があるし、資質に関してはどうしようもないことだもの。その問題を解決する手段も今は無くても時間が過ぎれば手に入る見込みだからね。真っ直ぐ突っ走るだけじゃなくて回り道もするといい。きっと、それが君の力になる」

 

そんなこんなで、自分の本格的なレベリングに関しては後回しにする事になり、後のガイア連合各支部に置かれることとなるMAG発電式PCの開発とプログラミングに携わる事となった。

 

 

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