クリーヴになり代わったのでペルヴィ曇らせのあらゆる要因を排除する   作:那珂テクス

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(3/31 追記)資格勉強中につき、投稿遅れます。申し訳ございません。


海灯祭では鍾離先生の新設定が開示されるし、ファルカのショートアニメは最高だし、原神はいつも魅せてくれるなぁ。
何が一番良かったって?

おばばのツラ。



17話『てんちゅえんって響き、なんか可愛いよね』

「ここが群玉閣でござるかー!」

「前に一度招かれたでしょ、貴女。というか何なのよその口調は」

「つい嬉しくなっちゃって……」

 ネタにマジレスネキの精神攻撃! こうかはばつぐんだ!

 ということで私は今、お目付役の夜蘭と共に群玉閣に来ている。璃月港近郊に浮かぶこの空中宮殿は、『天権』凝光の根城にして、璃月最大のデータベースだ。豪華さと素朴さが美しく調和するこの場所は、まさに彼女の理想の体現。半身に等しい。

 こんなに綺麗なのに、後で鍾離先生の元素爆発よろしくブチ落とされるんだよね……なんだか悲しくなってきた。

「クリーヴ! 昨日は一体どこに行ってたんだよ!」

 微妙な顔で書斎に足を踏み入れると、真っ先にパイモンが反応した。他には凝光、蛍、申鶴の姿が見える。

「鶴仙人のパシり」

「あぁ、お前もか……」

 遠い目をするパイモン。

 初対面なのにいきなり魔物退治(部屋掃除)させられたわけだしね。気持ちは分かるよ。

「みんなは何してたの?」

「三眼五顕仙人と会ってから、一度璃月港に戻ったの。そこで甘雨っていう秘書さんに呼び止められて、ここに招かれたんだ」

 あれ。ってことは刻晴とはまだ会ってないのか。ちょっとまずいことになったな。

 仙人との信頼関係構築を促すため、私は敢えて七星に水を向けた。つまり現時点の蛍は、彼らに対して強い猜疑心を抱いている。それは本来、実直な刻晴との出会いでいくらか軽減されるのだが、この世界ではいきなり親玉的ポジションの凝光と対面することになってしまった。このまま放っておくと、いつまでも七星を疑いかねない。

 あちらを立てればこちらが立たず、ってやつだ。ヘイト管理難しいなぁ。

 ちょっと癒しが欲しいし、申鶴に話を振ってみようか。

「申鶴は甘雨と初対面だったんじゃない?」

「ああ。師匠を通して互いの存在を知ってはいたが……甘雨先輩は、我がいることに驚いた様子だった。凝光殿が我の名を知らなかった故、蛍たちの同行者が我だと気づかなかったそうだ」

 淡々と話す申鶴は、どことなく嬉しそうにも見える。噂の頼れる姉弟子と出会えたことで、かつて経験したことのない感情が芽生えたのかもしれない。

 

 てぇてぇ。

 この2人の関係はこの一言に尽きる。

 

 新鮮な申甘を摂取させてくれて、本当にありがとう……。

「揃ったわね。私から説明させてちょうだい」

 そう口火を切った凝光は、簡潔に七星の潔白を主張し始めた。

 要約すると、『璃月は岩王帝君の賜物だ。例え次代の岩の神が現れようとも、璃月人が偉大なる父祖を忘れることは決してない。加えて、現在この国はファデュイに政経の中枢を狙われ、アビス教団に侵攻されている。このような危機的状況下で、わざわざ帝君を害するような真似はしない。商人の立場で考えても、そのような行為はリターンに対してリスクが大きすぎる』といったものだ。

 彼女を深く知る者からすれば、思わず耳を疑うほどの本音祭。しかし案の定、肝心要の蛍が疑心暗鬼に陥っている。このままいくら言葉を重ねたところで、彼女の信頼を勝ち取ることは不可能だろう。

 凝光も最初からそれに勘づいていたのか、間を置かず私に話を振ってきた。

「クリーヴ、逃走者は見つけたの?」

「とっくに捕まえたよ」

「流石ね。素性は?」

「もう分かってるんでしょ。『公子』タルタリヤ。ファデュイ第11位の執行官だよ」

「……詳しく聞かせてちょうだい」

「あの時彼は、噂の栄誉騎士様を見物に来てたの──」

 そうして私は、アヤックスのアリバイを語り始めた。もちろん、私との関係は伏せたまま。

 知られたら絶対面倒なことになるからね。蛍たちもそんな私の真意を察してか、黙って耳を傾けてくれている。

「──というわけで、帝君暗殺犯としては完全に証拠不足。例えフォンテーヌの敏腕決闘代理人だとしても、有罪にすることは出来ないだろうね」

「そう……それで、彼は今どこにいるの?」

「秘密♡」

「ちょっと貴女。今はふざけてる場合じゃないでしょ」

 夜蘭が呆れ顔でツッコミを入れてくる。

 

 さて、ここからが勝負だ。

 

「大真面目だよ。いい? あの時あの場で、帝君が降臨する位置と時刻を把握していたのは誰?」

 

 そう問いかけると、夜蘭は剣呑な目つきで黙り込んでしまった。私が言わんとすることをすぐに察したようだ。

「……内部犯を疑っているのね。それも、七星を」

 夜蘭が呑み込んだ言葉を、凝光が引き継いだ。

「暗殺で最も重要なのは、標的が現れる正確な位置と時間。七星はその両方を知るばかりか、誘導さえできる立場。もちろん、私は凝光を信じてるよ。でもしばらくここを離れられないでしょうし、他の誰かに尋問を任せることになるでしょ? 情報漏洩の恐れがあるから、今はまだ教えられない」

「あら、それなら私がやればいいじゃない。直属の部下だし、尋問も得意よ」

「貴女に話したら絶対凝光に共有するでしょ。ダメ」

 私がピシャリと言い放つと、夜蘭は肩をすくめた。凝光も反論せず、何やら物思いに耽っている。

 

 以上が、ここに来るまでになんとかひり出した言い訳だ。

 

 ぶっちゃけこれ以上はもう思いつかない。もし食い下がられたら、大人しく愛しい弟弟子を差し出すしかない。その時は自力で脱出してもらおう。

 『見失った。まだ探してる』とでも言っておけば、こんな下手な言い訳せずに済んだんだけどね。

 それなのに何故、身柄を確保したという事実を明かしたのかというと、私なりの誠意に他ならない。凝光にはちゃんと伝わっていると信じたい。

「ファデュイか、七星か、あるいは両方か。いずれにせよ、いま璃月側の人間と『公子』を接触させるのは得策じゃない。だから、とりあえずはアビス教団の対処に専念すればいいんじゃないかな」

「お、おい。何でアビス教団なんだ? はっ! もしかして、帝君を暗殺したのはあいつらなのか!?」

 ようやくパイモンが割り込んできた。相変わらずナイスアシストだ。

「確信を持って言えるのは、帝君の加護が無くなった今、奴らはさらに攻勢を強めるだろうってこと。犯人探しに専念するためにも、今は連中を一気に殲滅するべきだと思う」

「……そうね。犯人が誰であれ、民の命を守るのが最優先よ」

 思考の海から帰還した凝光は、神妙な面持ちで蛍たちに向き直った。

「蛍さん、申鶴さん、そしてパイモンさん。ご存知の通り、璃月はかつてない危機に瀕しているわ。今こうしている間にも、無辜の民が魔物の軍勢に脅かされている。どうか、皆様の力を貸していただけないかしら」

 そう言って頭を下げてくる。すぐに蛍がアイコンタクトしてきたが、それは拒絶や迷いの類ではなく、明確な肯定の意思表示だった。

 

「分かった。どこに行けばいい?」

 

 ──ははっ! 見てて惚れ惚れするなぁ。

 義理など無く、相手を疑っていて、それでも尚この即決即断。これが生来の英雄ってやつか。

 あの凝光と夜蘭が素で驚いとるわ。

 

 

 その後、今夜の内に私たちを交えて軍略会議をすることが決まり、この場は一旦お開きとなった。腹が減っては何とやらというわけで、次なる目的地はお待ちかねの万民堂である。

「香菱のやつ、ちゃんと店にいるかな? 初めて会ったのもモンドだったし……食の探究とかで遠出してないか心配だぞ」

「さすがにこの時期はお店が忙しいんじゃないかな。申鶴は香菱のこと知ってる?」

「知らぬ。主たちの知り合いか?」

 わちゃわちゃとお喋りしつつ出口に向かう3人。一方で私はというと、踵を返して書斎へ引き返していた。

「あら、クリーヴ。まだ何か用かしら?」

 私が部屋に入るなり、普段通りの応対をする凝光。

 が、それは見せかけに過ぎない。

「用があるのはあなたの方でしょ。柄にもなくガチガチに緊張しちゃってさ」

「……そんなに分かりやすい?」

「私にとってはね」

 沈黙が訪れる。しばし見つめ合った後、彼女は観念したように長いため息を吐いた。

「6年前よりは、ずっと上手くなったつもりなのだけれど」

「実際かなり上達してるよ。でも、ポーカーフェイスのコツを教えたのは誰だっけ?」

 

「……ねぇクリーヴ、帝君は、本当に暗殺されたのかしら」

 

 独り言ちるように、不安そうに、しかし確信を持った声でそう呟く。

 

 やっぱり気づいてたか。

 流石は七星随一の頭脳を持つ女。

 

「後押しして欲しいの? 私も同じ考え(・・・・・・)よ。これで十分でしょ?」

 

 同じ考え──すなわち、『これは帝君からの譲位である』という確信。

 裏事情を全て知る私がそれを肯定するのは、鍾離先生の本意に反するかもしれない。が、運も実力の内と言う。凝光は己の能力と運という実力を以て真相に辿り着いたのだから、正当な報酬を受け取って然るべきだろう。

 加えて、ここ璃月ではかなりの原作乖離が発生している。今さら何から何まで元の展開を守ろうとしたところで、それが最善の結果になる保証はどこにもない。大事なのは自分なりの熟慮を重ねた上で、理想の未来を掴み取るべく必死に行動することだ。

 凝光がそうであるように、私もなりふり構わず動くべき時なのかもしれない。

「──ありがとう。もう迷わないわ」

「それは良かった。じゃ、私はもう行くね。そろそろパイモンのお腹と背中がくっついちゃう頃だから」

 再び踵を返し、出口へと向かう。

 『天権』の新たなる決意を祝福するかのように、金色の陽光が差し込んでいた。

 

 

  ◇

 

 

「そういえばクリーヴ、鍾離先生って奴にはいつ会えるんだ?」

「あっ」

 

 ヤバい完全に忘れてた!!

 




いやちょっとバーベロスのビジュがあまりにも良すぎないか???

思ってた以上にモナそっくりな格好も、目元の皺も、青色のアイシャドウも、夜蘭っぽい髪型も、何もかも好みどストライクなんだが???

助けてモナ、私おばばのこと好きになっちゃう……。


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