22/7 時計の時間   作:友だち

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運命の時

2021年11月

 

学校からの帰り道

 

愛守香「紡久眠そうだね」

 

紡久「ああ、バルサの試合みてたからな」

 

愛守香「なるほどねー。で、勝ったの?」

 

紡久「負けた。また負けた」

 

愛守香「そう……。大変だね」

 

そうすると、向こうの方から同じ高校生がサッカーの話を始めた。

 

高校生A「シティ強すぎな。もうで何連勝だ」

 

高校生B「もう分かんねえわ。それにしてもプレミア面白いな」

 

高校生C「ほんとそれな〜! ってバルセロナまた負けてるぜw 今度は二部からの昇格組にだってよw」

 

高校生A「まじでww メッシ抜けたら何もできねえなw もう応援してるやつなんて誰もいねえだろ」

 

紡久「……」

 

愛守香「大丈夫。あたしもイラッときたから…」

 

紡久「そうか」

 

愛守香「あ、そうだ。その件について何だけど……」

 

愛守香は一つ髪を取り出した。

 

愛守香「あたしが応援してるナナニジにね、こんなお知らせがあったんだけど……」

 

 

 

 ***

 

 

みう「みんな、卒業しちゃうんだね」

 

麗華「うん。私、ジュン、つぼみ、都、悠希の五人は12月でナナニジを卒業する。これは壁の命令じゃなくて、私たちが決めたことよ」

 

桜「寂しくなっちゃうね」

 

都「ほんとかんにんな。まさかハレンチが全員卒業なんて、ガヤがいなくなって盛り上げるの大変やと思うけど、みんなならできるって」

 

ニコル「そんなことわかってるわよ。ファンの人たちだって、寂しいのは同じよ。いつまでもうじうじしていたら、後輩たちにもその雰囲気伝染るわよ」

 

つぼみ「とかいっちゃって〜。そういうニコっちが一番落ち込んでんじゃないの?」

 

ニコル「し! してないわよ…」

 

ジュン「だいじょうぶだいじょうぶ。きっとみんなにはこれから先もたっくさん楽しいことが待ってるから」

 

みかみ「せやな。鳥さんたちもいつか巣から離れて旅立つように、ナナニジから卒業する時が来るんやなって」

 

あかね「これからのナナニジは任せてください」

 

絢香「そうそう。悪い空気が伝染しないようにいこうぜ」

 

みう(去年からずっと、ナナニジのみんなが離ればなれになっていく。11人が目の前のことに全力だったあの時に戻りたい。コロナウイルスもなく、会場にお客さんたちが一杯入っていたあの時に帰りたい……)

 

麗華「もちろんしばらくはこうして、活動は続けていくわ。ファンのみんなへの発表は相当後になっちゃうからね」

 

都「せやな。とゆーわけでゆーきもみんなに何か言ってあげなぁ……どうしたんや??」

 

悠希は俯いていた。そして何かを決心したように。ポケットから一つの紙を見せる。

 

悠希「みんな! 聞いてくれ! これに全員で参加したいんだ!」

 

つぼみ「これは……《アイドル・ワールドカップ》」

 

桜「参加資格は芸能活動を行っている二十歳以下の女性……」

 

絢香「アイドル界NO.1のサッカーチームを決める大会……」

 

悠希「これはアイドルの活動とはかけ離れたこと! だけど僕はやりたいんだ! 卒業する前にこの今のメンバーで、最高の思い出を作りたいんだ! みんな、協力してくれないか?」

 

 悠希は頭を下げた。よっぽど悩んで、強い決意のもと言ったということはすぐに分かった。

 

 メンバーは悩んだ。アイドル活動とは違う。そんなことを数日にも渡ってしていいのかということを……

 

 しかし、その中で一番最初に声を上げたのは以外な人物だった。

 

ニコル「いいわ。やってあげる」

 

悠希「ニコル! 本当にいいのか? 多分一番最初に反対されると思ってたぞ!」

 

ニコル「別に。普段アイドルに興味ない人たちに知ってもらえるチャンスだと思ってただけ。そして、そこに書いてあるわ。その大会の舞台は、東條さんの行きたい国立でしょ」

 

みう「そうだね。私は運動とか苦手だからどれだけチームに役に立てるかわからないけど私はやりたい。確かにアイドルの仕事とは言えないけど、この11人なら!」

 

みう(そう、この11人なら何でもできる……そんな気がする……)

 

 いつの間にか全員が参加する気だった。

 

麗華「そう。この11人でできる最後のときかもしれないわ。それじゃあ、かすか達にも伝えて来るわね。それと……」

 

麗華は先生の方を見た。

 

麗華「監督を連れてきてくれませんか……?」

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