【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ 作:日λ........
ナイトニキとの協力関係を結び、共に修行用の異界での研鑽に挑む事となったオレは先ず初めにお互いの覚えているスキルについての話し合いを行った。
ナイトニキは見ての通りの騎士、それもタンク型のステータスをしており体、力が高く速が平均的で魔と運が低めという傾向にあると事である。
覚えているスキルは挑発(通常の物より少し効果時間長め)、
弱点は属性スキルを持っていない事や遠距離攻撃手段が乏しいとの事だが、その辺りはヒーラー型であるがスキルカードさえあれば後付可能なシキガミであるロザリーが補っている為かなり完成度の高い立ち回りが出来ている印象であった。
そして彼のシキガミであるロザリーはその可愛らしい見た目とは裏腹に戦闘となればかなりゴツイ杖(と言い張っているラージメイス)でぶん殴りつつも味方が傷ついたら回復魔法で傷を癒やし、物理が通じない相手が現れた際にはスキルカードを使うことで覚えたという
そして喫茶店で見せてもらった、ナイトニキの手品……普段着から鎧姿への早着替えに関して、とある悪魔を使用しているとの事で見せてもらったのがまさかの【封魔管】であった。中にはガイア連合が特殊な調整を施した【妖魔 アガシオン】が入っているとの事で、ナイトニキは壺の中の使い魔としてのアガシオンの特性を利用して鎧や剣や盾等の装備品をアガシオンの壺の中に収納してもらい、使用する際には取り出すという契約を結んでいるとのことだった。いくらレベルが上がっても我々ガイア連合はあくまで民間組織である為、銃刀法違反等が警察の方々に見つかるとかなり面倒くさい事になるのでメンバーは各々いろいろな工夫でそれらを隠し持っていると言うわけだ。
物を持ち運ぶのに破格の能力のように思うが、実際はかなりシビアな調整が施されているようで、封魔管を使うことが出来るようになる為には本人の修行が必要である上に、保管してもらうものに関しては一々契約を結ぶ必要があり、かつアガシオン本体はこの収納能力を得る為に相当なリソースを割いている為悪魔としてはかなり弱い。本人がしっかり戦えるデビルバスター型の覚醒者向けの代物であるらしい。
そんな彼らと共に異界に潜ることになったオレ自身はというと、とりあえず武器が鍋のフタなのは卒業した。この前受け取った更新用の装備一式に着替えて、武器もショタおじの家の『鍋のフタ』から中心に持ち手のある大きめの歯車の形をした『モーターギア』に変更となり、防具類も軽さと頑丈さの両立を目指した『フェザーベスト』に変更した。
『モーターギア』はこの形状で殴るだけというのも後衛になった際に困る為、霊的な繋がりを持たせるために自分の髪を一房鋳込み、投げつけた後に自分の元に飛んで戻ってくるように作られている。歯車状なのは警察の皆様に工具として言い訳ができるようにする為の工夫だ。我々は公権力には弱いのだ(震え声)
そしてPC開発をしている際に起こったとある事故がキッカケで貰った『専用シキガミ作成の優先券』を利用して、技術部のエドニキに自分の要望を書き込んだ紙を渡し専用のシキガミを製作してもらうことにした。前衛の問題は解決しそうなので、自分の好きな推しをベースに後衛型の魔法使いタイプのシキガミを作ってもらうことにしたのである。
予定通りなら一月程度で完成するとの事なので、その時が待ち遠しいものである。
……ちなみにこの専用シキガミ優先券、存在を知ったら他の俺らに『ニア ころしてでもうばいとる』されかねない代物であるが、それ相応の迷惑を技術部の面々から被った結果お詫びとして貰った代物である。
あれは怖かったなぁ……プロトタイプモーさんこと、邪神セイバーの暴走事件は。
シキガミとしての質は良かったものの、外見が完全に邪神セイバーだった為ボツとなり、核となる部分だけ除かれて放置されていたそれがスライム化した悪魔に乗っ取られた結果暴走したのである。あれ以降失敗作でも厳重な処理をする事を徹底されるようになった。中途半端に出来が良かったせいで死にそうになったんだよね(遠い目)
襲われたのが覚醒していたから戦えはするオレだったから良かったものの、当時の技術部は覚醒してるメンバーよりも非覚醒のメンバーのが多かったので真面目に洒落になってなかったぞアレ。
幸いにも当時攻撃力は無いがしぶとさだけはあったオレが食い止めている間に技術班の面々が助けを呼んだ戦闘メンバーが来てくれたので何とかなったものの、下手するとガイア連合初の死人が出かねない大事故であった。その為シキガミと言うものに苦手意識を持たれても困るのでとお詫びとして好きなものを作れる権利を貰えたのである。
……まあ下手に好きなものを作れる権利を貰えたせいで、どうするか悩みまくって今まで死蔵してたんですけどね!!一生モノの相棒になるよって言われたらそりゃ悩むじゃん??(ショタおじからの無理をせず早よ作れという視線と、圧から目を逸らしつつ)
話が逸れてしまったが、そんな感じでナイトニキたちと手を組んで修行用の異界に篭もる事、早二週間。足りなかった手数と火力が手に入り、そして自身の本来向いていた役割を行う事が可能となった事から大いに修行が捗っていた。
「前方に悪魔三体を確認!!
「了解だフリスビーニキ!!さあ悪魔共、
「景気づけにコレでも食らいなさいな。
ロザリーが地面にメイスを叩きつけると、敵悪魔の足元が急に揺れ始めエネルギーが溢れだし発生した光と土砂や礫による一撃を受けた。
カカカカッ
【地霊 ツチグモ】2体と【邪竜 アイトワラス】が現れた!!
ツチグモの弱点を着けたことで
「さあ、我が命を聞け!!味方同士殺し合うがいい!!」
そのままアイトワラスを【ハッキング・ワン】によりハッキング状態にし、その勢いのまま脳内で作っておいたデーモン【マッドストライフ.x】を送り込み、その場を離れた。
この恐るべきウィルスの効果は、敵味方の識別能力を狂わせ、同士討ちをさせるものである。
そしてそのまま相手の手順になるが、挑発を受けたツチグモ達がナイトニキに襲い掛かろうと移動した次の瞬間、背後にいたアイトワラスが仲間であるはずのツチグモ達に対してマハラギをぶっぱなす。
その行動に怒り心頭のツチグモ達がアイトワラスに攻撃するという、相手の手順のハズであるにも関わらず自分たちの得にしかなっていないという無法な状態なまま自分たちの手順が回ってきた。
「うわぁ、何度見てもエゲツないねフリスビーニキのソレ。でもまぁ、敵である時点で情けは不要だよね!!」
ナイトニキが
あっという間に残り一体になったアイトワラスに対して、オレはハッキング状態である時のみ可能なスキルであるデーモンを送り込み処理する。
「我が命ずる、差し出せ」
デーモン【スケイプゴート.x】
その効果は念願の中々のダメージ効果と、そのダメージ量に応じてMPを自分たちのものに変換し受け取るというファンドも驚きの強制徴収能力であった。
これによりスキル使用により減っていたMPがある程度PTメンバー全員に補填されていった。
「残数ゼロ。周辺に敵性存在は無し。お疲れナイトニキ」
「お疲れ様。しかし、ノリノリだねフリスビーニキ。しかし聞いてた話からは全く想像できないくらい戦えるじゃないか」
「いや、正直自分でも驚いているよ。このハッキング系のスキルも、ナイトニキにスレで誘われる前日に目覚めたもので自分で試せてなかったし、悪魔相手に新しく覚えたスキルを試す余裕も一切無かったからな……仲間が増えるとこんなに戦いやすくなる物なんだなぁと毎回しみじみと感じているよ」
悪魔の残骸から不活性化したMAGを回収しつつ、ナイトニキと話し合う。異界で何を呑気な事をと思われるかもしれないが、ロザリーが周辺を警戒している事と、技術部のメンバーにプログラム作成の依頼を受けて渡された試作品の銃型ハンディコンピューターである【GUMP】に搭載された自作のマッピング機能で異界内の構造データを解析するのにある程度待ち時間が必要である為その時間潰しである。
これを使ってシリーズ作品の外伝作の一つである『ソウルハッカーズ』における各種インストールソフトを作るという計画が現在技術部で行われており、自分もそれに協力しているのである。悪魔召喚プログラムに関しては厄ネタが過ぎる為に終末が来るまでは無くても良いだろうというのが俺達ガイア連合の主な共通認識であるものの、悪魔召喚プログラムが無くても便利なソフトが多数ある為それを使えるようになる為に、まず必要な戦闘に耐えられる電子機器を作ろうとなったのがキッカケであった。
ゆくゆくはこれをベースにデビライザーとか作ってみるのもありかもしれないね。まあ厳密に言うとあっちは実は銃型の機械の形をした魔界生物らしいので、あまり役に立てないかもしれないけれども。
「よし、マッピングデータの収集完了しました。先に進みましょうかナイトニキ」
「了解。こりゃ思ってたよりも早く追いつかれちゃうかもしれないな。流石ショタおじ謹製の異界だなぁ。修練の効率が段違いだ」
そうして周辺を警戒してもらっていたロザリーと合流して、異界の更に奥へと突き進むのであった。
……そしてオレ達はここがあの地獄の訓練を行ったショタオジ謹製の異界である事を思い出すのであった。第一の関門となる、ムド系魔法をバカスカ撃ってくる悪魔が山ほど出てくる階層が俺達に立ち塞がったのだ。
「……ハッ!?な、ナイトニキ、オレはどれくらい死んでいた!?」
「20分程度だね。何とかセーフエリア内に入り込めたけども、いやぁこれは酷いね……自分とロザリーは腕装備に『鳥人の腕輪』着けてたから何とかなったけど、適正レベルのフリスビーニキじゃこれ対策するのキツイなぁ。流石ショタおじ、ただでは攻略させてくれる訳が無いか」
階層を進むと即現れた悪魔の群れ。四方八方からぶちまかれるムド系魔法の十字砲火に対応しきれず、避けきれなかったオレは暫しの間死んでいたようである。
「ロザリーの
「……回復してくれてありがとうロザリー。そして済まなかったナイトニキ。ここは一旦帰る事にする」
「そうだね。やっぱ装備による耐性対策は大事だよ。自分もそれなりに痛い目見て学んだから、こういう早着替え術とかの小技を覚えた訳だしさ」
「あー、アガシオンの術って確かにそう考えるとデビルバスターには必須だなぁ……あんな一瞬で装備品変えられるんだもんな」
話し合いつつ、自分は脱出用のアイテムを取り出した。それは笹の葉に包まれ、その上からラップに包まれていた。
「フリスビーニキ、その沢庵はなんだい?」
「自家栽培品のカエレルダイコンだよ。効果は技術部のメンツで確認済みで、オレが食べると自動でPTメンバー全員にトラエストの効果が発動する不思議食品だ」
「……ああ!?ペルソナ4のアレかぁ!?実在してたのか?!」
「びっくりするよね。なんか不意にシリーズ作品のアイテムらしきものが出てくるんだよなぁ……さて、一旦今日は帰ってお開きにしようか」
ポリポリポリ、と保存の為にしっかりと塩で漬けられた沢庵を食べるとPTメンバー全員が光に覆われ、そのまま異界から入り口に飛ばされた。
呪殺対策の装備品を探さなきゃいけないな。すぐに手に入れば良いけども……
【追記】
ナイトニキのアガシオンは特殊な調整こそ施されておりますが簡易版ではありません。封魔管も元々持ってたものを使えるようにしただけである。