【カオ転三次】滅亡を防ぐ為、汝第七の竜を狩れ   作:日λ........

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現状確認と新たな縁

 

 

 

ナイトニキと協力関係になり、早1ヶ月。カス子ネキから受け取った呪殺無効装備である【大和手甲】により無事修行用異界の第一の関門であったムド祭り階層を抜け、更に奥へと足を進めた結果順調にレベルは上げられつつある。覚醒段階が進むにつれて、段々と自分が持つ異能に対する理解も進んでいっている。

 

初めのうちは自分の認識が女神転生のスキルや能力に引っ張られていたがゆえに中途半端に魔界魔法のそれに近い効果の物になっていたが、どうやら本質的には全く別軸のスキル群であるらしい。オカルトという括りの力ではあるが魔法というより、個人の持つ『自分だけの現実』を具現化する超能力に近しい力であるようだ。最近能力を使い過ぎると頭が疲れる感覚があったのはそのせいだろう。装備品に制限がある理由も、超能力を発現するのに必要な念動力の発揮に邪魔になるものを身に着けていると上手く発動できなくなってしまうから。試しに頭にネタでアルミホイル巻いたらマジで全くスキルが発動できなくなってビックリしたものだ。

 

それを自覚した結果、なんと魔界魔法のバフ、デバフ効果とは別枠に自分のスキル群を乗せる事が可能となった。つまり完全に独立した強化枠になったのだ。これによってカジャ系の強化が乗っている状態から更にアタックゲインやディフェンスゲインの強化を乗算させる事が可能となったり、ンダ系のデバフの上から更に弱体化を重ねたりと結構な悪さが出来るようになった。

 

そして、【ハッキング・ワン】を起点として打ち込む各種デーモン。これらは自分の目が持つ見た物を電子的に変換して『観測する力』を利用して情報的欠落、つまりセキュリティホールとなっている部分にハッキングを仕掛けた後相手の情報を書き換えるウィルスを流し込む事で成立している。

この各種デーモン、レベルアップで得たスキルでは無く脳内に保管してあるオレ個人が組み上げたウィルスソフトを異能を使ってインストールしてる物である。

 

マッドストライフ.x】や【スケイプゴート.x】はもしもファントムソサエティのような電脳異界を使って悪さをしようとしている組織が存在していた時に備えて作っていたものだがまさか現実世界でこれらを使えるとは思っても居なかった。

悪魔は高度な情報生命体である為か、思っていたよりもハッキングさえ成立してしまえばこれらのデーモンは効果的に働くものだった。

 

今は相手の肉体の構成情報をめちゃくちゃに書き換えて内部を【外道 スライム】と同じ状態にする事で弱体化を図るデーモンを時間を見つけて組んでいる。効果的には相手の攻撃力の低下と防御力の低下といった具合になりそうだ。完成したら【ロストパワー.x】とでも名付けようと思っている。

 

 

課題点としては、自身の戦闘行動が完全にスキル頼りになってしまっている点であろうか。つまりMPが切れたり封技状態にされたらかつてのクソザコフリスビーマンに逆戻りと言うわけだ。

まあ前者に関しては【スケープゴート.x】で騙し騙しMPを回収するなり、最近ガイア連合で作られるようになったレトルトガイアカレーやチャクラドロップを食べるなりすればある程度対策できるし、後者に関してはまた対策用の装備を用意しておけば良いだろう。

 

 

総評としては、ある程度修練の遅れを取り返し他のガイア連合のメンバーと協力して異界の攻略等の依頼を受けても迷惑をかけない程度には自分の役割を確立できたと言ったと具合であろうか。

 

そんなこんなでそろそろ自分の専用シキガミも完成するかなと楽しみにしていた頃、オレはナイトニキに紹介したい人が居ると連絡され、再び喫茶『有頂天』へ足を運んでいた。初対面の後もこの店にはたまに客として珈琲を飲みに来たり、修行用異界に潜ったあとの反省会をしたりと何度か訪れていた事があるのでもう慣れた道であった。

 

 

カランカラン、と店の扉を開けると設置されたベルの音が鳴る。そこにはカウンターに立つナイトニキとその隣のキッチンでナポリタンを作るロザリー。そして見慣れない顔の少女が二人カウンター席に座っていた。一人は深めに被ったフードから顔が見えないものの、もう一人は黒髪のロングヘアーにセーラー服の美人さんだった。高校生だろうか?意思が強そうな顔つきをしている。

 

「来てくれたか。呼びかけに答えてくれてありがとうフリスビーニキ」

「ナイトニキには散々お世話になっているからね。それで、紹介したい人っていうのは?」

「ああ、彼女達二人の事だよ。彼が自分が言っていたガイア連合のフリスビーニキだ。この前言っていた通り信用できる相手だから大丈夫だ。二人とも自己紹介を頼むよ」

 

ナイトニキがそう言うと、セーラー服の方の子がこちらを向いた。フードを被った方の子は、遠慮しがちにこちらにペコリ、と頭を下げている。

 

「初めまして。私はトーコ。普段は主に東京を活動拠点にしてるデビルバスターよ。貴方もガイア連合のメンバーなのね?隣にいる子は私達転生者とはちょっと事情が違うけど、私達の事は説明済みだから普通に話してくれて構わないわ」

「……ボクはモモメノ。音群 モモメノ。キドウ兄さんから貴方の話は聞いてる」

 

そう言ってフードを身に着けていた方の子は、そのフードを頭から外す。

青い髪を後ろで2つに括り、ツインテールにしているその子の頭には、垂れ耳のケモミミが付いていた。

 

「二人とも初めまして。オレの名前は八角 ジュン。気軽にフリスビーニキと読んでくれ。ガイア連合内での通り名なんだ」

「最近星霊神社に行けてなかったから半信半疑だったけど、マジなんだその呼び方……そりゃあ呪い対策にはなるだろうけどHN呼びかぁ」

「……気にしないんだ。ボクの耳の事とか……」

「そりゃかわいいなぁとかは思うけども、俺らの中には時間が立つにつれて性転換しちゃったり、二足歩行の柴犬(豆柴ニキ)とかマーメイドになっちまった奴(人魚ネキ)らとか増えたし、シキガミだとロボとかアニメキャラが平然と闊歩してるから、ケモミミ位なら慣れちゃったというか……」

「ちょっと待って、そんな人外魔境になってるの今の星霊神社。私がキドウさんと修行受けてた頃はそこまでじゃ無かったのに!?」

 

トーコは戦慄した。あの霊山オフ会からたった半年、たった半年で性格面で変人奇人ヒーホーは居ても見た目的には普通の人間しかいなかった筈の、一応自分の所属している組織の面々がそこまで様変わりしてしまっているという事実に。

 

何故ここまでガイア連合所属でありながら彼らの事情に彼女が疎いのかといえば、彼女の活動拠点が東京であるせいである。

 

東京は日本の首都であるが、現状のガイア連合的にかなり微妙な扱いをされている。何せ原作の真・女神転生シリーズで何度も何度もその物語の舞台とされてきた呪われた土地である。個性豊かなガイア連合の転生者一同だが、満場一致で意見が一致している事の一つは日本は守れても東京はどう足掻いても滅ぶだろうと確信されている事だったりする。

かの公の首塚が恐れ多いことにも撤去され、メシアン関連の建物が建てられてしまっている始末だ。絶対ろくなことにならんと事情を知る逃げられるものはとっとと東京から別の地方や星霊神社のある山梨に引っ越したりしているのが現状だ。しかし無視することも出来ない。何かあるなら必ずその中心の場となるだろうからだ。

 

しかし当然のことながら東京住まいでも色々な事情で東京から離れられないガイア連合所属者は何人も居るため、そういった人達がガイア連合本部から独立気味で何があっても足掻いてやると腹くくって準備しているのが現在主に東京を活動拠点にしている現状のガイア連合のメンバーであった。レベルや場数、やる気の面で精鋭が多いものの、山梨支部(本部)に来れる事は少ない。人が多い分マグネタイトも多く、それを狙う悪魔や怪異の討伐の依頼が山ほどあるので皆忙しく活動してるものばかりなので、私のように覚醒してからそれっきり来てないものも珍しく無い、とトーコは言った。

……尚元々の職務的にあまり本部に来れなかったとある男(自衛官ニキ)はその認識のズレが原因で尊厳破壊されることなるのは、また別の話である。

 

 

「東京のメンバーって今そんな事になってるのか……自分は既に自立していて身軽な身だったのでな。元々自分も東京の秋葉原に住んでたんだが、速攻で山梨に越してきてからずっと星霊神社やガイア連合の本拠点に入り浸りっぱなしだったもんだから逆にその事は初耳だ」

「……もうこの時点で一度山梨支部に戻る判断をして良かったと思ってる。下手したら見た目で判断して味方同士で戦いになってたかもしれないんだもの。そんなの絶対にお断りだわ」

「話が盛り上がってる所で悪いけど、一旦切り上げてコレ食べちゃいなさい。冷めても美味しいけども、温かいほうが美味しいわよ?」

 

そういってロザリーは、トーコとモモメノの前にナポリタンの乗った皿をそれぞれ置いた。

オレの座った席には、ナイトニキがいつも頼んでいる珈琲とフルーツサンドを置いてくれた。

 

「ありがとうナイトニキ。それで、この二人をオレに紹介した理由って?どうやら妹さんも覚醒者のようだけど、それが理由だったりするのか?」

「ああ。実はトーコちゃんはコチラに引っ越して来る前まで一緒に組んでいた仲間の一人でね。暫く本部で鍛え直すとの事だからフリスビーニキとも一緒に戦う機会があるかもしれないから紹介したかったんだ。モモに関しては……まあ、結構特殊なタイプの覚醒者なんだ」

「というと?」

「ある意味で、下手な俺らよりも貴重なサポートタイプのペルソナ使いだな。所謂ナビって奴さ。加えて特殊な歌を媒介にして支援までしてくれる」

「OK、とりあえず信用出来ると判断してくれるまで彼女の存在を明かさないようにしたのは大正解だぞナイトニキ。少なくともオレは約一名この子の存在を知らせてはならないガイア連合のメンバーを一人知ってるわ」

 

ただでさえ忙しいシキガミ制作班の仕事を馬鹿みたいに増やしやがる問題児(ハム子ネキ)の顔を思い出しながら、オレは絶対ヤツにはこの子の存在を明かさないように徹底する事を決めたのだった。

 

いや必要不可欠なメンバーの一人ではあるよ??

でも、ね?オレもあのシキガミに関しては半分ロボみたいなもんだからって色々と専用のプログラム組んだりして関わってたのでその分割食ってたのよ。壊されたら原因探らなきゃならんからさぁ!!

美味しそうにナポリタン食べて口周り汚してるのを、トーコちゃんに世話焼かれて拭かれてるモモメノちゃんの姿見てたらあの修羅勢の一人に関わらせるの極力避けたいと思うのは人として当然の事だろ(敗因:ワイルドの癖にコミュと好感度不足)

 

ナイトニキの入れてくれた熱い珈琲を生クリームたっぷりのフルーツサンドと共に楽しみながら、新しい仲間との出会いを一人心の中で祝うのであった

 

 

 

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