私(作者)を柴犬好きにした亡き柴犬君に捧ぐ一作。
次期連載候補の一作です。原作は……分かる人には分かると思います(笑)
「……まだ……ないで!……んじゃ……だ!!」
御主人の声が聞こえる。そろそろ散歩の時間だったかな? 何か焦っている様に聞こえるけど。
『カフッ、キュ……フゥ……フウ』
いつもの様に大好きな御主人の匂い一杯の胸に飛び込んでいきたいのにどうしてだろう? 目の前が真っ暗で、思った様に体が動かない。
『…………』
「※※……ムサシはもう」
「ホントよく生きたもんだよ。人間にしたら百歳を超えてるからな」
「ううっ……ぐずっ…………」
アレ? 声モ出ナクナッテキテ……ボクドウシチャッタノカナ?
「今までありがとう……大好きだったよ、ムー」
『…………』
…………
『さてこの者の来世は……おっ、丁度良いな! 此処にしよう』
…………
「これより派閥入団試験を行う。先ずは己の護衛となる召喚獣を呼び出し、その力を示せ」
遂にこの日がやってきてしまった……私が一人前の召喚士になれるか、それが今日決まる。
これまで応援してくれた師匠やみんなの為に失敗は許されない。意識を集中し私は異界の友へと声を掛ける。
「我が呼び声に応えよ」
魔力を展開し、魔法陣を形成――「いかん、召喚を停止しろ! このままじゃ暴発するぞ!!」――突然隅で様子を見ていた師匠から声を掛けられて、私は目を開く。
「魔力が乱れて……『早くその場から離脱するんだ!』……あっ」
「全員伏せろぉぉぉぉぉ!」
カッ!
一瞬、目映い光に包まれたかと思った後、壮大な爆発音を鳴らし、辺り一体は煙に包まれた……失敗だ。これまでの努力が全て水の泡になってしまった……この後みんなの前で何て言おうか考え始めていたら…………
『ワフッ!?』
何かの鳴き声? 煙がはけるにつれてその姿が鮮明になってくる。
「……子犬?」
そこには小さな子犬が居た。えっ、もしかしてギリ召喚成功したのかな? 確かにどうせならかわいくて強い護衛獣が良いなとは思ってたけど。
『キューン――!?(ここ何処だろう――!?)』
子犬と目が合った。すると子犬はピクリと反応して……『ワフ〜ン♡(ご主人〜♡)』……私に飛び着いてきたのだった。
目が覚めると周り一帯煙まみれで、何が起きたのだろうか分からなかった。
「ここ何処だろう――!?」
視界が晴れるにつれて……僕は近くに人の気配……しかもこの匂いは僕の良く知っている……煙から現れた人と目が合う。
「ご主人〜♡」
大好きなご主人がそこに居て、僕はその胸に飛び込んだんだ!
大好きなご主人の胸の中で、僕の新しい日々が始まる……ご主人は僕が守る。
原作主人公と一匹の柴犬の冒険ファンタジーが今ここに始ま…………?
私は柴犬が大好きです。
皆さんは何犬が好きですか?