【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ 作:日λ........
追記
ジャンクヤードの修羅達の悪魔としての姿がどんな姿か分かりづらいと感じましたのでイメージに近いAAを載せました。
塔を登る。塔の中にいる悪魔共を蹴散らし、喰らい、自らの糧にしてカザントライブの三人は突き進んでいく。
翼のような腕と鋭い鉤爪を持つ赤い異形__胸に刻まれた『カルラ』のアートマの力を解放し、悪魔としての姿に変身した赤髪の女ルシェ、ラギは発達した両腕の鉤爪で龍族 ユイング/Lv46を狩り、そのまま喰らった。
『変な色の割に美味いじゃねーかこのミミズ野郎!!しかし、何なんだろうなこの塔は。ニンゲンは一人も見つからない癖に悪魔は矢鱈と出てきやがる!!』
ジャンクヤードで殺し合いをしてきた彼らにとって、悪魔とはニンゲンがアートマの力に負けて完全に理性を失った存在であった。それ故に悪魔=元ニンゲンという認識で今まで戦ってきたのだが、その割にはこの塔に出てくる悪魔の数は多すぎる。故に何かがおかしいとラギはユイングの長細い体を千切って小さくして食べてそう言った。
アートマの力は強大であると同時に、持ち主にマグネタイトの強烈な消費を与える。それ故に彼らは体内のマグネタイトが少なくなるにつれて飢餓に襲われ、悪魔の血肉を喰らう事でそれを補給しなければ理性を維持することが出来なくなっていく。
全ての部族が勢力としてその維持を行うことが出来なくなったのはその為だ。皆この力を与えられた瞬間、抗うことができないほどの飢餓に襲われ、本能のままにアートマの力を使った結果同じ部族同士での共食いをしてしまい、餓えに耐えきれなかった者はそのまま悪魔となり、数少ない理性を取り戻した物も信頼関係が崩れそのまま生き残る為に喰らい合う組織ではなく個人の間での殺し合いに全ての部族が発展してしまったのであった。
ラギ達三人は同じトライブのメンバーであったものの、別のトライブへの襲撃作戦を仕掛けていた最中であったがため、三人ともバラバラの位置に着いておりアートマを与えられた際は3人とも離れた場所にいた。その為理性を取り戻す程周囲の者達を喰らうまで近くに居なかったのが理由で運良く殺し合いに発展せず再び手を組む選択肢を取れたのだ。
鉾を収める選択が取れたのは運が良いとしか言いようが無かった。あの本能任せの無秩序な殺し合いの中で、背中を合わせるに足りる相手を得られた事こそが三人が生き残るに足りた理由であったからだ。
『新手だ、構えよ!!』
金髪の長い髪を簪で留めた女ルシェ__ナムナは右拳に刻まれた『ベーオウルフ』のアートマの力を開放し、その姿を人外のそれへと変化させた。
両拳が太く肥大化し、全身が金属質の外骨格に覆われたその姿はラギよりは人型を保ってはいるものの悪魔としか言いようが無い暴威を纏っていた。
そうして頭の角を使い突撃してきた数体の獣族 カイチ/Lv32に対してナムナは拳を構え、その『刺突』攻撃に対して攻勢防護__カウンター攻撃による無効化を行った。
【突撃雲身】__刺突属性の物理攻撃を無効化し、相手に自らの攻撃の勢いを加えた反撃を行う格闘技である。斬撃、打撃、刺突の3つの物理属性攻撃に対応した無効カウンター攻撃である雲身技を持つナムナは、ジャンクヤード内の殺し合いの中でそれらの物理攻撃の性質の差をほぼ完璧に見極める目を鍛えていた。
突っ込んできたカイチの首をその太く長い腕で捉え、全身の体重を掛ける。首を完全に固定されたカイチは自身の勢いを抑えきる事ができず__酷く鈍い音と共に首を圧し折った。
同胞のその無残な姿を見た他のカイチが怒ってナムナに攻撃を仕掛けようとしたが__彼らは既に自身が影から刺され、死んでいる事に気がついていなかった。
狩る、狩る狩る狩る狩る狩る!!*3
『__【ヴァンパイア】*4』
影に潜み、不意打ちの構えを整えていたカザントライブ元リーダー、ユスタスは竜殺しのハイアートマ『シグルド』の力を開放し、不意打ちによる急所へ本能のままに一撃を与えることにより無理矢理相手から再行動の為の一呼吸を奪い取り、6回の連続行動の末の7回目で最後の1匹であるカイチの首筋に両腕から生えた刃を突き立て、その血肉を啜ることで自らの体力を回復させた。
『やっぱやるねぇリーダー!!惚れ惚れする殺戮っぷりだ!!』
『ラギ、俺はもうカザントライブのリーダーでは……』
『そうかもな。だが、俺が認めるリーダーはアンタだけだ。トライブのリーダーでは無くなっても、俺たち三人のリーダーはやれるだろ??ナムナはどう思う?』
『たった三人とはいえ、指揮官の有無は大きい。ユスタスになら拙者の拳も預けられよう』
『だが、俺は……ッ!!』
ユスタスの声に後悔が滲む。
理性を失い、仲間同士で殺し合いの中で、抑制されていたユスタスの心は目覚めた。浴びた返り血の生暖かさ、口にしたモノがかつての仲間たちであったという事実。止まろうにも止めきれない肉体と飢餓。完全に悪魔と化したかつての同胞たちのように弱ければ思いもしなかったであろう無念が、深い悲しみと怒りとなって今の彼を突き動かしている。
カザントライブのリーダーであったにもかかわらず止めるどころか本能のまま率先して互いの殺し合いを進め、MAGを得て自身の肉体の制御を取り戻し
た時には既に皆殺しにしてしまい手遅れであったその事実が、彼の心を縛っていた。
『仲間を食っちまったことなら、ここに居る全員が同罪だろ。気にしてるのも分かる。だが、こんな事を企てた元凶へ届くためにはアンタの指示がやっぱり必要なんだ。俺じゃ指示する前に直情的に動いちまうし、ナムナは戦い方的に目の前の相手に神経を集中させる必要がある。だから……』
『……分かった。アギとナムナがそこまで言うなら戦闘の指示は俺が取ろう。この塔を登り切り__あの声の主であるあの女に報復を果たす為に!!』
『その意気だぜ、リーダー!!あのクソ女、ミートボールにしてやろうぜ!!』
『粗挽肉にするまでは拙者に任せてくれ。叩き潰すのには慣れてるんだ……!!』
三人の修羅達はその拳を振り上げ、それを重ねた。確かに仲間たちと殺し合ったのも事実だ。だが、そもそもこんな悪趣味な殺し合いを企てた奴が居るのだと彼ら三人は知っていた。初めにこの煉獄からの脱出方法を伝えたあの声の持ち主こそがそうであろうと。故に、彼らは再びその手を繋ぎ直す事ができたのだ。
全てはこの地に生きた者たちの無念を果たすために。ジャンクヤードを生き残った者達は、復讐を誓いあったのだった。
タイヨウはその様を嘲笑っていた。より強くなったその兵器たちを見て、まるで良く育った家畜を見るかのように楽しそうに。
モニターを見て、その時を今か今かと解析し続ける者がそこにはいた。試験管の中に居る被験体が持っていたペンダントに宿っていた無数の魂と、被験体の遺伝子の情報を自分たちが開発していた戦闘用AIシミュレーターに組み込み、悪魔化ウィルスを散布する事でどうすればウィルスが正常に働くようになるのかの実験を。
被験体は唯一悪魔化ウィルスに適応出来たあまりにも貴重な存在である。その為それそのものを使用する事で被験体が失われる事を恐れた女……日暈ナツメは電脳世界による演算でそれを代用しようとしたのであった。解析は順調だった。電脳世界内の内の時間を圧縮する事で何度も何度も繰り返したこのシミュレーションもそろそろ終わりになるかもしれないと、珍しい事に三体も生き残った戦闘用AIを見て彼女はそう思っていた。
そして、何故この悪魔化ウィルスが被験体以外には上手く動作しないのかの比較実験もそろそろ結果が出そうであった。
「彼女の遺伝子情報のみを使用した場合だけでは戦闘用AIに正しく悪魔化ウィルスが動作することは無かった。でもこのペンダントに宿った魂をAIに組み込んだ場合は正しく動作した。つまり……肉体由来の原因ではなく魂に何か原因がある、か……ふふふ、では後は我々にはあってこの被験体やペンダントに宿った魂には無い物を見つけ出し、原因を探りだせば良いだけね」
表の世界ではオカルトとして処理されているが、裏の世界では魂の情報のデータ化は既に試みられていた技術であった。一番難しいのが魂を損壊なく物質に移す方法なのだが、幸運なことにこの被験体は破損のほぼないその処理が既に施された、被検体と同じ存在のものと思われる魂が入ったペンダントまで持っていたのだ。
同胞である、志を共にする異端者__あの黒い神父が齎してくれたコレはなんとしてもこの研究を完成させ、天使に依らぬ悪魔の力を得なければならない自分にとって福音そのものだった。表側の仮想現実の研究開発があの忌々しいノーデンス社の開発物により潰れたことで連座的に凍結され、それまで滞っていた研究の全てが順調に進んだ程、この被験体は素晴らしい素材だったからだ。
思えば酷く長い雌伏の時であった。自分を生贄にしようとした故郷を裏切り、隠していた神器を売り捨て、メシア教の配下になった後も安心出来た日など一日たりともなかった。少し逆らうだけで『聖別』を受けた者達を何人も見てきた。故に自分は順調にアレらに従い続けてきたのだ。
天使を殺せるような、自分が生き残れる力を得るその時まで自身が安心を得られる日など無い。故に彼女は天使に依らぬ悪魔の力を求めていた。
メシア教に所属しながら隠れてそれらを探求する事は中々苦労が多かったが、あと少しでそれが結実する日が来るのだと__思わず歪んだ笑みを浮かべそうになった所で、急に施設の警報音が鳴り響いた。
「侵入者!?まさか、私の研究成果を奪いに来たの?!」
モニターにマウスを走らせ、警報があった場所を確認すると、服装から年齢層まで統一感の一切謎の集団が最深部の最終的防衛ラインに突入してきているではないか!!
その中で先頭に立つ白スーツの傷だらけの男を見て、彼女は思わず悲鳴を上げた。
「め、メシアン殺しの
全身に白スーツを着た傷だらけの大男は日本のメシア教のメンバーならば、裏の世界の事を知る者ならば今や知らない者のほうが少ない恐ろしい脅威であった。メシア教の違法施設に襲撃を繰り返し、そこにいる天使を拳で殴り殺して皆殺しにして去っていく人間を超えたバケモノがそこにはいた。
「防衛用プロトコル起動!!全セントリーボット、緊急起動せよ!!……嘘でしょ?!なんでこの区画を警備する用の1機しか起動しないの?!」
慌てて侵入者を排除するための緊急防衛装置を作動させるも、全てで10機ある筈の虎の子のセントリーボットはこの部屋にある1機以外起動することは無かった。床の中に隠されているガンタレットも同様である。
「……!?ま、まさか?!」
この部屋以外の防衛装置のシステムを再起動させBIOSを起動。システム内の異常を確認すると、それらは全て接続を切断されこちらからの制御を受け付けないスタンドアロン状態で電源を落とされた状態にされていた。
モニター上からあの侵入者たちが現れるまでは何も異常は見受けられなかったにも関わらず、全ての防衛システムの制御を知らぬ間に奪い取られていたのだと彼女は今更気がついたのであった。
「何よこの冗談みたいに鮮やかなハッキング……!?ここの設備は最新鋭の米軍の防衛省並みに強固なセキュリィシステムが組まれていたはずよ!?あ、あり得ない……!!」
どう見ても並大抵のハッカーの所業ではない。軽く見積もってウィザード級、いやコレは下手するとデミゴッド級ハッカーの所業だとナツメは判断を下した。
音に聞きしガイア連合とやらの人材は、どれだけ層が厚いのか予測も付かない程であった。霊的素質を持つ人材だけではなく、このような電子戦まで可能な者まで居るなんて__本物の天才と言う奴はコレだから始末に困るのだと、ギリギリという音がする程に奥歯を食いしばり怒りに耐えながら、打つべき手段を考えていく。
セントリーボットが使えない以上は、最後の切り札を切る以外手段がないとそう判断したナツメは表側の企業が倒産したことで数少なくなった部下に支持を出し、その切り札を起動させた。
ジャンクヤード内の殺し合いを何度も何度も繰り返したことで得た、その勝者のデータの数々。
悪魔を兵器化する為の選択の一つとして計画されていた試作機構『デジタルデビルドミネーターシステム』により、データでの再現とはいえ大天使すら打ち倒した特に強力なそれらを備蓄していた生成マグネタイトを利用し生成する。
制御と消費するマグネタイト量の関係で同時に呼び出せるのは三体が限界であるが、流石に魔王や大天使すら喰い殺せるコレが三体も居れば十分始末できるだろうと考えて彼女はそれらを呼び出した。
「……予想以上にスニーキングとハッキングがハマりすぎたな。まあ今倒したコレ含めて合計十機のセントリーボットとかマトモに相手してられんから運が良かったとしか言えんか」
「自分としてはまだマトモに戦ってないのにお腹いっぱいの気分だよフリスビーニキ……なんで核で動くような物騒な代物を十機も日本に持ち込めてるんだ」
最深部と思わしき場所の前の部屋がほぼ完全に締め切られており、ネットワークも繋がる場所が無い状態の密室であった為ここまでしてきた隠密行動を辞めて突入した結果出てきたセントリーボットを、ナイトニキと共に動きを封じた。壊れて爆発されても困るのでナイトニキに前に出てもらって囮役をして貰いつつ、自分は背後に回って能力で作り出した半透明のプラグをセントリーボットにぶっ刺して、その制御を奪った。
戦闘に巻き込まれて破壊されて核爆発するのが一番困るのでこの最深部前の部屋から出て外で電源を落とすように指示を出すと、その三本脚についた特殊な形状の車輪を走らせセントリーボットは外に出ていった。
『というかほんとにここメシア教関連の施設なの??普通ここまでやったらそれらしきモノが何かしら出てくる物でしょ天使とか天使とかメシアンとか。全部機械制御の防衛装置ばっかなのは流石におかしくね??』
「いや、そこに関しては間違いない事実だ。だが……どうも日暈ナツメは、メシア教に属しているが裏では天使に対抗する為の力を求めていたようだ。ハッキングついでに施設内の情報も軽く探ってみたが職員の日記らしきものを見つけたんだ。それを見る限りだと陰でそういった天使に対する不満や恐怖を持った者を部下としてスカウトしていたようだな」
「そうか。なんで会社が潰れてるのにも関わらず少数でも未だ従う部下が居たのか疑問だったが……残ってる奴らはそういう直属の部下か。そりゃノコノコと本国には帰れねぇ訳だ。さて、そろそろ敵も何かしら用意してくるだろう。全員警戒は怠るなよ」
今別の場所で対応してもらっている脳缶ニキからの通信越しの疑問に答えると、疑問が解けて合点が行ったのか霊視ニキが納得したような表情になった後、気を引き締めて皆に注意を促した。態々姿を晒したのだ。流石に何かしら敵も出してくるであろう。
そうして注意しつつ、次の扉を開けた。
『招待状なんてものは出していない筈だけど?何故ここに来たのかしら、招かれざるお客様方』
「それを答える必要性があるか?」
『貴方達からしたら無いでしょうね。でも、私達からすれば何故貴方達ガイア連合に襲撃を受けているのか見当がつかないわ。少なくとも、私達は他のメシア教徒の過激派のように天使の言いなりになって人を洗脳したりはしていないのだけれども。ああ、自己紹介が遅れましたわね。私の名は日暈ナツメ。この施設の主任研究者ですわ』
部屋に入るなり、スピーカーから女の声が聞こえてきた。
スピーカー越しである為本人であるかは分からないものの、名乗りを信じるのであれば恐らくこの女がカス子ネキ曰く『恥ずかしい女』と評されている日暈ナツメであろう。かなりの数のセントリーボットを無力化しているこの状況下で交渉の席を用意しようとしている辺り、思っていたよりは肝の据わった女なのかもしれない。
隣にいるナイトニキと背後を任せている霊視ニキに視線を合わせて周囲の警戒を頼んだ後、俺はこの『ムダ話』*5に付き合う事に決めた。
ここまで来た以上逃がす気はない。どんな策を使ってこようとも粉砕するだけだ。
「確かに、警備につかせているのも機械ばかりで天使や術などを使ったものは一切見かけることは無かったな。だが核はないだろ核は。一体どうやってあんな数を米国から引っ張ってきたんだ」
『ふふふ……セントリーボットの製造元であるロブコ社の社長、Mr.ハウスは我々と同じ思想を持つ同士ですから。天使など、信ずるに値しない羽の生えた獣共と断言するものは案外米国中にいくらでも居ますわよ?最も、それを表で口にした瞬間奴ら曰く聖別とやらを施されて『楽器』にされる者が後を絶えませんのでね?口を噤ぎつつ、このような形で対抗手段をバレないように探り続けるのが私達の限界ですわ』
話に乗ってやると、女はペラペラと口車を回してきた。米国のメシア教の内部がどうなっているのかなど知る由もない事である為、中々コレは貴重な話ではあった。信憑性など欠片も無いが、少なくともロブコ社をワンマンで経営していることで有名なMr.ハウスが彼女に投資していることは事実であろう。他ならぬ証拠が現物として十機もあったのだから。
『私達は貴方方ガイア連合に対して敵対する気はございません。もし見逃して頂けるのでしたら……他の過激な人体実験を行っている施設等の情報や、メシア教の内部情報等をお渡しして差し上げますわ。そちらにとっても、悪い話では無いのでは??』
「そうだな。確かに悪い話では無い。だが、勘違いしているようで悪いが、別にオレ達はお前たちがメシア教だから襲撃を仕掛けた訳ではないのだよ」
そう言うと相手のスピーカー越しに、彼女の部下と思わしき男の悲鳴が流れ出した。
『し、主任!?助けてください!!緊急時用のエレベーターの予備電源に火を入れようとした所で襲撃を受けました!!このままでは全滅しま……アァアァァ!?』
『!?ば、馬鹿な!?こちら側に入る為にはこの扉を通らなければならない筈……!!』
「無茶苦茶な施工を通したから把握し切れてなかったんだろうが通気孔を経由すれば潜入できたぞ。まあ、小柄な子供くらいの体格で無いと通り抜けるのは中々厳しいだろうがな」
GUMPが投射する投影型のミニモニターから、脳缶ニキからは『脱出経路を塞いだよ』とメッセージが届く。更にカス子ネキからは『脱出用のエレベーターを動かそうとする研究者を全員気絶させておいたよ』とメッセージが届くのを確認。
更にデュエリストネキからは『脱出する経路に罠カード仕込んでおいた!!』と届いたのを確認し、全員にまとめて『ありがとね!!超助かる!!』と返信した。
全く相手に気が付かれないで侵入出来ているのだ。これ位好き放題されても文句は言えまい。
今回のカチコミに参加してくれたメンバーの中で小柄な三人をナビゲートしつつ通気孔の中を通って先回りしてもらったのである。逃げ出されると大変面倒な事になるのでその可能性から先に潰させてもらった。
「さて、押し通させてもらうとしよう!!行くぞ皆!!」
『まっ、待ちなさい!!何故……せめて理由を』
「初めに貴様が言っただろうが!!俺達からしたらその質問に答える理由など無いと!!」
『……ッ!!行きなさい、 悪魔共!!その狼藉者達を排除せよ!!』
マグネタイトが流れ出し、強大な存在が具現化する。
真っ白に漂白されたかのような甲殻を持った、翼腕を持つ人形の悪魔と、肥大化した腕部を持つ屈強な悪魔がその場に召喚された。
「……ッ!!クソ、やっぱり嫌な予感は当たるもんだな!!来るぞ!!」
「行くぞジュン!!支援はまかせたぞ!!」
「了解ですマスター!!」
「行くぜフリスビーニキ!!やるぞモーさん!!」
「あいよ!!」
「皆準備はいい!?行くよ【エウリュディケ】!!」
エドニキに作ってもらった『モーターギア』の機構を改良しつつ素材をより良いものに変更し、自分自身の血を鋳込んだ赤黒い新武器である『ブラッドギア』を構える。そして各々、悪魔に対して武器を構えるとモモメノさんが解析してくれた情報が目に写り、敵対する悪魔の情報が見て取れるようになった。が、やはり一筋縄では行かないようだ。
夜叉鬼 フェイクカルラ/Lv53 と
夜叉鬼 フェイクベーオウルフ/Lv55が、現れた!!
……悪魔化ウィルス完成してるじゃねーかふざけんな!!ただでさえ終末が来るってのに太陽まで狂いだされたら収集が付かなくなるわー!!
そんな心の中の叫び出したい気持ちを抑えながら、強敵である2体の悪魔に対して俺達は戦闘を開始した。