22/7 時計の時間   作:友だち

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再び立ちはだかる壁

試合を終え、ベンチから撤退する。これから六番町学院に戻ろうとするナナニジの一行。

 

麗華「ある程度息が整ってきた人はマスクしときなさいよー」

 

 コロナ禍の中で行われている大会だ。感染対策をとっているとはいえ、いつどこで誰が感染するかは分からない。できる限りマスクをして、感染症に備える。

 

 そうして荷物を置いているところへ撤収しようとする。

 

桜「みうちゃんどうしたの?」

 

みう「あれは……?」

 

 みうがみたのは他のチームだ。

 

 さっきナナニジがやっていたところで同じブロックのチーム同士が対戦する。

 

 ナナニジが来たサッカーができる場所は、フルコートが二面できる大きな場所。

 

 みうが見たのは、隣のコートの次の試合に向かうメンバーたちだ。彼女たちがナナニジとすれ違う。するとそこから二人の影が近づいてきて━━。

 

ミコ「これはこれは、ナナニジの皆さんじゃないですか?」

 

都「うわ出た」

 

ミコ「出たとは何よ? 私たちシュシュだって、この大会に参加してるんだからね!」

 

悠希「ミコじゃないか。それに奈々も。お前たちもこの大会に参加してたのか!」

 

奈々「そうです。サッカーをするという時点で、一見アイドルに対して何の益もなさそうなこと大会ですが、大きな利益があるのです」

 

ニコル「大きな利益って何よ? まさか、ライブがどこかでやらせてもらえるみたいな━━?」

 

奈々「いえ。簡単なこと。それはお金です」

 

麗華「お金? つまり賞金のこと?」

 

奈々「はい。この大会は勝ち上がる毎に賞金が増えていきます。グループステージ敗退、突破、4位、3位、2位、優勝の順番となっています。そもそもあなた達は知らなかったんですか?」

 

あかね「聞いていませんでしたね。何かしらの利益を各グループに提示しないとならない大会だとは思っていましたが。まあその情報を教えなかったのは……」

 

絢香「ま、先生だな。私たちがサッカーに集中できるようわざと言わなかったと見るべきか」

 

ジュン「ところで、シュシュって人数的に参加無理じゃないの?」

 

ミコ「ああ、その件ね。私たちは三人しかいないから、他のチームと組むことにしたの」

 

つぼみ「へー。そんなこともできるんだ」

 

ミコはジュンにささやくように告げた

 

ミコ「こっちから提案したんだけど、飛びつくように契約してくれたときにはちょーラッキーって思ったよ」

 

ジュン「ぐぬぬ。やっぱりシュシュのブラ、ブラ、えっと━━」

 

あかね「ブランドですね」

 

ジュン「それだ!」

 

ニコル「シュシュは国民の殆どが聞いたことがあるようなグループよ。そんなところと共同するんだからその分あちら側も知名度も増えるって踏んだんでしょ」

 

みかみ「なるほどな〜〜。あっちの運営さんも大変やな〜〜」

 

都「ちなみに━━。優勝したときの賞金ってどれくらいなんや?」

 

奈々「優勝したら、一億円と伺っています」

 

都「は、はああああああ」

 

麗華「い、一億円ですって?」

 

みう「す、凄い額━━━━」

 

 と、家が経済状況が芳しくない家で生まれた三人が反応する。

 

麗華「そもそも、大会に賞金を入れて参加を促すかって、」

 

ニコル「甘いわね」

 

麗華「ニコル━━」

 

ニコル「アイドルもサッカーもビジネスの一つよ。お金が動いて当たり前。そんな世界を私たちは戦っているの。ま、一億円じゃあ、ちょっと高すぎるとは思うけどね」

 

ミコ「そういうこと。この世界は利益を取り合う世界ってわけ」

 

奈々「実際私たちが協力したグループには、とてもサッカーに詳しい監督と、サッカー経験者が数人いましたからね」

 

紡久「なあ、少し聞きたいことがあるんだが━━」

 

そこに紡久が乱入してきた。

 

ミコ「うわびっくりしたぁ」

 

奈々「何でしょうか?」

 

紡久「その大会の賞金はどこから貰ったんだ。こんな大掛かりな大会をするからにはどっかから大きなお金が降りてきてるはずだ」

 

奈々「ああ、そのことですか? 噂では海外のサッカークラブが少しづつお金を出しあってサッカーの逸材を探している、なんてものを聞きました」

 

紡久「そこはとこだ?」

 

奈々「さあ? 私からは何も?」

 

紡久「ああ、済まなかった」

 

桜「でもサッカー選手逸材を探しているんだって? 悠希ちゃんならなれるんじゃない?」

 

ミコ「そういえば、男子に紛れて全中ベスト8だったっけ? よくやるじゃないの? ま、私たちの薫子さんには敵わないけどね」

 

都「いやいや、いくらそっちのセンターがすごくても、流石にゆーきには勝てへんやろ」

 

奈々「いえ。そんなことはありません。薫子さんはあなた達チームのエースに負けない力を持ってますよ」

 

ミコ「それじゃあ。私たちは試合があるから失礼するね〜〜」

 

そう言って立ち去ろうとする二人。

 

みう「そういえば、薫子さんは……」

 

ミコ「そういえばいないような……」

 

すると後ろから来た強力しているグループの一人が、「薫子さんならさっきトイレにいくって……。」

 

するとシュシュの二人の顔が青ざめ始める。

 

奈々「まずいですね……」

 

ミコ「まずいよね……」

 

 常識はずれの方向オンチである薫子。二人はどうにか試合開始前に薫子を見つけようとしていた。

 

みう「私、手伝うよ」

 

桜「み、みうちゃん?」

 

絢香「全く、クリステルはお人好しだな」

 

ニコル「私も行くわ。試合に出てないし、後輩たちも丸ノ内さんと接点がないしで私たち二人が適任ね。飛口さんそれでいい?」

 

紡久「いいぞ。行ってこい」

 

そういうや、四人はこの場を立ち去った。

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